アルカサル庭園でのコンサートシリーズも終盤。
8月30日は昨年、ラ・ウニオン、カンテ・デ・ラス・ミーナスのコンクール、楽器部門で優勝したフルート奏者ララ・ウォングが登場。フルートと、インドの竹笛、バーンスリーでの演奏。
ジャズっぽい、ホルへ・パルドぽいブレリアのソロに始まり、バーンスリーに持ち替えてアレグリアス。目の前に海が広がっていくようなイメージ。伝統的なメロディも登場するのだけど、ただそれをなぞるのではなく、オリジナルのアクセントをつけていくのがいい。それがわざとらしくなく自然なのがいい。歌の呼吸なんだけど、歌をそのまま演奏しているんじゃないのもいい。アレグリアスの枠からジャンプしてまた戻ってくる感じ。
3曲目はサティのグノシエンヌで始まったかと思うとダンサモーラへと進むと言う意外性のある曲。セビジャーナス、そして5曲目のカンテ・デ・レバンテの時に、雨がポツポツ降り出して、ここまでで終了となったのでありました。残念。
ギターのメロン・ヒメネス、パーカッションのセルヒオ・マルティネスとのトリオもすごくいい和、いいエネルギーに包まれている感じ。リラックスして伸び伸びとしている。
©︎Actidia |
ララは奏者としてのテクニックはもちろん、作曲家としてのセンスがいい。フラメンコの決まりの中で独自のメロディを作っているわけなのだけど、オリジナルの要素と伝統の混ぜ具合というか、そのバランスがいいのだ。フラメンコを“利用”しているのではなく、フラメンコを好きだから敬意をはらってフラメンコで“表現”している。リズムといい、間合いといい、文句のつけようがない。あえていうなら整いすぎている、洗練されすぎている、と思う人がいるかもしれない、というところだろうか。
音楽としてのフラメンコが好きな人に超絶おすすめの極上ミュージックでございます。
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ララは1990年、中国人の父と日本人の母の元、バンクーバーで生まれたアジア系カナダ人。幼い時からピアノを学び、グラナドスの曲からフラメンコにも興味を持ち、舞踊を習ったそう。モントリオールのマギル大学音楽院でクラシックとジャズのフルートを学び、卒業後の2014年セビージャに留学し、へーレン財団学校でカンテを2年学んだそう。なので日本人の知り合い、友人も多く、中でもギターの菅沼聖隆とはデュオでライブをし、彼女のアルバムにも参加している仲。
日本でもライブあるといいね。
去年のウニオンの決勝でのアレグリアス、おいておくね。
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