2013年10月31日木曜日

コルドバのコンクールの審査員

コルドバのコンクール、
日本人は3人が参加するようですが
その審査員が発表されました。

カンテ部門はフォスフォリート、マイテ・マルティン、エル・ペレ。
バイレ部門はホセ・アントニオ、メルチェ・エスメラルダ、ハビエル・バロン、
ギター部門はマノロ・サンルーカル、セラニート、マノロ・フランコ。
いずれもばりばりのプロなので
彼らに観てもらえるだけでも幸せですね。
なおこれにコルドバ市助役が加わります。

12日から16日が予選、
23日から26日が決勝です。

2013年10月30日水曜日

ラ・カピターナ カルメン・アマジャに捧げる

バルセロナのカタルーニャ国立劇場で
カルメン・アマジャへのオマージュ
「ラ・カピターナ」が11月10日まで公演中。

カルメン・アマジャの生誕百周年、没後50周年にあたる今年は
カタルーニャ州が
カルメン・アマジャ年と定め、
写真展等が行われている。
この公演もその一環で
第1部はコンテンポラリー舞踊家で
クリスティーナ・オヨスやベレン・マジャらとも仕事をしている
ラモン・オジェールの振付で
ラ・タニ・フラメンコ教室や
バルセロナ・カスタネット合唱団らが出演し
カルメンのスペイン、南米、北米での人生を描き、
第2部はロシオ・モリーナがエドゥアルド・トラシエラの伴奏で踊る。
第3部は1986年に発表されたカルメンへのオマージュ曲。
第4部はマイテ・マルティンのよるカルメンへの短い組曲。
伴奏はフアン・ラモン・カロ。
そして最後はバルセロナ生まれの舞踊家、
ヘスース・カルモナ

公演詳細、及び切符購入はこちらから







2013年10月25日金曜日

マノロ・エスコバル死す

スペイン歌謡の歌手マノロ・エスコバルが
10月25日スペイン、ベニドルムの自宅で亡くなった。
82歳だった。

1931年アルメリア県エル・エヒド生まれ。
14際でバルセロナに移り
ほかに仕事が無かったので歌い始めたのだという。

50年代には大きなホールで公演をするようになり
60〜70年代にはスペインを代表する国民的歌手となった。
スペイン版三波春夫といったところか。

スペイン歌謡の歌手だが下のルンバなど
フラメンコで歌われることも多い。


癌をわずらったものの最後まで舞台に立ち続け
来年の公演予定もあったという。
合掌

2013年10月24日木曜日

第20回エクサルタシオン・デ・ラ・ブレリア

ヘレスのペーニャ、ラ・ブレリアで
モライート記念のフラメンコ公演が行われる。



★第20回エクサルタシオン・デ・ラ・ブレリア
11/2(土)
[出]〈c〉アントニオ・アグヘータ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ
11/8(金)
[出]〈c〉ニーニョ・デ・ラ・フラグア、〈g〉パスクアル・デ・ロルカ
11/15(金)
[出]〈c〉ホセ・メンデス、〈g〉バルジート
11/22(金)
[出]〈g〉ディエゴ・デル・モラオ、〈c〉フアナ・ラ・デル・ピパ、フェルナンド・デ・ラ・モレーナ、マカニータ、ルイス・エル・サンボ
12/6(金)
サンボンバ
[場]カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ ペーニャ・ラ・ブレリア
[問]www.jerez.es  http://www.labuleriajerez.com

2013年10月21日月曜日

第2回フラメンコ国際会議 国際会議

11月14日から16日までの3日間、
コルドバで第2回フラメンコ国際会議が開かれます。
会場はコルドバのパラシオ・デ・コングレソ、
メスキータの隣にたつ重厚な建物で、
7月のギター祭のときにはギターのクルシージョの会場にもなります。

これはフラメンコの研究に関する会議ではなく
フラメンコを文化産業としてみて
その市場や状況などについてマネージャーやジャーナリストなどが
様々な意見を交換する場ということですが
最終日にはアーティストたちによる円卓会議や公演もあるそうな。

なお日本からは小松原庸子さんが
初日のフェスティバルに関するものと
最終日の世界におけるフラメンコのテーマで参加されます。

詳細はこちらから。


なおこれにさきがけ、
11月11日から13日までは教育とフラメンコについての会議も開催され
フラメンコ教育や教育におけるフラメンコなどについて話されます。



2013年10月19日土曜日

エバ・ジェルバブエナenセビージャ


今度の月曜日
エバ・ジェルバブエナがセビージャで踊ります。

アントニオ・マチャード財団のがん協会資金集め。

回ジュはフエベス・フラメンコでおなじみの
カハソル文化センター、サラ・ホアキン・トゥリーナ

前売りはこちらから
劇場窓口でも購入可能です。

それにしてもこのポスターの写真。
すごくエバらしいと思いませんか?


2013年10月18日金曜日

トロニオ フラメンコの夜


トリアーナの中心アルトサーノ広場から
プレサ通りに入ってすぐの店、トロニオ。
開店は夜10時すぎ。
12時近くにセビジャーナスやフラメンコのライブがあるバー。
そのオーナーはマヌエラ・カラスコ、ホアキン・アマドール夫妻。
ふだんは娘婿や姪たちが仕切っている。
週末には人気歌手も出演したりするこの店で
明日19日フラメンコの夜と題したライブが。
スーシをはじめ、娘サマラ、
タナの母エルミニアなど豪華メンバー出演なのに入場無料。

実はマヌエラの誕生日のお祝いらしい。

カサ・パタス財団のフラメンコ公演


 マドリードのレストラン/バル、タブラオ、カサ・パタス。
その上に財団経営のフラメンコ学校がある。
その中の小さいホールでのフラメンコ公演シリーズ。
歌をじっくり聴きたい人におすすめ。


★カサ・パタス財団「フラメンコ・ポル・デレチョ」
※開演はすべて22時30分
11/8(金)
[出]〈c〉へスース・メンデス、〈g〉マヌエル・バレンシア
11/9(土)
[出]〈c〉ラ・マカニータ、〈g〉マヌエル・バレンシア
11/15(金)
[出]〈c、g〉リカルド・フェルナンデス
11/16(土)
[出]〈c〉ディエゴ・クラベル、〈g〉パコ・コルテス
11/22(金)
[出]〈c〉パコ・デル・ポソ、〈g〉アントニオ・カリオン
11/23(土)
[出]〈c〉マリアーナ・デ・カディス、〈g〉アントニオ・カリオン
11/29(金)
[出]〈g〉ミゲル・オチャンド、〈c〉アリシア・モラーレス
11/30(土)
[出]〈c〉ミゲル・ラビ、〈g〉マヌエル・パリージャ
[場]マドリード カサ・パタス財団 サラ・ガルシア・ロルカ
[料]15〜20ユーロ
[問]http://www.conservatorioflamenco.org/

2013年10月17日木曜日

ファルキートenムルシア

ファルキートのムルシア公演が
ムルシアのオーディトリアムで行われる。

11/29(金)21時30分「デジャヴ」
[出]〈b〉ファルキート
[場]ムルシア アウディトリオ・イ・セントロ・デ・コングレソス・ビクトル・ビジェガス
[料]15〜25ユーロ
[問]http://www.auditoriomurcia.org/
前売りhttp://www.ticktackticket.com/


なおこのほかにも同オーディトリアムでは
このほかにもムルシア舞踊団、アントニオ・ガデス舞踊団の公演が予定されている。

3/1(土)20時「フラメンコ版ロミオとジュリエット」
[出]〈b〉ムルシア舞踊団
[場]ムルシア アウディトリオ・イ・セントロ・デ・コングレソス・ビクトル・ビジェガス
[料]15〜22ユーロ
6/7(土)20時「ランゴ」「フラメンコ組曲II」
[出]〈b〉アントニオ・ガデス舞踊団
[料]18〜27ユーロ
[問]http://www.auditoriomurcia.org/

2013年10月16日水曜日

カタルーニャ・アルテ・フラメンコ

 カタルーニャ・アルテ・フラメンコ祭が今年も開催される。
4年目の今年もアルカンヘル、ホセ・メルセなど実力派歌い手たちが登場する。


★カタルーニャ・アルテ・フラメンコ
10/19(土)21時
[出]〈c〉アルカンヘル
[場]サンタ・コロマ・デ・グラマネ ジョセップ・マリア・デ・サガラ劇場
10/26(土)
[出]〈c〉ホセ・メルセ
[場]オスピタレ・デ・ジョブレガ ジョベントゥ劇場
11/15(金)21時
[出]〈c〉ドゥケンデ
[場]オスピタレ・デ・ジョブレガ ジョベントゥ劇場
11/15(金)21時
[出]〈c〉アルバ・カルモナ
[場]サン・クガ・デル・バジェ テアトロ・アウディトリ
11/15(金)21時
[出]〈c〉エル・トルタ
[場]サンタ・コロマ・デ・グラマネ アウディトリオ・カン・ロイグ・イ・トーレス
11/29(金)21時
[出]〈c〉ダビ・パロマール
[場]サンタ・コロマ・デ・グラマネ アウディトリオ・カン・ロイグ・イ・トーレス
[問]http://www.catalunyaarteflamenco.com

2013年10月14日月曜日

ヘレスのギターコンクール

10月12日ヘレスのサラ・コンパニアで開催された
ヘレスのペーニャ セルニカロスが主催する
第3回青少年ギターコンクールで
地元ヘレスのギタリスト、クーロ・モントージャが優勝した。
2位は16歳になったばかりのアブラハム・ロホ、3位はグラナダのエル・ポティ。

クーロ・モントージャは23歳。
15歳からギターを弾き始めたという。

2005年より8年振りで開催されたこのコンクール、
なお審査員はディエゴ・デ・モラオ。アントニオ・レイ、
ニーニョ・ヘロ、ペペ・モレーノ、ペペ・マテオス。

優勝商品はバレリアーノ・ベルナルの3500ユーロ相当のギター。

2013年10月11日金曜日

イスラエル・ガルバンのクルシージョenセビージャ

 いよいよ東京では
最先端のフラメンコを堪能できる
フラメンコ・フェスティバルが開催されますが
そこに出演するイスラエル・ガルバンのクルシージョが
12月、セビージャで開催されます。

12月16日から20日までの1週間、
イスラエル・ガルバンのクルシージョがセビージャで開催されます。
プロレベルの人対称で
朝10時から13時半まで
トリアーナのマヌエル・ベタンソスのスタジオで開かれます。
テクニックと振付けで、曲はタンゴ・デ・マラガ。
10月中に支払うか、12月の他のクラスとくみあわされると割引もあるとか。

問い合わせは
info@manuelbetanzos.com
電話954340519まで


2013年10月10日木曜日

追悼 本間三郎さん

本間三郎さんが亡くなったという知らせは
スペインにも届きました。

この写真はその昔、1966年
長嶺やすこさんたちと全国ツアーをしたときのもの。
トラへコルトに身を固め、
ガデスもかくやという男ぶり。

1962年にスペイン留学された本間さんは
日本のフラメンコの黎明期を支えた方でした。

昔の話、いろいろきいてみたかったです。

2013年10月9日水曜日

カハソル フエベス・フラメンコ

今年も10月10日より、木曜恒例、フエベス・フラメンコが始まります。
トップバッターは、昨年のビエナル開幕公演で歌ったソレアが大評判だったエル・ペレ。その後、グラナダのイバン・バルガス、エストレマドゥーラのグアディアナとペドロ・シンタと続きます。ギターではへレスのボリータがソロこう。踊りも他にパストーラー・ガルバン、ピラール・アストラがありますよ。
★カハソル フエベス・フラメンコ
10/10(木)21時
[出]〈c〉エル・ペレ、〈g〉マヌエル・シルベリア、〈b〉エル・グイト
10/17(木)21時「ジャズ・ザ・モメント・イ・フラメンコ・フラメンコ」
[出]トニョ・クインテット、〈g〉ヘラルド・ヌーニェス・トリオ
10/24(木)21時「ジョ・ミスモ」
[出]〈b〉イバン・バルガス、〈c〉マヌエル・タニェ、エル・ガジ、モイ・デ・モロン、〈g〉フアン・カンパージョ、〈perc〉ホセ・カラスコ、〈violin〉ダビ・モレイラ
10/31(木)21時「デ・エストレマドゥーラ・ベンゴ」
[出]〈c〉グアディアナ、ペドロ・シンタス
11/7(木)21時「フルジェ」
[出]〈g〉エル・ボリータ、〈perc〉アントニオ・コロネル、パキート・ゴンサレス
11/21(木)21時「デズデ・アルマ・アスタ・ラ・ボカ」
[出]〈c〉ロシオ・バサン、〈g〉マヌエル・エレーラ、〈b〉ダビ・ペレス、〈perc〉ラウル・ボテージャ
11/28(木)21時「パストーラ・バイラ・エン・セビージャ」
[出]〈b〉パストーラ・ガルバン
12/5(木)21時「ポリバレンテス」
[出]〈c,g, b〉フアン・ホセ・アマドール、ラモン・アマドール、ペペ・トーレス
12/12(木)21時「ミ・トリブゥート・ア・ミゲル・モリーナ」
[出]〈b〉ピラール・アストラ、ベアトリス・サンティアゴ、フアン・マルティン、アベル・アラナ、〈c〉クリスティーナ・ロドリゲス、アントニオ・サンティアゴ、〈g〉フアン・カルロス・ベルランガ
[場]セビージャ カハソル文化センター ホアキン・トゥリナ・ホール
[料]12~18ユーロ
[問]www.cajasol.com 前売りwww.ticktackticket.com 電話901214848

2013年10月8日火曜日

チャティに捧げる




パケーラの姪で早世したマヌエラア・メンデス、ラ・チャティに捧げるフラメンコ公演が
11月1日、ヘレスのビジャマルタ劇場で開催される。
開演は20時30分。
出演者はポスターの通り、
パンセキートやアウロラ・バルガスにはじまり、
マカニータ、フアナ・ラ・デル・ピパ、
マヌエル・モネオ、ディエゴ・カラスコ、
トルタ、エンリケ・ソト、カプージョらヘレスの面々の名が並び
踊りにもパスト・ラ・ガルバン、メルセデス・ルイス、
ホアキン・グリロ、アンドレス・ペーニャ、アントニオ・エル・ピパら
超豪華な顔ぶれが並ぶ。

オメナへでは名前だけ出して実際には来ない場合も多いにあるが
そうでもしなくては永遠に終わらなさそうな。。。

必ず出演するだろう存在がへスース・メンデス。
彼の奥さんの母であるチャティ

その冥福を祈っての
ものすごいブレリアがきけそうな
そんな予感

2013年10月7日月曜日

第22回スペイン舞踊と振付けコンクール

今年もマドリードで12月に
プロも参加するレベルの高いコンクールで、
昨年は
ホセ・ガランやバネッサ・コロマなども参加。
スペイン国立バレエ団のソリスト、
エドゥアルド・マルティネスが優勝した。

参加申し込み締め切りは11月11日。
今年発表した、もしくは未発表の作品で
 YouTube Vimeoなどネットに上げたものをみて予選が行われ
マドリードのドゥーケ劇場で
12月18〜21日まで行われる準決勝、決勝へ。

申し込み要項はこちら

2013年10月6日日曜日

アンドレス・ペーニャ

1976年ヘレス生まれ。
アンヘリータ・ゴメスに学んだ踊り手アンドレス・ペーニャ。
カルメン・コルテスやエバ・ジェルバブエナの舞踊団で活躍し
2000年ビエナルの青少年コンクールで優勝。
2004年にはヘレスのフェスティバルでソロ公演を行うなど
順調にキャリアを積んできた。
ここ数年は奥方の踊り手ピラール・オガージャとの舞台活動などのほか
セビージャでの教授活動、
日本でもクルシージョを行うなどファンにはおなじみの存在。
今回は久々の独り舞台。

細長い絨緞で舞台を囲み
ヘスース・ゲレーロのギターでのファルーカにはじまり、
マルティネーテへ。
サックスと裸足でからむかと思えば
ジャズから「アイガットリズム」をタップダンス風の振りで。
面白い試みではある。
でも彼の真価はそのあとのソレアやブレリア、アレグリアスに。
とくにブレリアがいい。
ファルーカでみせた舞踊的な回転は軸がずれるというか、
回りながら移動してしまう感じで
ちょっとはらはらさせるのだが
ブレリアの回転は粋で味がある。

おそらくバレエなどを学ばず、フラメンコだけできたからだろう。
ヘレスでみんながおどっているかたちを発展させたような、
その正確のよさがまっすぐでたような
アンドレスの踊りにひかれる人が多いのもわかる気がする。
フラメンコ的なデテールがいっぱいつまってるものね。

2013年10月5日土曜日

へスース・メンデス

たくさんの人が待っていた。
新しい才能を。カンテの新星を。
へスースがそこに現れた。

カンテの故郷へレスの生まれ。
父はパケーラの従兄弟という血筋の良さ。
背も高くがっしりとした美丈夫で性格もすこぶる良い。
パケーラゆかりの声量と音程の良さ、フラメンコ性を兼ね備え、
とくればこりゃ、客席の熱狂も当然。

パケーラ・スタイルで立って歌い始めたティエントに始まり、
アレグリアス、ソレア・ポル・ブレリア・・・
歌い継いでいく彼に客席から盛んにオレ!の声がかかる。

ゲストのトルタとのデュオ。
トルタのかすれ 気味の、でもムイ・フラメンコな声に
声量で圧倒するヘスースの歌声が重なる。

シギリージャ
ファンダンゴ
そして最後はブレリア

ブレリアはやはり絶品。
最後はトルタも登場、パルメーロたちも踊り
新しいスターの誕生を祝う。



2013年10月4日金曜日

ウルスラ・ロペス「 オトラ・ピエル」

アンダルシア舞踊団を経てスペイン国立バレエ団で活躍したウルスラが、やはり国立バレエ出身の妹タマラ、その夫クリスティアン・ロサノ、そしてエドゥアルド・ゲレーロという踊り手たちと繰り広げるフラメンコとコンテンポラリーなスペイン舞踊の作品。4人の踊り手たちの素晴らしい才能なしにはありえない。
昨年のビエナル初演とはマリアーノ・ベルナルがエドゥアルドに代わり、歌い手たちも変わったけれど、基本の構成などは同じと言う。(私はビエナルではみていない)

黒い衣装を脱ぎ捨てて赤い衣装に着替えて踊るウルスラのアレグリアスも最後のエドゥとの絡みが美しく愛に溢れて素敵だったが、特筆すべきはクリスティアン・ロサノが生ギターで踊ったアストゥリアス!
クラシコというと形優先でクラシックバレエのようなイメージもあるが、この「アストゥリアス」には人間味あふれる感情表現があり、ある意味フラメンコ的。クラシコとしては画期的とも言えるものではなかろうか。形のうつくしさを失うことなくというのも鍵。
作品として見た場合、セビージャしっかりした体格の彼と細身のエドゥ の対比も良かった。

フラメンコ曲で踊られる、フラメンコやスペイン舞踊のテクニックも使ったコンテンポラリー、もしくはコンテンポラリー的なスペイン舞踊はみるべきものもあるが、繰り返しも多くもっとシェイプアップできそう。
とはいうものの素晴らしい踊り手たちのおかげで(タマラのアラベスクの美しいこと!)充実した舞台だった。


2013年10月3日木曜日

マリア・ラ・セラーナ「レスピロ・フラメンコ」

レバノン生まれでオランダで養子として育ったマリアが
エル・チョロらスペインのフラメンコたちと共演の舞台。

最初にプレゼンテーションで全員がポーズし
順につくスポットで少しみせ
最初はメルセデス・デ・コルドバのタラント。
エバ・ジェルブエナ舞踊団生え抜きの彼女、
今年等・ウニオンのコンクールで準優勝した実力者。
コンクールでも踊った曲目タラントだが、
目線、表情、首のかしげ方などそのに生い立つような色気が特徴的。
エバのスタイルももちろん感じるがそれだけではないなにかもある。

続くエル・チョロ。
ウエルバ出身でセビージャで活躍するこの男性ダンサー、
床に穴があくのではないかというほど迫力のあるサパテアードで
キレのいいアレグリアスをみせた。

3人目に登場したのがこの日の主役マリア・ラ・セラーナ。
ソレアを踊る。
外国人としてはなかなかのもの、といっては失礼だろうが
はっきりいってそれ以上でもそれ以下でもない。
フラメンコが、それもファルーカやファラオナ、
コンチャ・バルガスやアンヘリータ・バルガス的なものが
好きなのはじゅうぶん伝わってくる。
でも身体の芯がしっかりしておらず
おそらく背筋が弱いのだろう、
常に前屈み、目線は下なのが残念。
胸を開くともっとフラメンカにみえるだろう。
それでも本当に楽しそうに踊っていたのが印象に残る。

4番目は次回のエル・フラメンコのグループリーダーだというダビ・ペレス。
バストンのシギリージャ。
過去に共演したハビエル・バロンやミステーラの影がみえてくる。

最後はカルメン・レデスマ。
ほとんど動かずに腕の動きだけでみせたり、と、
テクニック的には一見簡単そうな、シンプルな振付けが印象的。
でもこれで味わいを出すのは至難の業だ。

5人5色でタンゴを踊って幕を閉じた。
何の演出もないシンプルな舞台もいいものだ。

アンダルシア・フラメンコ舞踊団オーディション

ラファエラ・カラスコが新監督に決定した
アンダルシア・フラメンコ舞踊団。
その団員オーディションが
10月15〜17日セビージャで行われる。
対象は18〜35歳の男女で
オーディションでは一次がフラメンコのテクニック、振付け
これによって選ばれた者が
二次に進み、3分の振付けに挑む。

申し込み書など詳細はこちらで。
なお受験条件に国籍についてはとくに書かれていない。
スペイン国立バレエ団も昔はスペイン国籍限定だったが
現在は違法ではなく滞在している外国人にも門戸を開いているので
ひょっとすると?であります。

なお作品「コンクルソ・デ・カンテ・ホンド1922(グラナダ)」は
1月17日コルドバのグラン・テアトロで初演予定です。

2013年10月2日水曜日

アナ・モラーレス「レシクラルテ」

セビージャのセントラル劇場での
第1回フラメンコ見本市。
10月1日はアナ・モラーレス「レシクラルテ」

タイトルこそ昨年のビエナルでの彼女の公演といっしょだが、
ヘスース・ゲレーロの音楽とデザイン学校による独特な衣装のほかは
ミラグロス・メンヒバルや
ラファエル・エステベス&バレリアノ・パーニョスの協力で生まれ変わったのだという。

人形のように静止したアナに男/現代舞踊ダンサーが形をつくっていく。
視線も一定のところにおき微動だにしないアナ。
見事に人形になり切っている。
やがて動きだしバタ・デ・コーラでのソレア。
バタのコントロールも完璧。素晴らしい。
繊細で美しい表現。

男装でのマルティネーテのサパテアードも明確。

ロンドロとエミリオ・フロリドの歌に彩られた
ヘスース・ゲレーロのギターも美しい。
洗練された上品なフラメンコの舞台は
最後再び彼女が人形に戻って終わる。

途中の現代舞踊ダンサーによるトリージャは唐突。
もう少しコンテンポラリーとフラメンコがうまくかみあえばもっとよくなるだろう。

バルセロナ出身だがアンダルシア舞踊団を経て
セビージャに腰を落ち着けたアナ。
そのしっかりしたテクニックと表現は素晴らしい。
すでに完成された感もあるが
この型をこわしてもう一歩階段を上がるような気も。