2016年3月31日木曜日
ヘレスのペーニャ、セルニカロスでのコンサート
ヘレスの老舗ペーニャ、ロス・セルニカロスの春のコンサートシリーズ。
今年は「 そのキャリアとフラメンコへの貢献でアルバロ・アギラールに捧げる」、すなわちアギラール・デ・ヘレスに捧げるものとなっている。出演は以下の通り。
入場は招待券制とのこと
◆第25回ノチェス・デ・ラ・プラスエラ“アルバロ・アギラールに捧げる”
4/2(土)22時
[出]〈c〉ダビ・ラゴス、〈g〉アルフレド・ラゴス
4/8(金)22時
[出]〈c〉マリア・ホセ・ペレス、〈g〉ドミンゴ・ルビチ
4/16(土)22時
[出]〈c〉アントニオ・レジェス、〈g〉ディエゴ・デル・モラオ
[場]カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ ペーニャ・ロス・セルニカロス
[問]www.facebook.com/loscernicalos
なお、2日の第2部は、ロンドロ、メルチョーラ、ダビ・カルピオ、踊りにアンドレス・ペーニャやドミンゴ・オルテガら豪華ゲストも加わった舞台となる。
2016年3月30日水曜日
ヘレスのフェスティバル批評家賞はマヌエル・リニャン
2016年3月29日火曜日
ガデス舞踊団バルセロナ公演
この秋、待望の来日公演を行うアントニオ・ガデス舞踊団。
ガデスその人なきあと、長年相手役をつとめたステラ・アラウソを監督として今も、ガデスの名作の数々を上演し続けているこの舞踊団のバルセロナ公演が今週末よりバルセロナのビクトリア劇場でほぼ一ヶ月に渡って公演する。
◆アントニオ・ガデス舞踊団
3/30(水)〜4/10(日)「カルメン」21時。土曜は18時30分と21時、日19時、月火休み
4/13(水)〜24(日)「フエンテオベフーナ」21時。土曜は18時30分と21時、日19時、月火休み
[出]〈b〉アントニオ・ガデス舞踊団
[場]バルセロナ ビクトリア劇場
[料]26〜38ユーロ
[問]http://www.teatrevictoria.com/es/
ガデスその人なきあと、長年相手役をつとめたステラ・アラウソを監督として今も、ガデスの名作の数々を上演し続けているこの舞踊団のバルセロナ公演が今週末よりバルセロナのビクトリア劇場でほぼ一ヶ月に渡って公演する。
◆アントニオ・ガデス舞踊団
3/30(水)〜4/10(日)「カルメン」21時。土曜は18時30分と21時、日19時、月火休み
4/13(水)〜24(日)「フエンテオベフーナ」21時。土曜は18時30分と21時、日19時、月火休み
[出]〈b〉アントニオ・ガデス舞踊団
[場]バルセロナ ビクトリア劇場
[料]26〜38ユーロ
[問]http://www.teatrevictoria.com/es/
2016年3月28日月曜日
ファルキート セビージャ公演
セマナ・サンタあけの今週、ファルキートの公演がセビージャで。
小さい劇場ならではの臨場感で満喫したい。
◆ファルキート
3/31(木)、4/1(金)、2(土)21時
[出]〈b〉ファルキート
[場]セビージャ テアトロ・キンテーロ
[料]25ユーロ
[問]http://www.teatroquintero.com/
2016年3月10日木曜日
ヘレスのフェスティバル伴唱賞はアントニオ・デ・ラ・マレーナ
ヘレスのペーニャ協会が選出する、ヘレスのフェスティバルの伴唱賞は、マリア・デル・マル・モレーノの公演に出演したアントニオ・デ・ラ・マレーナに決定した。
なぜかこの賞はミゲル・ラビ、ダビ・ラゴス、ロンドロらヘレスの歌い手が受賞するのだけど、本当は今年一番すごかったのは、フアン・ホセ・アマドールではないかと私は思うのであります。
いいけどね。
なお、来年のヘレスのフェスティバルは二月24日から3月11日だそうです。
予定くまなきゃ、ですね。
なぜかこの賞はミゲル・ラビ、ダビ・ラゴス、ロンドロらヘレスの歌い手が受賞するのだけど、本当は今年一番すごかったのは、フアン・ホセ・アマドールではないかと私は思うのであります。
いいけどね。
なお、来年のヘレスのフェスティバルは二月24日から3月11日だそうです。
予定くまなきゃ、ですね。
2016年3月9日水曜日
ヘレスのフェスティバル観客賞はアンドレス・ペーニャに
ヘレスのフェスティバル、観客賞がアンドレス・ペーニャとピラール・オガージャの「デ・セピア・イ・オロ」に決定した。
この賞は地元の新聞社ディアリオ・デ・ヘレスが主催し、劇場を訪れた観客の投票で決定するもノで、今年が15回目。ヘレスのフェスティバルでビジャマルタ劇場を訪れた人なら、入場の際にもらうアンケート用紙を覚えていることだろう。
このアンケートで9.57と高い平均得点をみごと賞を獲得した。なお、アンドレスは2014年についで2度目の受賞となるが、そのときは彼一人の公演だったので妻ピラールにとっては初受賞となる。
おめでとう!
この賞は地元の新聞社ディアリオ・デ・ヘレスが主催し、劇場を訪れた観客の投票で決定するもノで、今年が15回目。ヘレスのフェスティバルでビジャマルタ劇場を訪れた人なら、入場の際にもらうアンケート用紙を覚えていることだろう。
このアンケートで9.57と高い平均得点をみごと賞を獲得した。なお、アンドレスは2014年についで2度目の受賞となるが、そのときは彼一人の公演だったので妻ピラールにとっては初受賞となる。
おめでとう!
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
2016年3月6日日曜日
ヘレスのフェスティバル最終日/カルメン・コルテス「ラ・ヒタニージャ」
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
スペイン舞踊やコンテンポラリー的な要素もいれていたが、物語が万人にわかったかどうかは謎。
色彩や照明は演劇的で美しい。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
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2016年3月5日土曜日
ヘレスのフェスティバル15日目/マリア・デル・マル・モレーノ
ご当地アルティスタ、マリア・デル・マル・モレーノ。
アントニオ・デ・マレーナとともに「ヘレス・プーロ・エセンシア」
マカニータ、エンリケ・エル・サンボなどヘレスのアルティスタが多数出演。
マリア・デル・マルの舞踊はワンパターンで訴えてくるものがない。
ヘレスの男たちのブレリアのパタイータの数々と、エセキエル・ベニテスのマラゲーニャ、
マカニータの熱唱のみが印象に残る。
やはりゲスト出演した、彼女の師、アンヘリータ・ゴメスの踊りをみていて思ったのは、彼女の踊りはアントニオ・エル・ピパ同様、その師の踊りをなぞっているだけで、それ以上のものはまったくないということ。
師をなぞっている限り、師を超えることはできない。
アントニオ・デ・マレーナとともに「ヘレス・プーロ・エセンシア」
Javier Fego para Festival de Jerez |
マリア・デル・マルの舞踊はワンパターンで訴えてくるものがない。
ヘレスの男たちのブレリアのパタイータの数々と、エセキエル・ベニテスのマラゲーニャ、
Javier Fego para Festival de Jerez |
Javier Fego para Festival de Jerez |
師をなぞっている限り、師を超えることはできない。
Javier Fego para Festival de Jerez |
2016年3月4日金曜日
ヘレスのフェスティバル14日目/サンティアゴ・ララ「パット・メセニー/トリビュート」エステベス&パーニョス「バイラブレス」
19時からはサラ・パウルで、サンティアゴ・ララのパット・メセニーへのトリビュート・アルバムの発表記念コンサート。
パット・メセニーの難曲をフラメンコのテクニックできかせます。
変にフラメンコに寄せすぎず、かといってジャズにさすりよって行くのでもない、
フラメンコ・ギタリストがメセニー弾いている、という感じが心地よい。
バックのピアノ、ドラム、ベースもジャズっぽくいい感じ。
たぶんジャズファンがきいても、フラメンコファンが聴いても抵抗なく、音楽自体を楽しめると思います。 CDもおすすめ。
メルセデス・ルイスとロシオ・マルケスもゲスト出演で華をそえました。
ロシオはCDでエストレージャ・モレンテが歌っているところを担当。
ラファエルとナニ(バレリアーノ)の二人は、クリストバル・レジェスの日本公演の時に知り合い、ヘレスのフェスティバルで「ムニェカス」で鮮烈なデビューを果たしたときからのファン。ということでとても楽しみにしていた公演。
でも今回はちょっと残念。
いろいろ研究しているのはわかる。美しい瞬間、楽しい瞬間、オレ!な瞬間もあった。
でも全体としてはモノトーンで、伝わってくるものがない。
次回に期待。
パット・メセニーの難曲をフラメンコのテクニックできかせます。
変にフラメンコに寄せすぎず、かといってジャズにさすりよって行くのでもない、
フラメンコ・ギタリストがメセニー弾いている、という感じが心地よい。
foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
たぶんジャズファンがきいても、フラメンコファンが聴いても抵抗なく、音楽自体を楽しめると思います。 CDもおすすめ。
メルセデス・ルイスとロシオ・マルケスもゲスト出演で華をそえました。
ロシオはCDでエストレージャ・モレンテが歌っているところを担当。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
ラファエルとナニ(バレリアーノ)の二人は、クリストバル・レジェスの日本公演の時に知り合い、ヘレスのフェスティバルで「ムニェカス」で鮮烈なデビューを果たしたときからのファン。ということでとても楽しみにしていた公演。
Javier Fergo para Festival de Jerez |
いろいろ研究しているのはわかる。美しい瞬間、楽しい瞬間、オレ!な瞬間もあった。
でも全体としてはモノトーンで、伝わってくるものがない。
次回に期待。
Javier Fergo para Festival de Jerez |
2016年3月3日木曜日
ヘレスのフェスティバル13日目/小島章司「東洋人には歌わない」
小島章司3回目のヘレスのフェスティバル。
前回「ファトゥム」はコルドバ初演、前々回「セレスティーナ」は日本初演だったが、今回の「ア・エステ・チノ・ノ・レ・カント」はここヘレスが初演。
というわけで3週間前にヘレスに入り、稽古を重ねて来た。
その制作の仕事をして、公演も客席からではなく袖からみることになったので、今回は公演評ではなく、公演についてのインフォメーションであります。
メルセデス・ルイスの作品などをてがけるパコ・ロペス脚本の作品は小島の人生を振り返る内容。
ミゲル・ポベーダが歌う「鳥の歌」にはじまる。
小島の作品での共演とイメージが重なる。
太平洋に面した海辺の町で伯母の養子として過ごした少年時代の母への思慕はミゲルが歌い、エバ・ジェルバブエナが踊るカンシオン・デ・クーナで。
この曲はもともとエバが映画「フラメンコ・フラメンコ」でミゲルの歌で踊ったもので、エバの作品「アイ」にもはいっており、その歌詞は亡くなったピナ/バウシュを追慕するものではなかったかと思うが、それがここへは母への思いへかわっている。
黒いマントンが、母の思い出をくるむように、ここでも象徴的につかわれる。
小島の外の世界に飛びたい気持ち、夢見る心は、群舞が鳥の翼に見立てたマントンのはばたきでのタンゴで表現する。
カスタネットの音がきこえてくる。
小島とフラメンコの本格的な出会い、ピラール・ロペス舞踊団公演は、「セレスティーナ」のデュオでのファルーカで。
クリスティアン・ロサーノとタマラ・ロペス夫妻のロマンチックなパレハである。
スペインに到着した60年代をタブラオ風に表現。まんなかで踊るのはアルバロ・パーニョス。左からスペイン人精鋭にまざって大健闘した前田可奈子、ハビエルの長女アナ・ラトーレ、チキことイレネ・ロサーノ、ムルシア出身カルメン・マンサネーラ。
ボレロに象徴されるスペイン舞踊の全盛時代でもある。踊るのはマラガ出身のビクトル・マルティンとアルカラ・デ・エナーレス出身のダニエル・ラモス。まだ20代前半の最若手である。
ソレアを踊ろうとする小島に「この東洋人には歌わない」と歌い手がいい、クアドロは大混乱。
これは実話でその後の一ヶ月間、歌なしで踊ったそうだ。
観客は爆笑する中、その哀しみに思いをよせ心の中で涙した人も多かったという。
失意の小島にミゲルが歌う。東洋人には歌わない、といったそばから、現在人気ナンバーワンのミゲルが歌うという皮肉。
「時に人生は夢に思える/そして予期せぬときに一番ほしかったものをくれる/それをあとでもっていかれようとも」
「でも失望しないで/そんなものなのだ/人生のこと/人生はそういうもの/アンブロシアの花束/苦しみの畑に」
「私たちが知っている人生は/私たちがこんなにも愛する人生は/優しい時間と/苦い結末」
ホセ・ルイス・オルティス・ヌエボの歌詞が心にささる。
小島の代表作「カディスの女」(1980年)をほうふつとさせるペテネーラ。
死への予感を表現する。
永遠の瞬間、生と、瞬間のない永遠、死。
その孤独をエバは「ジュビア」で踊ったソレアで熱演。
観客を圧倒した。
小島によるいろは歌のスペイン語訳の朗読
合唱隊による、「蝶々夫人」のハミングで踊るハビエル・ラトーレと小島。
永遠。
そしてマルティネーテ/シギリージャ。
最後はミゲルの歌うマラゲーニャでサムライ姿のクリスティアンと小島のデュオ。
そしてブレリアでの大団円。
小島の渡西50周年記念ともいえるこの作品は昔なじみの今やトップとなったアルティスタたちから今、キャリアをスタートさせたばかりの若手まで網羅して、フラメンコの奥深さと限りない可能性を伝えているのではないだろうか。
前回「ファトゥム」はコルドバ初演、前々回「セレスティーナ」は日本初演だったが、今回の「ア・エステ・チノ・ノ・レ・カント」はここヘレスが初演。
というわけで3週間前にヘレスに入り、稽古を重ねて来た。
その制作の仕事をして、公演も客席からではなく袖からみることになったので、今回は公演評ではなく、公演についてのインフォメーションであります。
メルセデス・ルイスの作品などをてがけるパコ・ロペス脚本の作品は小島の人生を振り返る内容。
ミゲル・ポベーダが歌う「鳥の歌」にはじまる。
小島の作品での共演とイメージが重なる。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
太平洋に面した海辺の町で伯母の養子として過ごした少年時代の母への思慕はミゲルが歌い、エバ・ジェルバブエナが踊るカンシオン・デ・クーナで。
この曲はもともとエバが映画「フラメンコ・フラメンコ」でミゲルの歌で踊ったもので、エバの作品「アイ」にもはいっており、その歌詞は亡くなったピナ/バウシュを追慕するものではなかったかと思うが、それがここへは母への思いへかわっている。
黒いマントンが、母の思い出をくるむように、ここでも象徴的につかわれる。
小島の外の世界に飛びたい気持ち、夢見る心は、群舞が鳥の翼に見立てたマントンのはばたきでのタンゴで表現する。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
小島とフラメンコの本格的な出会い、ピラール・ロペス舞踊団公演は、「セレスティーナ」のデュオでのファルーカで。
クリスティアン・ロサーノとタマラ・ロペス夫妻のロマンチックなパレハである。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
スペインに到着した60年代をタブラオ風に表現。まんなかで踊るのはアルバロ・パーニョス。左からスペイン人精鋭にまざって大健闘した前田可奈子、ハビエルの長女アナ・ラトーレ、チキことイレネ・ロサーノ、ムルシア出身カルメン・マンサネーラ。
ボレロに象徴されるスペイン舞踊の全盛時代でもある。踊るのはマラガ出身のビクトル・マルティンとアルカラ・デ・エナーレス出身のダニエル・ラモス。まだ20代前半の最若手である。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
ソレアを踊ろうとする小島に「この東洋人には歌わない」と歌い手がいい、クアドロは大混乱。
これは実話でその後の一ヶ月間、歌なしで踊ったそうだ。
観客は爆笑する中、その哀しみに思いをよせ心の中で涙した人も多かったという。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
「時に人生は夢に思える/そして予期せぬときに一番ほしかったものをくれる/それをあとでもっていかれようとも」
「でも失望しないで/そんなものなのだ/人生のこと/人生はそういうもの/アンブロシアの花束/苦しみの畑に」
「私たちが知っている人生は/私たちがこんなにも愛する人生は/優しい時間と/苦い結末」
ホセ・ルイス・オルティス・ヌエボの歌詞が心にささる。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
小島の代表作「カディスの女」(1980年)をほうふつとさせるペテネーラ。
死への予感を表現する。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
永遠の瞬間、生と、瞬間のない永遠、死。
その孤独をエバは「ジュビア」で踊ったソレアで熱演。
観客を圧倒した。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
合唱隊による、「蝶々夫人」のハミングで踊るハビエル・ラトーレと小島。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
そしてブレリアでの大団円。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
小島の渡西50周年記念ともいえるこの作品は昔なじみの今やトップとなったアルティスタたちから今、キャリアをスタートさせたばかりの若手まで網羅して、フラメンコの奥深さと限りない可能性を伝えているのではないだろうか。
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2016年3月2日水曜日
ヘレスのフェスティバル12日目/ヘスース・カルモナ「インペトゥス」
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
なんといっても作品中盤のブレリア。
抜群のセンスで、次々と違う振りでマルカールしてレマタールする。
その回転の美しさ。呼吸のよさ。
スペイン舞踊系とでもいうか、クラシックバレエの基礎をもち、コンセルバトリオでしっかり学んできた、スペイン国立バレエにいるダンサーのようなタイプは、スペイン舞踊はきれいに踊るが、フラメンコはちょっと苦手というか、フラメンコの強さや呼吸を表現するのがあまり上手じゃないという印象があるのだが(もちろんそうでない人もいます)、彼は完璧なテクニックでフラメンコを巧みに表現しているのである。いやあ、すごい。
高速サパテアード、ただ回数を回るというだけでなく一つ一つの回転にニュアンスをつけていくような感じ。抜きもうまいし、いやあほんとに脱帽でございます。
オープニングはアルベニスのアストゥリアス。照明の効果で手品のように人が現れては消えて行く。面白い演出だし、何より美しい。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
リケーニタランタ、そしてタンゴ。タンゴの群舞は忙しいというかせわしないというか、次々に繰り出される動きにちょっとめまいがする。止まることも必要だと思うのだけど?
タイトルにもなっている「インペトゥ」マリオ・エスクデーロの名曲でタマラ・ロペスとフェルナンド・ヒメネスが踊ったこの場面も、続くヘスースのブレリアとともにこの夜の頂点。バレエのような動きのタマラとフラメンコなフェルナンド。これこそクラシコ・エスパニョールの再構築、再創造である。昔風のスペイン舞踊をそのまま踊るわけではなく、だが、そのエッセンスや品格を失うことなく現代のテクニックで美しくよみがえらせたという感じ。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
マリアーナ、ファンダンゴ、そしてヘスースのシギリージャ。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
最後はカーニャ。
一人で歌い上げたフアン・ホセ・アマドールにも脱帽である。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
この写真、一番左のフェルナンドは初日のエバ、先日のロシオ・モリーナとすごい公演で脇をしっかり支えているなあ。。。
すごいダンサーがいるものであります。
2016年3月1日火曜日
ヘレスのフェスティバル11日目/メルセデス・ルイス「デハメ・ケ・テ・バイレ」
地元へレス出身のメルセデス・ルイス。タイトルの「デハメ・ケ・テ・バイレ」、あなたのために踊らせて 、というほどの意味になる。
歌にヘスース・メンデスとダビ・パロマール、ギターにベテラン、パコ・セペーロと、ゲストを迎えての公演。
このゲストの選択が微妙なところで、いつも彼女に歌っているダビ・ラゴスやロンドロよりもずっと格が上ということもなく、ずっと有名というほどのこともない。パコ・セペーロはいうまでもなく、カマロンなどとも共演した大ベテランだが、2年前にも舞台作品をこのフェスティバルで上演したりしている現役。
ミロンガ・ガロティンはダビ・パロマールと短いバタ、コリンで。布地がニット地なのか、ぴったりとお尻の形もはっきりでるし、てろんとしてはりがないのでコリンもはえないのが残念。芝居がかった動きもうまいダビ・パロマールとからんで踊るのが面白い。
ヘスース・メンデスの歌うマルティネーテは男装で。闘牛士のようなトラへ・コルト、短い上着に腰高のズボン。
ダビ・パロマールはパコ・セペーロの伴奏でマラゲーニャを歌う。ベテランと若手の共演。
歌伴奏はさすが。
そこからバタ・デ・コーラのアレグリアスへ。パコが踊りの伴奏をすることはあまりないが、さすがそこはむかしとったきねづか。サンティアゴ・ララの早弾きなど今風のテクニックと対称的な古風なトーケがいい味をだしている。
そのトーケとカスタネットの会話はマリア・パヘスからのアイデアだろうか。面白い。
ヘスースのファンダンゴのあとは、背中が大きく開いた黒い衣裳でソレア。バックが黒で黒い衣裳でみにくいことこのうえないのが残念。
最後はブレリア。
パーカッションのペリーコやヘスース・メンデス ギターを弾いて、サンティアゴ・ララがカホンを叩いたり、パルメーロが踊ったりの趣向が楽しい。
メルセデスもブレリアでが一番いきいきとしていて、観ていても楽しい。
クリエイティブなタイプではなく、昔ながらにフラメンコ曲をひとつずつ踊っていくメルセデス。曲種は変わっても踊りの型が大きく変わるというわけではないので、見せ方を工夫して新作をつくっていくしかない。ビエナル以降、フェスティバルなどのかたちが代わり、踊りそのものではなく、作品を重視する現在ならではの悩みかもしれない。
歌にヘスース・メンデスとダビ・パロマール、ギターにベテラン、パコ・セペーロと、ゲストを迎えての公演。
このゲストの選択が微妙なところで、いつも彼女に歌っているダビ・ラゴスやロンドロよりもずっと格が上ということもなく、ずっと有名というほどのこともない。パコ・セペーロはいうまでもなく、カマロンなどとも共演した大ベテランだが、2年前にも舞台作品をこのフェスティバルで上演したりしている現役。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
ミロンガ・ガロティンはダビ・パロマールと短いバタ、コリンで。布地がニット地なのか、ぴったりとお尻の形もはっきりでるし、てろんとしてはりがないのでコリンもはえないのが残念。芝居がかった動きもうまいダビ・パロマールとからんで踊るのが面白い。
ヘスース・メンデスの歌うマルティネーテは男装で。闘牛士のようなトラへ・コルト、短い上着に腰高のズボン。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
ダビ・パロマールはパコ・セペーロの伴奏でマラゲーニャを歌う。ベテランと若手の共演。
歌伴奏はさすが。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
そこからバタ・デ・コーラのアレグリアスへ。パコが踊りの伴奏をすることはあまりないが、さすがそこはむかしとったきねづか。サンティアゴ・ララの早弾きなど今風のテクニックと対称的な古風なトーケがいい味をだしている。
そのトーケとカスタネットの会話はマリア・パヘスからのアイデアだろうか。面白い。
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ヘスースのファンダンゴのあとは、背中が大きく開いた黒い衣裳でソレア。バックが黒で黒い衣裳でみにくいことこのうえないのが残念。
最後はブレリア。
パーカッションのペリーコやヘスース・メンデス ギターを弾いて、サンティアゴ・ララがカホンを叩いたり、パルメーロが踊ったりの趣向が楽しい。
メルセデスもブレリアでが一番いきいきとしていて、観ていても楽しい。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
クリエイティブなタイプではなく、昔ながらにフラメンコ曲をひとつずつ踊っていくメルセデス。曲種は変わっても踊りの型が大きく変わるというわけではないので、見せ方を工夫して新作をつくっていくしかない。ビエナル以降、フェスティバルなどのかたちが代わり、踊りそのものではなく、作品を重視する現在ならではの悩みかもしれない。
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