2010年8月31日火曜日

サモラでアントニオ・マイレーナへのオマージュ

マドリードの西北、サモラの町で9月4日、
アントニオ・マイレーナへのオメナへ、
オマージュとなる催しが開催される。

プリンシパル劇場においてまずは
19時半「アントニオ・マイレーナ、銀の道の地での歩み」というCD付きの本が発表され
21時半からはマノロ・フランコ伴奏によるカリスト・サンチェスのリサイタル。

これはサモラのペーニャとカセレスのペーニャの共催によるもので
サモラ市が後援。

はい、フラメンコはアンダルシアだけで愛されているわけではないのです。

2010年8月30日月曜日

ロ・フェロのコンクールで12歳の少女が優勝

ムルシアのトーレ・パチェーコでのフェスティバル、ロ・フェッロ。
 今年で第33回を迎えたこのフェスティバルでも、
ラ・ウニオン同様、カンテのコンクールが行われます。
そのコンクールでコルドバ生まれの12歳の少女が優勝しました。
その名はロシオ・クレスピージョ。
メロン・デ・オロ黄金のメロン賞と賞金12000ユーロを獲得しました。

準優勝もおなじくコルドバのニエベス・ディアス。
この人は97年に既にこの賞を獲得しているベテラン。

なお、決勝に残ったのはコルドバのペパ・アバッド、カディスのアロア・カラ、ペドロ・ガリード、マルタ・ゴンサレス、そしてバルセロナのカルメン・コルパスと7人中6人が女性!

男性優位なフラメンコ界にうれしいニュースです

2010年8月29日日曜日

ビエナル開幕ガラ 前売り

 いよいよ9月15日に開幕するビエナル。
その開幕ガラ公演の入場券の発売だけがまだですが9月1日ついに売り出されます。

開幕ガラ公演はミゲル・ポベーダの「イストリア・デ・ビバ・ボス」
彼のほかにもたくさんの歌い手たち、踊り手たちが登場する一大スペクタクル。
フラメンコをささえてきた声へのオマージュともいえる作品で、
しゃがれ声、高い声、美声、さまざまな声が登場する。
マイレーナ、マルチェーナ、バジェーホ、タレガ、トーレ、チャコン…
振付けはカンテにも造詣の深いラファエル・エステベス(作品監督)とナニ・パーニョ。
どんな作品に仕上がるのか、今から楽しみ!

料金はアレーナが35ユーロ、闘牛場をぐるりと囲む観客席が20ユーロ、
観客席上部が6ユーロ。

購入はロペ・デ・ベガ劇場(11〜14時、18〜21時。4、5日休み)
         マエストランサ劇場(10〜14時、17時半〜20時半、4、5日休み)
   FNAC(カテドラル前。10〜21時30分)
   闘牛場(11日から。10〜14時、18〜21時)

 もしくはインターネットで。

2010年8月28日土曜日

アルゼンチンのカルメン・アマジャ

カルメン・アマジャの伝記「クアンド・ドゥエルモ・スエニョ・ケ・エストイ・バイランド(眠ると踊っている夢を見る)」の著者、フランシスコ・イダルゴ・ゴメスの新作は
「カルメン・アマジャ・エン・アルヘンティーナ(アルゼンチンのカルメン・アマジャ)」

スペイン市民戦争から逃れてアルゼンチンに渡ったカルメンの軌跡を
アルゼンチンの新聞.雑誌に掲載されたインタビューなどを調べ、丹念に追ったもの。
最大の魅力はアルゼンチンの国立アーカイブに所蔵されていたカルメンの写真で、
華やかな衣装をまとった舞台のものや楽屋や放送局でのスナップのほか、
ベッドに横たわる父にキスしたり、洗濯物を干すところなど彼女の私生活をうかがわせるものも数多く、伝説のバイラオーラの素顔がうかんでくるようだ。

発行はPublicitat Tafaner社

2010年8月27日金曜日

セラニートのマスタークラス

 10月5日から8日まで
マドリード郊外の大学町、アルカラ・デ・エナーレスで
昨年3月来日公演も好評だった、巨匠セラニートの
フラメンコギターのマスタークラスが開催されます。

   対象は上級者及びプロで、
 6人以下の少人数制クラスで

 申し込み受付は9月1日から15日まで。
お申し込みは下記まで
Escuela Superior de la Guitarra Española

c/. Damaso Alonso,17. 28806 Alcalá de Henares. Madrid 
Tel/Fax: + 34 + 91 830 23 89 . mail:secretaria@escuelasuperiordeguitarra.es

2010年8月26日木曜日

プエルトジャノのカンテコンクール

シウダ・レアル県のプエルトジャノのカンテコンクール、
第3回プエルタ・デ・アルクディア国際カンテコンクールが
9月9日から1 1日まで同市の市立音楽堂で開催され、
予選を勝ち抜いた11人が賞を競う。

9日はエル・ハロ、アントニオ・オルテガ、ドミンゴ・エレリアス、ナサレ・カラ、
ニーニョ・デ・オリバレス、トニ・フェルナンデスが準決勝にのぞみ、
ソラジャ・クラビホのバイレが華をそえ、
10日の準決勝はフアン・アントニオ・カミノ、マヌエラ・コルデーロ、エル・ベネノ、
タマラ・アギレラ、ロシオ・デ・ディオスが出場し、
バイレはエル・ミステーラが出演。
11日は準決勝出場者から選ばれた4人の歌い手が決勝に臨み、
ラロ・テハーダのバイレと地元プエルトジャノのロシオ合唱団が出演する。








出場者はラ・ウニオン優勝経験者のニーニョ・デ・オリバレスをはじめ、
各地のコンクールなどで優勝している者たちが顔を並べている。

このコンクールはプエルトジャノのペーニャ・フォスフォリートの主催するもので
2年に1回の開催。
第1回コンクールの決勝時には日本のフラメンコのアフィシオンに賞がおくられ、
萩原淳子、三枝雄輔らが出演した。

2010年8月24日火曜日

フィエスタ・デ・ブレリア!

ヘレスのフラメンコ・フェスティバル、
第43回フィエスタ・デ・ブレリアの詳細が発表された。


9月11日土曜日、開演は22時の予定で
出演は第1部が
フアン・モネオ“エル・トルタ”
マカレーナ・デ・ヘレス、
ダビ・ラゴス、
フェルナンド・デ・ラ・モレーナ
 第2部が
アンドレス・ペーニャ、

カプージョ・デ・ヘレス
フィン・デ・フィエスタではトルタとカプージョが競演の予定。
今年も出演者はオールヘレス!
入場料は20ユーロ。
前売り券はヘレスのアルカサルやメディナとおりのCD店などで購入可能です。


また、収穫祭の一環としてこれにさきがけ、
9月4日にはパコ・セペーロの、
9月9日にはアルヘンティーナのリサイタルが
アルカサルのパティオで開催予定。
どちらも開演は22時で入場料は20ユーロ。

フィエスタ・デ・ブレリアという名前からブレリアばかり、歌い踊ると思う人もいるかもですが、そんなことはありません。普通のフラメンコ・フェスティバルです。
ただ、そこはヘレス。観客も熱いし、のりのりで、独特の雰囲気が楽しい。
ビエナル直前ですが、今年は日程が重なっていないので両方行くことできますね。

2010年8月22日日曜日

ロンダのフェスティバル

8月21日土曜日。
セビージャからウトレーラ街道を南に。
ウトレーラ、エル・コロニル、モンテジャノ、プエルトセラノあたりから山となり
夕日に輝く白い町オルベラを横にながめ、ガストール村や洞窟で有名なセテニルへの入り口を通り過ぎ、2時間弱でバスはロンダの町にたどりつく。
天空に浮かぶような町、ロンダ。
セビージャの、45度の熱さが嘘のように涼しい。
今日はこの町のフラメンコ・フェスティバル。

会場は闘牛場などのある新市街から断崖にそそりたつプエンテ・ヌエボを通り過ぎた旧市街。
市役所のそばにある、城壁際の公園のようなスペースだ。
ここに仮設舞台がつくられ、プラスチックの椅子が並べられ即席の野外劇場が出来上がり。

開演は22時。の予定が、お決まり通り遅れて開演。
オープニングはパコ・モンカジョのギターソロ。

先日、ラ・ウニオンのコンクールで優勝した期待の17歳は
ここロンダのコンクールでも優勝していたのだ。
サパテアードとブレリアス。
懐の深さを感じさせる演奏。末恐ろしい。

カンテ部門の優勝者はスーツに身を固めたコルドバ出身エル・ベネノ。

あちこちのコンクールに出場、入賞しペーニャを中心に活躍している、
いるいわばコンクールのプロ。
カンテのコンクールは全国にたくさんあるので、劇場にはほとんど出演しなくても
ペーニャ関係者には有名、というこの手のアルティスタも数多いのである。

続いて、数年前にラ・ウニオンで優勝したルビート・デ・パラ。

そしてロンダ在住、来日したこともあるベテラン、クーロ・ルセーナ。

いつのまにか客席は満杯。立ち見の人もたくさん。
第1部の最後を飾るのはこのロンダのコンクールで優勝した萩原淳子。

深緑のシックな衣装でソレア。

登場の瞬間の集中力。気迫。
きちんとした踊りでロンダの観客を魅了。


休む間もなく赤いバタ・デ・コーラへと着替えアレグリアス。
舞台が小さめのせいだろう、思う存分バタを動かせないもどかしさが残るが、
こちらもきちんと踊り上げ、盛んな拍手をうけていた。

第2部はホセ・メルセ。
モライートの伴奏でオーソドックスなフラメンコを熱唱。
ソレア、シギリージャ、ブレリア、ファンダンゴ…
ラ・ウニオンのときよりもずっとナチュラルでソフトな感じ。

ホセ・メルセのように現代フラメンコを代表する大スターとの
歴史あるフラメンコ・フェスティバルでの競演というのは萩原にとってもうれしいことだったに違いない。
が、出演者が多数に渡るフェスティバルでは、単独公演とちがい
誰が何曲、何分くらい歌うかもわからず、自分の出演時間も
一番手でもない限り、予想がつきにくい。
仮設舞台のコンディションも、劇場とは違う。
今回も、出演まで何時間も待ち続け、
しかも2曲連続で踊る、というハードな状況だった。
それにも関わらず落ち着いてしっかり踊り上げた萩原。

終演後、自分の満足のいくように踊れなかったという感想をもらしていたが、
そのくやしさや残念な気持ちがさらなる向上へとつながることだろう。
たしかにいつものチスパ、スパークはなかったかもしれない。
コルドバで踊ったときのような観客とのコミュニケーションもあまり感じられなかった。
でも、その状況でもきちんと踊ったことは十分に評価できる。
これからはそのきちんとした踊りに何をプラスしていけるか、ではないか。
正確な踊りを一度壊してしまうのもいい。
試行錯誤の中で彼女だけにしか踊れない、自分だけの踊りがみつかる日がくることだろう。

2010年8月21日土曜日

再びパコ そしグアロのフェスティバル

ラ・ウニオン、そしてヘレスとかけまわりさすがにちょっとお疲れなワタクシ。
だったにも関わらずまたまたウエルバはアンティージャまで足をのばし
再びパコを観て来たのでありました。

アンティージャはウエルバから少し西に行ったところの海岸の町。
広い白砂の海岸で混雑もひどくなくけっこうおすすめかも。

さてコンサート。
前から決まっていた仕事で来れないファルーの代わりに従兄弟のバルージョが踊り、
第二部だった「愛のうた」を一部でやったりと、多少変更のあったプログラム。
会場は、会員制のプールやテニスコートのあるレストランバルの
プールやコートをつぶして舞台と客席をつくったという変則的なもの。
それでも1400人もの人がパコのリサイタルを満喫したのでした。

会場にはウエルバを代表するアルティスタであるアルカンヘルはもちろんのこと、
兄ペペ・デ・ルシア夫妻、
パコと長年の友達であるセビジャーナス・グループ、ロス・マリスメーニョスのフアニニ
(ファンダンゴもうまいっ! リハーサルのときにパコの伴奏でうたっておりました)
をはじめ、セビージャからもミステーラやサルバドール・グティエレスなども。
アルティスタたちが遠くからでもかけつけるフラメンコ公演なんて、
やっぱパコをおいてほかにない。

終演後、楽屋に行くと、なんとほかにもディエゴ・アマドールや
ビセンテ・アミーゴとエル・ペレ、ネグリ
レブリハーノとドランテスらも!!!

写真は久しぶりの再開をよろこびあうレブリハーノとパコ。
そういえば、この二人の録音もありましたね。

というわけで公演終了後の楽屋も楽しい雰囲気で
今にもフィエスタがはじまりそうな感じだったのでした。
ちなみに開演は11時だったので、楽屋を出たのは3時過ぎ。。。

なお、明日のアリカンテ公演は中止となりましたが
9月11日にマラガ県グアロのフェスティバルで公演だそうです。
これはフラメンコだけでなく、スペイン歌謡やポップなど
人気のあるアーティストの公演が週末行われるというもの。
同じ会場で翌週にはビセンテ・アミーゴの公演もあるそうです。
このグアロ、マルベージャから山の方へずいぶん入った、
マラガの山間の村なのですが、電気を消してろうそくをたてて
村中がとってもすてきな雰囲気になるそうな。
行ってみたくなりません?

2010年8月17日火曜日

ヘレスのパコ

以前にお知らせしたようにパコ・デ・ルシアがヘレスで初のリサイタルを行いました。

会場の闘牛場に私が到着したのは21時過ぎ。
もう開場していたのですが、入場を待つ人がぐるっと闘牛場を取り囲む盛況。
その列にそって一回りするだけで沢山のアルティスタに会いました。
トマシート、モライート、サラ・バラス、デリクエンテス…
中に入るともっと沢山。
フェルナンド・デ・ラ・モレーナ、カプージョ・デ・ヘレス、マヌエル・バレンシア、
ヘスース・メンデス、マヌエル・モネオ、ディエゴ・デ・モラオ、ホアキン・グリロ、
ベルナルド・パリージャ、エンリケ・エル・サンボ、
といったヘレスのアルティスタはもちろん、
ニーニャ・パストーリ、ロサリオ・トレド、ダビ・パロマールら
カディスのアルティスタたち、
ファルキート、アンヘレス・ガバルドン、ルイシート・ペーニャといった
セビージャから足を伸ばした人たち、
果てはカディス県で夏休み中の元ケタマのアントニオ・カルモナも。。。
ミゲル・ポベーダもいたとか。。。

10時45分。15分遅れで始まったコンサートは
歴史的なコンサートの名にふさわしく、熱い観客の声援にパコもこたえ
今年のツアーの中でも屈指の名演だったかも。

6500人の観客の、ブレリアのパルマ
パコ! パコ!の歓声。
忘れられないコンサートです。

2010年8月16日月曜日

ラ・ウニオン2010 フィン・デ・フィエスタ

ラ・ウニオン最終日。
授賞式も終わったあと、カンテの殿堂前のテラスで別れの1杯を飲んでいると
次々にやってくる受賞者たち。

その中でパコ・モンカジョとパコ・デル・ガストールの一行が
ギターを取り出しフィエスタ開始。
パコが弾き母が歌って踊る。
そのコンパスの素晴らしさ。
受賞のよろこびにあふれてる。
パコは、コンクールとうってかわって、純粋モロンの演奏。

そのうち祖父パコ・デル・ガストールもギターを手にし
純粋モロンのエッセンスをきかせてくれる。

その場にいたホセ・アニージョが歌いだしたのを伴奏。
ホセはパコのギターに誘われて歌いだしたという感じ。
いやいや熱唱でした。

ラ・ウニオンの楽しみはコンサートやコンクールだけじゃなく、
コンサート後に会場を囲むテント小屋のバルなどではじまる
こんなフィエスタも、なのでありました。

アルティスタやアフィシオナードが集まってくるので運がよければ
すんごいフィエスタに遭遇。。。もありうるのであります。

2010年8月15日日曜日

ラ・ウニオン コンクール決勝



10時の予定が10分遅れて開演。順調に決勝進んでいます。
一番最初に登場したのはピアノのアルボン・アルカラス。


テクニックはあるけど ちょっと歌謡曲というような感じ。

カンテのトップはフアン・アントニオ・カミノでカルタへーナ。


続いてドミンゴ・エレリアでソレア。


踊りはヘスース・フェルナンデス。タラント。

予選と同じ、腰高ズボンにチョッキという伝統的組み合わせだけど服は変えていました。
姿勢もいいし、動きの少ない部分もあって詰め込み過ぎというわけではないし
巧いんだけど、ちょっと女性的な振りが気になるかな。

タンゴを歌ったインマ・デ・ラ・ベガ

ギターソロのパコ・モンカジョはやっぱよかったです。

クラシックの練習みたいなフレーズと
おじいさん(パコ・デル・ガストールの孫だそう)譲りのモロンのアイレ。
今日は自由曲でグアヒーラを披露したのですが、これも個性的でようござんした。

再びヘスース・フェルナンデスでソレア。
緑の別珍の上着で登場。



アナ・モチョン。グラナダ生まれの15歳。

彼女が昨日に引き続き、満場の観客を虜にしました。
マラゲーニャ、ミネーラ、タランタ、タンゴス。
歌う順番も歌詞も同じだけど、それぞれの曲をきちんと歌い分ける。
とくにマラゲーニャ、ミネーラの美しさは特筆もの。
タンゴでも鉱山に関する歌詞を歌うなど、にくいねえ。

ちなみにマラゲーニャはほかに決勝進出者がいないので彼女がこの部門優勝です。

フルートのオスカル・マヌエルはミネーラとファンダンゴのファンタジー。
フアン・パリージャやホルヘ・パルドのフレーズ満載。



ギターソロは地元カルタヘーナ出身の31歳、カジェターノ・モレーノ。
タランタはさすがの演奏です。自由曲、今日はファンダンゴ・デ・ウエルバ。


ミゲル・オルテガもアナと同じく、ノミネートした4曲全部、決勝に残りました。

 ミネーラ、カルタへネーラ、タランタ、シギリージャ。どれもさすがの出来。


パコ・イダルゴのタラント。昨日より熱が入っている感じ。

カネラはシギリージャとソレア。どれも昨日よりいい。

パコのソレア。椅子に座ってはじまるのだが、椅子でなにか振りをするわけでもなくすぐ立つなら椅子はいらないよーな。。。

とかいいながら全員の演技(とゆーのか?)が終わったのは1時50分。30分の休憩中に審査員が賞を決定し、授賞式です。


最初に青少年カンタオール賞、これはコルドバのインマ・デ・ラ・ベガに。
タンゴ(ティエント、ブレリアス、カンティーニャ、アレグリアス、ペテネーラス、ファルーカ等)部門はアナ・モチョン。
ソレア(カーニャ、ポロ)部門はカネラ。
マラゲーニャ部門はアナ・モチョン。
シギリージャ(トナー、リビアーナ、セラーナ)部門はミゲル・オルテガ。
タランタもアナ・モチョン。
カルタヘーナはミゲル・オルテガ。
楽器部門はアルボン・アルカラス。
ギター部門はパコ・モンカジョ。

舞踊部門はヘスース・フェルナンデス。

まずは順当な結果といえるのではないでしょうか。
15歳で3部門受賞のアナ・モチョンは新記録。
これからが楽しみな アーティストです。

そしてこのコンクール最大の賞である、ランパラ・ミネーラはミゲル・オルテガの手に。


涙目で受け取ったミゲル。
研究熱心で、熱いアフィシオンをもつ彼。この賞にふさわしい熱唱でした。
最後にもう一度ミネーラを歌って、今年のフェスティバルは幕を閉じたのでした。

2010年8月14日土曜日

ラ・ウニオン コンクール決勝進出者

コンクール決勝進出者が発表されました。
残念ながら丹羽さんは落選。
でも個人的には一番良かったと思います。。。

進出者は以下の通り。出場順です。
ピアノ/アルドン・アルカラス(アイレス・デ・タランタ、ブレリアス)
カンテ/フアン・アントニオ・カミノ(カルタへネーラ)
カンテ/ドミンゴ・エレリア(ソレア)
バイレ/ヘスース・フェルナンデス(タラント)
カンテ/インマ・デ・ラ・ベガ(タンゴス)
ギター/フランシスコ・モンカジョ(タランタ、グアヒーラ)
バイレ/ヘスース・フェルナンデス(ソレア)
カンテ/アナ・モチョン(ミネーラ、マラゲーニャ、タンゴス、タランタ)
フルート/オスカル・マヌエル(ミネーラ、ファンタシア・デ・ファンダンゴ)
ギター/カジェターノ・モレーノ(タランタ、ファンダンゴ・デ・ウエルバ)
カンテ/ミゲル・オルテガ(ミネーラ、カルタへネーラ、タランタ、シギリージャ)
バイレ/フランシスコ・イダルゴ(タラント)
カンテ/ホセ・コルテス・カネラ(ソレア、シギリージャ)
バイレ/フランシスコ・イダルゴ(ソレア)

けっこう予想が外れてるなあ。。。カンテ、ギターは順当だと思うけど、
フルートもバイレも納得いかない。。。
バイレはまあ、抜きん出た実力の持ち主がいなかったからかもしれないけど。

こちらで中継もあるはずです。
興味のある人はどうぞ。

ラ・ウニオン コンクール3日目

コンクール三日目。
雷雨の予報通り、9時過ぎから雨がふりだしたラ・ウニオン。
でもカンテの殿堂では一昨日、昨日に引き続き、フラメンコの熱い戦いが続いています。

トップバッターはコルドバのピアニスト、アルフォンソ・アロカ。
ミネーラとカホン伴奏でのブレリア。
ブレリアはチャノ・ドミンゲスの「ディエス・デ・パコ」のコピー部分があったんですが、
ひねりのとことか、やっぱうまくできてなくてちょっと苦笑。。。


二番目もピアノ。マドリードのアリアンダ・カステジャーノ。
この人は本当に素晴らしかった!志風の一押しです。
低音をうまくつかったタランタは、個人的にはタンゴの部分がなくてもよかった思うけど、
続くブレリアもパルマ伴奏でばっちり。
いやーピアノのテクニックといい音楽性、リズム感といい何をとっても超優秀。


カンテの一番手はバルセロナのビクトル・パラシオ。ミネーラとカルタへネーラです。


続くカンタオールもバルセロナの人、ダビ・コロネル。
グラナイーナとメディア・グラナイーナにシギリージャ。


バイレはカディス生まれのフランシスコ・イダルゴ。

去年審査員だったフラメンコ研究家と同姓同名ですが関係はありません。
課題曲タラント。うーん、決して下手ではなく、
お尻がでた姿勢やブラソの使い方があれ、なんだけど
テクニックとか、一応のレベルはクリア。だけど、その先が…
忙しくあれもこれもとつめこんで、歌をマルカールするような、
そういう余裕がないというか。
ってこれ、今回のバイレ部門出場者全体にいえることかもしれない。
個人的には丹羽さんの踊りが一番、完成度高かったと思います。
構成とか、表現とか。身びいきといわれるかもだけど。


再びカンテでコルドバのインマ・デ・ラ・ベガ。
ミネーラとタンゴですが、うーん、まだ23歳というからこれから、の人でしょう。

ホセ・コルテス・カネラはシギリージャとソレア。
カネラ・デ・サン・ロケの息子とか。

再びバイレで、フランシスコのアレグリアス。
白いジャケットで踊るが、グラシアがききすぎておふざけのよう。
これもキャラクターなのだろうけど。


今日のギターソロはエル・プラソレータ。カディスはサンルーカル出身の32歳。
盲目のギタリストです。伝統的な演奏で観客のさかんな拍手をうけていました。

続くカンテはアナ・モチョン。グラナダ生まれのわずか15歳という少女ですが
去年もコンクールに参加し、受賞した若きベテラン。
今年はマラゲーニャ、ミネーラ、タランタ、タンゴと4部門にノミネート。
みごとな熱唱で観客は熱狂。一昨年優勝したロシオ・マルケスを思い出させます。
ひょっとすると???


彼女の熱演に誘われた、というわけではないでしょうが、
続いて登場したバイレのアルベルト・セジェスも良かった!
彼も18歳と今年のバイレ参加者最年少ながら、一番良かったかも?
このタラントも、最後に踊ったシギリージャもところどころに
ラファエル・カンパージョの振りがみえるけれど、
それをしっかり踊っている。

続くカンテはミゲル・オルテガ。ハビエル・バロンらへの伴唱でおなじみ、
今年唯一の、第一線で活躍する歌い手です。

カルタへネーラ、ミネーラ、タランタ、シギリージャ。
中ではシギリージャがよかったです。

再び登場したセジェスはシギリージャ。速いリズムでのもので
コンクール用としてはどうなんだろう。。。


この結果は今、5人の審査員が審議中。
明日午前中には発表されるので結果はまたお知らせしますね。
さて、誰が明日の決勝に残るのでしょうか????
果たして丹羽さんは????

2010年8月13日金曜日

ラ・ウニオン コンクール二日目

コンクール2日目です。
今日の出場者は11人。

トップバッターはフルートのオスカル・マヌエル。バレンシアの人です。
ソロでミネーラとギター伴奏のファンダンゴス。


カンテの一番手はエステル・メリノ。バダホスの人です。


ハレオの本の著者でもある、カセレスのペドロ・ペラルタは
ミネーラ、カルタへネーラとハレオ。

バイレの一番手はインマクラーダ・アランダ。エル・フラメンコに出演していたということですが、まずはタランタ。エバやマリア・パヘスの影響があるかな。
かがんだ形の多用は美しいとはいえないけど。

コルドバのドミンゴ・ エレリアはソレアとシギリージャ。
どちらもきちんと歌い上げる。

ギターソロは弱冠17歳。パコ・モンカジョ。
クラシックのようなテクニックとモロン風のトーケが混在するのが面白い。





再び登場したインマクラーダは赤いドレスでソレアを。



21歳のクリスティーナ・ソレールはグラナイーナ、ミネーラ、タンゴ。
まだまだ青いという感じかな。

 カチョッロ・デ・パテルナはペッロ・デ・パテルナの息子。ペッロ犬の子だからカチョッロ、子犬というわけ。
カルタへネーラ、マラゲーニャときて最後に歌ったカンティーニャ(といってもアレグリアスとカンティーニャとローサとかまぜてうたってましたが)がなかなかよかったです。
サッカー元スペイン代表監督のカマチョに似てる。。。。
ってどうでもいいですが。

バイラオール、ヘスース・フェルナンデスは腰高ズボンにベストという、
伝統的なスタイルで登場。

 サパテアード連発!

コルドバのフアン・アントニオ・カミノもコンクールの常連。
ミネーラとカルタへネーラを熱唱。

 ギターソロはホセ・アルマルチャ。ミネーラとソレア。

 昨日のカジェターノ・モレーノよりはずっといいけど、
ソレアの構成、もう少し考えてもいいかもしれない。
ギターソロはギターのテクニックだけでなく、
作曲力というか、構成力もとわれてしまう。
このホセは最後、ビセンテのソレア弾いてたし。
ま、コンクール要項に自分の作品に限る、とでも但し書きがない限り、
他の人の作品、たとえばパコやビセンテの曲を弾いてもいいわけで。
実際、ここでもハビエル・コンデが優勝している。

最後は再びヘスース。アレグリアスを熱演。
観客には一番うけていたようだけど、個人的にはあまり。。。
でもここで審査されているのは技術であり、芸術であり、好みではない。

でも本当にコンクールって難しい。
フィギュアスケートの採点のように、
演じたあとすぐに、芸術点、技術点ってでるわけでもないし、
(そういうのもおもしろそうだけど)
審査員の基準がどこにあるか、っていうのもコンクールによって、というか、
その審査員によって違うかもしれないし。
基本的には、基本に忠実に、きちんとした技術で演じること、だと思う。

マラゲーニャならマラゲーニャで、決まった歌のかたち、というものがあるし、
コンパスや音程、 強弱のつけかた、など、基本がやっぱ大切だろう。
踊りにしても、まずはコンパスやサパテアードや回転などの基本的なテクニック。
それに加えて、例えばこのコンクールではタラントが課題曲なわけだけど、
タラントという踊りの曲のもつキャラクター、
どちらかというと暗く悲劇的、地味で深みがあって、
悲しみややるせない怒りのようなものが含まれている、
って感じのものを表現するわけで、そこらへんをもみているんじゃないかと思う。
だから自由曲でアレグリアスを踊る人が多いのはそこらへんのコントラストを狙っているのではないかな。ほら、アレグリアスは華やかで明るく、タラントと正反対だから。

なーんてことを考えながら夜はふけていったのでした。
さて3日目はどんな出場者が登場するのでしょうか。