©︎Lolo Vaco Festival Italica |
©︎Lolo Vaco Festival Italica |
©︎Lolo Vaco Festival Italica |
©︎Lolo Vaco Festival Italica |
©︎Lolo Vaco Festival Italica |
©︎Lolo Vaco Festival Italica |
©︎Lolo Vaco Festival Italica |
©︎Lolo Vaco Festival Italica |
©︎Lolo Vaco Festival Italica |
©︎Lolo Vaco Festival Italica |
昨年、久保田晴菜が準優勝したことで日本でも注目された、フラメンコ才能コンクール。
30歳以下を対象としていて、ビデオ予選を勝ち抜いた人がクリスティーナ・ヘーレン財団のトリアーナ・フラメンコ劇場での決勝に臨みます。なお、コンクールを主催するヘーレン財団フラメンコ芸術学校在学生や教職員などは参加できません。上位入賞者には賞金もあり、また入賞者の中から何人かには財団の学校で学ぶための奨学金が贈られます。
今年のコンクール、カンテ部門は劇場での準決勝を経て決勝へと進みます。今年の参加者はこれまでで一番多かったそうですが、6月29日と7月1日の準決勝を勝ち抜いた5人が決勝に進み、見事栄冠を勝ち取ったのはサムエル・ロモ。2004年生まれというからまだ18歳? すごいなあ。カディス県プエルト・デ・サンタ・マリアの出身だそう。奨学金も獲得しました。
左からサムエル、ブランカ、アンヘラ。 |
7月8日に行われたギター伴奏コンクール。優勝は1993年コルドバ県パルマ・デル・リオ生まれのニコラス・ディアス・リニャン。
©︎Festival Italica Lolo Vasco |
©︎Festival Italica Lolo Vasco 照明は両袖に低く設置されてました。舞台の上の円は塩で。 |
©︎Festival Italica Lolo Vasco |
©︎Festival Italica Lolo Vasco |
©︎Festival Italica Lolo Vasco |
主役となるのは30歳以下のアルティスタたち。
ロシオ・モリーナやファルキートの伴奏を務めたジェライや国立バレエのエステラ・アロンソなど面白いプログラムであります。
お値段もお手頃。
◇スーマ・フラメンカ・ホーベン
9/23(木)
[出]ソロ〈g〉アンドレア・サルセド、〈c〉サムエル・セラーノ伴奏〈g〉パコ・レオン、〈b〉エル・ジージョ伴奏〈c〉ミゲル・デ・トレア、〈g〉エドゥアルド・コルテス、〈カホン〉エル・モスキート
9/24(金)
ソロ〈g〉アンヘル・フローレス、〈c〉アンヘレス・トレダーノ伴奏〈g〉べニート・ベルナル、〈b〉レベカ・オルテガ伴奏〈c〉フアニャレス、サウル・キロス、〈g〉へスース・デル・ロサリオ、〈palmas〉マルティン・レブエロ
9/25(土)
ソロ〈g〉ジェライ・コルテス、〈c〉エル・プリリ伴奏〈g〉アントニオ・カリオン、〈b〉エステラ・アロンソ伴奏〈c〉ジョナタン・レジェス、ロベルト・ジョレンテ、〈g〉ダニエル・フラド
9/26(日)
ソロ〈g〉アルバロ・マルティネーテ、〈c〉レラ・ソト伴奏〈g〉ピノ・ロサーダ、〈b〉マカレーナ・ラミレス伴奏〈c〉ミゲル・ラビ、〈g〉フアン・ホセ・アルバ、〈perc〉カルロス・メリノ
[場]マドリード カナル劇場 サラ・ベルデ
[料]9〜20ユーロ
[問]https://www.teatroscanal.com/espectaculo/suma-flamenca-joven-2021/
7月14日、歌い手フローレス・エル・ガディターノが亡くなりました。99歳でした。
本名フロレンシオ・ルイス・ララは1921年11月7日、カディス県アルヘシラスの生まれ。共に故人となってしまったチケテテの父、マヌエル・モリーナの父とのトリオ、トリオ・ガディターノとして活躍。またソロでも、マグナ・アントロヒアというカンテの大全集にもそのファンダンゴが収録されている歌い手。
アルヘシラス市のhijo predilecto秘蔵っ子(名誉市民的称号で、その町出身者におくられる)で、アルヘシラスにはその名を冠した通りもあり、市は喪に服しました。
晩年は詩人、作家として著書もあるそうです。
ハビエル・バロンの踊りが大好き。
フラメンコが好きだ、踊るのが好きだ、という思いがストレートに伝わってくる踊り。
クリアな靴音で刻むリズムの心地良さ。回転にしても間合いの良さ。ちょっとした細部のかっこよさ。本当にすごいフラメンコを、コンスタントに見せてくれる。
だけど、作品となるとロルカの幸せな少年時代を扱った『ディメ』以外、どうもパッとしない。あれは良かった。マノロ・ソレール、ディエゴ・カラスコ、フアン・ホセ・アマドール、ホセ・ルイス・オルティス・ヌエボ、ハビエル・パティーノ。終演後見ていたみんなの口角が上がっている、みんなが幸せになっている、そんな作品でありました。
でも他の作品は、彼の踊りは良くても、作品としては印象が薄い。なんかいつもちょっと残念な感じ。
イタリカ舞踊祭。今年はイタリカのローマ劇場とともにアルカラ・デ・グアダイラの城跡の特設舞台でも公演が行われ、行ってきました。40度超える猛暑の中。夜になっても38度とか、そんな感じで暑い、暑い。
会場はバルもオープンしてて、ちょっと人多かったけど、40代以上のワクチン接種済みであろう人が多いのでちょっと安心。
で、今回の新作も残念ながら、な、感じなのかなあ。
演出家を入れ、映像やキーボードやコンテンポラリー?なダンサーなども入れているのだけど、それらが効果をあげているかというと微妙で、結局、最後のソレアが素晴らしいから、なんとなく満足した気になっちゃうんだけど。
正直言っていやいや、これじゃない感。
いいとこいっぱいありますよ。
春の女神のような、ベルディアーレス楽団の帽子をも思い出させる、花冠の女たちが子供の歌をブレリアのリズムで歌い継ぎ、それを踊るシーンとか。
©︎Lolo Vasco Festival Internacional de Danza Italica |
©︎Lolo Vasco Festival Internacional de Danza Italica |
©︎Lolo Vasco Festival Internacional de Danza Italica |
©︎Lolo Vasco Festival Internacional de Danza Italica |
90年代からの、踊り手は作品を作ってなんぼ、的な時代が彼には向いていない。
こんな時代じゃなかったら、もっと評価されてたんだろうなあ、と思いつつ、まあ、文化省のプレミオ・ナショナルも貰ってるしね。
生まれ育ったアルカラでこんな風に踊ることができてるし、いいのかな。
7月7日マドリードのサルスエラ劇場で初演された『ラ・べジャ・オテロ』
そんな華やいだ雰囲気だけど、まだ2席ごとに1席空けているのはコロナゆえ。それでも劇場で、生オーケストラ伴奏での舞踊公演を観ることができるのは本当に幸せなこと。
La Bella Otero-Ballet Nacional de España Maria Alperi 北スペイン、ガルシアでのお祭りの場面 |
オテロは、若き日をパトリシア・ゲレーロが、晩年をマリベル・ガジャルドが踊り、かつ歌います。
La Bella Otero-Ballet Nacional de España Maria Alperi マントンで踊るパトリシア |
La Bella Otero-Ballet Nacional de España Maria Alperi フォリー・ベルジェールのカンカン娘たち |
ただ最初のガリシア、民族舞踊のシーンの衣装はオテロの赤いスカート以外は地味な色合いでまた舞台上の人数が多いのでせっかくのダンスが映えない、とか、上手にオテロがパトロンと並んで座って見てるていの、劇中劇『カルメン』が全幕?って思うくらい長かったり、カフェのフラメンコシーンも長めだったりとか、フォリー・ベルジェールでのカンカンが衣装のせいもあるのかな、で、いまいちだったり、はちょっと残念かもしれません。
La Bella Otero-Ballet Nacional de España Maria Alperi |
それでも、カジノのシーンで、ルーレットと一緒に回り出す人たちや、棒を繋いだ長い袖を翻して踊るロイ・フラーのイメージの挿入、ベルエポックの衣装姿の散歩など、面白かったり、美しい場面も多く、また、終わり近く、怪僧ラスプーチンを踊るルベン・オルモの体の使い方の素晴らしさなど、観るべきところも多く、おすすめできる理由もたくさん。
ゲストで主役のパトリシアは熱演。これまでにも自分の作品にも演技的要素があったし、そういった経験も生きているのでしょう。でも、この作品は、ラ・べジャ・オテロの人生をなぞるように描いてはいても、彼女の内面や感情はあまり描いていないという感じ。どうして彼女に皆が夢中になったのかも見えてこない。あえてそうしたのかなあ。各国の国王たちが集う誕生日に宝石だけで身につけて登場したとか、彼女がまとった衣装を生まれ故郷の聖母様の衣装として寄贈したというエピソードは丹念に描いているのだけど、人としての彼女が見えてこない。カジノが大好きで顔が輝くのはわかったけど、男性や宝石はそれほど好きだったようにも見えなかったし。うーん。
ちょっとミュージカルみたいな感じもあり、美しく、楽しく観られる作品だけど、個人的にはそこがちょっと不満。期待しすぎたのかな。でも、アーティスト、スタッフが一丸となって作り上げた大作で、スペイン舞踊ファン必見の作品には違いありません。
マドリー公演は全て売り切れだそうですが、来年5月にはセビージャのマエストランサ劇場での公演が予定されています。それまでに他にもきっと公演を重ねて、また違った印象があるかもしれないな、と思っておりまする。
ウトレーラのお城での公演シリーズ。 フラメンコ公演は以下の通り。
他にもカディスのカルナバルの冗談音楽?チリゴタなどの公演もあります。
◇ノーチェ・デ・カスティージョenウトレーラ
7/8(木)22時
[出]〈c〉ラファエル・デ・ウトレーラ
7/17(土)22時『ラ・コプラ・フラメンカ』
[出]〈c〉エンリケ・モントージャ、マヌエル・デ・アングスティア
7/22(木)22時『イデンティダ』
[出]〈piano〉ドランテス
8/14(土)22時
[出]〈c〉アルカンヘル
8/19(木)22時
[出]〈c〉エンリケ・エル、エストレメーニョ
[場]セビージャ県ウトレーラ カスティージョ
[問]前売り https://www.giglon.com/todos?Buscar=utrera
毎夏 恒例、ロルカとグラナダは、アランブラの中にあるへネラリフェ野外劇場での、グラナダ出身の世界的詩人ロルカにまつわる公演。
2002年、アンダルシア舞踊団の『地の婚礼』で始まったと言うから今年で20年。アンダルシア舞踊団がロルカのショジョ戯曲『蝶の呪い』というタイトルで、ロルカゆかりの舞姫たち、アルヘンティーナやアルヘンティニータや、ロルカの仲間だったブニュエルと接点のあるカルメン・アマジャ、そして同時代のマーサ・グラアムなどのイメージも重ねた作品のよう。
18日にグラナダ国際音楽舞踊祭で初演して、その翌々日から1ヶ月の公演が始まります。
◇ロルカ・イ・グラナダ
7/20(火)〜8/21(土)※日月休演『エル・マレフィシオ・デ・ラ・マリポサ』
[出]〈b〉アンダルシア舞踊団、〈g〉アルフレド・ラゴスほか
[場]グラナダ アランブラ内ヘネラリフェ劇場
アンダルシア州のフラメンコ公演シリーズ、フラメンコ・ビエネ・デル・スールのプログラムが発表になりました。
今まではセビージャは毎週火曜、グラナダは月曜に行われていたのですが、今年はセビージャは9月から10月にかけて、グラナダは10月に、集中して開催されます。
セビージャは現在、引退ツアー中のベテラン、セラニートに始まり、パウラ・コミトレやファルキート、ダビ・コリア、アンダルシア舞踊団時代と舞踊が特に充実。カンテはマイテとトレメンディータだけかあ。ジャズピアノみたいなアンドレス・バリオスやちょっとロサリアぽい?マリア・ホセ・ジェルゴとかも入ってます。パコの甥ホセ・マリア・バンデーラとディエゴ・アマドールの公演が気になるなあ。
グラナダは歌が多いかな。去年のビエナル8月公演で面白かったラウル・カンティサノとかもあるけれど。
この公演シリーズ、他よりも入場料も安いのでぜひ。
◇フラメンコ・ビエネ・デル・スール2021
セビージャ
9/16(木)
[出]〈g〉セラニート
9/17(金)『カマラ・アビエルタ』
[出]〈b〉パウラ・コミトレ
9/18(土)『サナシオン』
[出]〈c〉マリア・ホセ・ジェルゴ
9/22(水)『タレント・フラメンコ・コンクール優勝者ガラ』
9/23(木)『パケアンド』
[出]〈g〉ホセ・マリア・バンデーラ、〈piano〉ディエゴ・アマドール
9/24(金)『トレメンダ』
[出]〈c〉ラ・トレメンディータ
9/25(土)『インティモ』
[出]〈b〉ファルキート
9/30(木)『メメント』
[出]〈c〉マイテ・マルティン
10/1(金)『スルコス』
[出]〈piano〉アンドレス・バリオス
10/2(土)『アノニモ』
[出]〈b〉ダビ・コリア
10/7(木)、8(金)、9(土)『Antonio。100アニョス・デ・アルテ』
[出]〈b〉アンダルシア舞踊団
[場]セビージャ セントラル劇場
[問]https://www.juntadeandalucia.es/cultura/teatros/teatro-central/
グラナダ
10/1(金)『ペルソナリダ』
[出]〈c〉パンセキート
10/2(土)『アモール』
[出]〈c〉イスラエル・フェルナンデス、〈g〉ディエゴ・デル・モラオ
10/7(木)『ヒタネリア』
[出]〈c〉リン・コルテス
10/8(金)『モレ(ノ)モレ』
[出]〈b〉マリア・モレーノ
10/9(土)『カンテ・イ・タコン』
[出]〈c〉アルカンヘル
10/14(木)『ソナ・アコルナダ』
[出]〈g〉ラウル・カンティサーノ、ビデオ/ロス・ボルブレ
10/15(金)『アルテ・レガード』
[出]〈b〉フアナ・アマジャ、ナサレ・レジェス
10/16(土)
[出]カリファト3/4
10/17(日)『エル・カンテ・ミラ・ア・ラ・アランブラ』
[出]〈c〉アリシア・モラーレス、アントニオ・カンポス
[場]グラナダ アランブラ劇場
[問]https://www.juntadeandalucia.es/cultura/teatros/teatro-alhambra/
マラガ
11/3(水)『エル・コラソン・ケ・ムエベ・フラメンコ』
[出]ミゲル・ピノ
[場]マラガ カノバス劇場
[問]https://www.juntadeandalucia.es/cultura/teatros/teatro-canovas/