2021年3月24日水曜日

4月のセビージャはフラメンコ

昨年に引き続き今年も、聖週間もフェリアもないセビージャではありますが、劇場公演は続いています。

4月14日から24日まではフラメンコ公演が続きます。

まずは14日と15日、マエストランサ劇場でスペイン国立バレエ団による公演。これは今年生誕100周年を迎える踊り手グラン・アントニオへのオマージュ公演。アントニオの振り付けによる名作、日本でもお馴染みのサラサーテの『サパテアード』をはじめ、スペイン古典舞踊の粋『ソナタス』、民族舞踊を素晴らしくまとめた『ファンタシア・ガライカ』に加え、バレエ団監督ルベン・オルモらの振付でこれが初演となる『エスタンパス・フラメンカス』、アントニオの愛弟子カルロス・ビランの振り付けによる『レジェンダ』と見どころいっぱい。

また、ロペ・デ・ベガ劇場では昨年のビエナルでヒラルディージョ賞を受賞したアーティストたちの公演が三つ。17日にはロペ・デ・ベガ劇場でペドロ・エル・グラナイーノ、19日にはアルフレド・ラゴスのリサイタル、23日にはアンドレス・マリン、といずれもビエナルとは全く違う作品の公演となります。アルフレドは全くのギターソロだそうで、とても楽しみ。

またビエナルで上演予定だったものの感染拡大で稽古ができず延期になっていたラファエル・リケーニのオーケストラとの共演もマエストランサで行われ、最後は授賞式ガラで、新人賞受賞のパウラ・コミトレが踊ります。他にも、先にあげた3人と、楽器部門のディエゴ・ビジェガス、作品賞『ファンダンゴ』、特別賞のダビ・ラゴス(伴唱)、マリア・モレノ(魔法の瞬間)、ラファエル・リケーニ(セビージャ市賞)も出席します。


昨年のビエナルの総決算とでもいうべき今回の3つの公演と国立バレエ、4月のセビージャはそれだけでも美しいのに余計にうきうきしてきます。




ロペ・デ・ベガ劇場での記者会見



◇セビージャ、マエストランサ劇場のフラメンコ関連公演

4/15(木)、16(金)19時『アントニオ・ルイス・ソレールに捧ぐ』/『ソナタス』『エスタンパス・フラメンカス』『レジェンダ/アストゥリアス・デ・アルベニス』『サパテアード』『ファンタシア・ガライカ』

[出]〈b〉スペイン国立バレエ団

[料]32~50ユーロ

4/24(土)19時『セビリア組曲』

[出]〈g〉ラファエル・リケーニ、セビージャ交響楽団

[料]

[場]セビージャ マエストランサ劇場

[問]https://www.teatrodelamaestranza.es



◇ロペ・デ・ベガ劇場のフラメンコ/

4/17(土)18時『パロ・イスパリス』

[出]〈c〉ペドロ・エル・グラナイーノ、〈g〉アントニオ・デ・パトロシニオ、〈perc〉パコ・ベガ、〈b〉エル・オルコ、特別協力〈piano〉ドランテス

4/19(月)18時『ソロ・ギターラ』

[出]〈g〉アルフレド・ラゴス

4/23(金)18時『ハルディン・インプーロ』

[出]〈b〉アンドレス・マリン、ゲスト〈c〉セグンド・ファルコン、ホセ・バレンシア、〈g〉サルバドール・グティエレス、〈perc〉ダニエル・スアレス、〈エレキギター〉ラウル・カンティサノ

4/25(日)12時ヒラルディージョ受賞式

[出]〈b〉パウラ・コミトレ

[問]https://icas.sevilla.org


2021年3月21日日曜日

トニ・エル・ペラオ逝く


 

踊り手のトニ・エル・ペラオが3月19日に亡くなりました。

1939年生まれ。本名アントニオ・マンサーノ・ベルムデス。マドリードのフラメンコ舞踊一家として有名なペラオ家の出身で、祖父がエル・ペラオ・ビエホ、父はフアン・エル・ビエホ、エル・ガト(ファルーカを作ったと言われます)は大おじ、ファイコはおじにあたり、2歳で初舞台、12歳でプロに。タブラオ、サンブラでラファエル・ロメーロやペリーコ・デル・ルナールらと共演し、“フェスティバル・フラメンコ・ヒターノ”と言うグループ/作品ではパコ・デ・ルシア、カマロンらとの共演でヨーロッパを回りました。ローラ・フローレスらの映画に出演したりもしています。1970年代には妻で踊り手のラ・ウチと来日し大阪で公演、1990年には小島章司の招きで再来日しています。


マドリード王立劇場で小島を挟んでウチとトニ夫妻


得意のファルーカはシンプルで無駄のない、そっけないくらい短いパフォーマンスでしたが、姿勢が美しく、動きのムイ・フラメンコさで、魅せられました。ご冥福をお祈りします。

2021年3月19日金曜日

ヘレス、オフ・フェスティバル

 ヘレスのフェスティバルのプログラム発がありましたが、フェスティバル期間中に開催される“オフ・フェスティバル”のプログラムも続いて発表されました。

プレス用資料に開演時間がなかったのでこれはまた、わかったら追記する予定ですが、かつては7時、19時、21時、23時とかだったような。今年はヘレスフェスの開演時間が30分繰り上がっているのでそれもあるのかな。その後、色々変更されて時間付きでアップされていたので入れ替えました〜下のは最新情報です。

なお、今年のフェスティバルはビセンテ・ソトへのオマージュだそうです。

そのビセンテをはじめ、ヘマ・モネオ、サライ・ガルシアらヘレスのフェスティバルに出演したことのある人たちもいます。

5月11日には萩原淳子が4回目の出演を果たします。ここ数年増えてきた日本人の出演ですが、今年は彼女だけですが、どんな舞台を見せてくれるのか楽しみです。



◇オフ・フェスティバル

5/6(木)18時30分

[出]〈b〉ヘマ・モネオ

5/7(金)

17時[出]〈b〉マリア・フェルナンデス『インプルソ』

19時[出]〈c〉クリスティアン・モレ『スペルノバ』

21時[出]〈c〉ビセンテ・ソト

5/8(土)

17時[出]〈b〉ラ・チキ・デ・ヘレス、タティアナ・ルイス舞踊学校

19時[出]〈b〉バネサ・ビスコチョ

21時[出]〈perc〉ルイス・デ・ペリキン・イ・ファミリア

5/9(日)

17時[出]〈b〉マカレーナ・デ・ヘレス舞踊学校

19時[出]〈violin〉ソフィー・Quarenghi

21時[出]〈c〉マヌエル・デ・カンタローテ

5/10(月)

17時[出]〈b〉イネス・ルビオ

19時[出]〈b〉ホセ・カルモナ“ラピコ”

21時[出]〈g〉へスース・アガラード“エル・グアルディア”

5/11(火)

17時[出] 〈b〉アレハンドラ・パチョン

19時[出]〈b〉萩原淳子Junko

21時[出]〈b〉マヌエラ・カラスコ

5/12(水)

17時[出]〈b〉ウーゴ・ロペス

19時[出]〈b〉カルロス・カルボネル

21時[出]〈c〉ホアキン・フローレス“エル・キニ”『アシ・シエント・ジョ』

5/13(木)

17時[出]〈b〉パカ・ロドリゲス

19時[出]〈b〉エレナ・オジェロ、マリア・ペレア

5/14(金)

17時[出]〈b〉チキ・デ・ヘレス舞踊学校

19時[出]〈b〉ハイロ・バルール

21時[出]〈b〉パウラ・シエラ

22時[出]〈c〉マリア・メスクレ

5/15(土)

17時[出]〈b〉ジェシカ・ブレア

19時[出]『ラ・ハウラ』

21時[出]〈c〉マロコ・ソト、〈perc〉アネ・カラスコ

5/16(日)

17時[出]〈b〉サライ・ガルシア

19時[出]〈b〉へスリ・カリージョ

21時[出]〈b〉ホセ・ガルバン

22時[出]〈c〉アントニオ・マレーナ『カンテス・デ・ブロンセ・イ・スエニョ』

5/17(月)

17時

19時

21時[出]〈c〉ハイメ・カンディエ『ア・ミ・サンティアゴ

5/18(火)

17時

19時[出]〈b〉ラ・トゥルコ

21時[出]〈b〉パトリシア・マネス

5/19(水)

17時[出]〈b〉ヘマ・モネオ

19時[出]〈c〉ウィロ・デル・プエルト

21時[出]〈c〉ティア・フアナ・デル・ピパ

5/20(木)

17時[出]〈b〉ベアトリス・モラレス、〈c〉アグへータ・チーコ

19時[出]〈b〉クラウディア・クルス

21時[出]〈b〉ソフィア・デル・リオ

5/21(金)

17時[出]〈b〉エステル・アランダ舞踊学校

19時[出]〈c〉カルメラ・デ・ヘレス

21時[出]〈c〉フェルナンド・デ・ラ・モレーナ

22時[出]〈b〉ミゲル・エル・ルビオ

5/22(土)

17時[出]〈b〉マカレーナ・デ・へレス舞踊学校

19時[出]〈b〉サロメ・ラミレス、マリア・レジェス

21時[出]〈b〉ビセンタ・ガルベス

22時[出]〈b〉ティティ・フローレス

[場]へレス グアリダ・デル・アンヘル

[問]www.laguaridadelangel.es 

2021年3月10日水曜日

ヘレスのフェスティバル、プログラム発表

 ヘレスのフェスティバルのプログラムが出ました。

まだ県境を越えてはいけないので記者会見に行けませんでしたが、劇場で客席に間をとって記者たちが座るなどして行われたようです。

開幕はエバ。

アンドレス・ペーニャ、グリロ、マリア・デル・マル・モレーノ、メルセデス・ルイスら地元ヘレス勢からマリア・パヘスやアントニオ・マルケスらベテランまで。

ビエナルで観たものもあるけれど、これが初演というものもたくさん。楽しみです。




25回ヘレスのフェスティバル

56(木)2030分『アル・イグアル・ケ・トゥ』世界初演

[出]〈b〉エバ・ジェルバブエナ舞踊団、特別協力〈c〉サンドラ・カラスコ

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]3039ユーロ

57(金)1830分『フラメンコ・シン・フロンテーラ』

[出]〈g〉アントニオ・レイ

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

[料]25ユーロ

57(金)2030分『カンパナス・デ・サンティアゴ』世界初演

[出]〈b〉アンドレス・ペーニャ、ゲスト〈c〉ホセ・ガルベス、ダビ・カルピオ、ミゲル“ロンドロ”、特別協力フアナ・ラ・デル・ピパ

[場]ヘレス サラ・コンパニア

[料]25ユーロ

58(土)1830分『コン・ヘラルキア。ラファエル・フェルナンデス・スアレス“ネネ”に捧げる』

[出]〈c〉ホセ・バレンシア、ゲスト〈b〉ヘマ・モネオ

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

[料]25ユーロ

58(土)2030分『アルマ』世界初演

[出]〈b〉ホアキン・グリロ、ゲスト〈c〉ルイス・エル・サンボ、ゲスト〈g〉ディエゴ・デル・モラオ

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]2737ユーロ

59(日)13時『アルパ・ホンダ』

[出]〈ハープ〉アナ・クリスマン、ゲスト〈g〉アルフレド・ラゴス

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

[料]25ユーロ

59(日)2030分『アンダルシア舞踊団25周年』

[出]〈b〉アンダルシア舞踊団、ゲスト〈b〉ディエゴ・ジョリ、マリアーノ・ベルナル、クリスティアン・ロサーノ、ローサ・ベルモンテ

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]2737ユーロ

510(月)2030分『クルセス』世界初演

[出]〈b〉ホセ・マヌエル・アルバレス

[場]ヘレス サラ・コンパニア

[料]25ユーロ

511(火)1830分『エキラテロ』世界初演

[出]〈b〉フアン・カルロス・アベシージャ

[場]ヘレス サラ・コンパニア

[料]25ユーロ

511(火)2030分『ファンダンゴ!』

[出]〈b〉ダビ・コリア&〈c〉ダビ・ラゴス

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]2533ユーロ

512(水)1830分『イデンティダ』

[出]〈c〉アルフレド・テハーダ、〈b〉クラウディア・ラ・デブラ

[場]ヘレス サラ・コンパニア

[料]25ユーロ

512(水)2030分『メモリア・ビバ』

[出]〈b〉マリア・デル・マル・モレーノ

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]2737ユーロ

513(木)1830分『ロス・コローレス・デ・マグダレーナ』

[出]〈b〉グアダルペ・トーレス

[場]ヘレス サラ・コンパニア

[料]25ユーロ

513(木)2030分『ジャ・ノ・ソモス』

[出]〈b〉アンヘル・ロハス・フラメンコ・プロジェクト

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]2533ユーロ

514(金)1830分『ガレリア』

[出]〈b〉ホセ・マルドナード

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

[料]25ユーロ

514(金)2030分『メデア』『ボレロ』『サパテアード』

[出]〈b〉アントニオ・マルケス舞踊団、ゲスト〈b〉クリージョ、ルペ・ゴメス

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]3039ユーロ

515(土)13時『アンティポダス』世界初演

[出]〈b〉フロレンシア・オス

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

[料]25ユーロ

515(土)1830分『フラメンカス・デ・ペリクラ』世界初演

[出]〈c〉メルチョーラ・オルテガ、協力〈b〉ピラール・オガージャ

[場]ヘレス サラ・コンパニア

[料]25ユーロ

515(土)2030分『デバホ・デ・ロス・ピエス』世界初演

[出]〈b〉エドゥアルド・ゲレーロ、ゲスト〈b〉サラ・ヒメネス、アルベルト・セジェス

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]2737ユーロ

516(日)13

[出]〈b〉エステベス&パーニョス

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

[料]25ユーロ

516(日)1830分『トランシシオネス』

[出]〈b〉フェルナンド・ヒメネス、ゲスト〈b〉パストーラ・ガルバン、ゲスト〈g〉ホセ・ガルベス

[場]ヘレス サラ・コンパニア

[料]25ユーロ

516(日)2030分『アル・フォンド・リエラ』

[出]〈b〉ロシオ・モリーナ

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]3039ユーロ

517(月)1830分『アントニア・ヒメネス・トリオ』

[出]〈g〉アントニア・ヒメネス

[場]ヘレス サラ・コンパニア

[料]20ユーロ

517(月)2030分『フレンテ・アル・シレンシオ』世界初演

[出]〈b〉ラ・モネータ

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]2533ユーロ

518(火)2030分『カルタ・ブランカ』

[出]〈b〉アンドレス・マリン、ゲスト〈c〉セグンド・ファルコン、ホセ・バレンシア

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]2533ユーロ

519(水)2030分『ミス・トレス・プニャレス』

[出]〈c〉タマラ・タニェ、〈b〉サライ・ガルシア、ミゲル・アンヘル・エレディア、アントニオ・テヘロ

[場]ヘレス サラ・コンパニア

[料]25ユーロ

520(木)2030分『パライソ・デ・ロス・ネグロス』アンダルシア初演

[出]〈b〉マリア・パヘス舞踊団

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]3039ユーロ

521(金)1830分『ロス・パシトス・ケ・ジョ・ドイ』

[出]〈c〉ヘスス・メンデス

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

[料]25ユーロ

521(金)2030分『エル・サルト』

[出]〈b〉ヘスス・カルモナ舞踊団

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]2533ユーロ

522(土)17時『ハビエル・ラトーレ振付工房』

[出]クルシージョ生徒

[場]ヘレス サラ・パウル

522(土)1830分『タラモ』世界初演

[出]〈b〉モニカ・イグレシアス

[場]ヘレス サラ・コンパニア

[料]25ユーロ

522(土)2030分『セグンダ・ピエル』世界初演

[出]〈b〉メルセデス・ルイス舞踊団

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[料]2737ユーロ

522(土)23時『タブラオ』

[出]〈c〉アルカンヘル、〈b〉マカレーナ・ロペス

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

[料]25ユーロ

 

[問]https://www.festivaldejerez.es

 

 入場券は3月11日発売。ビジャマルタ劇場公演を8公演以上、その他公演を5公演以上購入で2割引あり。ただし、ビジャマルタ劇場公演は4つに別れたグループのものを均等に購入せねばならない。

2021年3月8日月曜日

マヌエル・カサス『フラメンコ・プロジェクト』


セビージャのトリアーナ・フラメンコ劇場で、ギタリスト、マヌエル・カサスの『カサス・フラメンコ・プロジェクト』を観てきました。

これはイスラエルのフラメンコ祭、ディアス・デ・フラメンコのための収録でした。フェスティバルは3月18日から20日までオンラインで開催。

チケットのページがあったのだけどヘブライ語でわかんないという。。。


マヌエル・カサス、私は知らなかったのだけれど、エストレマドゥーラ出身で、タブラオや舞台公演で活躍し、日本にも行っている人だったのね。


彼と歌のエセキエル・モントージャ、
          
エレキベースのフアンへ・ペレス、パーカッションのダニエル・スアレスというグループに、踊り手のアベル・アラーナとルシア・アルバレス“ラ・ピニョーナ”が参加。

           


公演はソロに始まり、それがソレア・ポル・ブレリアになってアベル登場。

     

ルシアはタラント。迫力満点。



曲はほぼシームレスな感じで繋がっていく、ブレリアからソレア・ポル・ブレリア、タラントからタンゴ、そしてアレグリアス。

マヌエルのギターはこれ、といった






このアレグリアスを踊ったルシアが良かった。なんだろう、エネルギーに溢れていて、バーンとぶつけてくる感じ。




アベルはシギリージャ。





ライブはやっぱりいい。  

見る方もやる方もライブが楽しくてしょうがない、という感じ。全身全力でのパフォーマンスを受け止める心地よさ。

早くもっとたくさんのライブを見ることができるようになりますように。





 

2021年3月4日木曜日

追悼エル・ボー


3月4日朝、ヘレスの自宅でマヌエル・ソト・バレア“エル・ボー”が亡くなりました。

1992年セビージャ万博アンダルシア館


歌い手マヌエル・ソト、ソルデーラの三男として1957年12月9日、ヘレスのサンティアゴ街に生まれ、家族とマドリードへ。カナステーロスやベンタ・デル・ガトなどのタブラオで舞踊伴唱の歌い手として活躍しました。
ボーという名前はテレモート・デ・ヘレス(マリア・テレモートの祖父)が名付けたのだとか。

が、「椅子に座って歌うことへの敬意がありすぎて」歌い手をやめ、パルメーロに。
パルメーロとしての最初の録音は兄ビセンテのレコードで、エンリケ・パントーハと一緒に叩いたのだと言います。

チチャリート、グレゴリオ、ラファらと、ヘレスならではの抜群のコンパスで、さまざまな人の公演、レコード/CDなどに参加しています。
モライートやホセ・メルセ、マカニータなどヘレスの仲間はもちろん、
ビセンテ・アミーゴやミゲル・ポベーダ、 エストレージャ・モレンテ、ラ・タナなど数多くのアルティスタたちのアルバムに参加、また共演してきました。

ルイス・エル・サンボのパルマをチチャロ、グレゴリオと。

今は他の人も使う、「ウジェ」などをハレオで入れるのを始めたのも彼です。


映画、カルロス・サウラの『フラメンコ』オープニング撮影後



妻はディエゴ・カラスコの妹、息子は日本でも活躍したマロコ。

サンティアゴ街でモライート、ディエゴ・カラスコと

パルメーロが本職でも、歌って踊ってのフェステーロでもあり、

サンティアゴ街でのフェスティバルでひと踊り

細身の彼が歳とともに貫禄が出て、父に顔がどんどん似ていきましたね。

同じフェスティバルで長兄エンリケのパルマを務める

病気をしたりもあったけれど、いつ会っても変わらない、明るい人柄で楽しくおしゃべりできました。




もう会えないのはとても悲しいです。心からご冥福を祈ります。
 











2021年3月1日月曜日

アンダルシアの日/アンダルシア章

 2月28日はアンダルシアの日、ということで、アンダルシア州が各界の功労者におくる、メダジャ・デ・アンダルシア、アンダルシア章の授章式が、セビージャのマエストランサ劇場で行われました。

これは1985年に始まったもので、その翌年にはマリオ・マジャがフラメンコ・アーティストとして初めて、受章しています。

1988年にはパコ・デ・ルシア、90年にはマノロ・サンルーカル、92年にマヌエル・カーノ、93年にはカマロン(没後受章)、94年にはフェルナンダ&ベルナルダ、95年にはピラール・ロペス、96年チャノ・ロバート、97年トマティート、カルメン・リナーレス、98年フアニート・バルデラマ、99年アントニオ・カナーレス、2000年ビセンテ・アミーゴ、2001年マティルデ・コラル、2003年チョコラーテ、2004年サラ・バラス、2005年エンリケ・モレンテ、2007年エバ・ジェルバブエナ、2010年ホセ・メルセ、2011年マリア・パヘス、2012年ミゲル・ポベーダ、2013年マヌエル・ヘレーナ、2014年エストレージャ・モレンテ、2016年イスラエル・ガルバン、2017年アルカンヘル、パコ・セペーロ、2018年チキート・デ・カルサー(没後)、ニーニャ・パストーリ、ラファエル・アマルゴなどが受章しているようです。順番とか、あれ、って思うこともありますが、色々政治的事情もあるのでしょう。

今年はぺぺ・デ・ルシアが受章。娘で歌手のマルーが2015年に受章しているのでそれに続きの親子受賞です。

YouTubeで中継された授章式では最初にダビ・デ・アラアルが演奏、ぺぺも少し歌いました。

おめでとうございます。