メルチョーラ・オルテガの子供の頃のあだ名がメモレ。
でもそのあだ名を母が嫌って、その名を芸名にはできなかったそうな。
で今回。その名前を使って、小さい頃から聞いてきたフラメンコ系スペイン歌謡を歌いまくるというわけだ。フラメンコ・フラメンコではないけれど、ルンバにコロンビアーナのアイレを加えたり、など、面白い試みをしてる。
伴奏にはギターだけでなく、ピアノにドラム/パーカッション、ウッドベースにサックス/フルート/ハーモニカと、ナイトクラブ風に。
いろいろ工夫はしているし、フラメンコもメルチョーラがシギリージャを歌ってイサベル・バジョンが色っぽく踊ってくれた。
ダビやイサベル、ピアニストのアレハンドロが出演していたイスラエル・ガルバンの「ロ・レアル」をちょっと思い出させる。あの作品では、ナチスの時代のドイツの退廃的な雰囲気とスペイン人気を思い起こさせるものだった。
あ、そうか、メルチョーラはここで歌っている、こういう感じのものが好きだったんだな、と納得。彼女のルーツなんだろう。
生バンドで歌うカラオケの女王、みたいな感じ。日本で言えば、ザ・ピーナッツとか美空ひばりの「真っ赤な太陽」とか、そういうのを歌っている感じ、って言えばわかってもらえるかな。
元祖ラップのような、ローラ・フローレスのタンギージョとか、なるほど彼女によく似合う。
ミュージシャンたちもいい。きちんと舞台作品として成り立っている。
Javier Fergo para Festival de Jerez |
でもメルチョーラが楽しんでいるのは伝わってきたからそれでよし。
スペイン歌謡人気も復活したし、こういうのが好きな観客もいると思うし。
衣装も豪華にお色直し。でもスリットはどうせなら思いっきり入れて欲しかったかも。
個人的にはイサベルがウッドベースの伴奏で歌った、ジャジーな曲とダビが歌った「テ・ロ・フロ・ジョ」が印象に残る。それにしてもイサベル、なんであんなに色っぽいんだろう。回転の間合い、腰の動き、ちょっとした目線など、本当ため息出ちゃうほどです。
Javier Fergo para Festival de Jerez |
ちなみに今日、ビジャマルタ劇場では27歳の誕生日を迎えたパトリシア・ゲレーロの公園がありましたが、私はビエナルで見たので行きませんでした。
〈c〉メルチョーラ・オルテガ、ダビ・ラゴス
〈b〉イサベル・バジョン
〈g〉サンティアゴ・ララ
〈perc〉ペドロ・ナバッロ
ベース;アントニオ・コラレス
サックス、フルート;ディエゴ・ビジェガス
ピアノ;アレハンドロ・ロハス・マルコス
コーラス;ロシオ・ソト、フェルナンド・ガラン