今、一番、旬なカンタオール、ミゲル・ポベーダが
最新盤「コプラス・デ・ケレール」でみごとゴールド・ディスク賞を受賞しました。
「コプラス・デ・ケレール」はそのタイトル通り、コプラを歌ったアルバムです。
コプラはカンシオン・エスパニョーラなどともよばれるスペイン歌謡。
スペインの演歌、とでもいったらいいでしょうか。
ローラ・フローレス、ロシオ・フラードのようにスペイン歌謡もフラメンコも歌った歌手もいるし
パケーラだって歌っていたし、
スペイン歌謡の曲にはブレリアのリズムで歌われるものもあり、
またフラメンコの歌い手がコプラをブレリアにのせて歌うこともあり
(今週亡くなったベルナルダやその姉フェルナンダがよくやっていました。 Se nos rompio el amor とか、きいたら絶対、思いだすはず!)
そのさかいめは案外あいまい?
いやいや、フラメンコはフラメンコ。コプラはコプラ。
でも家族のようなものなのです。だから、かな。
ミゲルが歌うと、コプラでもフラメンコな表現がたっぷりあるし、
フラメンコ好きなあなたが聴いてもきっと満足できるはず。
でも今回、インターネットのダウンロードや海賊版の影響もあって
CDが売れない、という状況がつづくなか、
みごと3万枚の売り上げを達成しゴールドディスク受賞となったのは
やはり、フラメンコよりもより一般的な人気を誇るコプラを歌ったというのもあるでしょう。
でも前作のフラメンコ「ティエラ・デ・カルマ」でもすでに一般の人気をえつつあったミゲルなら
次作はフラメンコでプラチナ!?も夢じゃない。
2009年10月31日土曜日
2009年10月30日金曜日
EL COMPAS 石井智子とディエゴ・カラスコ
いやー楽しかった。すごかった、
隣に座った方、ごめんなさい。さぞうるさかったことでしょう。
でも声でちゃうんです。オレ!が自然に。で、ついつい。。。
のっけのグアヒーラ。
そのまた最初、名手アルフレド・ラゴスの美しいファルセータで
ゆっくり、ゆったりと動き出した石井さんの美しさ!
これだけでもう来た甲斐はあったというもの。
エバ・ジェルバブエナ初日のソレア・ポル・ブレリアの最初、ソレアのファルセータでエバがみせた、
あのゆっくりした動きにも通じる、すばらしい瞬間だった。
姿かたちの美しさ。グアヒーラらしい、南国風のゆったりした雰囲気を見事に表現してて
ほんと、うなりました。
バックでポーズをとる、群舞の人たちのかたちもとーっても美しい。
客席からみて美しい、ということは、やってる方はかなりたいへんなはず。なんだけど。
いやーよかったです。
ソレア・ポル・ブレリアを踊ったフンコはいくつか、おっ!というレマーテみせてくれた。
でいよいよディエゴ。
王様のような椅子に座ったディエゴはギターを手に歌い始めます。
少ない音で多くを表現するギター。クラシックかつ現代的。
不思議な世界が広がっていきます。
でてきただけで空気が変わる。
「カチョーロが僕に言った/出ていくときに/今年はだめだ、苦しくて
信じないなら、嘘をいっていると思うなら/橋で待っていて/死んで来るから」
聖週間の、トリアーナのカチョロ像を歌ったこの曲をきくと
私の眼の前にトリアーナの風景がうかんできます。
橋が、そこの人々の顔が。
語りかけるように歌うディエゴ。大観衆を前にしているというのに
私だけに語りかけてくるようにきこえるのはなぜ?
なつかしいギターのイントロがつまびかれる。20年前の「トマケトマ」収録の「アイ・ミ・アモール」だ。
時間が引き戻される。ひとつひとつの音がことばがしみこんでいく。
締めは新曲。ヘレスの秋祭りをモチーフにした曲。
今度はヘレスの風景が目に浮かびます。ボデーガ、アレナル広場、そして人々。。。。
しみじみとした雰囲気は続くシギリージャ(群舞。カスタネットもきちんとしていてこれまたまる)へといい流れをつくり、石井さんのタラントで一部はおしまい。
二部は歌って踊るディエゴで幕あき。
いやーすごすぎ。
ちょっとしたしぐさがまさにコンパス。微妙な間合いをみごとについてくるのです。
これはもう、そのコンパスの波にゆられて、うなるのみ。
アルフレドが、ディエゴのアルバムに収録されている、モライートやカニサーレスのファルセータを弾き伴奏するのもすごい。いやー、アルフレドって目立たないかもしれないけど、ほんとすごいギタリスト。
カンティーニャで美しいバタ・デ・コーラ姿の石井さん登場。
ディエゴを前に一歩もひくことなく、彼の歌をコンパスとしっかりと踊る。
のび縮みするコンパスにもあわせ…
こういったらなんですが、スペイン人だってこんだけ堂々とディエゴと渡り合えるかどうか疑問、
ってくらいに見事でございました。ほんとよ。
群舞のバタ・デ・コーラにマントンのアレグリアスも見事、の一言。
衣装も、オーソドックスな振り付けもアレグリアスの王道。
フンコと石井さんのパレハに続いてまたもやディエゴが登場。
アルバム「A TIEMPO」収録のEL TINO De UN TORERO
浦島太郎がフューチャーされたこの曲が終幕を飾ります。
いや、原曲を知らない人はなんで浦島?と目が点になったことでしょう。
でも楽しい。いやーフラメンコって楽しい。と思ったのではないでしょうか。
フラメンコがそのまま人になったようなディエゴ。
フラメンコのまじめさと楽しさとその両方をしっかりみせてくれました。
石井さんありがとう!
ディエゴとわたりあえる彼女はこれからもまた進化しつづけていくのでしょう。
あーほんと楽しい一夜でありました。
ちなみに客席にはこれまたったくさんのフラメンコが。
文化功労者となった小島章司さん(おめでとうございます!)は次回公演の共演者であるクリスティアン・ロサーノと。岡田昌巳さん、濱田滋朗さん、加部洋さん、堀越千秋さん、プリメラ・ギターラのチコさん、フラメンコ協会の田代事務局長さん、小林伴子さん、チャチャ手塚さん、鈴木尚さん、ルナさん、山本将光さん、川島桂子さん、西脇美絵子さん、平富恵さん…いやーきっとみんな、楽しかったんではないかと。。。
隣に座った方、ごめんなさい。さぞうるさかったことでしょう。
でも声でちゃうんです。オレ!が自然に。で、ついつい。。。
のっけのグアヒーラ。
そのまた最初、名手アルフレド・ラゴスの美しいファルセータで
ゆっくり、ゆったりと動き出した石井さんの美しさ!
これだけでもう来た甲斐はあったというもの。
エバ・ジェルバブエナ初日のソレア・ポル・ブレリアの最初、ソレアのファルセータでエバがみせた、
あのゆっくりした動きにも通じる、すばらしい瞬間だった。
姿かたちの美しさ。グアヒーラらしい、南国風のゆったりした雰囲気を見事に表現してて
ほんと、うなりました。
バックでポーズをとる、群舞の人たちのかたちもとーっても美しい。
客席からみて美しい、ということは、やってる方はかなりたいへんなはず。なんだけど。
いやーよかったです。
ソレア・ポル・ブレリアを踊ったフンコはいくつか、おっ!というレマーテみせてくれた。
でいよいよディエゴ。
王様のような椅子に座ったディエゴはギターを手に歌い始めます。
少ない音で多くを表現するギター。クラシックかつ現代的。
不思議な世界が広がっていきます。
でてきただけで空気が変わる。
「カチョーロが僕に言った/出ていくときに/今年はだめだ、苦しくて
信じないなら、嘘をいっていると思うなら/橋で待っていて/死んで来るから」
聖週間の、トリアーナのカチョロ像を歌ったこの曲をきくと
私の眼の前にトリアーナの風景がうかんできます。
橋が、そこの人々の顔が。
語りかけるように歌うディエゴ。大観衆を前にしているというのに
私だけに語りかけてくるようにきこえるのはなぜ?
なつかしいギターのイントロがつまびかれる。20年前の「トマケトマ」収録の「アイ・ミ・アモール」だ。
時間が引き戻される。ひとつひとつの音がことばがしみこんでいく。
締めは新曲。ヘレスの秋祭りをモチーフにした曲。
今度はヘレスの風景が目に浮かびます。ボデーガ、アレナル広場、そして人々。。。。
コンパスの魔術師、といわれ、みながフィエスタ的な彼を待っていただろうとこに
しっとりとした曲をもってくる。してやられました。
しみじみとした雰囲気は続くシギリージャ(群舞。カスタネットもきちんとしていてこれまたまる)へといい流れをつくり、石井さんのタラントで一部はおしまい。
二部は歌って踊るディエゴで幕あき。
いやーすごすぎ。
ちょっとしたしぐさがまさにコンパス。微妙な間合いをみごとについてくるのです。
これはもう、そのコンパスの波にゆられて、うなるのみ。
アルフレドが、ディエゴのアルバムに収録されている、モライートやカニサーレスのファルセータを弾き伴奏するのもすごい。いやー、アルフレドって目立たないかもしれないけど、ほんとすごいギタリスト。
カンティーニャで美しいバタ・デ・コーラ姿の石井さん登場。
ディエゴを前に一歩もひくことなく、彼の歌をコンパスとしっかりと踊る。
のび縮みするコンパスにもあわせ…
こういったらなんですが、スペイン人だってこんだけ堂々とディエゴと渡り合えるかどうか疑問、
ってくらいに見事でございました。ほんとよ。
群舞のバタ・デ・コーラにマントンのアレグリアスも見事、の一言。
衣装も、オーソドックスな振り付けもアレグリアスの王道。
フンコと石井さんのパレハに続いてまたもやディエゴが登場。
アルバム「A TIEMPO」収録のEL TINO De UN TORERO
浦島太郎がフューチャーされたこの曲が終幕を飾ります。
いや、原曲を知らない人はなんで浦島?と目が点になったことでしょう。
でも楽しい。いやーフラメンコって楽しい。と思ったのではないでしょうか。
フラメンコがそのまま人になったようなディエゴ。
フラメンコのまじめさと楽しさとその両方をしっかりみせてくれました。
石井さんありがとう!
ディエゴとわたりあえる彼女はこれからもまた進化しつづけていくのでしょう。
あーほんと楽しい一夜でありました。
ちなみに客席にはこれまたったくさんのフラメンコが。
文化功労者となった小島章司さん(おめでとうございます!)は次回公演の共演者であるクリスティアン・ロサーノと。岡田昌巳さん、濱田滋朗さん、加部洋さん、堀越千秋さん、プリメラ・ギターラのチコさん、フラメンコ協会の田代事務局長さん、小林伴子さん、チャチャ手塚さん、鈴木尚さん、ルナさん、山本将光さん、川島桂子さん、西脇美絵子さん、平富恵さん…いやーきっとみんな、楽しかったんではないかと。。。
ベルナルダ!
10月28日水曜日の午後、ベルナルダ・デ・ウトレーラが
ウトレーラの自宅で亡くなりました。享年82歳。
ここ数年は表にでることもなく、病と闘っていた彼女。
2006年に亡くなった姉フェルナンダとともに、日本ではウトレーラ姉妹として知られる歌い手。
姉が鳥肌だつようなソレアで魅了すれば
ベルナルダはクプレとよばれるスペイン歌謡をブレリアで歌うのを得意としました。
そっけないようで熱があり、しみいるような彼女のブレリア。
いくつもの歌詞をうたいついでいくベルナルダを
その横でパルマをたたきながらほほえんで見守るフェルナンダ。
今も目の前にその姿がうかんできます。
29日午後、教会でのお葬式のあと、彼女の遺骸をのせた車は
町の彼女たちの銅像の前を通って市の墓地に。
姉とともに葬られたそうです。
合掌。
ウトレーラの自宅で亡くなりました。享年82歳。
ここ数年は表にでることもなく、病と闘っていた彼女。
2006年に亡くなった姉フェルナンダとともに、日本ではウトレーラ姉妹として知られる歌い手。
姉が鳥肌だつようなソレアで魅了すれば
ベルナルダはクプレとよばれるスペイン歌謡をブレリアで歌うのを得意としました。
そっけないようで熱があり、しみいるような彼女のブレリア。
いくつもの歌詞をうたいついでいくベルナルダを
その横でパルマをたたきながらほほえんで見守るフェルナンダ。
今も目の前にその姿がうかんできます。
29日午後、教会でのお葬式のあと、彼女の遺骸をのせた車は
町の彼女たちの銅像の前を通って市の墓地に。
姉とともに葬られたそうです。
合掌。
2009年10月29日木曜日
amor y sacrificio
代々木上原のmusicasaは、坂の上にある小さなホール。
コンクリ打ち放しなんだけど、どこか教会を思わせるのはなぜだろう。
ここに来るのは2回目。前回と同じく鍵田真由美・佐藤浩希両氏のデスヌードが目当て。
大きな劇場の舞台での彼女たちは知っていたのだが
小さな空間では、今までみえないところまでみえてきて
かたちの美しさ、そしてその中につまった思いに、
また新しい感覚の演出に、いやー、日本のフラメンコもすごいもんだ、
と認識を新たにしたのはこの春のことでした。
で再び坂を登った。
サックスとパーカッションにギターという音楽。
ラテンのスタンダードナンバーであるオブセシオンは
マイテ・マルティンのボレロのアルバムにも収録されているけど
それとはまったくちがうアレンジで、それはそれでおもしろかったんだけど
歌がきこえにくいのはどうなのかな。マイク、あってもよかったかもね。
闘牛場を思わせるようなサックスの響き。マイルス・デイビスのスケッチ・オブ・スペインが思いだされる。
愛と犠牲はスペイン語でいうと flamenco contemporaneo という感じの振り付け。
フラメンコのテクニックをつかった自由な、現代的な表現。
フラメンコ曲やリズムもあるけど、フラメンコの決まりにとらわれすぎない形式、とでもいいましょうか。
べレン・マジャとラファエラ・カラスコの作品なんかにもそういうのがあったし、
マルコ・フローレス、ダニエル・ドーニャらの「チャンタ・ラ・ムイ」なんかもそうだな。
マルコ・バルガスとクロエの作品もそうだし、
コンテンポラリー系といえばフアン・レリダとかもそうだし、
今のスペインのフラメンコの中ではけっこう重要な動きであります。
フラメンコをそのものを踊る/演じる、のではなく、フラメンコを“つかって”、というのは
日本のフラメンコの歴史からいうとかなり新しい動きになると思う。
それをするためにはもちろん、基本のフラメンコがちゃんとしていないといけないわけで
本来のフラメンコへの敬意と愛としぬほどたくさんの練習、 つまりフラメンコへの献身が必要。
今回のタイトル、愛と犠牲、amor y sacrificioのsacrificioには献身という意味もあるわけで
それは決して彼らが意図したことではないのだろうけど、
私はフラメンコへの愛と献身をみていたのでありました。
物語というのか、メッセージというのか、そこらへんがわかりにくかったこともある。
劇場作品を再編集したようで、劇場でみるとまた違うのかもだけど。
あ、カンテの滝本さんのサエタもよかったよ。スペインの声だよね。
でもセラットのサエタはスペイン的にはちょっとポピュラーすぎるかもです。
日本では知られてないし、マチャードの詩がいいからいいのだろうけど。
フラメンコへの愛と献身が日本のフラメンコをここまでひっぱってきたわけでございます。
で、これからどっちへいく?
鍵田さんは今度、コンテンポラリーの人と共演するそうで、それがとってもみてみたい気がする。
コンクリ打ち放しなんだけど、どこか教会を思わせるのはなぜだろう。
ここに来るのは2回目。前回と同じく鍵田真由美・佐藤浩希両氏のデスヌードが目当て。
大きな劇場の舞台での彼女たちは知っていたのだが
小さな空間では、今までみえないところまでみえてきて
かたちの美しさ、そしてその中につまった思いに、
また新しい感覚の演出に、いやー、日本のフラメンコもすごいもんだ、
と認識を新たにしたのはこの春のことでした。
で再び坂を登った。
サックスとパーカッションにギターという音楽。
ラテンのスタンダードナンバーであるオブセシオンは
マイテ・マルティンのボレロのアルバムにも収録されているけど
それとはまったくちがうアレンジで、それはそれでおもしろかったんだけど
歌がきこえにくいのはどうなのかな。マイク、あってもよかったかもね。
闘牛場を思わせるようなサックスの響き。マイルス・デイビスのスケッチ・オブ・スペインが思いだされる。
愛と犠牲はスペイン語でいうと flamenco contemporaneo という感じの振り付け。
フラメンコのテクニックをつかった自由な、現代的な表現。
フラメンコ曲やリズムもあるけど、フラメンコの決まりにとらわれすぎない形式、とでもいいましょうか。
べレン・マジャとラファエラ・カラスコの作品なんかにもそういうのがあったし、
マルコ・フローレス、ダニエル・ドーニャらの「チャンタ・ラ・ムイ」なんかもそうだな。
マルコ・バルガスとクロエの作品もそうだし、
コンテンポラリー系といえばフアン・レリダとかもそうだし、
今のスペインのフラメンコの中ではけっこう重要な動きであります。
フラメンコをそのものを踊る/演じる、のではなく、フラメンコを“つかって”、というのは
日本のフラメンコの歴史からいうとかなり新しい動きになると思う。
それをするためにはもちろん、基本のフラメンコがちゃんとしていないといけないわけで
本来のフラメンコへの敬意と愛としぬほどたくさんの練習、 つまりフラメンコへの献身が必要。
今回のタイトル、愛と犠牲、amor y sacrificioのsacrificioには献身という意味もあるわけで
それは決して彼らが意図したことではないのだろうけど、
私はフラメンコへの愛と献身をみていたのでありました。
物語というのか、メッセージというのか、そこらへんがわかりにくかったこともある。
劇場作品を再編集したようで、劇場でみるとまた違うのかもだけど。
あ、カンテの滝本さんのサエタもよかったよ。スペインの声だよね。
でもセラットのサエタはスペイン的にはちょっとポピュラーすぎるかもです。
日本では知られてないし、マチャードの詩がいいからいいのだろうけど。
フラメンコへの愛と献身が日本のフラメンコをここまでひっぱってきたわけでございます。
で、これからどっちへいく?
鍵田さんは今度、コンテンポラリーの人と共演するそうで、それがとってもみてみたい気がする。
2009年10月27日火曜日
ファルキート スペイン公演!
日本に帰ってくると、「今、誰がいい?」ってよく訊かれます。
バイラオーラならパストーラ・ガルバンとロシオ・モリーナ。
歌はミゲル・ポベーダだけど最近売れすぎなくらいかも。
ギターはヘラルド・ヌーニェス。アルバムではヘスース・トーレスがめちゃよかった。。。。
っていうのが私の答え。
でバイラオールは?ってきかれるとこたえます。
イスラエル・ガルバンはもうすごすぎ。
若手では? といわれると、やっぱこの人の名前がでてきちゃうんですよね。
昨年のビエナルで観たっきり。だけど、いや、やっぱ、この人のフラメンコはいい。
きりっとしていて、品格のある野生を感じさせるフラメンコ。
真摯で、まっすぐで、古くて新しい。そんなフラメンコ。
折につけて思い出してしまうのでありました。
でもなぜかスペインでは公演ないなー、と思っていたら
スペインの大手プロモーターが契約したというニュースが。
うんうん。さもありなん。彼はそれだけのカリスマのある希有な存在ですもん。
そのファルキートがスペインで公演します。作品は昨年のビエナルでもみせた「プーロ」。
7人の歌い手、3人のギタリスト、ピアノ、バイオリン、パーカッションと
13人のミュージシャンを従えての一人舞台。
12月1日 ビルバオ Palacio Euskalduna
3月15日 バルセロナ リセウ劇場
これにあわせてスペイン旅行の日程を組んじゃいますか。
日本のフラメンコ
今回の私の日本滞在は別にエバにくっついてきたわけでも
ディエゴ・カラスコのおっかけをしてるわけでもなく、
(そうだと思った人が一人以上いることでしょーが)
日本のフラメンコの歴史を探る旅なのでありました。
古い日本のフラメンコのプログラムをお借りしてはひたすらスキャンの女工哀史。
自分の研究のため、なのでありますが、スキャンしたものはヘレスのアンダルシア・フラメンコ・センターにも所蔵されることになる予定。研究者の役にたってくれることでしょう。
日本のフラメンコ公演のプログラムは豪華で、写真がいっぱい。
スペインの基準からするとこれは“本”なのだそうです。。。
古いものでは1950年代、1960年代なんてものもありまして、いやー、いにしえに思いをはせつつスキャン。。。
黎明期の、まだ辞書にフラメンコの文字がなかったころにフラメンコと出会い、恋に落ち、人生が180度変わってしまった先駆者たちには、ほんと頭がさがります。
1ドル360円時代に、フラメンコゆえにスペインへ旅立っていった人たちにも。
情報もなにもないまま、頼る人もないまま、フラメンコへの愛だけでシベリア鉄道に乗った人たち。。。。
そしてむかーしに日本を訪れたスペインのアルティスタたちもすごいですよね。
日本と中国のちがいもわからないまま、仕事というだけでやってきた人たち。
彼らがフラメンコを世界中に広めたわけですよね。
日本の先駆者たちとスペインの先駆者たちがあってこそ、今の日本のフラメンコの隆盛があるわけで。うーん、ちょっと感動。
愛だよ、愛。フラメンコへの愛こそすべてのはじまり。基本。
などといろいろ考えながら、今夜もスキャン三昧です。。。
ディエゴ・カラスコのおっかけをしてるわけでもなく、
(そうだと思った人が一人以上いることでしょーが)
日本のフラメンコの歴史を探る旅なのでありました。
古い日本のフラメンコのプログラムをお借りしてはひたすらスキャンの女工哀史。
自分の研究のため、なのでありますが、スキャンしたものはヘレスのアンダルシア・フラメンコ・センターにも所蔵されることになる予定。研究者の役にたってくれることでしょう。
日本のフラメンコ公演のプログラムは豪華で、写真がいっぱい。
スペインの基準からするとこれは“本”なのだそうです。。。
古いものでは1950年代、1960年代なんてものもありまして、いやー、いにしえに思いをはせつつスキャン。。。
黎明期の、まだ辞書にフラメンコの文字がなかったころにフラメンコと出会い、恋に落ち、人生が180度変わってしまった先駆者たちには、ほんと頭がさがります。
1ドル360円時代に、フラメンコゆえにスペインへ旅立っていった人たちにも。
情報もなにもないまま、頼る人もないまま、フラメンコへの愛だけでシベリア鉄道に乗った人たち。。。。
そしてむかーしに日本を訪れたスペインのアルティスタたちもすごいですよね。
日本と中国のちがいもわからないまま、仕事というだけでやってきた人たち。
彼らがフラメンコを世界中に広めたわけですよね。
日本の先駆者たちとスペインの先駆者たちがあってこそ、今の日本のフラメンコの隆盛があるわけで。うーん、ちょっと感動。
愛だよ、愛。フラメンコへの愛こそすべてのはじまり。基本。
などといろいろ考えながら、今夜もスキャン三昧です。。。
2009年10月25日日曜日
アントニオ・マイレーナ
アントニオ・マイレーナとマノロ・カラコール。
この二人のヒターノの、20世紀のフラメンコに偉大な足跡を残した歌い手たちは
今年で生誕百周年。ということで、せんだってあったマノロ・カラコール会議と同様に、
来週はアントニオ・マイレーナ会議が開催されます。
セビージャ大学(10月28日午前)やアンダルシア国際大学(10月29日午後から30日)を舞台に 研究家らによる講演や座談会、ビデオ上映などが行われるとのことです。
面白そう、なんだけど、残念ながら私は日本。なんであとで参加者に話をきくといたします。
マイレーナは冷たい、とか批判もきくし、私はマイレーナを絶対とする人には反対なんだけど、マイレーナの歌は大好きですよん。んでもってカラコールも。
そ、私は欲張り。とゆーかストライクゾーンがでかい。
でもフラメンコってすっごく大きいもんで、いろんなのがあるから、そのどれかひとつだけが好きなんではなく、あれもこれも好き、なのでありますな。
ひとつにこだわるのではなく、いろんな好きがあった方が人生より楽しいと思うのですが、どうですか?
2009年10月24日土曜日
滝本正信 en Esperanza
いやーなんだってこんなに日本で公演が。。。。
とかいいながら、今日もでかけていく私でありました。
行き着く先は高円寺のエスペランサ。日本のフラメンコの殿堂、メッカでございます。
ここを知らずして日本のフラメンコを語るなかれ、でありますな。
この決して大きいとはいえないタブラオの舞台に立ったアルティスタ、数知れず。
日本人はもちろんのこと、スペイン人も、よりすぐりのアルティスタたちが、すばらしい瞬間をみせてくれてきたのです。ほんと、スペインにいてもなっかなか味わえないような、特別な瞬間を。
そんな魔法がおきるような、なにか、があるんですね、このお店には。。。
んでもって、今日のメニューは日本が世界に誇る本格派滝本正信さんをメインに、
お弟子さんである西容子さんと鍵田さんの曽根崎で滝本さんのカンテの相手役をつとめた川島桂子さん、バイレで影山奈緒子さん、伴奏は昨日に引き続き鈴木尚さん、という実力派勢ぞろい、いつでもかかってきやがれ、的超強力フラメンコ、でありました。
んでもって、しょっぱなのファルーカですでに私はノックアウトされてしまったのでありました。
カンテではなくギターソロ。それも滝本さんのソロ!
いや、滝本さんは歌い手です。ですが、もともとギターからフラメンコに入ったギタリスト、でもあるのです。自らのCDに自分で伴奏したくらいの腕前、つまり、日本を代表するカンタオールが認めたギタリストなわけですから、はい、はっきりいって上手、なんていうのが失礼なくらいな腕前。
ファルーカは、ほんと、名手ぺラオの踊りが目の前にうかんでくるような、昔ながらの、きっちりした、雰囲気あふれるファルーカ。脱帽です。ヘレスのギタリスト、パコ・セペーロの曲だそうですが、いやいや、ほんと驚かされました。
もいっこ、よかったのは最後に影山さんが踊ったソレア。これまた昔風の、ソレアらしいソレアで、思わずハレオかけてしまうほど。歌をきいて踊ってるのがわかります。はいはい。そうでなくては。
というわけで最初と最後が最高だったわけですから、あとは想像してくださいまし。
西さんはファンダンゴの歌いだしがすごくよかったし、川島さんは古い歌詞総動員のカンティーニャと最後のブレリアの呼吸がようございました。歌詞のつなげるセンスもいいなあ。
あ、尚さんのソロもよかったよ~。しっかりサポートな伴奏はもちろんだけど。
とゆーことで満足。
しかし客席もすごかった。
パセオでおなじみ、写真家高瀬友孝さん、日本のフラメンコ史をさぐる菊池裕子さん、元パセオ編集長で日本のフラメンコをするどく見続けている西脇美絵子さん、作家もすなるギタリスト、逢坂剛さん、というまたとない顔合わせの豪華メンバー。に加えて、来日中の歌い手ボケロンやギタリスト、アントニオ・ゴンサレスも顔をだしたって、えええ?すごすぎ。
はい。しかぜは終電で帰ってきました。帰ってきたのが奇跡みたいなもんだな、こりゃ。
はい、スペインなら絶対フィエスタだし、残りますけど、日本は歩いて帰れないので。。。
いつか今度はセビージャで。。。。ないですかねえ。。。
とかいいながら、今日もでかけていく私でありました。
行き着く先は高円寺のエスペランサ。日本のフラメンコの殿堂、メッカでございます。
ここを知らずして日本のフラメンコを語るなかれ、でありますな。
この決して大きいとはいえないタブラオの舞台に立ったアルティスタ、数知れず。
日本人はもちろんのこと、スペイン人も、よりすぐりのアルティスタたちが、すばらしい瞬間をみせてくれてきたのです。ほんと、スペインにいてもなっかなか味わえないような、特別な瞬間を。
そんな魔法がおきるような、なにか、があるんですね、このお店には。。。
んでもって、今日のメニューは日本が世界に誇る本格派滝本正信さんをメインに、
お弟子さんである西容子さんと鍵田さんの曽根崎で滝本さんのカンテの相手役をつとめた川島桂子さん、バイレで影山奈緒子さん、伴奏は昨日に引き続き鈴木尚さん、という実力派勢ぞろい、いつでもかかってきやがれ、的超強力フラメンコ、でありました。
んでもって、しょっぱなのファルーカですでに私はノックアウトされてしまったのでありました。
カンテではなくギターソロ。それも滝本さんのソロ!
いや、滝本さんは歌い手です。ですが、もともとギターからフラメンコに入ったギタリスト、でもあるのです。自らのCDに自分で伴奏したくらいの腕前、つまり、日本を代表するカンタオールが認めたギタリストなわけですから、はい、はっきりいって上手、なんていうのが失礼なくらいな腕前。
ファルーカは、ほんと、名手ぺラオの踊りが目の前にうかんでくるような、昔ながらの、きっちりした、雰囲気あふれるファルーカ。脱帽です。ヘレスのギタリスト、パコ・セペーロの曲だそうですが、いやいや、ほんと驚かされました。
もいっこ、よかったのは最後に影山さんが踊ったソレア。これまた昔風の、ソレアらしいソレアで、思わずハレオかけてしまうほど。歌をきいて踊ってるのがわかります。はいはい。そうでなくては。
というわけで最初と最後が最高だったわけですから、あとは想像してくださいまし。
西さんはファンダンゴの歌いだしがすごくよかったし、川島さんは古い歌詞総動員のカンティーニャと最後のブレリアの呼吸がようございました。歌詞のつなげるセンスもいいなあ。
あ、尚さんのソロもよかったよ~。しっかりサポートな伴奏はもちろんだけど。
とゆーことで満足。
しかし客席もすごかった。
パセオでおなじみ、写真家高瀬友孝さん、日本のフラメンコ史をさぐる菊池裕子さん、元パセオ編集長で日本のフラメンコをするどく見続けている西脇美絵子さん、作家もすなるギタリスト、逢坂剛さん、というまたとない顔合わせの豪華メンバー。に加えて、来日中の歌い手ボケロンやギタリスト、アントニオ・ゴンサレスも顔をだしたって、えええ?すごすぎ。
はい。しかぜは終電で帰ってきました。帰ってきたのが奇跡みたいなもんだな、こりゃ。
はい、スペインなら絶対フィエスタだし、残りますけど、日本は歩いて帰れないので。。。
いつか今度はセビージャで。。。。ないですかねえ。。。
2009年10月23日金曜日
Takaのファーストアルバム発表記念コンサート
いや、ほんと今週はイベントが盛りだくさん。
で、木曜日は青山のcayで行われたTakaのファーストアルバム発表コンサートに。
満員御礼の盛況でございました。
いや、でも、ほんと、みんな、まめだね。
この日も中尾貴子さん、川崎さとみさん、林結花さん、鍵田真由美さん佐藤浩希さん、関口京子さんら、日本が誇る踊り手の皆さんをはじめ、ギターの松村哲志さん、
パセオ編集部の野島さん、塩川さん、元編集部の水野さん、などなどなつかしい顔にもあえて満足!
はい。もちろんコンサートも楽しかったです。
Taka くんはヘレス時代に会ったのでん? 何年前になるのかな。
スペインでもプロ活動をしていたというキャリアもすごいけど、音大出身だけに?自らギターも弾けば作曲もkなしちゃう、というのもすごい。
今回、脱帽だったのは日本語でのカンテ。
スペイン語でうたいはじめたファンダンゴが日本語になる、なんて思いがけない展開が、すっごく自然。
でもって日本語になるとより声にのびがでて、いい感じ!
いやー、びっくりしました。
ジャズやシャンソンでは普通に日本語で歌われてきて、それがこれらの普及に役立ったわけだけど、フラメンコはなかなか日本語で歌われませんよね、普通。
あ、堀越画伯のソレアとか、鍵田さんの曽根崎で、とか、前にまったくなかったわけじゃないけどね。
でも、もっとずっと自然でこなれた感じ。力んでなくて、等身大のファンダンゴでございました。
二部でもやっぱ一部、日本語で歌ったんだけど、いいね。
親しみやすいメロディをつくるセンスも抜群だし、いやいや、おもしろかったです。
っていうか、日本人も、今のスペインの雰囲気で、自分で歌をつくっていく時代になったんだな、と感慨無量。
あ、超豪華な伴奏陣もよかったですよ。
沖仁さんのタンゴはめっちゃかっこよかったし、鈴木尚さんのしっかり歌をサポートしていくスペインぽい伴奏も。でもって俵英三さんの、俺はフラメンコがすきだぞー光線たっぷりで、スペインのバルの片隅で弾いているような雰囲気のトーケもようござんした。
で、木曜日は青山のcayで行われたTakaのファーストアルバム発表コンサートに。
満員御礼の盛況でございました。
いや、でも、ほんと、みんな、まめだね。
この日も中尾貴子さん、川崎さとみさん、林結花さん、鍵田真由美さん佐藤浩希さん、関口京子さんら、日本が誇る踊り手の皆さんをはじめ、ギターの松村哲志さん、
パセオ編集部の野島さん、塩川さん、元編集部の水野さん、などなどなつかしい顔にもあえて満足!
はい。もちろんコンサートも楽しかったです。
Taka くんはヘレス時代に会ったのでん? 何年前になるのかな。
スペインでもプロ活動をしていたというキャリアもすごいけど、音大出身だけに?自らギターも弾けば作曲もkなしちゃう、というのもすごい。
今回、脱帽だったのは日本語でのカンテ。
スペイン語でうたいはじめたファンダンゴが日本語になる、なんて思いがけない展開が、すっごく自然。
でもって日本語になるとより声にのびがでて、いい感じ!
いやー、びっくりしました。
ジャズやシャンソンでは普通に日本語で歌われてきて、それがこれらの普及に役立ったわけだけど、フラメンコはなかなか日本語で歌われませんよね、普通。
あ、堀越画伯のソレアとか、鍵田さんの曽根崎で、とか、前にまったくなかったわけじゃないけどね。
でも、もっとずっと自然でこなれた感じ。力んでなくて、等身大のファンダンゴでございました。
二部でもやっぱ一部、日本語で歌ったんだけど、いいね。
親しみやすいメロディをつくるセンスも抜群だし、いやいや、おもしろかったです。
っていうか、日本人も、今のスペインの雰囲気で、自分で歌をつくっていく時代になったんだな、と感慨無量。
あ、超豪華な伴奏陣もよかったですよ。
沖仁さんのタンゴはめっちゃかっこよかったし、鈴木尚さんのしっかり歌をサポートしていくスペインぽい伴奏も。でもって俵英三さんの、俺はフラメンコがすきだぞー光線たっぷりで、スペインのバルの片隅で弾いているような雰囲気のトーケもようござんした。
2009年10月22日木曜日
ソレア! エバ・ジェルバブエナ公演速報!
ソレア!
なんといっても彼女のソレア! 最後に、黒いバタ・デ・コーラで踊ったソレア!
観た人、おめでとうございます。
観られなかった人、残念でした。
いや、ほんと、そのくらい、すごいすごい、ソレアでございました。
もともとエバのソレアには定評ありますね。これまでの作品で踊りこんできたあのソレアではなく、今回みせてくれたソレアはまったく別の振り付けでございます。
今年2月ヘレスで初演なった新作「ジュビア」のさいごをかざったもので、いやー、これがなんともいえないすごみにあふれているのであります。
昨日の公演のカンティーニャスでもバタでみせてくれましたが、バタあしらいも今日のソレアにとどめをさします。ううう、見事、というしかない。。。ってこちとらライターなんだから言葉で説明しなくちゃ、ですよね。むむむ。。。
思わずオレを連発してしまうくらいにフラメンカでありながら、彼女ならではのオリジナリティにあふれてて、心をわしづかみにしてもっていってしまうような、そんなソレア。
後半、ロシオ・フラードというスペイン歌謡の歌手のヒット曲をブレリアにしたところでの感情表現といい。。。彼女と私の心が一緒に踊ってる、そんなことさえ感じさせてしまうのであります。
ソレア終わると場内総立ち! いやあ、最高でございました。
エバ二日目は彼女の独り舞台である「ジェルバブエナ」という作品だったのでありますが、作品としてみた場合の完成度でいえば、昨日の勝ち、だと思うのでありますが、あのソレアだけで今日の勝ち、のような。。。
しかしエバのすごさは、常にクリエイトし続けてやまない、とこにあるよーな気も。
新作といっても構成や衣装がちがうだけで同じ振り付けを何十年と踊り続けるアルティスタもいます。
それもひとつの道。ライブでは同じ振り付けでも同じように踊れるとは限らないし、宝物のような一曲を極み続けるアルティスタも私は大好きだし、素晴らしいと思います。
でも、エバのように、たゆみなく“創造”を繰り返していくアルティスタもすごい。
なんでこんなにあふれるように新しいアイデアがわいてくるのでしょう。
そう、彼女の中からあふれてくる、っていう感じなのですよね。そこがすごい。
エバがいうには、あえて新しいことをしようと、考えてやってるわけではないそうなのです。
自然にあふれてくる。
ってことは、それだけのインプットもしているわけで。インプット、つまりいろんなビデオや、ジャンルをこえた舞台芸術、いや文学や美術も含めた芸術全体をみて栄養をつけることも大切なのだ、と改めて感じたことでした。
道は遠く長く険しいけどまたその過程も楽し、なのではないでしょうか。。。
なんといっても彼女のソレア! 最後に、黒いバタ・デ・コーラで踊ったソレア!
観た人、おめでとうございます。
観られなかった人、残念でした。
いや、ほんと、そのくらい、すごいすごい、ソレアでございました。
もともとエバのソレアには定評ありますね。これまでの作品で踊りこんできたあのソレアではなく、今回みせてくれたソレアはまったく別の振り付けでございます。
今年2月ヘレスで初演なった新作「ジュビア」のさいごをかざったもので、いやー、これがなんともいえないすごみにあふれているのであります。
昨日の公演のカンティーニャスでもバタでみせてくれましたが、バタあしらいも今日のソレアにとどめをさします。ううう、見事、というしかない。。。ってこちとらライターなんだから言葉で説明しなくちゃ、ですよね。むむむ。。。
思わずオレを連発してしまうくらいにフラメンカでありながら、彼女ならではのオリジナリティにあふれてて、心をわしづかみにしてもっていってしまうような、そんなソレア。
後半、ロシオ・フラードというスペイン歌謡の歌手のヒット曲をブレリアにしたところでの感情表現といい。。。彼女と私の心が一緒に踊ってる、そんなことさえ感じさせてしまうのであります。
ソレア終わると場内総立ち! いやあ、最高でございました。
エバ二日目は彼女の独り舞台である「ジェルバブエナ」という作品だったのでありますが、作品としてみた場合の完成度でいえば、昨日の勝ち、だと思うのでありますが、あのソレアだけで今日の勝ち、のような。。。
しかしエバのすごさは、常にクリエイトし続けてやまない、とこにあるよーな気も。
新作といっても構成や衣装がちがうだけで同じ振り付けを何十年と踊り続けるアルティスタもいます。
それもひとつの道。ライブでは同じ振り付けでも同じように踊れるとは限らないし、宝物のような一曲を極み続けるアルティスタも私は大好きだし、素晴らしいと思います。
でも、エバのように、たゆみなく“創造”を繰り返していくアルティスタもすごい。
なんでこんなにあふれるように新しいアイデアがわいてくるのでしょう。
そう、彼女の中からあふれてくる、っていう感じなのですよね。そこがすごい。
エバがいうには、あえて新しいことをしようと、考えてやってるわけではないそうなのです。
自然にあふれてくる。
ってことは、それだけのインプットもしているわけで。インプット、つまりいろんなビデオや、ジャンルをこえた舞台芸術、いや文学や美術も含めた芸術全体をみて栄養をつけることも大切なのだ、と改めて感じたことでした。
道は遠く長く険しいけどまたその過程も楽し、なのではないでしょうか。。。
2009年10月21日水曜日
エバ! エバ・ジェルバブエナ日本公演速報
エバ、観てきました!
はい、今、一時帰国中で日本です。で、フラメンコ中毒な私はエバ観に行ってきた、とゆーわけですな。
エバ、やっぱすごい。
なんか、改めて感じたのでありました。
いやー、すごい。
なにがすごいって、曲の中に入り込んでいっちゃうのがすごい。
しょっぱなのシギリージャの、ゆっくりとした腕の動きにオレ!
いやー、こーゆーの、なかなかないっす。
でもいっちゃん好きだったのはソレアの最初。
旦那様、パコ・ハラーナが弾く美しいファルセータの流れの中で
ゆっくりと向きをかえていく。
そのすごさ。深さ。ぞくぞくぞく〜っと鳥肌がたったのでありました。
ぎゃぎゃぎゃ。
今思い出してもすすすーって、背中にくる感じ。
もう、これだけでじゅうぶんです。
でもティエントもよかったし、バタ・デ・コーラのカンティーニャスもよかったし、
あー古いのとか音楽面とかいろいろ勉強研究しているのがとってもよくわかる群舞のファルーカもよかったし。
で、ほんと、彼女、曲の中にはいっていっちゃうんですよね。
歌をきいて、音をきいて、コンパスを呼吸し、ってして、彼女の中に入ってきたそのフラメンコを、彼女ならではの咀嚼をしたうえで、また外にだしてくる、というか。
うーむ、うまくいえないけど、エバは特別ななにかをもった舞踊家であります。
んでもって踊りは人だなあ。
彼女の生真面目さがあちこちにでている。
派手さはないけど光っている。
いぶし銀、というほどには渋くないけど、ジルコニアやラメのきらきらさではなく、
翡翠のような、というか、深い色をもったフラメンコなんだなあ、と、思ったことでした。
歌ではペペ・デ・プーラのソレア、よかったっす。
でも個人的にはエンリケ・ソトで聴きたかったな。。。とも。
明日(っていうかもう今日?)はエバの独り舞台。
これもまた見逃せません。
あ、今日は会場にあの、コンパスの魔法使い、ディエゴ・カラスコも石井智子さんと来てましたよん。
ほかにもパセオでおなじみの濱田滋朗先生、パセオの有力執筆陣菊池裕子さん、この秋にイスラエル/スペイン公演を控えた小松原庸子先生、12月の公演が楽しみな小島章司先生、野村眞里子さん、中尾貴子さん、松下幸恵さん、先ほどスペインから帰られたばかりの鈴木敬子さん、林結花さんら、日本のフラメンコを支えている舞踊家の方々や、先ほどマヌエラ・カラスコ公演を主催されたイベリアの蒲谷さん、堀越千秋画伯, フラメンコのCDならなんでもおまかせなアクースティカの加部さん、などなど、たくさんの方にお会いできたのも、久しぶりの日本なしかぜにはうれしゅうございました。
ほいじゃ、また明日〜
2009年10月20日火曜日
flamencoradio.com にプレミオ・オンダ(放送賞)!
24時間いつでもインターネットでフラメンコが聴けちゃうwww.flamencoradio.com。
前にもご紹介したこのラジオ局が、その発想の新しさを評価されてスペインの権威ある賞である、プレミオ・オンダのラジオ革新部門の賞を獲得!いたしました。
日本からはインターネットで、ですが、アンダルシアならFMで、
またスペイン国内では衛星放送ラジオやデジタル地上波でも聴くことができます。
お、今かけたらディエゴ・カラスコのペーニャ・エル・ボージョ!
大好きな曲がかかって最高な気分です
2009年10月14日水曜日
ペーニャ・フラメンカ フアニート・ビジャール
Hiranitoこと平野健作さんが公演したカディスのペーニャ、フアニート・ビジャール。
大西洋にひしゃくのようにつきでたカディスの街の突端から先にでた海の要塞、サン・セバスティアン城へと続く海の中道、フェルナンド・キニョネス(作家ですがフラメンコ番組の司会なんてのもしてましたね)通りの、陸側の、つけねのところにある。
門をくぐってすぎ右の白壁の家。入って右に舞台。その奥が楽屋。左奥はバルカウンター。
ビールは1ユーロ50センティモだが、おすすめはマンサニージャ。樽からついでくれるアルグエジェス(メーカー名です)のうまいことといったら!
このペーニャでは今月いっぱい、第3回フラメンコにおけるカディスの女たち・シリーズ
というコンサートシリーズが毎週金曜日に開催中。
今年はヘルトゥルディ・ヒメネスに捧げられてます。
今週金曜日の16日は歌にペピ・ラ・デ・イグナシオ(伴奏ニーニョ・デ・レオ)
23日は歌にマイ・フェルナンデス(伴奏ニーニョ・デ・レオ)
30日は歌にマノリ・デ・へルトゥルディと踊りのジョランダ・カベジョ、
歌にパコ・レジェス、ピリ・ビジャール(伴奏ニーニョ・デ・レオ)
というグループが出演します。
開演は22時。入場は無料で飲み物代だけです。
2009年10月13日火曜日
フアン・パリージャのフラメンコ教本
フアン・パリージャを知ってますか?
フルート奏者で、作曲家。ホアキン・コルテスの来日公演でメロディアスでフラメンコな演奏をきかせてくれた彼です。そう、ちょっとキリスト風の長髪、長身、青い目のヒターノ。っていえばわかるかな?
先だって亡くなったヘレスの名ギタリスト、パリージャ・デ・ヘレスの兄でやはりギタリストのフアン・パリージャ(ヘレスのタブラオ、ラガー・デ・ティオ・パリージャのオーナーでもありますね)の次男で、兄マヌエル・パリージャはギタリスト、弟ベルナルドはバイオリン奏者として、ともにフラメンコの第一線で活躍しているフラメンコ一家出身。
ホアキン・コルテス以外にも、踊り手ならアントニオ・カナーレス、ラファエル・アマルゴ、アドリアン・ガリア、アイーダ・ゴメス、マリア・フンカルらの作品に出演し、その作品の中の曲をつくったり編曲したり。また、歌い手ではカルメン・リナーレスやディエゴ・エル・シガーラらとも共演していますね。
その彼がフラメンコ教本を出しました。「メロディ楽器のためのフラメンコ・メソッド」というタイトルとおり、彼が演奏するフルートだけでなく、ほかのメロディ楽器でも応用できるフラメンコのメソッド。タンゴ、ソレア、ブレリア、シギリージャ、アレグリアス、タンギージョと、さまざまな曲種を、楽譜付きで解説しています。
楽器やってて、でもフラメンコは難しくて。。。といってた人にぜひ手にとってもらいたい一冊ですね。CDも付属しているので、楽器で着ない人でも彼の演奏が楽しめる!というおまけつき。
フラメンコ・ワールドのウエブではタンゴの楽譜の立ち読みもできますよん。
(ver extracto del libroというところをクリック)
hiranito conquista Cai
Hiranitoこと平野健作さんは20年来のアフィシオナード。
仕事の傍ら毎週、エンリケ坂井さんのカンテのレッスンを受けてきたというベテラン。
日本ではすでに何度かリサイタルを開いていますが、今回は、彼が敬愛してやまないカディスの地で、本場のアフィシオナードたちを前にしたリサイタル、ということで緊張したかというと。。。。そんなことぜんぜんなかったそうです。
ティエントではじまり、マラゲーニャ、アレグリアス、そして渾身のソレアという第一部も、地元ギタリストの伴奏でのタンギージョ、ファンダンゴという第二部も、地元ファン総立ちの大成功のうちに終わりました。
カディスへの愛がそのまま伝わった!
いやー、日本のアフィシオンはすばらしい!と会場にいたスペイン人アフィシオナード同様、私も思ったことでした。
2009年10月9日金曜日
ラジオ番組「ヌエストロ・フラメンコ」25周年
スペイン国営放送にはテレビとラジオがあり、そのラジオの方にはメイン局のほか、ニュース専門、音楽専門、クラシック音楽専門、といくつかの局があります。
その中のクラシック局、radio Clásicaで毎週月曜と水曜の深夜24時から1時間にわたって放送されている「ヌエストロ・フラメンコ」が今年で25周年を迎えます。
パーソナリティーはホセ・マリア・ベラスケス・ガステル。
ときて、ピンと来たあなたはかなりのフラメンコおたく。
そうです。70年代に国営放送で放映され、今もDVDで多くのファンを魅了している番組「リト・イ・へオグラフィア・デル・カンテ」、カンテの祭儀と地理、なんて訳してたのもあったような、の案内人だった人であります。
25周年の記念番組は10月26日,28日の両日に放送され、ゲストも豪華にヘラルド’・ヌーニェス、カルメン・リナーレス、ホセ・メルセ。そのほかにもソプライズを
いっぱい用意しているようです。
スペインにいる人はラジオでぜひお聞きくださいまし。
スペインにいない人はネットで。こちらに過去の番組がアップされています。
記念番組も11月あたままでにはアップされるのではないでしょうか。
それにしても25年!
フアン・バレアやラファエル・ロメーロらもかつて番組に出ているそうです。。。。
2009年10月8日木曜日
番外編 あれから23年
大学のフラメンコ入門講座ネット版開始、アンダルシア各地のペーニャでの公演の話など、ニュースがないわけではないのですが、
パセオ・フラメンコのホームページに毎日アップされる、しゃちょ日記。その昨日の話は私のことについて書いて頂き(ちょっとこそばゆい。。。)
それを読んで思い出したことなどを今日は番外編として少々。
あれは魔がさした、のです。フラメンコの魔が。。。
アントニオ・ガデス舞踊団「カルメン」来日公演を観に行ったのは、その数年前にみたカルロス・サウラ監督の映画「カルメン」が印象に残っていたから。
公演があることを知ったのもテレビのワイドショーでのインフォメーションだったけど、それをみてすぐ電話して切符を予約したのはなぜでしょう。ほんと魔が差した、としかいいようがないのです。
高校大学時代は宝塚ファンだったし、就職してからも四季やブロードウエーミュージカルの来日公演やオペラなど観に行ったりはしてたものの、熱心な舞台ファンだったわけでもありません。
当時の私は銀行の子会社の営業所で事務をとる、ごくごく普通のOL。仕事はひまだし通勤は30分ちょっと。まっすぐ帰ると大相撲最後の一番が観られて、その後夕食。という、刺激もなにもない暮らしを送っていてフラストレーションがたまっていたのでしょうか。
一気にはまってしまったのです。
それには、舞台の素晴らしさもさることながら、アンコールでリズムをとることができなかったにぎやかな曲の存在が決め手でした。
だって、ふつうのコンサートなら最後は観客も皆手拍子で盛り上がれるじゃないですか。が、舞台の上はあーんなに盛り上がっているのに、こっちは文字通り手も足もでない。
い、いったい、これは何?
その何?が知りたくて、それからはレコード店や書店でフラメンコの文字を探す日々。
今のようにインターネットで手軽に調べられるわけでもなく、フラメンコのレコードがどこにでもある、というわけでもなく、ただただあれが何だか知りたい、それだけでした。
会社の昼休みにのぞいた書店でみつけた「フラメンコの誘い」に誘われてパセオを知り、そこからはもうまっさかさまでした。バックナンバーを全部注文し、ひたすら読みふけりました。
「フラメンコの誘い」をバイブルにレコードを探し、聴き、パセオを道案内に公演やタブラオに行き、舞踊やパルマ教室に通い…。その延長上ではじまったパセオのお手伝いだったのです。
あの頃の私は知りたい、というだけでフラメンコのことなどなーんにもわかっていなかったし、自分の人生が180度変わってしまったこともわかっていませんでした。その年末にははじめてのスペイン旅行にでかけ、翌87年秋にスペインに語学留学したのでした。
フラメンコと出会って23年。スペインに来て22年。思いがけなく仕事となってしまって20年。
今もまだ、最初の、“何?”の答えを探しているような気がします。
フラメンコが好き。
それだけで23年がたってしまいました。周りの皆さんにご迷惑をかけながらも助けられ、運よくここまできました。で、この後は?
立ち止まって考えるのは性に合いません。歩きながら考え続けます。
ただひとつ言えるのは、
フラメンコは人生を変えてしまうほど価値のある、すばらしいものだということ。
このすばらしいスペインのアートを一人でも多くの人と分かち合いたい。
それだけです。
なーんてちょっと気障ですかね。でも正直な話、
すばらしいアルテにふれた瞬間
や
杯を重ねながらフラメンコについて友達とおしゃべりすること
が何よりも好きなんです。
思いがけなくはじまってしまったこのフィエスタ(のような私のフラメンコ人生)ですが、マドリードのフラメンコのたまり場、カンデーラのミゲルがいっていたように
「もう帰らなくちゃ。永遠はないんだよ」
なんでしょうか。
永遠に続いてほしい、と願っているのですが。
ところでしゃちょ様、そんなに私、生意気でした?
2009年10月6日火曜日
TV番組FLAMENKO とフラメンコ・ラジオ
前にご紹介したカナルスール2の新しいフラメンコ番組FLAMENKOのホームページができました。
ビデオをみることができるのでよかったらどーぞ。
ラジオで音楽だけ楽しみたい人にはFLAMENCO RADIOへ。
LA RADIO DIRECTOとかいてあるところの一番右がフラメンコ・ラジオです。
24時間インターネットでフラメンコが聴けるというすぐれもの。レコードやCDの録音だけでなく、カナルスールがあちこちのフェスティバルで録音してきた貴重な音源もあるので,お楽しみに。
なおプログラムはこちらで。
仕事しながらきいていて気になった曲の名前やアーティストをチェックすることができるので便利ですよ〜
2009年10月5日月曜日
文学とフラメンコ セミナー in Sevilla
REAL ACADEMIA SEVILLANA DE BUENAS LETRASの主催で、第1回文学とフラメンコ セミナーが10月7日水曜日から3日間、セビージャで行われます。
7日水曜日は開会式のあと、11時から詩人で作家のフェリクス・グランデによる「マチャード・ファミリーとフラメンコ詩」、12時半からはセビージャ大学教授のペドロ・ピニェーロ・ラミレスによる「フラメンコ詩」、午後は18時からスペイン通信大学教授のフランシスコ・グティエレスによる「民衆詩、フラメンコ詩」の公演があり、19時半からはアンダルシア国際大学学長のフアン・マヌエル・スアレス/ハポンと歌い手レブリハーノによるおしゃべりとミニコンサート。
8日木曜日は午前が11時から作家ルイス・スアレス、コルドバ大学フラメンコ講座長アグスティン・ゴメスにより講演、午後は18時からセビージャABC紙記者で批評家のアルベルト・ガルシア・レジェスによる「フラメンコと文学」の講演、そして19時半からセビージャ大学教授ラファエル・インファンテと歌い手カリスト・サンチェスによるおしゃべりとコンサート。
最終日9日は午前中にセビージャ大学教授ラモン・マリア・セレーラによる「ロルカとファリャ」、同大学教授ロへリオ・レジェス・カーノによる「ベッケルとフラメンコの世界」の講演があります。。。
スペイン文学とフラメンコの関係に興味がある人にはいい企画ですね。。。
2009年10月3日土曜日
ラ・ネグラへのオマージュ
昨日はバディアという、生ハムやイベリコ豚の安売りチェーン店のもつレストランバルのサロンで、ラ・ネグラへのオマージュが行われました。
ラ・ネグラはファミリア・モントージャで活躍した歌い手。
アルジェリア、オラン生まれのヒターナで15歳のときにセビージャにきたそうです。夫が踊り手の故フアン・モントージャ。
フアンの妹が歌い手のカルメン・モントージャでその娘がカルメリージャ。
で、これがいわゆるファミリア/モントージャ、ですね。
でローレ・イ・マヌエルのローレはラ・ネグラとフアンの娘で、その娘アルバ・モリーナは孫。
ローレのほかにもアンディナやルシアらの娘がいます。
ローレとネグラが歌っている映像はこちら。
30年くらい前のものかと思いますが、アラブ語でも歌っていまする。
日本でもビデオで販売された「エル・アンヘル」のシリーズにも出演していてブレリア歌ってますが、その「エル・アンヘル」を監督したリカルド・パチョンが企画したこのオマージュ、
通常のものとはちがい、プライベートで行われました。
ジャーナリストや企業の関係者、折から行われているフラメンコ・プロジェクト関係者やら、アルティスタやら…
ラ・ネグラら、ファミリアでのミニ・リサイタルはあの名盤できいた通りのタンゴやブレリア。ばりばりのパルマにのりのいいメロディ。あまりにもなつかしく思わず落涙。年ですかね。
一方のラ・ネグラは74歳といいますが、まだまだ元気!
しかぜ、完璧まけてます。
2009年10月2日金曜日
ペーニャス・デ・グアルディア en セビージャ
ペーニャ、というのはご存知の通りフラメンコ愛好会のこと。
スペイン各地にあるペーニャはそのほとんどが集会所としての占有スペースをもっていて、
舞台があるスペースとバルがあります。小さな部屋のようなところもあれば、ちょっとしたタブラオや小劇場みたいな大きさのところもありますし、そこで踊りやカンテ、ギターなどのクラスが行われていることもあります。
セビージャにもそういったペーニャが数件あって、独自にコンサートを行ったりしていますが、その中には県内のペーニャ協会やカハソル財団が主催して、同じグループがあちこちのペーニャで公演する、といったかたちの催しもあります。
そんな中のひとつがペーニャ・デ・グアルディア。ビエナルがないほかの期間でもセビージャでフラメンコが手軽に楽しめるように、若手アルティスタを起用してはじまったコンサートシリーズです。
この10月も1日、〈b〉カロリーナ・ネグラのグループで開幕しました。公演は月、水、木曜日で12月まで続きます。プログラムはこちらでご確認くださいまし。
2009年10月1日木曜日
グラナダ市立フラメンコ舞踊学校
おとといのマリオ・マジャの記事で、マリオ・マジャ財団がグラナダに予定していたフラメンコ学校が、マノレーテとの関係でなくなった、ということを書いたのですが、その、マノレーテのフラメンコ学校開校というニュースが飛び込んできました。
フラメンコ国際学校 ラ・チュンベーラ Escuela Internacional de Flamenco. La Chumbera
というのがその名前。開校は11月9日。
ラ・チュンベーラはアルハンブラを見渡すサクロモンテの丘にあります。マリオ・マジャが昔、フラメンコ学校をやっていたところでもあり、広いスタジオとアルハンブラをバックにした舞台が自慢。
入学申し込み受付は10月15日から開始となります。
入学できるのは6歳以上で、フラメンコやクラシコ・エスパニョール、クラシックバレエなどのクラスがあるそうです。
「エバ・ジェルバブエナのような舞踊家をグラナダからうみだしたい」とマノレーテ。
問い合わせは電話58 22 34 95 まで。
コルドバのハビエル・ラトーレの学校といい、最近、自治体がフラメンコに力をいれていますね。
アンダルシア・フラメンコ・センターのCD
トゥロネーロ、パケーラ、ナランヒート、テレモート、チョコラーテ…。
フラメンコの歴史にその名を刻む偉大なアーティストたちのフェスティバルで熱唱が、アンダルシア・フラメンコ・センターの手で復刻されました。
78年頃の、ヘレスやボルノスなどのフェスティバルにデンスケかついで録音していたのはリカルド・パチョン(写真左、ちなみに中央はフラメンコ・センター長のオルガ女史、右は振興公社のパコ氏)。79年発表のアルバム「レジェンダ・デル・ティエンポ」以降、カマロンのアルバムのプロデュースをてがけた彼は、当時、あちこちのフェスティバルで、カマロンを録音していたそう。それがライブ盤というかたちでCDになったのが「フラメンコ・ビボ」。同じフェスティバルに出演していた、ほかのアルティスタたちも録音したのを保存していたのです。これがアンダルシア・フラメンコ・センター/フラメンコ振興公社などの協力でデジタル化されたものがCD5枚にまとめられたのです。
残念ながら限定版ということで、ラジオ局などに配られるものの一般には発売されないとのことですが、録音自体は、アンダルシア12カ所にあるプントス・フラメンコスで試聴可能。プントス・フラメンコスは,ヘレスにあるアンダルシア・フラメンコ・センター、セビージャのフラメンコ振興公社、公立図書館にあります。旅行のときにちょっとのぞいてみてもいいかもですね。
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