2025年3月3日月曜日

ヘレスのフェスティバル10日目エドゥアルド・ゲレーロ『ベスティヒオス・デ・ルス』

 踊り手エドゥアルド・ゲレーロの実力に異論はない。今回の新作でも、得意のタンゴなど、ああすごいなあ、と思う瞬間があった。でも作品としては、新作初演ということもあって思うようにいかないところや観客の反応でこの後、変更していくところもあるのかもしれないけれど、なんというか、読後感ならず鑑賞後感はすっきりしない。夢オチ、じゃないけれど、夢だから、何をやってもいい的な構成演出で、統一感がない。ギリシャ演劇のコロスのような、6人の女性歌手たちに囲まれて、エドゥアルドはいっぱい踊るけど、ラ・ウニオンで見た時のような満足感がないのであります。演出が主役より前に出ている、というか。作品はその人の良いところを活かすように作った方がいいと信じているのでちょっと残念。

ヨガの行者のような格好でヨガのポーズみたいに逆立ちしたりするオープニングはエバ・ジェルバブエナの影響が良くない形で出ているような。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

かと思うと黒衣の女たちに囲まれキリスト像のように

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

かと思うと黒衣の女たちが衣装の中から取り出すスマホでセルフィー撮ったり。カオス。ま、夢ですからね。

モルテーロという、スパイスなどをすりつぶす金属製の道具でリズムをとってのビジャンシーコ風の曲を女たちが歌ったり、ピストルを向ける女がタンゴなどを歌って、ギターでのソレアで小さい椅子の上で踊ったり。


© Festival de Jerez/Tamara Pastora


女が独白のようにしたり。タンギージョで椅子取りゲームしたり。幕が一度降りたのでこれで終わりかと思うと、幕前に出てきて「ありがとう。誰か歌ってくれたら踊るよ」と客席に降りてきて踊ったり。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora


再び幕が開くと白い長い包帯のような布を巻いたり、といたり、まあカオス。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora


最後の最後の方で踊ったファルーカでのピノ・ロサーダのギターがめちゃくちゃ良かった。


© Festival de Jerez/Tamara Pastora



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