Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro |
最初は彼女自身にはほとんど光があたらず、シルエット。
黒い、パンタロンになっているペチコートと下がレースになっているブラという姿。
音楽もフラメンコじゃ無いし、彼女の踊りもフラメンコの枠にはおさまらない。自由。やがてギターのボリータと、パーカッションのパキート・ゴンサレスも加わり演奏。
繰り返すアバンギャルドな曲。
さっきの黒い下着の上に、フリルが縦についた赤い衣装を着たアナ。
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ブレリアのリズム。行き場のない思いをぶつけるように踊る。
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ボリータの音楽は、フラメンコかな、と思うとそこから逃げて行くような感じ。コンパスはそのままでも、調性が変わっていたり、いつものメロディをずらしたり。不思議。
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いや、その手はアナの頭を撫で、長いフレコがついたベストのような、ジャケットのようなものを着せかける。
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閉塞感、不安、焦燥、やり場のない怒り。
エン・ラ・クエルダ・フロハとは綱渡りのように不安定な状況を言い、今の状況にぴったりな言葉のようにも思うけど、この作品はコロナ前に企画されたもの。その時とはいろいろ変わり、他にも踊り手を、と考えていたのも無くなってしまったというけれど。
普通にフラメンコを踊る気持ち良さも、観客にわかりやすいカタルシスを与える事も知っているアナがあえて選んだのは、彼女の心に忠実に、思うままを踊る事なのだろう。フラメンコのようでフラメンコでなく、フラメンコでないようでフラメンコな音楽が、不安定さをより掻き立て、見ているうちに、自分のことではないのに自分のことのような気がしてくる感覚。なんかナイフをくさびを打ち込まれたような感じで、身体の中に残ってる。決して嫌ではないけど、心地よいとは言えない痛み。
それにしても、現在のフラメンコ舞踊界、すごいことになってますね。
マリオが種をまき、イスラエルやエバが開いた大地が、今、花であふれている。
ロシオ・モリーナ、パトリシア・ゲレーロ、マリア・モレーノ、メルセデス・デ・コルドバ、ラ・ピニョーナ…それぞれ自由に自分の世界を表現している。ロシオ以外は昨日の客席に並んでいた。他にもチョロ、クロエ・ブルーレ、パウラ・コミトレ、フェルナンド・ヒメネス、エバ・ジェルバブエナらたくさんの踊り手たちが見にきていた。これってすごいこと。ピニョーナの日もそうだったけど、今年のビエナル、踊り手たちがたくさん見にきているのです。これって以前はあんまりなかったこと。
一体何をするんだろうかと興味津々。
いいライバルで仲間。
もっとどんどんすごいものが生まれてきそうな予感しかない。
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