2020年9月7日月曜日

ロシオ・モリーナ 『アル・フォンド・リエラ(ロ・オトロ・デ ・ウノ)』



 そうきますか。

白い床、白い衣装の13時からの公演と対照的に、黒い、光沢のある床、黒い衣装。

13時は開いていた緞帳も閉まっている。白と黒。正反対? 裏表?

違うようで繋がっている。つなげるのはアマルグーラの7つの音。

シギリージャ。 電気の笠のようなプラスチックのつば広帽子を目深にかぶってのファルーカ、

Bienal de Flamenco©︎Claudia Ruiz Caro

黒いバタ・デ ・コーラでのソレア。13時とは打って変わってフラメンコを踊りまくる。

Bienal de Flamenco©︎Claudia Ruiz Caro


以前からのテクニックの素晴らしさにまた凄みが加わったような。回転の間合いや形が良くて思わずオレ!

13時の公演のリケーニの深い音に対し、エドゥアルド・トラシエラの切れ味の良さ、ジェライ・コルテスの弾む音。それぞれのソロも、二人で弾くのも、ロシオが加わってもいなくても、これ、ギター作品としても本当に素晴らしい。

Bienal de Flamenco©︎Claudia Ruiz Caro


特にジェライ!95年アリカンテ生まれの彼の音は跳ねている感じ。音が跳ねて飛び出して勝手に語りかけてくる。昨日のハビエル・バロンの踊りがいつも『フラメンコが好き』を全身で訴えているように、ジェライの音も『僕はフラメンコが好きでたまらない』であふれている。ブレリアの素晴らしさ。ああ、楽しい。

それに続く、ロシオのバタでのソレアの素晴らしさ。

最後は顔まで全身花柄の布で包まれ、上げ底の靴で踊る。現代忍者?戦隊もののヒロイン?原宿風? わかんないけど面白い。

Bienal de Flamenco©︎Claudia Ruiz Caro


影も生かした照明、スクリーンにうつされる墨を流したような映像や木の根のような映像も効果的。もうこれ、踊らなくてもアートだよ、の世界。

なんかね、1日にこの二つの作品踊っちゃう、ロシオってやっぱスーパーウーマン。

白と黒、違う顔のようで、実は同じロシオだっていうことだったりするのかな。陰と陽。陰陽。

タイトルは、奥底が輝く、という意味。副題の、もう一つの1も、そういうこと?

ああ、とにかく満足満腹。これでビエナル終わっても文句言わないくらいに。

フラメンコは歌を踊る、というけれど、歌は声に限らない。ギターの歌うセンティード、センティミエントを踊るのもフラメンコ。すごいなあ。

0 件のコメント:

コメントを投稿