Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
スペイン舞踊とコンテンポラリー、クラシックバレエにコンテンポラリーとフラメンコのようそも、というネオクラシコと いうみっつの専門課程がありそれぞれ2年間に渡り学ぶようになっている大方が18歳から20歳という、その学校の生徒たちによる公演ということで、この学 校の講師であるルベン・オルモ、ロシオ・コラル、ミゲル・アンヘル・コルバチョの作品にコンテンポラリーの作品もプラスされつくりあげられた「ブスカン ド・カルメン」、カルメンを探して、という作品。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
オープニングのコルバチョ振付はカスタネットもつかったスペイン国立バレエ風。ロシオの振付の、上半身裸の男性が黒いバタ・デ・コーラをつけ闘牛の牛を表現していく作品も、バタ・デ・コーラの新たな可能性を感じさせて面白かった。男性が美しくバタをあやつるというのは、ラファエラが自分の作品でリニャンやマルコに踊らせ今やリニャンのセールスポイントのひとつでもあるけれど、男性のバタには、あ、こういうのもあるんだ、という力強い表現がやはりうまい。ルベンの振り付けではマントンのソロを踊った女性も大健闘だったけど、最後の場面を飾ったカルメンの、闘牛から殺されるとこまでのシーンを描いた振付がやはりすごい。このまま大きな舞踊団で踊ってほしい迫力。黒い衣裳の群舞で牛を表現したり、いやあ、すばらしい。
ダンサーたちはもちろん若いので至らぬところもあるし、プロのレベルにはまだまだ遠い。それでも数年前にみたマドリードの舞踊学院の学生たちがスペイン舞踊は完璧でもフラメンコになるとぐだぐだになっていたのに対し、クラシコ的なものやあわせは苦手でもフラメンコになるととたん輝くのが面白かった。それぞれですね。
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なおコンテンポラリーも検討していました。がんばれ青少年!
21時からはビジャマルタで「JRT」
ウルスラ・ロペス、タマラ・ロペス、レオノール・レアル。3人の女性舞踊家がコルドバ出身で、フラメンコを題材にした絵も多く描いている画家フリオ・ロメロ・デ・トーレス をテーマにつくりあげた作品。
JRTとはJulio Romero de Torres の頭文字である。
彼をテーマにしたフラメンコ作品はこれまでにいくつかある。このヘレスのフェスティバルの初期にハビエル・パラシオスのカンパニーが上演した、その絵をなぞったような踊りの数々は今も印象に残っているし、作品ではないが、コルドバの踊り手エンカルナシオン・ロペスもその踊りに彼の絵にあるポーズを取り入れていた。昨年にはやはりコルドバのアルバロ・パーニョスが自らの舞踊団で彼をテーマにした作品を発表した。最後の作品はみていないが、フリオ・ロメロ・デ.・トーレスというと彼の絵を舞踊として表現するのが中心になってしまうのが主。だがここではそこから一歩踏み込んで、“ロメロ・デ・トーレスのフラメンコを理解すること”、と、イスラエル・ガルバンのブレーンとしても知られる美術家ペドロ・G・ロメロはプログラムで述べている。
Foto Javier Fergo para Festival de Jerez |
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ただ歌とギターの伴奏でフラメンコ曲がつづられていくわけではないから、一般のフラメンコ作品に比べると難解でとっつきにくいように思う人もいるだろう。
でも終わってからいろいろ思い出し、考えてみれば、断片がつながっていって、パズルのようになって絵が完成してく。すぐにわ〜っと感動するのではなく、あとからじわじわきいてくる、そんな感じだ。
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ロメロ・デ・トーレスの作品を知らない人は改めて、タイトルで画像を検索するなどして彼の絵をみるとまた伝わってくるものもあるかもしれない。
ロメロ・デ・トーレスの主な作品が掲載されている。スペイン語のページだが参考まで
http://www.modernismo98y14.com/obras-julio-romero-de-torres.html
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