2015年8月12日水曜日

ラ・ウニオン2015/アルカンヘル「オロール・ア・ティエラ」

ガラ最終日はアルカンヘル「オロール・ア・ティエラ」
単なるカンテ・リサイタルではなく、よく考えてしっかり構成された作品だった。

薄暗い舞台の上手に立って無伴奏で歌い始めるオープニングから、アンコールのファンダンゴ・デ・ウエルバまで、ミゲル・アンヘル・コルテスとダニ・メンデスによるギターソロ以外歌い続けるアルカンヘル。フラメンコの曲種にはそれぞれの性格があるのだが、それを表現するのが非常にうまいのがこの人。シギリージャの悲劇性、マラゲーニャの繊細さ、タラントの暗さ。歌をうまく歌うだけでなく、その歌に入って演じるような感じ、とでもいったらいいのか。とにかくほかの歌い手たちとは一線を画している。

プレゴンから始まり、マラゲーニャ、アバンドラオス、ファンダンゴとずっと続けていく。タラントではパトリシア・ゲレーロが登場。それはそれは素晴らしいタラントを踊ってくれた。中へ中へと入って行く感じ。テクニックもすごいけれど、グラナダらしさもあちこちにでてくるのが面白い。

ミゲル・アンヘルの伴奏でシギリージャ。ギターソロがおわると、客席からパルマのロス・メジとパーカッションのアグスティン・ディアセラ、パトリシアと登場。観客の間近でブレリアをパルマだけで歌う。
ティエントスはダニの伴奏で。 客席で歌ったブレリアはゆっくりだったが、ずっと早いブレリアも舞台で披露。

カンティーニャにはバタ・デ・コーラのパトリシア。

最後はマイクなしでのファンダンゴ・デ・ウエルバ。
2時間ほどの公演、バラエティにとんだレパートリーと構成で飽きさせない。
それも客席でのブレリアにはスペイン歌謡「ビエン・パガー」を歌うカンシオン・ポル・ブレリアもあるにしても、純粋なフラメンコだけをこれだけ“魅せる”手腕はさすが。
ぜひまた観たい作品だ。

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