最初はピアノのアルフォンソ・アロカ。ハエン生まれコルドバ育ちのピアニストで現在はバルセロナ在住。タランタとブレリア。ブレリアにはパーカッションとパルマも加わり盛り上げる。
二人目はグアタマ・デル・カンポ。セビージャ出身のサクソフォン奏者。このコンクールで、一昨年、昨年と2位に泣いた彼。ソロでタランタを聴かせ、ソレア・デ・トリアーナをカホン、ギター、ベースとともに。ソレアの歌の部分をサックスで歌う趣向は昔ホルヘ・パルドがカルタへネーラをこういう風にふいていたのを思い出させるが、キャリアを積んでいるミュージシャンだけに安心して聴ける。
大森暢子はカンテ部門のトップバッターとして登場。マラゲーニャを歌う。
よく通る声に力がある。
続いて登場したのはセビージャ県ロス・パラシオス出身のレジェス・カラスコ。9歳。マラゲーニャとカンティーニャス。3歳のときからテレビにでていたので度胸十分。カンティーニャの前にちょっと踊ってみせたりするのも愛嬌がある。
踊りはまずレオノール・レアル。1980年ヘレス生まれ。すでにリーダー作品をヘレスのフェスティバルで複数上演している彼女がなぜ今頃コンクールに?タラント。衣装も動きもモダン。
カンテのマリア・ホセ・ペレス。 ミネーラ、カルタへネーラ、ファンダンゴ・ミネーロ、マラゲーニャ。シギリージャ、アレグリアスと6部門ノミネートされた彼女は1985年、アルメリア生まれのプロ歌手。
レオノールの2曲目はアレグリアス。パンタロンに赤いジャケット。よく身体は動くが、伝わってくるものがないのはなぜだろう。
ギターソロはラモン・アマドール。同名ギタリストの息子で、85年セビージャ生まれ。タブラオ、ロス・ガジョスやアンダルシア舞踊団でも活躍した人で、タランタとロンデーニャ。
演奏技術はあるけれどソリストとしてはまだまだ曲の構成など考えなければならないかも。
踊りの二人目葉アマドール・ロハス。日本でのコンクール予選を兼ねて行われたマルワのコンクールのガラ公演で来日した人がいまさらフェスティバル? うーむ。よくわからない。ソレア。彼以外の全出場者がタラントからはじめたのだけど。
この人はフラメンコというよりショーマンですね。
かつて日本でCDを出したこともあるミゲル・デ・ラ・トレア。ミネーラ、カルタへネーラ、タランタ、マラゲーニャ、シギリージャ、ティエント・タンゴ。プロだし、うまいのだけどひねりがない。
アマドールのタラント。これってタラント?って感じ。演奏されている曲はタラントだけど、踊りはタラントのソブリオ、地味でまじめでどこか哀しい感じはまったくない。うーん。カンテ・デ・ラス・ミーナス祭で、ここまで曲のキャラクターを無視するのってどうなんだろう。自分の作品でどう踊ろうと勝手だが、コンクールではやはり求められている者を表現せねばならないのではなかろうか。
ギターソロのフランシスコ・レオンはタランタとソレア。各地のコンクールで受賞歴があるが、曲が弱い。
そして田村陽子。タラント。これはさっきのアマドールに感じたフラストレーションが解消されるほどにいいタラントだった。登場まもなくの手の動きにクリスティーナ・オヨスの、あの素晴らしいタラントを思い出す。同じ振り付けではないのだが、胸の前などで細かく動かす手の動きはクリスティーナ的だ。タラントの地味さ、悲劇性をしっかり演じ踊りこんでいる。
田村に続いてカンテのレポンピージャ。シギリージャ、ソレア、タンゴ。タンゴはもちろん、伯母レポンパのタンゴだ。
再び田村でファルーカ。アマソナとよばれる、女性の乗馬用スカートを模したスカートにブラウス。定番のファルーカを倣ったものではなく、オリジナリティにあふれるファルーカだ。
これで全員の演技が終わり、結果発表がホームページ上で行われたのは朝5時をまわったころだった。
結果は決勝、ファイナルに進んだ日本人はいなかったが、皆健闘だったと思う。
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