緞帳の前にたたずむ男装のメルセデス。幕の中からきこえるビダリータに踊り始め、幕が開きダビ・ラゴスの歌うカンテス・デ・レバンテをも踊る。
ゲストのアントニオ・カナーレスのカンティーニャが絶品。
© Festival de Jerez/Javier Fergo |
続いてメルセデスと踊ったパナデーロスではカスタネット(奥さんのを借りたそうだ) で踊るのだが、ここでもみせるパソに息をのむような美しい瞬間がある。彼はフラメンコだけど、国立バレエで鍛えられただけにクラシックなかたちも熟知しており、きっとそれが彼のフラメンコを豊かにしているのだろう。
メルセデスとは師と弟子にしかみえない。その昔、やはりヘレスのフェスティバルでアントニオ・エル・ピパがゲストにローラ・グレコを招いたことがあった。そのときと同じだ。完璧にくわれている。当然と言えば当然のことだけれども。
マントンのバンベーラで再びカナーレス登場。
© Festival de Jerez/Javier Fergo |
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最後もまた幕前でビダリータで終了。
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しかしいったいどういう意図で、どういう観客を対象にしてつくられた作品だったのかが全くをもって不明である。踊り手の気持ちがまったくみえない。
近年、ヘレスのフェスティバルやビエナルなど、アルティスタは作品を提示して参加するものになってしまったから、しかたがないのだろうけど、全てのアルティスタが創造者ではないのである。踊り手としてはすごくよくても作品をつくるということには全く別の才能が必要なのである。
メルセデスは腕の動きなど、おっと思う美しい瞬間もあったのだが、振りも同じような動きが多く、それぞれの曲調にあわせて表現しつくしているとは言い難い。
音楽もどこかできいたような、たとえばライ・エレディアの「ロ・ブエノ・イ・マロ」風とかなものがあったのは残念。サンティアゴはいいギタリストのはずなのだけど。
ちなみに24時からはグアリダ・デ・アンヘルでのホセ・バレンシアのリサイタルへ。小さな店なので間近に一流アルティスタを堪能できるのが魅力。まだあまり知られていないのかお客も少なかったのは残念。かなりおくれてはじまったコンサートは1部、2部とあり、2部の最後のブレリアにはグリロとカナーレスが舞台にあがるというおまけつき。いやいや、すごかった。ヘレスにいる皆様、オフィシャル以外でもいい公演ありますよ。
プログラムなど詳細はこちらでご確認を
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