ビジャマルタはラファエラ・カラスコ。去年の秋ビエナルでも上演した『クレアビバ』、
その時のブログにも最高の公演だったという感動を書いているので、繰り返しになってしまうけど、今回も本当に素晴らしかった。動きの一つ一つ、作品構成、場面ひとつひとつが、丁寧で美しい。ブエングスト、趣味がいい、というか、上品で、かといってお高くとまっているとか気取っているのではなく、生き生きとした優美さというか、もうとにかく最高なのであります。
一応、作品としてのドラマツルギーもあって、場面場面にミューズたちの名前がついているのだけれど、そんなこととは関係なく、ただひたすら美しいフラメンコに身を委ねていればいい。
最後のカンティーニャスの見事なこと。バタがもう完璧以上。どんな動きをしても正しい、あるべき位置にピタッと止まるのだ。彼女の師匠たち、マリオ・マジャやマティルデ・コラルに目配せをしているような動きもあったりするのだけど、全てが今、ここにいるラフィ、その人の踊りとなっている。
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© Festival de Jerez/Tamara Pastora |
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その前のヘマ・カバジェーロの完璧な音程でのロマンセの暗さから一瞬で舞台が真っ白に染まる、その転換もドラマチック。
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また、この作品でも、踊り手であるラファエラが、天井から吊るされたマイクに向かって歌い踊るのだが、このうたがうまい。リズムはもちろん音程もバッチリ。初日に子守唄歌ったパトリシア・ゲレーロと言い、今、踊り手が歌うのが流行りなのかしらん。そういえば、この日客席にいたイサベル・バジョンも歌ったことあったなあ。オヨスも、だよね。
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民謡で踊ったこのシーンで早くも落涙してしまった。
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幕開きのソレアは、衣装こそモダンだけど、構成も歌もクラシック。ムイ・フラメンコ。
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どんなフラメンコが好きかは人によって違うけど、この作品は多くの人の心を虜にしたに違いない。私にとっては最高の、何度でも見たいフラメンコ作品の一つであります。
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