一昨年のビエナルや去年のヘレスでワーク・イン・プログレスとして上演し、昨年7月、セビージャのイタリカ舞踊祭で初演。その後、今年フランス、ニームのフラメンコ祭でも上演されている作品なのだけど、上演のたびに変わっているそう。去年のヘレスで見た時ともイタリカの時とも同じじゃない。でも感想はイタリカでの公演の時と同様。
16世紀に踊り続ける疫病があったという話にインスパイアされての作品で、確かにずっと踊り続けてはいるのだけど、でも去年見たとき感じたような、意思と関係なく踊らざるを得ない感じとかはなかったし、被り物やファンダンゴ・パラオ、またトリージャのような、田舎の村的な要素も最初にちょっと聞こえるエル・ビートのメロディと角笛以外は排除されていて、見た目は綺麗だけど、何を見ているのかわからない。伝わってくるものは私にはなかった。ダビ・ラゴスの、伴奏もなしに音程もメロディも完璧に歌い上げるフラメンコ以外には。
ダンサーたちの身体能力もテクニックもすごいし、美しく雰囲気がある照明もいい。フラメンコ要素が少ないからいやだ、というわけではない。ヘレスのフェスティバルはフラメンコ舞踊とスペイン舞踊のフェスティバルなので、上演する場としても最適なのだろう。それでもなんだかモヤモヤする。あんなに素晴らしい舞台を、すごい瞬間をたくさん見せてくれたせっかくの才能が、フラメンコ/スペイン舞踊に生かされていない、ように感じるからなのだろう。フラメンコ/スペイン舞踊の要素はあってもコンテンポラリーに寄り過ぎているように見えるし、コンテンポラリーならもっとすごいカンパニーがたくさんある。自分たちにだけしかできない、フラメンコ/スペイン舞踊という個性、強みをもっと活かしてほしいと思う、個人的に。
で、昨日同様、先日のアルフォンソ・ロサとパトリシア・ゲレーロの作品の凄さを改めて実感するという…
©︎Esteban Abión/Festival de Jerez |
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