ジュジュとはこわいこと。me da dju-dju、でこわい、という意味になる。
というわけで、魔女や迷信など、怖い、に関係するものを集めて綴ったのがこの作品。
オルガンで演奏される聖歌ではじまり、白いぼさっとした足首までの貫頭衣ワンピースを着たギタリスト、ヘスース・トーレスと歌い手ダビ・ラゴスが登場。舞台のきわにこしかけてビジャンシーコを歌い綴る。
舞台の上では白いクリスマスツリーがいったりきたり。
と思うと電気がきえて魔女が登場。びっくりさせられる。
高下駄をはいた3人の魔女たち、イサベル、アリシア・マルケス、ニエベス・カサブランカ、がほうきにのってやってきて、下駄をぬいで裸足で踊りだす。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero |
左足から踏む、はしごの下を通る、塩を手渡す、塩をこぼす、黄色のものを身につけて踊り、鏡が割れる、靴を机の上に置く、など、げんが悪いといわれることをあえてやってみる、というコミカルな場面。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero |
マントンの角を頭にかぶっての、イサベルのペテネーラ。途中で電気がつき音響が切れるというハプニングを演出して笑わせる。それでもマントンづかい等でみせるのはさすが。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero |
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero |
最後はロックミュージシャン風のいでたちで登場し、山羊の歌を歌い踊る。自由への讃歌。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero |
とこう書いてみても、なにがなんだかわからない、という感じだが、実際、そんな感じの作品。コミカルな、笑えるシーンが多く、楽しかったので、読後感ならぬ観後観はまる。
でもこれを上演するのにいちばんジュジュだったのはイサベルかもしれない。
イスラエルの作品よりもイスラエル的。 マエストランサ劇場に“フラメンコ・フラメンコ”作品を期待してきていた人は「フラメンコ踊って」などと、例によって?叫んでいたりしたが、「フラメンコは?」という声に「フラメンコは死んだ」とこたえていたのはちょっと面白かった。まるで演出のようで。
そう、あなたが好きなフラメンコがいつもそこにあるとは限らない。フラメンコのアルティスタだって、フラメンコ・フラメンコじゃないものをやってもいいんじゃない?
0 件のコメント:
コメントを投稿