日曜日18時からの徳永兄弟インストア・ライブ。
新大久保のクロサワ楽器といえばフラメンコギターの品揃えがいいことでも有名で、何百万円もする銘器も並ぶ中でのコンサート。
セビージャで長年学んだ二人だけど完全帰国して現在は日本で活躍中。
フラメンコのギターデュオというのは案外少ない。
その昔のサビーカス/エスクデーロ、パコ・デ・ルシアと兄ラモン・デ・アルへシーラスやリカルド・モドレーゴ、パコとマノロ・サンルーカル、といった録音が頭にうかぶ。ライブで観たのはクラシックギタリストであるホセ・マリア・ガジャルドと演奏したラファエル・リケーニとミゲル・アンヘル・コルテス、ホセ・マリア・バンデーラとジャズ系ギタリストのティト・アルセド、マノロ・フランコとニーニョ・デ・プーラ...どれもocasional、そのときだけの、という感じがつよく、恒常的に活動している二人、というのはまったく知らない。徳永兄弟はフラメンコ界でも珍しい存在、ということができるだろう。
オリジナリティのある二人でのブレリアではじまり、弟、康次郎のソロでグアヒーラはお店の商品でありホセ・マリンのギターのよく響くギターで。音多くテンポも早い感じで若さを感じる。最後のコリージャというか、メロディがかわいい。
健太郎のソロはやはりお店のグラシリアノ・ペレスのギターでタランタ。ごつーんとした太い音のギター。やはり音が多いかな。
そのあとデュオでひいたファンダンゴがこの夜の白眉。ファンダンゴといってもウエルバ/ウエルバではなく、パコ・デ・ルシア「シルヤブ」的な3拍子をキープしていくタイプ。だけど最初に弾いたブレリアよりもしっかり形がある、というかんじ。時にセビジャーナス的にもきこえたり。どこかメランコリックなメロディとラスゲアードの組み合わせもいい感じ。
続くルンバは16ビートと演奏前に語っていたけれど、ん?ルンバぁ?って感じも時にする。一番近いのはパコとマクラフリンのデュオでひいたルンバの感じかな。カニサーレスもこんな感じで弾いているのあったかも?面白い。
再びブレリア。健太郎はお店のコンデ、浩次郎はグラシリアノ・ペレスを手に。演奏前に「これが一番フラメンコ!と思ってもらえるかも」と話していたように古いフレーズや早弾きなどをラスゲアードでリズムをがっつりやってきかせていく。
アンコールは再びルンバで1時間あまりのコンサートは閉幕。
MCで浩次郎が「曲をもりすぎちゃう、引き算が苦手」といみじくもいってたけど、それが課題かも。ヘラルド・ヌーニェスやビセンテ・アミーゴの、弾かないところも音楽、的なアプローチがあってもいい。難しいのだろうけれど、音をもっと整理して曲の構成、骨格で聴かせるような感じもでてくるとうれしいかも。
デュオでの演奏、誰もやったことのないこともできる可能性、あると思う。
またぜひ聴いてみたい二人であります。
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