2015年9月15日火曜日

セプティエンブレ・エス・フラメンコ6アナ・モラーレス「ロス・パソス・ペル ディードス」

H美しく、優雅で、繊細。でも芯の強さを感じさせるフラメンカ。
アナ・モラーレスの「ロス・パソス・ペルディードス」は観客全員が総立ちで惜しみない喝采をおくるすばらしい舞台だった。

バルセロナ出身だけどアンダルシア舞踊団のアトリエに学び、アンダルシア舞踊団を経てフリー、そして今またアンダルシア・フラメンコ舞踊団のソリストをつとめるアナ・モラーレス。これまでに「デ・サンダリア・ア・タコン(サンダルからハイヒールへ)」、「レシクラルテ」2作品を発表した彼女の三作目は振り付け、音楽だけでなく、効果にいたるまでよく考えられてつくられている。全編を貫く美意識。このうえもなく美しいフラメンコ作品だ。

Bienal. Foto ;Antonio Acedo
舞台前のライトに近づき扇であおぐ彼女のシルエットが大きく、後ろにそびえるドン・ファドリケの塔にうつしだされるオープニング。ダニエル・スアレスのパーカッションとのからみは前衛音楽/舞踊のようでもある。パブロ・スアレスのピアノでレクオーナのマラゲーニャ。それがミゲル・オルテガの歌うマラゲーニャへと。黒い、エレガントな衣装で踊る彼女のひとつひとつの動きの美しさ。セラーナをしっとり踊る。最後はピアノにつっぷす。

ミゲル・アンヘル・コルテスの演奏するハカラ。 舞台上の暗闇で衣装を変えるアナ。いつのまにかバタ・デ・コーラに着替え、ピアノ椅子の上に立つ。コーラが椅子をかくして巨人のようだ。白と黒の縞模様のこのバタ・デ・コーラの美しさ!

Bienal. Foto ;Antonio Acedo
 ソレア。バタ・デ・コーラの扱いも完璧で。みとれてしまう。

フアン・ホセ・アマドールが歌うマルチェーナのビダリータ。ミゲル・アンヘルの弾くサビーカスのファルーカはアバニコを使って。そしてタンゴ。アンダルシア・フラメンコ舞踊団「イマヘネス」ではバタ・デ・コーラで踊ったタンゴ・デ・マラガもここではふつうの衣装で、それもそのほかの二拍子系の曲と組み合わせながら。

踊るだけでなく、アイデアを形にする力があり、細部に至るまでこだわって丁寧に創り上げたアナに、彼女を支えたダビ・コリアに心から拍手
 





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