2009年11月1日日曜日
ニーニョ・ミゲルに捧げる!
ニーニョ・ミゲルを知っていますか?
知っている人はかなりのフラメンコギター通。
はい。ウエルバ出身のフラメンコ・ギタリストで、あのトマティートの叔父にあたる人。
若き日に録音した2枚のアルバムは今もギターファンの口にのぼる名作。
将来を嘱望されていたのだが、
人生というものは順調であるとは限らない。
私が初めて会った彼は街角で弦の切れたギターをかきならして小銭を稼ぐ
尾羽うち枯らした流しのギタリストだった。
あのアルバムのジャケット写真でしか知らなかった彼と同じ人物とは思えないほど
やせて、やつれて、目の焦点もあっていないような彼を、
バルの主人に貧乏神でもあるかのようにおっぱらわれる彼が
あの華やかなトーケをきかせたニーニョ・ミゲルとはとても信じられなかった。
5年くらい前のことになる。
セビージャのエル・モンテ文化センター(現カハソル文化センター)の舞台に立った彼は
知り合いから借りたギターを抱きかかえ、本当にうれしそうに弾いていた。
体の中からいくらでもフラメンコがあふれてきて止まらない。
予定をすぎても弾き終わらない彼を係員が誘導して舞台袖につれていった。
彼がいつまでも弾いていたかったように
わたしたちもいつまでも聴いていたかった。
その彼、ニーニョ・ミゲルへのオマージュが今度の土曜日、
その故郷ウエルバで行われる。
出演者を聴いて驚け。
カンテに
ホセ・メルセ、エストレージャ・モレンテ、ペペ・デ・ルシア、カルメン・リナーレス、エル・ペレ。
ギターに
マノロ・サンルーカル、ペペ・アビチュエラ、トマティート、フアン・カルロス・ロメーロ、ホセ・ルイス・ロドリゲス、ミゲル・アンヘル・コルテス
バイレに
エバ・ジェルバブエナ
どうだ。まいったか。的ラインアップ。
この手のオマージュというのはポスターに名前がでていても当日出てこない、という場合も多い。
でもこのメンバーなら半分だってじゅうぶん満足。
実はこの催しの仕掛け人はアルカンヘルらしい。
ウエルバが誇る、今をときめくカンタオールが、かつてウエルバのフラメンコを代表した
天才ギタリストへのオマージュを企画するなんて、とってもうれしくてちょっと泣ける。
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