アンダルシアのフラメンコでは、ヒターノと非ヒターノが平和に共存する、というイメージをドキュメンタリーとして描いた映画『パライソ・デ・クリスタル』。
メルセデス・デ・コルドバがフラメンコの中で、ヒターナじゃないからとかで差別を受けたことがない、と自分の体験を語り、彼女のカンパニーで歌うぺぺ・デ・プーラが登場し、闘鶏の鶏を世話しつつ自分の半生を語る…ホセ・バレンシアはレブリーハで、レブリハーノが歌った『ペルセクシオン(迫害)』を例に歴史的な迫害を語る。ヘレスの舞踊を学ぶ14歳の少女は自分の家族はどちらもいると話し、フィエスタに興じる。ギタリスト、マヌエル・バレンシアはアメリカの生徒にオンラインレッスンを行い、野原でバーベキュー、育ったアスンシオン地区の広場でギターをつまびく。
「ヘレスではヒターノじゃない人が曽祖父がとかなんかしらのつながりを口にするんだ。そんな所世界中でここだけじゃない?」と語るマヌエルの言葉で終わる。
フラメンコではヒターノが絶対という人もいるし、きれいごとばかりじゃないとも思うけど、たしかにこんな感じでもあるようにも思う。
個人的にはそれぞれの普段の様子のぞけるのがよかったかな。いうまでもないけれど舞台の上のフラメンコも生活と密接なわけであります。生活があってフラメンコがある、って重要。
予告編はこちら
https://vimeo.com/780312443
なお、監督はオーストリア人で、オーストリアではヒターノの人種差別を含めた問題が大きく、それがこの映画制作のきっかけとのこと。ヒターノであることはフラメンコの中ではプラスにはたらくわけだけど、実際、ヒターノでも、日本人でも、結局は人なのだと感じます。
0 件のコメント:
コメントを投稿