2024年2月25日日曜日

ヘレスのフェスティバル二日目その1カレン・ルゴ、ホセ・マルドナード、チクエロ『トレス・ピエサス』

いやあ、いいものを観せてもらいました。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

踊り手二人にギタリスト。舞台の上には3人だけ。床を囲む照明、折り畳み椅子と絨毯。モノトーンの衣装。
大掛かりな舞台装置も華やかなムービングライトも衣装替えもないのだけど必要十分。
あ、途中で上に履いていたズボン脱いだりスカートとったりはするけど全部舞台の上。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

グアヒーラ、ソレア。セビジャーナス、シギリージャ…
チクエロが奏でるフラメンコの素晴らしさ。奏でるだけでなく、舞台の上で動き、舞踊ともクロスする。歌はないけど歌心のある演奏だから物足りなさは感じない。
二人は一人で踊る時もあれば一緒に踊る時もある。時に鏡のように、時に対峙するように、時にパレハのように。
音楽をもとに精密に組み立てられているという感じ。三位一体。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

踊る二人はこれぞフラメンコ!という瞬間もあれば、コンテンポラリー的な動きもある。デジタル的というか、カチカチという感じで動いたり、どこかピカソの絵のように見えたり。コンパスの妙、というか、間合いの良さに思わずオレをつぶやく瞬間がたくさん。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

パズルのように細かく、精緻に組み上げられていて、凝った細部やひねりがたくさんあって目が離せない。 サパテアードでの会話でみせる音色の変化。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez
椅子に座って、また椅子を回したり掲げたりとして踊る。椅子を三つ重ねてその間にギターを突っ込み反対側から弦を鳴らす。巻いたカーペットで踊り、広げたカーペットをマントのようにスカートのようにして踊る。ブレリアのソロ(絶品)を弾くチクエロの後ろに幕のように使ったかと思うと、最後は椅子にかけてソファのように使う。と、一つのものがさまざまな形で使われて、いやあもう、想像力創造力がすごすぎる。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

アンコールでのガロティンはチクエロの弾き語り。
ユーモアに溢れていて最高、でございました。


©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez


二人とも、以前、小島ラトーレ作品に参加していたのでその才能は少しはわかっていたつもりだけど、いやあ、予想を超える素晴らしさでした。フラメンコにリミットを設けない、という意味ではイスラエルやロシオにも通じるのかな。
本当に素晴らしく、何度も観たいと思える作品でございました。13時の小劇場公演でもこういうすごいのがあるところがヘレスの良さですよね。

 

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