イタリカのフェスティバルに再び参戦してサラ・カレーロの作品。昨年秋マドリードで初演、今年のヘレスでも上演されている『フィニトゥ』。有限という意味だけど、テーマは死。死があることで人生は有限、という意味なのでしょう。
舞台いっぱいのガウンに包まれたサラが布の中から頭蓋骨を出し踊るオープニングから、骸骨が描かれた衣装でのタンギージョまで、舞踊も音楽も盛りだくさん。バックの衝立には頭蓋ことや骸骨、はか、ベースはフラメンコなのだけど、クラシックや民族音楽も。
サラは踊る踊る。最初のはコンテンポラリーぽい感じなんだけど、カスタネットでシギリージャ、カーニバルのイメージでの民族音楽(箱を叩いているのはベーシストのフアンフェ・ペレス)
©︎LoloVasco Festival de Italica |
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めちゃテクニックある人で、バタの扱いも上手。回転も完璧。とにかく上手い。舌を巻くほど。それだけでも見る価値はあります。エレキベースとギターの音楽も、ヘマもいい。以前、小島ラトーレ公演でお仕事したこともあり、上手なのは知ってたけど、華奢で小柄な人で可憐なイメージだったのだけど、なかなかの強さもあって新たな魅力新発見。小柄で華奢なのに、タンゴの腰使いするときにはそれなりにボリューミーに見えるとか、どういう技なんだろう。すごいなあ。
ヘマ、モーツアルトのレクイエムのラクリモーサを歌ったのだけど、それも良かったけど、シギリージャ、ポロやマラゲーニャ、ミロンガからのカンティーニャなども良き。思わずオレの瞬間もありました。
ハビエル・コンデはソロでマノロ・サンルーカルの名盤『タウロマヒア』の『オラシオン』も感動的で涙滲むほどだったし。クラシック風の演奏も伴奏もきちんとしている。
フアンフェはエレキベースにエフェクトかけるなどもしてオーケストラ的なことまでやっている印象。弦二人のバランスも面白い。
欲を言えば、場面と場面の間にちょびっとできてしまうエアポケットみたいな時間が勿体無い。ギターチューニングの関係とかもあるのかな、でも、そういうので流れが止まってしまう感じはすごく残念。
ビデオ、照明、衣装、構成などよく考えられているだけにもったいない。
いいアーティストが集まればいい作品、って簡単にはいかないところが難しいし面白いのだな、と。
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