アンヘル・ロハスは1974年マドリード生まれの踊り手で、カルロス・ロドリゲスとのヌエボ・バレエ・エスパニョールで活躍し愛知万博の時に来日。また、近年はマドリードのフラメンコ・フェスティバルの監督、アントニオ・カナーレスやルピ、メルセデス・ルイスらの作品の演出などでも知られます。 ここ数年は舞台で踊っていなかったという彼が久しぶりの舞台ということでサラ・コンパニアへ。
©Javier Fergo Festival de Jerez |
これがなかなか良い作品でありました。
ギタリスト、ジョニ・ヒメネスとパーカッションのバンドレーロによる音楽がいい。歌詞を自作というマリア・メスクレの歌も、しっとりと、歌詞もよく聞き取れるのもいい。四人だけのシンプルな舞台ながら素晴らしい照明で、小さな劇場の良さをも生かしているという感じ。
アンヘルのソロでの舞台を観たのは初めてだと思うけれど、その昔(92年だから30年前だ!)、カナーレス舞踊団で、『トレロ』の牛役が本当にすごかったのを覚えている。そのせいか、オープニングの息する音が、『トレロ』の場面と重なってしまう。実際、彼の踊りの中にはカナーレスが詰まっていて、それも90年台前半の全盛期のカナーレスを思い出させる。
カナーレスの振りをそのまま踊っているわけではもちろんないのだが、振りの部分とか、振り自体は違っても構成とか、アクセントのつけ方とか、首や腕の使い方とか、あちこちにカナーレスが現れてくる。今のアントニオよりもカナーレスかも?と思えるほど。最後に踊ったシギリージャにしても、後ろの中央から現れて、パンと手を打って始まるところとか、カナーレスのソレアじゃん、って感じ。タンゴも然り。
もちろん、ギタリストの横で、ギタリストの動きを真似るかのような振りをしたり、パーカッションのソロからバンドレーロが踊り手の肩を叩いてパーカッションにする、みたいな、個性的なところもあります。
衣装だけはなぜ?って感じで理解不能だったけど、上質な作品でございます。
舞踊三部作の一作目ということなので今後も楽しい。
ビデオはこちら。でもビデオだと照明の美しさ、あまり見えないんだよな〜
0 件のコメント:
コメントを投稿