2016年のビエナルも無事終了。
いや無事ではないか。
間際での初日演目変更、スペイン国立バレエ団公演中止、それを補うためにプログラムに加わったマノロ・サンルーカル公演の中止。
でもま、とにかく終わってよかった。
私が見ることができたのは25公演。全部の半分にもみたない。基本的に20時半開始の公演を中心にみてきた。1日に3公演ある日もあるが、体力的にも気力的にもそんなにみることはできない。ヘレスですでにみていた作品はパスし、オテル・トリアーナでの3公演のほかは、セントラル3回、サンタ・クラーラ、サン・ルイス・デ・ロス・フランセセスそれぞれ1回ずつのみ。いや見たい公演はもっとあったんだけどね。なので、以前のような、総評とはなりえないのだけれど。
舞踊
舞踊で一番よかったのはやっぱりイスラエルかなあ。彼は別格。あの呼吸、あの動き。なんといっても唯一無比でございます。
そのほかは、まず、みっつのファルーカ。
初日「女の戦争」でのクリスティアン・ロサーノ、マリアーノ・ベルナル、エドゥアルド・ゲレーロ、ホセ・マヌエル・ベニテス、4人のダンサーによるファルーカ。
アンダルシア舞踊団公演でダビ・コリアがソロでみせたファルーカ。
ハビエル・バロン、ラファエル・カンパージョ、アルベルト・セジェス3人でのファルーカ。
いずれも基本をおさえつつ、現代風にアップデートしてあり、見事なファルーカでございました。
そして作品としては、二日目のマノロ・マリン、ホセ・ガルバン、ミラグロス・メンヒバル、アナ・マリア・ブエノ、4人のマエストロによる「バイランド・ウナ・ビダ」かなあ。
メルチェが出なかったのは残念だったけど、ルベン・オルモの演出もあって、作品としては結局一番よかったように思う。
ほかにも、カレーテやファルキート(ブレリア!)、そしてすごすぎるロシオ・モリーナ(ゲストのチャナのすごさ!彼女の公演は歴史に残るといわれてまする)。舞踊的にはじゅうぶん満足いくビエナルだったかと、こうして書いていくと思えてきました。
一番の問題作?「ジュジュ」主演のイサベル・バジョンもいろいろいわれているけれど、私的にはすごい、と思いましたけどね。。。ま、いろいろいう人はいるけれど。
ギター
ビセンテ・アミーゴがとにかくバランスよく、見事なリサイタルをきかせてくれたけど、トマティートのリサイタルの前半もよかったし、豪華ゲストに負けないトーケをきかせたダニ・デ・モロンとなかなか充実しとりました。ただ個人的にはビセンテもトマテもダニも、PAのボリュームが大きすぎて耳が痛くなる。ロックじゃないんだから、もっとデテールがきちんときこえるような音を希望。スペイン人は耳遠い説が復活しそうでございます。
カンテ
なんといってもヘスース・メンデスのシギリージャ!いやあひさびさにカンテでぞくぞくした。ほかの曲はまだこなれていない感じのものも多かったけど、これからも楽しみ。が、そのほかはこれというのがなかったかなあ。
行けなかったマリア・テレモートとペドロ・エル・グラナイーノ&ランカピーノ・チーコの公演がよかったらしく残念。
なんて感じでしょうか。。。日本から沢山いらっしゃっていた方々、おつかれさまでした。きっとそれぞれに好みの公演があったことだと思います。
ま、フラメンコは趣味のもんなので、それぞれに趣味が違い、どれが好きとか嫌いとか、人それぞれ。
でも、これはフラメンコじゃない、とか安易にいうのはおすすめしません。
私の好きなフラメンコじゃない、っていうならいいんだけど。
狭義でのフラメンコは、みんなもしっている、規則のある曲種によって構成されている音楽と舞踊だけど、フラメンコのアルティスタが取り上げる伝統的なフラメンコじゃない演目も、フラメンコ的な技術や表現をつかっていれば、広義でのフラメンコなんではないかなあ、と私は思う。
フラメンコのアルティスタがいろんなことに挑戦して、時には失敗しても、結果的にはそれがフラメンコをより豊かなものにして行くのではないか、と思うのであります。
ま、なんだかんだいっても、見た後に、あれがよかった、悪かったと友達としゃべりながら飲むのが一番楽しいかもであります。
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