ホセ・バレンシアがギターなしで歌い上げるマラゲーニャ
すっとまっすぐ伸ばした腕で
ゆっくりマルカールしていく。
腰は落とし重心は下。
伝統的な姿勢で
男らしく美しく踊る。
ギター伴奏のようにきめどころで入るサパテアードの美しさ。
強弱だけではない音色がある。
リズムがアップしたアバンドラオスで
刻むリズムの絶妙さ。
コンパスの中
音をつかみ、はなす、その間の良さ。
ホセ・バレンシアのソレアをはさんで
タラント。
重みと深み、深刻さをもつこの曲を
重厚にみせる。
靴音のひとつひとつのセンティード。
ただ早いだけのサパテアードとはひと味もふた味も違う。
そして最後のタンゴの色っぽさ。
ふとした目線や首のかしげ方。
振り返り方。
かたちって大切。
そして間の良さ。
童顔のせいか,大人の色気というより
やんちゃな感じで
それもまたいい。
トリアーナ・プーラが踊っていたような
性的な動きを茶化したような仕草のタンゴのグラシアを
ずっとずっと洗練させてみせている、とでもいうのかな。
弟フアン・カンパージョのギターソロ、
ロンデーニャは
ギターのロンデーニャの祖、ラモン・モントージャ、
中興の祖、パコ・デ・ルシアに敬意をはらい目配せしながら
現代の、彼の曲になっているという感じ。
そして最後はアレグリアス。
ホセ・カラスコのパーカッションソロに続く
アレグリアスのエネルギッシュなこと。
全身で語りかけてくるバイレ・マスクリーノに思わずオレ!
コロカシオン(姿勢)
サパテアード
ブラソ
ペソ
センティード
どれが欠けてもフラメンコはなりたたない。
ラファエル・カンパージョは
今黄金期。
先日ビエナルの閉幕ガラやカサ・デ・メモリアでみたときも思ったが
今が一番いいと思う。
タブラオ等で踊っていることもあって
コンディションも抜群。
気力体力充実で最高の状態。
旬のアルテにふれてこちらの気分も昂揚。
元気にしてくれるバイレです。
物語もコンセプトも何もないシンプルなフラメンコ。
上質なフラメンコだから
それでじゅうぶん。
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