これまでにつくられた、
あまたあるフラメンコ舞踊のドラマ作品の中でも屈指の作品
「メデア」
が国立バレエの舞台に帰って来た。
ギリシア悲劇に材をとり
普遍的な男女の物語を
マノロ・サンルーカルの美しい音楽とともに
フラメンコのテクニックをつかって語って行くこの作品。
マヌエラ・バルガスのために
ホセ・グラネーロが振付け
初演されたのは1984年。
その後
メルチェ・エスメラルダ、
アナ・ゴンサレス、
ローラ・グレコ、
マリベル・ガジャルド、と
演じてきたこの大役を
今回のマドリード公演でローラ.グレコとダブルキャストで
エステル・フラードが初めて演じている。
また相手役のイアソンも
アントニオ・アロンソ、
ホセ・アントニオ、
そして今回もこの役を演じているフランシスコ・ベラスコに引き続き、
マリアーノ・ベルナルがこちらもダブル・キャストで演じた。
エステルは元国立バレエ団第一舞踊手。
フラメンコを得意とし期待されたが
役にあまり恵まれず2年前に退団
それがアントニオ・ナハロ新監督のもと
プリンシパルとしてフランシスコ・ベラスコとともに復帰。
メデアの大役を踊ることになった。
ローラがはじめて踊ることになったときも
こんな若い子が本当にできるのだろうかと思った者だったが
正直、どんなメデアになるのか不安もあった。
が、彼女は彼女のメデアをしっかりつくっていた。
今やベテランとなったローラが
もともと魔女であったメデアの
エキセントリックな感じを強く感じさせる
重厚で神秘的、エキゾチックなメデアであるのに対し、
エステルはひたすらイアソンを慕う
一人の女としてのメデア。
それがイアソンの拒絶とクレオンテらによる侮辱で
物狂いの世界へと入って行く、
という感じが自然で
はっきりした顔立ちもあって遠くからでもその表情の変化がよくわかる。
,
相手役をつとめるマリアーノ・ベルナルも
元国立バレエ団ソリスト。
かつてマリア・パヘス振付けの「イルシオンFM」で主役の王子様を踊るなどしたが
彼も一時退団しジェルバブエナ舞踊団やオヨス監督下などに出演していた。
今回は第一舞踊手のオーディションに合格しての復帰。
若いころの線の細さがきえ風格がでた。
重みが必要なイアソンという役所を見事に踊っている。
ファルーカについての時にもかいたが
この人はとにかく形が美しい。
アントニオ・アロンソやホセ・アントニオらとはひと味ちがった、
まだ若く野心あふれる男に描かれている、という感じ。
二人の愛のパ・ド・トゥも官能的で美しい。
唯一気になったのは音楽の演奏。
これまでマドリード公演のときは
作曲のマノロ本人がきてオーケストラと共演していたのだが
今回はバレエ団のギタリスト3人がオケとの共演で演奏。
そのせいもあってかテンポや微妙な間がオリジナルとは違い
もともとの演奏が身体にしみこんでいる私にはちょっとつらかった。
美しいメロディもマノロのあの音があってこそのものだなあ、と。
予算のせいかマノロの年齢のせいかわからないが残念だった。
演じてきたこの大役を
今回のマドリード公演でローラ.グレコとダブルキャストで
エステル・フラードが初めて演じている。
また相手役のイアソンも
アントニオ・アロンソ、
ホセ・アントニオ、
そして今回もこの役を演じているフランシスコ・ベラスコに引き続き、
マリアーノ・ベルナルがこちらもダブル・キャストで演じた。
エステルは元国立バレエ団第一舞踊手。
フラメンコを得意とし期待されたが
役にあまり恵まれず2年前に退団
それがアントニオ・ナハロ新監督のもと
プリンシパルとしてフランシスコ・ベラスコとともに復帰。
メデアの大役を踊ることになった。
ローラがはじめて踊ることになったときも
こんな若い子が本当にできるのだろうかと思った者だったが
正直、どんなメデアになるのか不安もあった。
が、彼女は彼女のメデアをしっかりつくっていた。
今やベテランとなったローラが
もともと魔女であったメデアの
エキセントリックな感じを強く感じさせる
重厚で神秘的、エキゾチックなメデアであるのに対し、
エステルはひたすらイアソンを慕う
一人の女としてのメデア。
それがイアソンの拒絶とクレオンテらによる侮辱で
物狂いの世界へと入って行く、
という感じが自然で
はっきりした顔立ちもあって遠くからでもその表情の変化がよくわかる。
,
相手役をつとめるマリアーノ・ベルナルも
元国立バレエ団ソリスト。
かつてマリア・パヘス振付けの「イルシオンFM」で主役の王子様を踊るなどしたが
彼も一時退団しジェルバブエナ舞踊団やオヨス監督下などに出演していた。
今回は第一舞踊手のオーディションに合格しての復帰。
若いころの線の細さがきえ風格がでた。
重みが必要なイアソンという役所を見事に踊っている。
ファルーカについての時にもかいたが
この人はとにかく形が美しい。
アントニオ・アロンソやホセ・アントニオらとはひと味ちがった、
まだ若く野心あふれる男に描かれている、という感じ。
二人の愛のパ・ド・トゥも官能的で美しい。
唯一気になったのは音楽の演奏。
これまでマドリード公演のときは
作曲のマノロ本人がきてオーケストラと共演していたのだが
今回はバレエ団のギタリスト3人がオケとの共演で演奏。
そのせいもあってかテンポや微妙な間がオリジナルとは違い
もともとの演奏が身体にしみこんでいる私にはちょっとつらかった。
美しいメロディもマノロのあの音があってこそのものだなあ、と。
予算のせいかマノロの年齢のせいかわからないが残念だった。
マノロ・サンルーカルが演奏しなかったのが予算のためなら仕方ないのでしょうが、もし年齢的な事が理由ならばとても淋しいです。
返信削除年齢を重ねるとともに、いろいろな物が削ぎ落とされてコアが美しく出て来るように思えるのですが...
私はNY在住30年になります。でもNYでフラメンコの公演はほとんどありません。たまにあってもキャンセルが多いので残念です。
スペインまで行くしかないですね。
Mako-Mariaさん コメントありがとうございます。マノロがなぜいなかったのか機会があればきいてみたいと思っています。そういえば最近マノロの公演の情報もあまりないかもしれません。私はマノロの演奏を生や録音で何十回も聴いているので彼の演奏のリズムやニュアンスが耳に残っているのでつい比べてしまいました。多少、演奏者(国立バレエ団のギタリスト)がアレンジしているのではないかな、とも思われたり。その昔、ビセンテ・アミーゴらも第2ギターであちこち公演したそうです。ニューヨークは毎冬のフラメンコ祭が有名ですね。たまにニューヨークの公演の情報も入りますが、たしかにあまりありませんね。アメリカのフラメンコ黄金期は50〜60年代だったようです。あ、ひょっとすると今日シガーラのコンサートがあるのでは? また早めに情報が入ればここでもお知らせして行きたいと思います。
返信削除今日、クリスマスの朝にきょうこさんからのこのお返事を見つけました。
返信削除シガーラのコンサート行きましたよ。
もちろんシガーラがメインでしたが、もう一つはモラオのギターを聞いてみたくて...
私、モライートが好きでした。モラオがBuleriandoを演奏し、涙が止まりませんでした。(最近涙もろい、歳だなぁ)
4月にはパコ・デ・ルシアのコンサートがNJでありました。強行のスケジュールだったのでお疲れみたいでしたがファンは大興奮!
いくつかのメディアは「昔ほど切れがない」とか書いてました。技術的なことなのかな?
”フラメンコが人の人生にどうやって関わるか”を感じさせてくれたようで。ただただ美しく好きだったけど。(あくまでも素人の感想ですが)
来年の1月、メトロポリタン美術館でパコ・ペニャの公演があり楽しみです。
しかし、この後はパッタリ無し...みたい。
きょうこさんが羨ましいです。きっと生で聴いたらもっと素晴らしいのだろうなぁ。
私はCDかYoutubeで聴くしか手段がないので...毎回同じ、でも毎回感動しますけど。
アメリカのフラメンコ黄金期は50〜60年代だったのですね。知らなかった。
革命的なジャズミュージシャンが数多く登場したのは50年代から70年代初頭 だから...
なんて贅沢な時代だったのかしら。
私が渡米したのは80年の初めですがまだまだジャズもエネルギーがありました。
最近はどうも受け狙いばかりで、”よかった!” ピリオド。
正真正銘の硬派なジャズは今日日受けないのかしらねぇ?
フラメンコはそんなことないでしょうけど。
来年の3月にウェルバとカディスに仕事で行きます。
コンサートがあれば行きたいですが、そうそう都合良くはやっていないでしょう。
ニーニョ・ミゲル...聴きたいけどなぁ。
これからもきょうこさんのブログを楽しみにしておりますね。
良いお年を...