日本では4月が新学期ですが、スペインでは9月。
本格的な劇場シーズンは10月から、という感じもありますが、それに先駆け、セビージャのセントラル劇場ではフラメンコ公演が始まりました。
最初に行われたのは『フラメンコ、メランコリア・イ・アネロス』フラメンコ、哀愁と熱望、とでも訳しましょうか。ロシオ・モリーナがコミッショナーをつとめ、金土日と開催。金曜はロシオとメンデス・ペラジョ大学の生徒との対話、土曜はロシオがセビージャ郊外に持つスタジオ、アセイテーラでロシオとアーティストや観客たちとの対話の後、ロシオ・モリーナ講演のためのドラマツルギー『Lo inefable』言葉にできないもの、を上演。
講演のためのドラマツルギーは、アルゼンチン出身の俳優でアーティストのマティアス・ウンピエレスによる、キューレートされたパフォーマンスのプロジェクトとして、アルゼンチンでスタート。その後、ドイツでも行われ、今回のスペインが三カ国目。それぞれの国のアーティストにマニュアルを作ってもらい、それに基づいて行われるというもの。スペインではかつてイスラエル・ガルバンのブレーンとして多くの作品に関わってきたペドロ・G・ロメロが参加。
ロシオは今年の3月にバジャドリーで初演。それと同じものだったのかはわからないけれど、土曜日の公演を見てきた友だちの話によると、足の基礎練しながら息も切らさず話したり、ユーモアもあって、最高だった!そうです。
で日曜日、セントラル劇場のBホール。いつものホールの2階にあるこじんまりとしたホールです。
チョロが歌い手ヘスス・コルバチョ、ハーモニカのフランシスコ・ロカと三人でテーブルを囲んで、ペドロの書いたマニュアルを読み上げるオープニング、そこからコンパスが始まり、
また会話に戻り、アレグリアスになったり、三人の出身地ウエルバのファンダンゴになったり、フェリア帰りの父に早朝起こされて踊ったという思い出話からのブレリアのパタイータ。そこにロシオから電話がかかってきたり、と。マニュアルを読んだ結果、エスポンタネオ、即興がテーマになっているということで、そしてそれこそ、フラメンコの魅力の一つであり、チョロという踊り手の強みでもあるのですね。いつもの舞台作品では固い感じだったのが、実はしなやかで自由。一本芯が通ったムイ・フラメンコな人なんだなあ、と。
マニュアルを観客に渡し読んでもらったり、紙をまとめたお団子に葦?を刺したり、シャツを破いたり、パフォーマンスぽい要素もあるのだけど、フラメンコな人が言葉と身体で語るのはやっぱりフラメンコなんだなあ、と。
終演後、スタッフたちとの記念撮影。
あ、12月にガルロチ出演のため日本に行くロシオ、日本行きをとても楽しみにしていましたよ。娘さんも連れていくのだとか。
なお、客席にはエバ・ジェルバブエナ、メルセデス・デ・コルドバ、ラ・ピニョーナと踊り手たちの顔も。作品作りに意欲的な踊り手たちは常にアンテナ伸ばしているんですね。
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