2011年3月6日日曜日

ヘレス・フェスティバル9 ミゲル・ポベーダ

写真;Javier Fergo

昨年、セビージャのマエストランサ闘牛場で
ビエナルの開幕をかざった公演
劇場仕様となって登場
ヘレス・フェスティバルの中日を飾った。
入場券は売り出し当日の午前中に売り切れたという
圧倒的な人気
それを受けて4月に追加公演の予定だがこれもすでに売り切れ
さすが現在スペイン一の人気を誇るカンタオールだけのことはある。


リビアーナ
ナナ
ソレアのバリエーションと歌い継ぐ。
順番は違ってもビエナル公演のときのレパートリーが
次々に登場する。

エスペランサ・ガルシア、カルメン・グリロ、ミゲル・ラビによる
プレゴン
写真;Javier Fergo

ラウラ・ロサレンが昔風に踊るアレグリアスに歌うミゲル

ポロからソレア・アポラー
ペテネラのバリエーション
マラゲーニャからハベーラ
コーラスでのベルディアーレス
レビの歌うタラント

ミゲルが情熱的に歌い上げるパケーラ節ではじまったブレリアは
レブリーハのロマンセ風なものになったり
カンシオン・ポル・ブレリアになったり。

ソレアやペテネラでもそうだが
フラメンコは多数の曲種があるだけではなく
それぞれの曲種の中に多様なスタイルがあり
それがまたそれぞれに魅力的だ。
それを再認識させてくれる。

バンビーノの軽快なルンバ
ピアノ伴奏の「アウロラ」

ビエナルでも好評だった
帽子やステッキなどの小道具で
アントニオ・マイレーナ、ペペ・マルチェーナ、
ミゲル・モリーナ、アントニオ・チャコン、
ポリーナ・デ・バダホスなどを歌い分けるシーンをへて
アルゼンチンタンゴ「クエスタ・バホ」
そしてトリアーナのタンゴを歌い踊るミゲル。
その足取りのよさ 腰の動き
トリアーナのタンゴの特徴をしっかりとらえていて秀逸。

チクエロのギターソロでのブレリアは
怒濤のパルマに支えられ迫力満点
エンリケ・モレンテに捧げ、
彼のレパートリーを歌い継ぐ。
そして
最後はカマロンの「レジェンダ・デル・ティエンポ」

写真;Javier Fergo

2時間の舞台があっという間
フラメンコの歴史と多様性を
こんなに魅力的にみせる舞台がこれまでにあっただろうか

そのほとんどを歌いついでいく
ミゲルのフラメンコへの愛と情熱
ミゲル・ポベーダはアルティスタの中のアルティスタ
そのスター性もフラメンコ性に相反するものではない。

この作品の中のレパートリーをCDに録音するプロジェクトも進行中だという
フラメンコ好きなら必聴にちがいない

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