2014年12月18日木曜日

クーロ・フェルナンデスの50年(写真追加)

歌い手クーロ・フェルナンデス歌手生活50周年記念のオマージュ
「クーロ・フェルナンデスの50年」は
セビージャのFIBES
国際展示/会議場のオーディトリアム、大劇場。
会場が広いだけに満員とはならなかったものの
なかなかの入り。
それはそうだろう。
セビージャの誇るベテラン・カンタオールのために
超一流のフラメンコ がこぞって集まっているのだから。

オメナへ、オマージュという
誰かに捧げられた公演というのはよくあるのだが
たいていは出演アーティストがそれぞれ得意の一曲なりをする、
いわばフェスティバル形式なのが普通。
だが今回は監督にホセ・アントニオを迎え
しっかり構成してあった。

愛娘エスペランサ・フェルナンデスが歌うナナに始まり、
長男パコ・フェルナンデスのギターソロと弾き語り、
次男ホセ・フェルナンデスの「ソレア・ポル・ブレリア」と続く。
ホセに歌うトレメンディータは幼い頃
当時トリアーナに住んでいたフェルナンデス一家と親しかったのだという。
彼女の熱唱、存在感がすごかった。

無伴奏の歌を歌い継いで行くのは
フアン・ホセ・アマドール、ホセ・バレンシアそしてマリナ・エレディア。
パストーラは赤い上着とパンタロンというかタイツ的なぴちっとしたパンツで
マリアーナ。
旦那さんクリスティアン・ゲレロとヘスース・コルバチョの歌。
ギターはラモン・アマドール(ムイ・フラメンコで素晴らしい!)
イスラエルぽい振りなんだけど

トレメンディータとセグンド・ファルコンのタンゴ。
トリアーナのタンゴとなっていたけどセグンドはモレンテ系のレトラ大杉。
ここでもトレメンディータがセグンドくっちゃってました。

先のビエナルでエスペランサが父クーロのマヌエラ・バルガスへの歌をイメージして
つくったというペテネラが再演。
今回も白いバタ・デ・コーラのアナ・モラーレスと。
ミゲル・アンヘル・コルテスのギターが美しく響く中
舞うアナの形の動きの美しさ。

アルカンヘルのカーニャをはさんで
ファルーのタンゴ。
これも先のビエナルのパストーラ・ガルバンの公演で彼が踊ったもの。
いやあ、いいです。
ムイ・フラメンコでムイ・セビージャ。
ところどころカナーレスの振りみたいな感じもあったりで
(靴ふくやつとかね)
満足満足。
歌はファビです。

そしてエバ・ジェルバブエナのシギリージャ。
 歌はフアン・ホセ・アマドール、ホセ・バレンシア、アルカンヘル。
歌ごとの踊りのニュアンスがかわる。
いつもながらの超絶テクニック。
利き足でばかりということがないバランスのよいサパテアード。
高速サパテアードでもしっかりアクセントがついていたりと
音に色がある。
聞いているだけで気持ちがいい。
そしてentrega。
身を捧げる、というのでしょうか、
全身全霊のフラメンコ。
静かなマルカへから高揚のサパテアードへ。
すごいです

カンティーニャはマリナ・エレディアの歌で
アントニオ・カナーレス。

踊りに入る直前のちょっとした動きがすごかった。
短めのパンタロンに長めの赤シャツ+黒ジャケット。
たしかに体型をよくみせてるけどジャケットぬいだらいまいちした。
シャツのシルエットが女物っぽいのであります。

マヌエラ・カラスコのソレア。

歌うのはフアン・ホセ・アマドール、ホセ・バレンシア、セグンド。
マヌエラも縦縞の衣装はいまいちだったけど
さすがのソレア、いつものソレアでしっかり締めてくれました。
エスペランサが歌うジェレン・ジェレン。

ヒターノたちの国歌のようなものでおしまい。


アンコールで登場したこの日の主役
クーロ父ちゃんは
ブレリアのパルマでひと踊り。


トリアーナの仲間で昔一緒にメキシコ公演にいったという
マヌエル・モリーナが歌い
拍手の中終演。
まだ続く中幕が降りるという強制終了だったけど
これそうでもしないと朝まで続いたことでしょう。

クーロ父ちゃんが
「これ、こんなすごい人たちがみんな僕のために、なんだよね」
といって涙ぐむ。

2時間半気持ちのよい公演でした。

なおギタリストの名前がかいてないのは
席が遠くて顔がよくみえなかったので
プログラムにある人が本当にいたのかちょっとよくわからないからでございます。
すみません。

photos por ADAM NEWBY

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