2014年9月25日木曜日

ヘスース・メンデス、アントニオ・レジェス「カンタオーレス」

スペインでフラメンコのアフィシオナードといえば
まずカンテ好きのことであって
舞踊やギターは二次的なものとしてみていることが多い。
スペイン以外の国のアフィシオンとは反対ですね。
そんな地元のアフィシオナードがたくさん観客席にいたのが昨夜の公演。
いいハレオがたくさんかかるのは地元ファンが多いから。
外国人客ばかりだとそうはいかない。

ヘスース・メンデスとアントニオ・レジェス。
若手カンタオール二人のリサイタル。
ヘスースは1984年ヘレスの生まれ。
アントニオは1975年チクラナ生まれ。
 まずはヘスースがロマンセのはいったトナ。
マヌエル・バレンシアの伴奏で
ヘレスらしいブレリア・ポル・ソレア。
タランタをはさんだシギリージャは
ギターのイントロからなかせる。
ヘスースは朗々とした太く美しい声で熱唱する。
 そして最後はピアノの伴奏でサンブラ。
 父のいとこ、パケーラをおもいおこさせるうたいっぷり。

アントニオ・レジェスも同じようにトナで始め、
カディスらしいアレグリアス、
そしてソレア、タンゴとつなげる。
カマロン的な歌い回しなのだがカマロンだけではなく
ほかの歌い手の影響も感じさせる。
ギターはヘレスのアントニオ・イゲーロ。
最後はやはりピアノ伴奏でマノロ・カラコール風サンブラ。

Foto Bienal Antonio Acedo
それぞれのパートを終え二人並んで
まずはファンダンゴ、そしてブレリア。
ヘスースはパケーラのように前にでてマイクなしで歌い
圧倒的な声量をみせつければ
アントニオも前にでて。ただ彼は前のサンブラのときのマイクをつけている。
ギターも一緒にひいているのだが、
イゲーロにはスタンドマイクがあり、
ピンマイクだけのマヌエル・バレンシアの音があまりきこえず残念。

二人の若手カンタオールのコンサートだが
声のトーンの違いもあってか
かけあいで歌うなどはなく、
juntos pero no revueltos
一緒だけどまじわりあうことのないコンサートだが
それぞれの個性が際立つ
気持ちのいい公演だった。

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