マエストランサ劇場でのマリア・パヘス公演は
新作「シエテ・ゴルペス・イ・ウン・カミノ」初演。
といってもこの新作はマリアの、2007年から7年のアンソロジー、
つまり総集編。
だから「ウトピア」の白地に墨絵のバタ・デ・コーラのアレグリアスや
赤いドレスのグラナイーナ、群舞のトリージャ/ソレア
など、既に、それもつい最近みたものがはいっていたのですね。
というのも終演後友達と離していてアンソロジーだよ、と言われてわかったという。
プログラムを読めばそこにかいてあったのですが、
ばたばた開演間際に来てゆっくりプログラムを読む間もなくみたので気づかなかった。
プログラムや解説をよむと先入観はいっちゃうし、
と開演前に読まない方も多いと思いますが
目を通しておいたほうがいいこともありますね。
反省。
Foto;Bienal. Antonio Acedo |
で、作品。
いろいろな言葉で語られる詩を踊る「ラ・パラブラ」
与謝野晶子
「秋風や戦初まり港なるただの船さへ見て悲しけれ」
という今年の夏みつかった歌。
ということはこの振り付け自体新しい?
それとも「フラメンコ・イ・ポエシア」のアレンジ?
そこに広がるのは
マリア・パヘスならではのシンプルでスタイリッシュな世界。
衣装の色もモノトーンが多く、
ワンピース、膝丈のタイトスカートなど
形もすっきり、すとんとした形が中心。
舞台装置はなく照明で舞台を彩っていくが
その照明も華やかな色彩ではなく白を多用するなどシンプル。
群舞の動きは複雑に交差する。
一人一人の短いソロもあるが決して一人が目立つことはない。
スターはマリア一人。
マリアが舞踊団の日常をおもしろおかしく歌うタンギージョは
タンギージョというよりローラ・フローレスの元祖ラップ(?) 的で楽しい。
カスタネットの技は天下一品だ。
姿勢が少しかがむような感じになりがちなのが気になったが
やわらかな上体の動きは健在。
あの骨がないような動きはフラメンコ的な動きとはちがうが
彼女の個性だろう。
最後は舞台下手奥へと道が示され
これからも新しい道を歩いて行くだろうことが示唆されて終わる。
アンソロジーだけにひとつのテーマにそっているわけではないのだが
マリアの美学が作品全体をつらぬいている。
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