2025年7月17日木曜日

フラメンコ才能コンクール決勝


クリスティーナ・ヘーレン財団によるフラメンコ才能コンクール舞踊部門、マノロ・ソレール・コンクール決勝が7月14日19時からセビージャはトリアーにある財団本拠地のトリアーナ、フラメンコ劇場で行われました。

7月8日にはカンテ決勝がウエルバで、9日はギター決勝がトリアーナで行われ、カンテは1位ベレン・デ・ロス・レジェス、2位アルバロ・ビジャラン、3位アントニオ・ロペスで1、2位は財団の学校で学ぶ奨学金も獲得。9日にはギター伴奏部門で1位パブロ・エレディア、2位カルロス・グランデ、3位フアン・バリノテ、奨学金サルバドル・リンコン、ソロ部門奨学金カロリネ・エスピノサが受賞。

そして14日の舞踊部門決勝。6月末の準決勝に続いて行って参りました。決勝は7人。それぞれ2曲踊るので4時間の長丁場となりました。疲れた。審査員の皆様(批評家マルタ・カラスコ、ルイサ・パリシオ、チョロ、フェルナンド・ヒメネス、パトリシア・ゲレロ)もお疲れ様でした。

トップバッターはコルドバの青少年コンクールで優勝したナタリア。タラント。1番目ということで緊張してたのかな、コルドバの決勝の時のような実力発揮には至らず。でも表現はいいし、力もある。ただ足らんとのジャケットにキラキラついているのってどうよ、あと、レオタード風のトップもどうなんでしょう。

グラナダのマリア・マシアスはカーニャ。でも速度早く、カーニャぽさはない。マントンも力で持ってくタイプ。

ルス・マリア・ガランもタラント。シンプルな衣装だけどスカートのフリルもっと少ない方がよりタラントらしさが出そう。体の使い方がピカイチ。また光るなにかを持っている。

セビージャのハイロ・ベガ、17歳はシギリージャ。何度見ても膝がくっついているとことか気になるんだよね。

コルドバの18歳まで部門優勝のラウル・アルバはアレグリアス。うまい。


続くグラナダのロレナ・エレディアもアレグリアス。カンブレっていう状態を剃らせる技連発。でもマントンの扱いとかまだまだ。


コルドバのロレナ・プリドはティエントス。超スピードで始まり、その後普通の速度になるんだけど、ティエントらしい味わいはない。タンゴはやる気十分。
休憩挟んで2曲目。ナタリアはカーニャ。準決勝でソレア踊ってるし、たぶん衣装も同じ黒いバタというのは減点対象になりそう。違う曲であっても似過ぎてないか?でも踊りは良かった。

マリア・マシアスはタラント。緑のフレコの衣装はうーん、これもタラントらしくはないよね。タラントは地味目真面目な曲、鉱山のもだからということをもちっと考えてほしいよね。今の若い子はみんな派手。
ルス・マリアはジャケットにパンタロンでファルーカ。中に着ているのがレオタード風なんだけど、普通のシャツとかの方が絶対いい。バストン使いも様になっている。伴奏、伴唱がイマイチなんでオフィシャルにやってもらった方が、と思うけど、最後、歌い手に踊ったりするから合わせの関係なのかも
ハイロはカーニャ。ソレア・ポル・ブレリアぽくてカーニャらしさ皆無。

ラウルはシギリージャ。やっぱうまい。
グラナダのロレナもシギリージャ。ダンスなんだけど、衣装が闘牛士の仮装のよう。男装似合う女性と素手ない人といますね。コンパスもあれ、って思う瞬間あり。
最後はコルドバのロレナでロマンセ。これもロマンセぽくはない。

で結果。
優勝はハイロ、2位にマリア・マシアス、3位にラウル・アルバ。奨学金はハイロとマリア、ルス・マリアの3人にプラス、特別にラウル・アルバにも。あと、アンダルシア舞踊団で2週間の研修がルス・マリアに送られました。


ハイロの優勝、マリア・マシアスの2位にはびっくりしたけど、何を評価するのかの違いなんだろう。若さを評価してるのかなあ、勢いはあるけどちょっと雑なマリア・マシアスはルイサにバタとかマントンとか扱かれたら上達しそうではある。まあ、私的には絶対良いと思ったルス・マリアとラウル、18歳の二人も奨学金で勉強できるし良かったと思う。

ビデオ貼っときます。みんな普通にタブラオで踊れそうな感じ。実際に、タブラオで踊ったりもしてるらしい。今後の活躍も楽しみです。



 

2025年7月15日火曜日

スペイン国立バレエ『アファナドール』

スペイン国立バレエ団のマドリード。サルスエラ劇場公演を観てきました。

その昔、写真集が出たり、ビエナルのポスターにもなった、コロンビア出身ニューヨーク在住のファッション写真家ルヴェン・アファナドール。そのイメージから作られたのがこの作品。

2008年のビエナルのポスターは論争を巻き起こした。黒塗りの裸のモデルはジョランダ・エレディア。前年にヘレスで撮影されたものだという。このほかにもエスペランサ・フェルナンデスやマティルデ・コラル、コンチャ・バルガス、ジェルバブエナなどもモデルになっているのだけど、本来の彼女たちを消し去ろうとするような黒塗りだったり、目と口を黒で強調したり。コントラストを効かせた白黒写真。

アート?ファッション?悪趣味?


ビザール? ゴシック? グロテスク? サロメの挿絵で有名なビアズリーの作品にも通じるような退廃。私は悪趣味に思えた。というのは神様のように思っているアーティストたちが汚されたようにも思えたからだ。なのでビエナルの翌年に出版された写真集、2009年の『ミル・ベソス』、2014年の『アンヘル・ヒターノス』。いずれも購入していない。

そんな写真にインスパイアされて、祖父が写真家で自らも写真を学んだことがあるという振付家、演出家のマルコス・モラウによる国立バレエのこの作品、2023年12月1日にセビージャで初演。その後、マドリードの王立劇場やバルセロナのリセウ劇場、そして今年は韓国でも上演されている。日本でも今年2月NHKのプレミアムシアターで放映されたので観た人もいるかも?

ルヴェン・アファナドールの写真にインスパイアされた白と黒の舞台、衣装、化粧。カメラマンのイメージからだろうフラッシュ、ダンサーが移動する照明。大掛かりな舞台装置と照明。どれをとってもコンテンポラリーダンスの舞台のようで、実際マスゲームのような群舞も多かったりするのだけど、スペイン国立バレエのダンサーにしかできない、スペイン舞踊やフラメンコの要素ももちろんたくさんあって、なんだろう、クリスタル・パイトの作品をビデオで観た時の衝撃に近い感じ。近未来のスペイン舞踊、というか。

ただこの美的感覚には好き嫌いがあるだろうし、昔ながらのスペイン舞踊を期待して観にきたら戸惑うのは確実だ。一大スペクタクルだし、すごいインパクトだし、個々の見せ場もあるとはいえ、群舞の力が圧倒的で、個々の魅力はその中に埋もれてしまうような。

アファナドールはフラメンコに、暗闇、暗黒や悪のイメージを掻き立てられたのかもしれない。写真そのままのようなイメージに合わせた音楽は国籍不明の宗教音楽のような、民族音楽のような。どこか儀式的であり、マルコスはフラメンコに儀式や宗教的なものを見ていたのかもしれない、いや、マルコスがみたアファナドールなのかもだけど。

とにかくすごいし、インパクト絶大だし、うわって思う瞬間はあるし、新しいものをみている、という感覚もある。面白い。踊っている面々も面白いはず。

でも完全には納得できてない自分もいるのは、きっと、まだまだ古典的なスペイン舞踊を見足りてないからという気がする。こういう作品もいい。いいんだけどもっと古典も見たいよ、という気持ちが正直なところ。


©︎ Merche Burgos- Ballet Nacional de España

 


2025年7月7日月曜日

ラス・カベサス・デ・サン・フアン、ジェルバブエナ祭

セビージャからヘレスに向かい、レブリーハの手前。今は無料になった高速道路の料金所があるところ、東側の丘の町、ラス・カベサス・デ・サン・フアンのジェルバブエナ祭。

日本のフラメンコファンはジェルバブエナというと踊り手エバ・ジェルバブエナを思い浮かべるだろうけど、スペイン料理に欠かせないミントのこと。アンダルシアには最古参ウトレーラのポタヘ(豆の煮込み)、モロンのガスパチョ、レブリーハのカラコラ(カタツムリ)など、食べ物の名前がついたものが多いけど、そう言うこともあるのかな。

フアン・デ・クレメンテという地元のギタリストが、じいさまばあさまから若手までフラメンコを歌う、踊る人たちを集めたグループがトップバッター。今風の、というか、カンシオン、歌謡曲をブレリアに乗せて歌う若い女性に、ああねえ、とか思ってたら出ました。

じいさま

ばあさま


が歌うわ踊るわ。プロじゃないから音外すとか普通だけどコンパスは外さない。何より年の功での味わい深さ。好きでずっと歌ってきたという感じが出ていてようござんした。

カディス県、セビージャ県のあちこちにはまだこんなふうに特別なものではなく、生活の中で楽しんできたフラメンコがあるんだよなあ、と感慨にふけるのでありました。

続いてランカピーノ・チーコ。伴奏はアントニオ・イゲーロ。アレグリアスやティエント。そしてタンゴ。ティエントの締めでタンゴじゃなくて別々に、でも順番は次で歌うというのは初めて見たかも。



マイクを手にして歌うのは父ランカピーノ譲り。

ラジオで長らくフラメンコを支えた故ミゲル・アカルのオマージュ、そして休憩を挟んでアウロラ・バルガス。曲はやっぱりアレグリアス、ソレア、ブレリアと結構かぶっているけど気にならないのは個性が違うからかな。


全集中、全力で嘘のないフラメンコを歌うからビンビン伝わってくる。


フェステーラの印象あるけど、ソレアもよかったよ。


最後はコンチャ・バルガス。ソレア。



そしてブレリア



フアネロ、モイ・デ・モロン、ペチュギータという3人の歌い手がそれぞれに個性があっていいバランスだったし、クーロ・バルガスのギターもすごく良かった。いや、なんかしばらく見ないうちにすごいことになってたという感じ。


終わったのは4時近く。昔のフェスティバルは朝までだったとも聞きました。なので少し待って始発でセビージャに帰るという話もあったけど、今はこのくらいには終わるのが普通なのでホテル取ったほうがいいですね。こないだのポタヘも4時くらいだったというし。

なお、志風もデビューしてきました。コンチャの前に舞台に上がり、日本での活躍などをちょっとご紹介。原稿見ずにやったのをジャーナリストとしては後輩だけど各地のフェスティバルの司会で引っ張りだこのフアン・ガリードに褒めてもらったので一応よしといたしましょう。






2025年7月2日水曜日

第9回フラメンコ才能コンクール決勝進出者発表

 第9回フラメンコ才能コンクール決勝進出者が発表されました。

なんと7人!それだけ接戦だったということなのでしょう。

コルドバのラウル・アルバ



カディス県バルバーテのルス・マリア・ガラン



コルドバのナタリア・ガルシア



グラナダのロレナ・エレディア



グラナダのマリア・マシアス、



コルドバのロレナ・プリド



セビージャのハイロ・ベガ


これ、名字のアルファベット順ですね。


私の推してた二人も入ってくれて嬉しい。ま、当然か。

決勝も観に行くつもりです。


決勝は7月14日19時からYouTubeチャンネルで中継されるとのこと。前回のも残っていますし、おそらくアーカイブにも残るとおもいます。



2025年7月1日火曜日

ラス・カベサスのフラメンコ祭

いよいよ夏のフェスティバルも本番。

ラス・カベサス・デ・サン・フアンという、セビージャの南、レブリーハの隣にある街 でにも今週金曜日にフラメンコ祭が行われます。

その前哨戦として、6月29日にはヘスス・メンデスのリサイタルが行われ、7月1日はフアン・ピニージャの公演、2日はこのフェスティバルの生みの親の一人でもあるミゲル・アカルについての講演、3日にも地元アーティストの公演があるそうです。


◇第34回ラ・ジェルバブエナ・フラメンコ祭

7/4(金)21時30分

[出]〈c〉アウロラ・バルガス、ランカピーノ・チーコ、〈b〉コンチャ・バルガスほか

[場]セビージャ県ラス・カベサス・デ・サン・フアン サンティシモ・クリスト・デ・ラ・ベラ・クルス広場

[料]10ユーロ

[問] https://www.lascabezasdesanjuan.es/es/actualidad/eventos/XXXIV-Festival-Flamenco-de-La-Yerbabuena/




ヘレスのフィエスタ・デ・ラ・ブレリア2025

 ヘレスは夏もフラメンコ。というわけで今年もビエルネス・フラメンコス、フィエスタ・デ・ラ・ブレリアが、7月から8月にかけて開催されます。

無料の催しも多いのは嬉しいですね。

フィエスタ・デ・ラ・ブレリアは早めに入場券購入がおすすめです。

6月20日の発表記者会見、市長とアルティスタたちほか



◇ビエルネス・フラメンコス

7/25(金)21時『ミサ・フラメンカ・デ・サンティアゴ』

[出]〈c〉フェリパ・デル・モレーノ、マヌエラ・デ・ペリキン、ヘマ・カラスコ、マヌエラ・フェルナンデス、ドローレス・デ・ペリ禁、マヌエル・デ・カンタローテ、〈g〉マヌエル・ヘロ、ルイス・デ・ペリキン、〈piano〉マヌエル・カサード〈perc〉フアン・ディエゴ・バレンシアjr

[場]ヘレス サンティアゴ広場

8/1(金)21時30分

[出]〈c〉マヌエル・マレーナ、ホセ・エル・ベレンヘーノ、タマラ・タニェ、〈g〉アントニオ・マレーナ・イホ、フアン・カンパージョ、〈b〉サライ・ガルシア、伴奏〈c〉カルメン・グリロ、エル・キニ、〈g〉フェルナンド・デル・モラオ

8/8(金)21時30分

[出]〈c〉フェリパ・デル・モレーノ、アブラアム・エル・サンボ、〈g〉ホセリート・ガルベス、〈palmas〉ハビ・ペーニャ、〈b〉フェルナンド・ヒメネス、伴奏〈c〉エンリケ・レマチェ、マヌエル・モネオ、〈g〉フェルナンド・デル・モラオ

『フィン・デ・フィエスタ・ポル・サンティアゴ』〈b〉ティア・ジョジャ、ティア・クリータ、メルシ・デ・チチャロ、ルイサ・ガリード

8/15(金)21時30分

[出]〈c〉ルイス・モネオ、〈g〉フアン・マヌエル・モネオ、〈palmas〉アリ・デ・トタ、ハビエル・ペーニャ、〈b〉ヘマ・モネオ、伴奏〈c〉フアン・デ・マリア、マヌエル・デ・ラ・ニナ、マヌエル・タニェ、〈g〉ヘスス・アガラード“エル・グアルディア”

[場]ヘレス サント・ドミンゴ修道院

[料]15ユーロ、当日は20ユーロ

[問] https://flamencodejerez.org/verano-flamenco-2025/

前売り https://www.tickentradas.com/fest/viernes-flamenco-2025


8/19(火)

20時無料ブレリアクラス、子供の遊びなど

21時[出]〈c〉エバ・デ・クリスト、〈g〉サンティアゴ・モレーノ、〈palmas〉ホセ、ペーニャ

21時30分ヘレスのブレリアのフィエスタ

[場]ヘレス ベレン広場

[料]無料

8/20(水)21時30分

[出]〈c〉ダビ・ラゴス、メルチョーラ・オルテガ、アグヘータス・チーコ、〈g〉アルフレド・ラゴス、ドミンゴ・ルビチ、〈palmas〉ハビエル・ペーニャ、フアン・ディエゴ・バレンシア

8/21(木)21時30分

[出]〈c〉フェルナンド・ソト、マラ・レイ、コラル・デ・ロス・レジェス、〈g〉ラウル・ベルナル

8/22(金)21時30分

[出]〈c〉エルー・デ・ヘレス、マヌエル・モネオ“バルージョ”、マヌエル・デ・ラ・フラグア

[場]ヘレス ベレン広場

[料]無料

8/23(土)21時30分

[出]〈c〉カプージョ・デ・ヘレス、伴奏〈g〉ラモン・トルヒージョ、〈palmas〉エル・トリパ、ホセ・ルビチ、ミゲル・フローレス、〈c〉ドローレス・アグヘータ、伴奏〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈c〉ディエゴ・カラスコ、グループ〈〈c〉〉マロコ・ソト、ホセレテ・デ・ムショヒタノ、カルメン・アマジャ、サマラ・アマジャ、ラ・フンケラ、ラファエル・ソルデラ、フェルナンド・デ・ラ・モレナ・イホ、〈perc〉アネ・カラスコ、グループ・ポル・ブレリアス〈c〉アントニオ・マレーナ、0フアン・デ・マリア、エル・キニ、サイラ・マレーナ、〈g〉アントニオ・マレーナ・イホ、フェルナンド・デル・モラオ、〈b〉ロシオ・マリン、ゲスト〈b〉マリア・デル・マル・モレノ

[場]ヘレス ボデガ・ゴンサレス・ビアス パティオ・デ・ラ・トネリア

[料]25、30ユーロ

[問]https://flamencodejerez.org/verano-flamenco-2025/

前売り https://www.tickentradas.com/eventos/fiesta-de-la-buleria-bodega-gonzalez-byass-jerez-2025


2025年6月30日月曜日

第22回コルドバ県青少年フラメンコ・コンクール

 第22回コルドバ県青少年フラメンコ・コンクールの決勝がコルドバ県エンシーナ・レアル市役所のオーディトリオで行われました。

14歳から35歳までのコルドバ在住、在学している若手を対象としたこのコンクール、6月12、13日にはコルドバ市にある県庁のパティオの特設舞台で準決勝が行われ、そこでえらばれた各賞対象2名ずつが参加。賞は優勝者のみで2位には賞はないという厳しい戦い。

そのコンクールに審査員として行ってまいりました。他のメンバーは、スペイン国立バレエ監督のルベン・オルモ、コルドバを代表する歌い手エル・ペレ、アルカンヘル、ハエン音楽学校フラメンコギター科教授ラウラ・ゴンサレス。準決勝、決勝と同じメンバーです。

決勝はいずれの参加者も準決勝以上に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

結果は以下のとおりです。

  • Premio Antonio Fernández Díaz “Fosforito”:  カンテ/フォスフォリート賞
  • Inmaculada López Cruz
  • Marina Reyes Hidalgo  マリア・レジェス・イダルゴ


  • ©︎ Toni Blanco



  • Premio Vicente Amigo: ギター(ソロと歌伴奏)/ビセンテ・アミーゴ賞
  • Antonio Jesús Gómez Muñoz
  • Melchor de Juan Reyes Jiménez  メルチョール・デ・フアン・レジェス・ヒメネス
  • ©︎ Toni Blanco

    • Premio Blanca del Rey (14 a 18 años): 舞踊/ブランカ・デル・レイ賞(14〜18歳)
    • Lucia Vinos González
    • Raúl Alba Cruz ラウル・アルバ・クルス
    • ©︎ Toni Blanco
    • Premio Olga Pericet (19 a 35 años): 舞踊/オルガ・ペリセ賞(19〜35歳)
    • Inmaculada Concepción Carmona Jiménez
    • Natalia García Castro  ナタリア・ガルシア・カストロ


    • ©︎ Toni Blanco


    賞には届かなかったものの、ギターのアントニオ・ヘスス・ゴメスはいい音を出していましたし、バンベーラを踊ったルシアもマントンとバタでのアレグリアスを踊ったインマクラーダ・カルモナもプロレベルの実力があると思います。ということもあって、この4人にはスペイン国立バレエ団のベカ、マドリードの稽古場で短期間、稽古に参加できる権利が与えられました。

    舞踊の優勝者、ナタリアとラウルは先日のヘーレン財団のコンクールにも出場していたので、決勝に進んだら、また観ることができるかも、と楽しみです。

    このコンクール、特に舞踊のレベルが高く、そういえばヘーレン財団コンクールにもコルドバ出身者が4人出場していたな、と、俄然、コルドバの舞踊が気になってきました。セビージャに先駆けてスペイン舞踊/フラメンコ科がもうけられたということもあるのかなあ。ベテランだと国立バレエで活躍したホセ・セラーノ、長らくコルドバに住んでいるハビエル・ラトーレの影響もあるのか、その後もアンヘル・ムニョス、ナニ・パーニョス、ポル・バケーロ、ウーゴ・サンチェスら多くの踊り手たちが巣立ってきました。この日もパルマで昔ビセンテ・アミーゴのグループで来日したことのあるケコや、かつてのこのコンクールで優勝したジョランダ・オスーナらが参加していました。彼らをはじめ、コンクールのオフィシャルのギタリストや歌い手たちも全力で参加者を若手たちをバックアップしようとしているのが感じられ、それはとても気持ちの良い、胸が熱くなることでしたし、コルドバのフラメンコ、これからも注目かも、と思ったことでした。


    あ、ギターのメルチョールはなんとあのメルチョール・デ・マルチェーナのひ孫さんだそうですよ。すごいな。コルドバの音楽学校ギター科で勉強中とのこと。もうプロという感じの伴奏でムイ・フラメンコでした。

    決勝進出者と審査員、市長、コルドバ県文化担当官©︎ Toni Blanco