2020年10月28日水曜日

マドリードのフラメンコ祭スーマ・フラメンカ  プログラム発表

マドリードのフラメンコ祭、スーマ・フラメンカのプログラムが発表されました。今年はエンリケ・モレンテへのオマージュということで、すでにパコ・マンサーノによる写真展がスタジオ、アモール・デ・ディオスで行われています。また先週にはモレンテに関する講演が4つ、開催されました。

Enrique Morente©︎Paco Manzano


毎年6月に行われていたフェスティバルですが、今年は12月の開催。監督がかつてカサ・パタスのプログラムなどもしていたベナマルゴに変わり、いっそう充実したプログラムになったような? マドリード州立のカナル劇場だけでなく、文化センターや また州内の町での公演も。

モレンテに因んだ公演も多く見に行きたいけれど、現在の状況じゃ無理ですねえ。


◇第15回スーマ・フラメンカ

12/1(火)20時『エレンシア』

[出]〈g〉ラファエル・リケーニ、サルバドール・グティエレス、マヌエル・デ ・ラ・ルス

12/2(水)20時『ピンセラーダス』

[出]〈c〉ロシオ・マルケス、〈g〉ミゲル・アンヘル・コルテス

12/3(木)20時『エンリケシード』

[出]〈c〉ピティンゴ、〈g〉ヘスス・ヌニェス、〈ドラムス〉フェルナンド・ファビエル

12/4(金)20時『モレンテアンド』

[出]〈c〉アルカンヘル、〈g〉ダニ・デ ・モロン、アグスティン・ディアセラ

12/5(土)20時『ガルナタ』

[出]〈c〉マリナ・エレディア、〈g〉ボリータ、〈perc〉パキート・ゴンサレス、ゲスト〈c〉ハイメ・パロン、クーロ・アルバイシン

12/6(日)19時『エル・トリオ20年』

[出]〈fl,sax〉ホルヘ・パルド、〈ベース〉カルラス・ベナベン、〈perc〉ティノ・ディ・ジェラルド

[場]マドリード カナル劇場サラ・ベルデ


12/5(土)20時『ソン・デ ・エクストレマドゥーラ』

[出]ソロ〈g〉ハビエル・コンデ、〈c〉ラ・カイータ、〈g〉ミゲル・バルガス、フアン・バルガス

12/18(金)20時『へネス』

[出]〈c〉ホセ・デ ・ラ・トマサ、ガブエル・デ ・ラ・トマサ、マヌエル・デ・ラ・トマサ、〈g〉マノロ・フランコ、ジョニ・ヒメネス

12/19(土)20時『フィエスタ・コン・エンリケ・パントーハ』

[出]〈c,b〉エンリケ・パントーハ、〈b〉ホセ・カルモナ、ビキ・ドゥエンデ、〈c〉フアニャレス、チェロ・パントーハ、〈g〉バシリオ・ガルシア、フアン・セラーノ

[場]マドリード パコ・ラバル文化センター


12/7(月)20時

[出]〈c〉アントニオ・カルボネル、〈g〉モントジータ、〈perc〉ラファエル・アガプラ

[場]マドリード サラ・クアトロ・パレ

12/8(火)21時30分『ベルリンゲロ・フラメンコ』

[出]〈c〉サンドラ・カラスコ、〈g〉パコ・クルス、〈perc〉ミゲル・ヒロシ

12/9(水)21時30分『ラ・バルベリア・デル・スール』

[出]〈c〉ネグリ、〈g〉パケーテ他

12/10(木)20時

[出]〈c〉クーロ・ピニャーナ、〈g〉フアン・ラモン・カロ

12/10(木)21時30分『ソレア・カンタ・ア・モレンテ』

[出]〈c〉ソレア・モレンテ、〈g〉モントジータ、ルベン・カンポス、〈perc〉モリート他

12/11(金)21時30分『フラスキート・クアルテト』

[出]〈c,g〉フラスキート他

12/12(土)21時30分『オディエルノ』

[出]〈c〉ダビ・ラゴス、〈g〉アルフレド・ラゴス、〈電子音楽〉ダニエル・ムニョス、〈sax〉フアン・ヒメネス

12/13(日)19時

[出]〈c〉キキ・モレンテ、〈g〉ダビ・カルモナ、〈perc〉ポポ

[場]マドリード カナル劇場サラ・ネグラ


12/11(金)20時『フラメンコ・ア・ボセス』

[出]〈c〉Mデ ・プチェロ、〈g〉ミゲル・オチャンド

12/12(土)20時『モレンティアノ』

[出]〈c〉グレゴリオ・モジャ、〈g〉パコ・コルテス

12/19(土)20時『モレンテ・エン・エル・コラソン』

[出]〈g〉モントジータ他

[場]マドリード ピラール・ミロ文化センター


12/11(金)20時

[出]〈c〉パコ・デル・ポソ、〈g〉マノロ・フランコ

12/12(土)19時『シンデレラ』

[出]〈b〉マリア・カラスコ

[場]マドリード圏ラ・カブレーラ セントロ・コマルカル・デ ・ウマニダデス・カルデナル・ゴンサガ・シエラ・ノルテ


12/12(土)20時『ラ・ビダ・エス・ウン・ロマンセ』

[出]〈b〉マリア・フンカル、〈g〉オスカル・ラゴ、〈c〉フアン・トリビニョ、ジョナタン・レジェス、ヘスス・コルバチョ、〈perc〉ハビエル・テルエル

12/19(土)20時『ディビノ・アモール・ウマーノ』

[出]〈b〉ラ・モネータ、〈c〉カルメン・モリーナ、〈g〉アルバロ・マルティネーテ他

[場]マドリード圏エル・エスコリアル レアル・コリセオ・カルロスIIIデ・サン・ロレンソ


12/13(日)13時30分『フエンテ・イ・カウセ・デ ・ラ・ギターラ・フラメンカ』

[出]〈g〉アンドレア・サルセド

[場]マドリード圏ラスカフリア レアル・モナステリオ・デ・サンタ・マリア・デ・エル・パウラル


12/15(火)20時30分『ケレンシア』

[出]〈c〉エストレージャ・モレンテ、〈g〉モントジータ

12/16(水)20時30分『デマドルガー』

[出]〈b〉エバ・ジェルバブエナ、〈g〉パコ・ハラーナ、〈c〉セグンド・ファルコン、ミゲル・オルテガ、アルフレド・テハダ、〈perc〉アントニオ・コロネル、ラファエル・エレディア、

特別協力〈c〉サンドラ・カラスコ

12/17(木)20時30分『デジャブ』

[出]〈c〉マイテ・マルティン、〈g〉アレハンドロ・ウルタード、ホセ・トマス、〈b〉パトリシア・ゲレーロ他

12/18(金)20時30分『エル・ラジョ・ケ・ノ・セサ』

[出]〈b〉ハビエル・ラトーレ、カレン・ルゴ、マルコ・フローレス、アナ・ラトーレ

12/19(土)20時30分

[出]〈b〉ホセ・マジャ、ゲスト〈c〉フアナ・ラ・デル・ピパ、〈c〉ホセ・バレンシア、マヌエル・タニェ、ルビオ・デ ・プルーナ、〈g〉ジェライ・コルテス

12/20(日)19時30分

[出]〈c〉カルメン・リナーレス、〈g〉サルバドール・グティエレス、エドゥアルド・パチェーコ、〈piano〉パブロ・スアレス他

[場]マドリード カナル劇場サラ・ロハ


12/15(火)20時『エル・バランコ・デ ・ロス・ネグロス』

[出]〈c〉ペドロ・エル・グラナイーノ、アントニオ・パトロシオニオ

12/16(水)20時『ポル・アモル・アル・カンテ』

[出]〈g〉オスカル・エレロ他

12/17(木)20時

[出]〈g〉ペペ・アビチュエラ、ホセミ・カルモナ、〈c〉キキ・モレンテ、〈perc〉バンドレーロ

12/18(金)『フラメンコーエン』

[出]〈c〉ロシオ・セグーラ、パウラ・ドミンゲス他

[場]マドリード ラ・アバディア劇場


12/19(土)18時『シンデレラ』

[出]〈b〉マリア・カラスコ

[場]マドリード圏ベイジャ・デ ・サン・アントニオ マリアナ・ピネダ文化センター


12/19(土)20時『バイラオーラス』

[出]〈b〉カルメン・ラ・タレゴナ、モニカ・フェルナンデス、イリアナ・ゴメス、〈c〉サウル・キロス、エル・カンク、ナエル・サラサル、〈g〉イバン・ロサダ、〈perc〉ルキ・ロサダ、イバン・ロサダJr他

[場]マドリード圏サン・マルティン・デ・ラ・ベガ アウディトリオ

[問]http://www.madrid.org/sumaflamenca/2020/index.html

2020年10月27日火曜日

パリータ逝く

 日本ではほとんど知られてないかもしれないのだけど、フラメンコたちに人気があった歌手、パリータが10月26日、バルセロナ近郊、タラサの病院で亡くなったそうです。

本名ビセンテ・カストロ・ヒメネス。1958年バレンシア生まれ。元々はギタリストで、兄で歌い手のエル・ペティの伴奏でプロとしての活動をはじめました。子供の頃、歌って踊る少年スターだったハビエル・ラトーレとも村祭りなどで共演してたそうです。その後、カマロンやチーチョスというジプシールンバのグループの曲などを歌っていましたが、1982年ソロ・デビュー。翌年リリースした2枚目はゴールドディスクを受賞するなど、ヒットを飛ばしました。まだレコードとカセットの時代です。

私が彼のことを知ったのはパコ・デ ・ルシアのおかげです。映画『フラメンコ』のためにセビージャにやってきたパコのアテンドを制作に頼まれてやったのですが、その時、他にどんなアルティスタが、という話になり、パコがレコメンドしたのがパリータだったのです。「めちゃ音程がいいんだよ」とパコ。その時までレコードも何も持ってなかったのですが、この言葉を聞いて速攻買いに走りました。で、はまったのでありました。その当時の最新盤、『カナステーロ』の伴奏は、トマティートとカニサーレス。


古いのも新しいのも色々買って聴いてました。恋愛を扱った甘いバラード。


結構ハードな男尊女卑な歌詞もあるのだけど、でもまあ、実際問題、こういった歌で、ヒターノさんたちの恋愛感覚、学びましたね。


ヘレスのクリスマスソングに違う歌詞をのせたこの曲とかなら聴いたことがある人もいるかも?

もしくはこの曲の始まりのとことかも、フラメンコの舞台で使われていたことがあったような。


久しぶりに聴くと、90年台の思い出が押し寄せてくる感じ。私の青春の1ページ。


パコの最後のアルバムにもパリータが参加しています。



向こうで会っているのかな。





2020年10月25日日曜日

ディエゴ・デ ・モラオen セビージャ ギター祭

ビエナル終わったばかりですが、セビージャのギター・フェスティバルでディエゴ・デ ・モラオが弾くというので金曜夜に出かけます。

会場はサラ・トゥリーナ。旧エル・モンテといえばああ、あそこと思う人がいるかも。昔は銀行の財団が持っていて、フラメンコの公演シリーズ、フエベス・フラメンコスが行われていたところ。今はセビージャ市の持つ劇場で、音楽公演が主に行われています。

手指消毒して会場に。ここもビエナル同様、一席おきに座るようになっています。舞台を見てびっくり。反響板が出ているじゃないですか。ということはマイクなし。
全くのソロでの公演です。

ペーニャやタブラオでもマイクを使うところが多い現在、マイクなしでのギターのリサイタルというのは非常に珍しいことであります。うん。ヘレスのフェスティバルのパラシオ、デ ・ビジャビセンシオの公演くらいかな。
このフェスティバルは元々クラシックギターのフェスティバルだったということからそうなったのかな。
いやいや、びっくり。



でも、もっとびっくりしたのはコンサート。歌がないのは椅子がないから想像してたけど、パルマもなかった。全くの一人だけでのコンサート。約1時間、一人だけで弾き続けたのであります。

いやあ、すごかった。なんだろう。異空間に飛ばされたみたい。マイクを使わない生の音には嘘がなく、一つ一つの音に込めたセンティードがまっすぐ心に伝わってくるよう。

バリバリのフラメンコだけが持つ芯があるコンパスを自在に回し、ビセンテ・アミーゴにも通じるような繊細で詩的な旋律を彩る。



シギリージャはどこを切ってもシギリージャという深みがあるし、軽快なサパテアードも、気持ちがいいタンゴも、父モライートのヒット・ファルセータ総出演的なブレリアも、みんなよかったけれど、ソレアが絶品! めっちゃくちゃフラメンコ で、オリジナリティがあって。なんなんだろう、この才能。

パルメーロはいなかったけど、彼が足で取るコンパスがこれまた気持ちいい。音を出さない瞬間も回り続けるコンパス。


Festival de Guitarra Sevilla



 本人的にはすごくナーバスになっている、とトークで語っていたし、確かに大汗かいて、肩をずっと気にしたりしてたけど、観てるこちらは大満足。でございました。


なお、翌日はカニートが1時間のソロの後、ヘスス・メンデスと共演。カニートの時に映画音楽のような曲もマイクなしで。ディエゴとは全く違うコンパス。いや、コンパス外すとかじゃもちろんないんだけど、ディエゴの方がわっかが太いというか。コンパスの回し方も違う。指からの音の離れ方とかも。

ヘススはマラゲーニャ、ソレア、シギリージャ、ブレリア。もうサリーダだけでオレ!なソレアが最高でした。でも伴奏はやっぱヘレスの人の方が、彼が歌うメロディとかよくわかっているから好きかも。


それにしてもこの劇場、いいです。

前回のビエナルでギターのいいリサイタルがいっぱいあったところ。次回のビエナルでは今回のようなマイクなしの、アンプラグドのコンサート見せてくれるとうれしいんだけど。





 

さよなら、スーシ

 歌い手、スーシが亡くなった。

生まれはアリカンテだけど、トリアーナにずっと住んでいて、ご近所ということでばったり会うことも多かったのでまだ信じられない。

そう言われてみれば、最近はあんまり姿をみていなかったかも。1ヶ月くらい前だろうか。ビエナルの開催中だったと思う。近所のテラスでお茶してたのを見てる。

本名エンカルナシオン・アマドール・サンティアゴ。1955年アリカンテ生まれ。マヌエラ・カラスコの夫でギタリストのホアキン・アマドールは兄にあたる。スーシという芸名は、彼女の才能を発掘したパコ・デ ・ルシアの父が名付け、1976年にそのデビュー盤をプロデュースしている。

タブラオにデビューしたのは12歳の時。踊り手としてだった。

70年代から80年代にかけてヒットを飛ばし、ブレリアやタンゴを得意とするフェステーラとして人気だった。





この写真は88年にグラナダで撮影したもの。画像が荒いけど、パルメーロは、エストレメーニョとモレニート?かな。フェスティバルで、他にタティやヘレスのグループ(トルタ、カプージョ、ピカ、マカニータ、トマシートらという今から考えると垂涎もの)が出てた。


私は彼女の鉄火肌なブレリアが大好きだった。このYouTubeのブレリアなんてレコードで最初に聞いて、何回聞いただろう。


でも本人は、本格正統なフラメンコが歌いたいんだと話してくれた。で、私が持っている女性歌手たちの古い録音をカセットテープに録音して渡したこともあった。ある日、フェルナンダが聞きたいという。フェスティバルで一緒になることはあったけど、レコードは持っていないのだという。確かに、生のフラメンコに囲まれているとレコード集めたり、ってしないんだろう、と納得。これもカセットに録音して渡した。その後、コンサートでフェルナンダが歌っていたレトラ歌っているのを聞いたこともあった。他にもカンテ・デ ・レバンテなども歌っていたのを覚えている。

ABC紙では11枚のアルバムを録音し、とあるが、そう言えば、ビセンテ・アミーゴと録音するという話もあったはずだけど、あれは結局潰れちゃったのかな。生よりも、レコードで聴いてた印象が強いけど、ご近所のよしみで親しく話せたのはよかった。そういえば彼女のために公演資料、ドシエ作ったこともあったなあ。あれはどうしたのかな。

日本にも、1993年、トマティートと一緒に小松原舞踊団の招きで来日している。2004年には小島章司公演にも。


このエバ・ジェルバブエナと一緒の写真は、モレンテのニーニャ・デ ・ロス・ペイネス賞授賞式の時のもの。エバが自分のFacebookにアップしてた。2003年のもの。



自分が歳をとっていくと知人の死に遭遇することもそれだけ多くなるのは仕方ないことだとは思うけれど、65歳って若すぎる。



心よりご冥福を祈ります。

2020年10月21日水曜日

ビエナル、ヒラルディージョ賞決定

ビエナルのヒラルディージョ賞が決定しました。*写真は全てBienal Calaudia Ruiz Caro

カンテがペドロ“エル・グラナイーノ”、



バイレはアンドレス・マリン、





楽器はディエゴ・ビジェーガス、

ギターはアルフレド・ラゴス、



作品賞「ファンダンゴ!」、



新人賞パウラ・コミトレ、

伴唱ダビ・ラゴス、

マエステリア賞エル・ペレ、

魔法の瞬間マリア・モレーノ(ソレアの始まりのゆっくりと腕を上げていくところ)。

セビージャ市賞ラファエル・リケーニ。



受賞者のみなさん、おめでとうございます。
作品賞の『ファンダンゴ!』が、アルフレド、ダビ、パウラも含め、4賞受賞というのが素晴らしい。本当にすごい作品なので、皆様にもぜひ観てもらいたいです。ヘレスのフェスティバルで上演決定ということなので(まだプログラムは正式発表されていませんが)できればぜひお越しくださいませ。

2020年10月19日月曜日

フラメンコ10

 今年はフラメンコがユネスコの世界無形文化遺産に制定されてから10年。それを記念して、11月16日のアンダルシア、フラメンコの日を中心に、アンダルシア各地でイベントが開催されます。

11 月にアンダルシアにいるならぜひ。無料のイベントもありますよ。


◇フラメンコ世界無形文化遺産認定十周年記念公演

[問]https://www.juntadeandalucia.es/cultura/flamenco/content/flamenco10


マラガ県

10/28(水)20時

[出]〈b〉アンダルシア舞踊団

[場]マラガ セルバンテス劇場

11/4(水)18時『アフラメンカテ』

[出]〈b〉ホセ・ガラン舞踊団

11/11(水)18時『フラメンクラウン』

[出]〈c〉ラウラ・ビタル

11/16(月)18時『エン・タジェール』

[出]〈b〉レオノール・レアル

11/18(水)18時『アメリア』

[出]〈b〉マレア・ダンサ

[場]マラガ カノバス劇場

11/20(金)21時

[出]〈c〉マヌエル・ロンボ

11/21(土)21時

[出]〈b〉ファルキート

[場]マラガ県アンテケーラ 闘牛場


カディス県

11/6(金)

18時30分『ミランド・アル・スール』

[出]〈c〉ラ・マカニータ

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア 市立博物館

18時30分

[出]〈b〉アルムデナ・セラーノ

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア エルミタ・デ ・サンタ・クララ

20時『エル・インディアノ(バイレス・デ ・イダ・イ・ブエルタ』

[出]〈b〉ダビ・モラーレス

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア カサ・デ ・インディアス

20時

講演;ホセ・マリア・カスターニョ『血統1;ソルデーラの遺産』

21時『エレンシア・カンタオーラ』

[出]〈c〉ビセンテ・ソト、レラ・ソト

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア ビジャレアル・イ・プルジェラ宮殿

22時『フラメンコ』

[出]〈c〉ホセ・メルセ

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア ボデガ・デ ・モラ・デ ・オスボルネ

11/7(土)

12時30分『デズデ・アルカラ』

[出]〈b〉ハビエル・バロン

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア エルミタ・デ ・サンタ・クララ

12時30分

[出]〈c〉ナサレ・カラ

18時30分『カディス・デ ・ラ・フロンテーラ』

[出]〈b〉アンドレス・ペーニャ、ピラール・オガージャ

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア 市立博物館

17時『カオティコ』

[出]〈c〉ホセ・ケベド“ボリータ“

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア カサ・デ ・インディアス

17時

マスタークラス;〈g〉ヘラルド・ヌニェス

18時

[出]〈g〉ヘラルド・ヌニェス・トリオ

20時

講演;アントニオ・ベルムデス『アンソニーニ・デル・プエルト、コンパスの100年』

21時

[出]〈c〉アナ・デ ・ロス・レジェス、コラル・デ ・ロス・レジェス

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア ビジャレアル・イ・プルジェラ宮殿

18時半『血統2。ランカピーノの家』

[出]〈c〉ランカピーノ・チーコ

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア 市立博物館

20時

[出]〈c〉ロメロ・マルティン

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア カサ・デ ・インディアス

22時

[出]〈b〉ロシオ・モリーナ

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア ボデガ・デ ・モラ・デ ・オスボルネ

11/8(日)

12時30分『リサイタル』

[出]〈c〉ヘスス・メンデス、アントニオ・レジェス

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア エルミタ・デ ・サンタ・クララ

12時30分『血統3;トレースの家』

[出]〈c〉ホセ・デ ・ラ・トマサ、マヌエル・デ ・ラ・トマサ

14時

[出]〈c〉セルー・デル・プエルト

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア 市立博物館

17時

[出]〈b〉ファルーカ、ファルー

[場]カディス県プエルト・デ ・サンタ・マリア ボデガ・デ ・モラ・デ ・オスボルネ

11/12(木)20時『25周年』

[出]〈b〉アンダルシア舞踊団

11/16(月)20時

[出]〈piano〉ドランテス

[場]カディス ファリャ大劇場


グラナダ県

11/9(月)21時

[出]〈g〉ディエゴ・デル・モラオ

11/14(土)21時『25周年』

[出]〈b〉アンダルシア舞踊団

11/16(月)21時『フラメンコ・リークス』

[出]〈fl、sax〉ホルヘ・パルド、〈b〉カルラス・ベナベン、〈perc〉ティノ・ディ・ジェラルド

11/23(月)21時

[出]〈c〉ランカピーノ・チーコ、ヘスス・メンデス

11/30(月)21時

[出]〈c〉エル・ペレ

[場]グラナダ アランブラ劇場

11/15(日)12時『リハーサル』

[出]〈b〉アンダルシア舞踊団

[場]グラナダ アルハンブラ内カルロス5世宮殿

12/5(土)21時

[出]〈b〉モネタ、〈c〉キキ・モレンテほか

[場]グラナダ アウディトリオ・マヌエル・デ・ファリャ


セビージャ県

11/10(火)21時

[出]〈c〉ホセ・バレンシア、ラファエル・デ ・ウトレーラ

[場]セビージャ セントラル劇場

11/13(金)21時『モロンのギター』

[出]

[場]セビージャ県モロン・デ ・ラ・フロンテーラ ソレダ広場

11/14(土)

[出]〈c〉エル・ボレーコ

[場]セビージャ県マイレーナ・デル・アルコール

11/17(火)21時

[出]〈g〉エミリオ・カラカフェ

[場]セビージャ セントラル劇場

11/24(火)21時

[出]〈g〉アントニオ・レイ、ゲスト〈g〉ディエゴ・デル・モラオ、〈c〉ヘスス・メンデス

[場]セビージャ セントラル劇場

11/28(土)

12時

[出]〈c〉サムエル・セラーノ

13時

[出]〈c〉エスペランサ・フェルナンデス

[場]セビージャ県カルモナ 市場

11/29(日)

12時

[出]〈c〉ラ・ジジャ

13時

[出]〈c〉ペドロ・エル・グラナイーノ

[場]セビージャ県カルモナ 市場


アルメリア県

11/13(金)18時30分

[出]〈b〉アナベル・ベローソ

11/14(土)20時

[出]〈piano〉ドランテス

[場]アルメリア県ベルハ ミゲル・サルメロン劇場

11/14(土)20時

[出]〈c〉エル・マティ

[場]アルメリア県ベラ アウディトリオ

11/15(日)20時

[出]〈c〉フィナ・デ ・アンヘレス

[場]アルメリア県アドラ アドラ博物館

11/15(日)21時30分

[出]〈g〉トマティート

[場]アルメリア県アドラ 文化センター

11/15(日)20時

[出]〈b〉マヌエラ・カラスコ

[場]アルメリア県ベラ アウディトリオ

12/4(金)

[出]〈b〉アンダルシア舞踊団

[場]アルメリア県 アウディトリオ・マエストロ・パディージャ


ハエン県

11/13(金)20時

[出]〈c〉マヌエル・ロンボ

11/14(土)20時

[出]〈b〉アリア・デル・マル・ラミレス

11/ 15(日)20時

[出]〈c〉フアン・バルデラマ

[場]ハエン県アンドゥーハル プリンシパル劇場

11/27(金)21時

[出]〈b〉アンダルシア舞踊団

[場]ハエン レオノール王女劇場


ウエルバ県

11/14(土)

12時『ウエルバはファンダンゴの香り』

[出]〈c〉ヘロモ・セグーラ、オリビア・モリーナ、〈g〉マヌエル・デ ・ラ・ルス

13時『ボラピエ』

[出]〈c〉ギジェルモ・カーノ

[場]ウエルバ県パルマ・デル・コンダド ボデガ・インファンテ

20時「エントレ・マノス』

[出]〈g〉フアン・カルロス・ロメロ

22時『ロス・ビエントス・ケ・アキ・メ・トラエン』

[出]〈c〉ラ・アルヘンティーナ

[場]ウエルバ県パルマ・デル・コンダド スペイン劇場


コルドバ県

11/14(土)『エントレモス・エン・エル・ハルディン』

[出]〈b〉マリア・パヘス舞踊団

[場]コルドバ グランテアトロ

11/20(金)

20時30分

[出]〈c〉イサベル・ド・ディエゴ

21時30分

[出]〈g〉ラウル・カンティサノ、

[場]コルドバ アンダルシア現代クリエーションセンター


アンダルシア外

11/13(金)19時30分

[出]〈c〉ラ・ファビ、アントニア・コントレラス

[場]マドリード 国立音楽堂

12/11(金)、12(土)

[出]〈b〉アンダルシア舞踊団

[場]バダローナ ソリージャ劇場

セビージャ ギター祭


ビエナルが終わったばかりですが、8日からは第11回セビージャ、ギター祭が始まっています。

最初はクラシックギターのフェスティバルとして始まったフェスティバルですが、数年前からはフラメンコ・ギターの公演やコンクールも。

9日にはパコ・デル・ガストールの孫、フランシスコ・モンガジョの公演がありました。

今週には23日、ディエゴ・デル・モラオのリサイタル。そして24日、カニートがヘスス・メンデスをゲストに公演します。

セビージャにいてまだフラメンコが聴きたりない人、ぜひ!


ディエゴですが、私の写真古っ!今は痩せてモデルのようにオシャレです

◇セビージャ・ギター祭

10/9(金)19時

[出]〈g〉フランシスコ・モンガジョ

[場]セビージャ エスパシオ・トゥリナ/サラ・フアン・デ ・マイレーナ

10/23(金)20時30分

[出]〈g〉ディエゴ・デル・モラオ

10/24(土)20時30分

[出]〈c〉ヘスス・メンデス、〈g〉カニート

[場]セビージャ エスパシオ・トゥリナ/サラ・シルビオ

[問]https://www.guitartfestivalsevilla.com


2020年10月14日水曜日

マヌエル・エレーラ逝く

Twitterで知った。マヌエル・エレーラさんが亡くなったと。

83歳。癌だったそうです。そんなんなんにも知らなくて、こないだのビエナル、会会宣言務めたときもお喋りしてたし、セントラル劇場で隣の席に座って、おしゃべりしてました。ってか、最初彼だと気づかず、前に座った友達と喋っていて、ふと見るとエレーラさん、って驚いて、元気ですかあ、なんて世間話したのが最後。

セビージャ県のはし、コルドバ県マラガ県との県境の町カサリチェ出身。本職は学校の先生で、セビージャ郊外、ロス・パラシオスに住んでいました。そのまちのペーニャを通じて、セビージャにも大きなフラメンコ・フェスティバルが必要と説いて、生まれたのがビエナル。つまりビエナルの産みの親の一人。1998年、2000年、2002年とビエナルの監督をも務めました。



カハソル(旧エル・モンテ)のフエベス・フラメンコスの監督も務めていたので、たくさんの若手をサポートしていました。


マルコ・フローレス


フェルナンド・ロメーロ

ヘスース・メンデス

パトリシア・ゲレーロ



ラファエル・カンパージョ

ラファエル・エステベス、バレリアーノ・パーニョ。



ルベン・オルモ
。。。


彼らはほんの一部。毎週の記者会見兼茶話会での楽しい話。フラメンコを愛し、フラメンコのためにたくさん動いた人。

アンダルシアの学校でフラメンコを教えるよう、動いた人。

その功績は計り知れないけれど、それより何より、その笑顔がきっとみんなの心に残っているはず。フラメンコのお父さんみたいな人でした。みんなをサポートし、みんなを応援していた。否定的なことは決して言わない。

個人的にも、2002年のビエナルではヒラルディージョ賞の審査員に選んでくれるなど、外国人であることで差別もせず、評価してくれたことに今更ながら感謝しています。ちょうど、今日、その審査用紙が出てきて、そんな話をビエナルの事務局でもしていたところでした。

こんなに早くサヨナラになるとは思わなかったけど。これまで本当にありがとう。

きっと、天国で、あなたが大好きだったアーティストたちに会って、歓迎の宴、してるよね今。


カハソルの遠足でサンルーカルでフィエスタ。ギターはペドロ・シエラ。歌うはアントニオ・カリオン。



Hasta pronto!

2011年大震災の時に日本サポートのビデオのためにポーズしてくれました


 

2020年10月13日火曜日

ビエナル 総括記者会見

 ビエナルの結果についての記者会見が、トリアーナの陶器センター(昔の陶器工房が博物館になっているところ)でありました。実はビエナルのオフィスもこの建物の中にあるのです。

セビージャ市やアンダルシア州の文化担当官たちと監督。


もちろん全員マスク着用。記者たちももちろんマスク着用で椅子と椅子の間もとって、ちゃんと対策してます。


8月14日から10月4日までの59日間(8月は週末だけだったので、実質的には37日間)49公演。劇場は定員の半分しか入れませんでしたが、延べ人数でおおよそ15000人の人がフラメンコ公演を楽しみました。

コロナで外出禁止になる中、「例えストリーミングになっても」と実施を宣言。もともとほぼ出来上がっていたプログラムを多少変更する必要も出てくるなど、たくさんの困難の中、まずは無事、公演が終了できたことについて、市の文化担当官も州の人も、満足し、スタッフに感謝しているとのこと。

監督によると、今年はビエナル40周年ということで、クラシックなものとコンテンポラリーなもの、両方をバランスよく見せるように企画が進んでいたそう。ロペ・デ ・ベガはカンテの殿堂とし、もともとはマエストランサ劇場でオルガ・ペリセ、ダビ・コリアなど若手舞踊家の作品を公演するはずだったのが、マエストランサが使えずセントラル劇場での上演になったり、伝統楽器以外の公演は夜遅い時間にアラメーダ劇場で公演するはずだったのが8月にサン・ヘロニモ修道院庭園でになったり、ギター公演はアルカサル庭園でこじんまりとするはずが大きな会場になどと最初のプランから様々な変更があったそう。またどこかの劇場で感染が出て、そこが使えなかった時のためにアラメーダ劇場を予備で空けておいたそう。本当に感染が出ずよかったです。

ストリーミングの反応もよく、ストリーミングの視聴者数と実際に劇場に足を運んだ人の数を足せば、通常のビエナルの観客者数と同じくらいになるそう。なお、ストリーミングにつては今回を試金石とし、次回以降、様々な可能性がありそうです。でも「舞台芸術、フラメンコは生が一番」もこのことによってより実感できたかも。ストリーミングは生の舞台のとってマイナス、という人もいるようですが、そんなことはなさそうです。

また、日常を取り戻す一歩として、このような大規模なフェスティバルが開催されたことは毎日のように国内国外のメディアで取り上げられ、その経済効果も大きいとのことです。

また、ロシオ・モリーナはすでにビエナルでの公演の、フランスやオランダ、またマドリードやヘレスでの公演が決定するなど、ビエナルで初演した甲斐があったようです。

そういえばヘレスのフェスティバルももうほぼプログラムが決まっているそう。ビエナルもまたすぐ、次回、2年後の公演に合わせて企画が始まるのでしょう。今月中には各賞も発表されるかな。

外国からの観客がほとんどいない、コロナ禍でのビエナルでしたが、次回は日本からの皆さんと一緒に楽しむことができますように。



2020年10月9日金曜日

ビエナル総括

まずはとにかくめでたい。こうして無事、1ヶ月半のフェスティバルを行うことができたのは、本当、奇跡のようにも思います。

主催者、出演者、そして観客、みんなに、おめでとうございます!、と言いたいです。

へスース・カルモナ新作初演が、出演者の感染により中止となってしまったことがあったものの、劇場で集団感染が起こることもなく、セビージャの町がロックダウンすることもなく、終わって本当によかったです。あ、ハビエル・パティノ公演も雨で中止になりましたが。

8月のサン・ヘロニモ修道院庭園での公演の時から感染対策は徹底していました。会場に入れるの定員の半分。会場に入る時にはもちろんマスク着用で手指消毒が義務。時々、上演中にマスクを取る人がいたようですが、そんな時は係の人が飛んでいって注意していました。

夜バルも12時で閉まる(12時以降には入れない。入っていた人も1時前に退店して1時には完全閉店)のでアフターショーはほぼなし。唯一、セントラル劇場の終演後は劇場のバルで友達と飲んだくらいでしょうか。いつものビエナルでは朝方まで飲むのが恒例だったので、なんか変な感じ。

さて、今年のビエナル。圧倒的に舞踊が強い印象を残しました。

ロシオ・モリーナの2作品。

Bienal Claudia Ruiz Caro
Bienal Claudia Ruiz Caro

フェルナンド・ロメーロとラファエル・カンパージョのボレロ。

Bienal Claudia Ruiz Caro

ファルキート。

Bienal Claudia Ruiz Caro

ヴィオラ・ダ・ガンバで踊ったパトリシア・ゲレーロ。


Bienal Claudia Ruiz Caro

ラ・ピニョーナ、

Bienal Claudia Ruiz Caro

ダビ・コリア、

Bienal Claudia Ruiz Caro


レオノール・レアル、

Bienal Claudia Ruiz Caro

アナ・モラーレス、

Bienal Claudia Ruiz Caro
イスラエル・ガルバン。
Bienal Claudia Ruiz Caro

それぞれによかったけど、ロシオとパトリ、ダビ・コリアが凄かった。いや、イスラエルの公演のイスラとパストーラの個人技も凄かったけどね。そして、今年を語るなら、ピニョーナとレオノールも入れなきゃね。ちなみに、評判の良かったマリア・モレーノ、メルセデス・デ・コルドバは他の公演と重なって観ること叶わず。でもきっとよかったに違いない。


作品としてなら圧倒的にダビ・コリアとダビ・ラゴスの『ファンダンゴ』。

Bienal Claudia Ruiz Caro


舞台作りのダイナミックさ。質の高さ。主役二人はもちろん、三人の女性舞踊手とギタリスト(アルフレド・ラゴス)全員が主役という感じで見せ所もあり、見事でした。どんなに格の高い劇場に出しても恥ずかしくない素晴らしい作品です、コリアの回転! そのほかのメンバーもすごかった。特にパウラ・コミトレ!

Bienal Claudia Ruiz Caro

彼女は8月にアルトマティコ公演でもエバやアナ、ラファエラ・カラスコなどの影響は感じられるけれど、それを自分のものとして消化していく感じで、よかったです。


今年は、ロシオもパトリシアもアナも歌なしで踊り、フェルナンドもクラシック曲だったので歌はなく、イスラエルも歌ったのはギタリストだったし、歌なしのフラメンコというのが潮流なのかな。面白い。

踊り自体ではロシオもいつも以上にキレッキレですごかったけれど、パトリシアの思いを伝える表現に感動。いつの間にか持っていかれる感じ。アナもロシオと同じく、従来のフラメンコ舞踊の表現だけにこだわらず自分の表現で語ってきます。

イスラエルとエバ・ジェルバブエナの影響も大きいんだと思うけど、フラメンコの伝統的な曲/歌に縛られないというのはアントニオ・ガデスもそうだし、マリオ・マジャの舞踊表現の影響も絶対あるよね。自由な表現は今、急に始まったわけではないのだけど、テクニックと意識の向上が、今の、多彩な才能の百花繚乱状態につながっているのでしょう。


それに対して、カンテはうーん、ちょっといきづまってる感じ? ホセ・バレンシア、マリア・テレモート、ランカピーノ・チーコという若手実力派の面々は演出過多で肝心のカンテがかすんでしまい残念。カンテは人の声、そのもの自体にすごいパワーがあるのだから、それを正面からガツンと見せる/聴かせる構成、演出だけでいいのに、と思います。その点、ベテラン、エル・ペレはいつもの相棒、ニーニョ・セベだけでなく、ディエゴ・デル・モラオ、ダニ・デ ・モロンと三人の伴奏で、じっくり聴かせたのがよかったです。複数のギタリストに、というのはカルメン・リナーレスが録音でやってその公演でもやってましたが、一人の歌い手の違う面が見えてくるし、変化がつくので聴いてても楽しいです。今回は特にディエゴ・デル・モラオによるシギリージャの伴奏が最高でした。

若手でも、ラ・トレメンディータは凄かった。一見ロックコンサートですか、の舞台だけど、ドラムス、エレキベース、キーボード。よく考えられたアレンジで聴かせるのは正真正銘ほんまもんのフラメンコ。別にびっくりさせようとしてるわけではなく、自分の言葉で自分の愛する音楽を自然にやっているだけだからいいのだと思います。

Bienal Claudia Ruiz Caro



ギターはトマティート、ヘラルド・ヌニェス、カニサーレス、ビセンテ・アミーゴといった今のスペインを代表するギタリストたちが登場することはなかったのは残念でした。ギターが主役の公演は8つ。その中ではダニ・デ ・モロンが頭ひとつ抜きん出ていた印象(ホセ・アセド、アントニオ・レイは他の公演に行っていたので聴けていません)。個人的には、トマス・デ ・ペラーテのリサイタル、ダビ・コリア、ピニョーナの舞踊公演の伴奏をしていたアルフレド・ラゴスが一番よかったかも。それとディエゴ・デ ・モラオね。

Bienal Claudia Ruiz Caro


ギター以外の楽器だと、管楽器のディエゴ・ビジェーガス、ピアノのドランテスがよかったですね。お祭りのようなディエゴ、一人でしっとり聴かせたドランテス。あと、ビデオdj?のロス・ブルブレも面白かったな、と。フラメンコは伝統的なやり方以外にも表現が広がっています。

フラメンコがこれからどこに向かうのか、わからないけど、フラメンコの核はずっと大事にされていくんだろうな、と思ったことでした。


なお、来週、ビエナル総括記者会見あるそうです。どんな話が聞けるかな?