ラベル ヘレス・フェスティバル2012 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ヘレス・フェスティバル2012 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2012年3月14日水曜日

ヘレス・フェスティバル2012 批評家賞、観客賞発表

2012年ヘレスのフェスティバル、
批評家賞と観客賞が発表された。

フェスティバルを訪れた批評家、ジャーナリストたちの投票で選ばれる批評家賞に
Foto;Javier Fergo


ビジャマルタ劇場でのアンケート用紙による投票で最も高い得点を獲得した観客賞には
Foto; María Pages

ちなみにマリア・パヘスの平均得点は9.46
次点はアンドレス・ペーニャとピラール・オガージャ9.42
ロシオ・モリーナ9.42
ヘラルド・ヌニェス9.41
パストーラ・ガルバン9.14
マヌエル・リニャン9
ホアキン・グリロ9

という結果だったそう。

やはり批評家、、ジャーナリストたちによる新人賞はまだ発表されてないが、
マルコ・フローレスやマヌエル・リニャンらの名があがっている。



2012年3月11日日曜日

ヘレス・フェスティバル2012 16日目夜ホアキン・グリロ「マル・デ・フラメンコ」

いよいよ2012年のヘレス・フェスティバルも今夜で閉幕。
その舞台を飾るのはホアキン・グリロ。
「マル・デ・フラメンコ」
フラメンコの海

地球の映像が緞帳にうつしだされ
アントニオ・セラーノのピアノがながれ幕があく。
ビルジン・カナスによるトルコの伝統楽器の笛が響く。

アレグリアスだ。
白いパンタロン。
フレコ、フリンジのついたジャケットで踊るホアキン。

足に鈴をつけ
チンチン?かな、金属製のカスタネットのようなものを手に
ギターのタランタで踊りはじめる。

下手には
アラブ風のクッションに座ったミュージシャン

Foto;Javier Frgo


コンテンポラリーのダンサー、ハビエル・ペレスが
フラミンゴ(スペイン語ではフラメンコ)を踊る。

白シャツ白パンタロンのホアキンとのデュオでファルーカ
コンテンポラリーとフラメンコの対比が面白い。
Foto;Javier Frgo
Foto;Javier Frgo

ホアキンの姿の美しさ。

妹カルメン・グリロが歌うソレア・アポラー。

Foto;Javier Frgo


ミュージシャンたちによるルンバからコロンビアーナ
そしてホアキンのグアヒーラ
白い帽子に白いスーツの伊達男ぶりが秀逸
男性にとって踊られることが少ない曲だが
キューバの空気そのままに
明るくのびやかにみせてくれた


Foto;Javier Frgo

最後はブレリア。
満天の星のもと
モライートに捧げたブレリアで
フアン・レケーナがモラオのブレリアを弾き
客席から現れたホアキンは
そのファルセータそのままにサパテアードで音楽を奏でる。

超コンパス



Foto;Javier Frgo

作品としてみればつっこみどころ満載。
でもそんなことを忘れさせるほど
このブレリアが素晴らしかった。

お約束のフィン・デ・フィエスタも楽しく
16日間に渡るフラメンコの祭典は幕を閉じた



来年は2月22日から3月9日までです。

へレス・フェスティバル2012 16日目昼



フェスティバル最終日の記者会見は
(左から)
アントニオ・レアル市観光局長
マリア・ホセ・ガルシア・ペラジョ市長
マリア・アンヘレス・カラスコ/アンダルシア州フラメンコ研究所所長
イサマイ・ベナベンテ/フェスティバル・ディレクター

今年のフェスティバルの総括。

公演そのものの数が減ったので
観客数も減っているが
すべての公演、催しで平均定員の95%を記録。
クルシージョ受講者の国別内訳では
今年も日本が16%で首位。
ついでドイツ、カナダ、フランス、スペイン、アメリカなど
世界40カ国から受講生が集まった。

ホテルは全体で定員の60%。
劇場そば、つまり町中のホテルほど満員で、
また五つ星ホテルよりもオスタルの方が満員というのは、
1週間以上というクルシージョ生/長期滞在者が多いことを考えれば当然か。

来年は
2月22日から3月9日まで

さてどんなフェスティバルとなるのだろうか


2012年3月10日土曜日

ヘレス・フェスティバル15日目夜 マリア・パヘス「ユートピア」

14日目はモネータを前日にみたのでお休み。
いよいよラストスパートの15日目はマリア・パヘス。
日本でも人気のベテラン・バイラオーラ、
独自のスタイルをもっている踊り手だ。
すっきりと洗練された舞台。
照明や影を効果的につかい
フラメンコ以外の音楽を積極的にとれいれ
フラメンコのテクニックで踊る。
空間に絵を描くような長い手足の柔らかな動き。
よく訓練された群舞。
テーマ性をもった作品。

今回もそのスタイルそのままの作品だ。
アストゥリアス地方のアビレスにある
オスカー・ニーマイヤー国際文化センターと舞踊団の制作で
同センターで昨年初演されたもの。
104歳のブラジル人建築家ニーマイヤーにちなんだ仕掛けがいろいろ。
吊られた三つの紐が
場面場面で形を変え描いて行く曲線もそのひとつ。

プログラムには「8つの風景をもつ道」とある。

Foto; Jveir Fergo

最初の風景は“ユートピア”
ブラジル人ミュージシャンの弾き語りで
グレーの衣装に身を包んだ踊り手たちによる群舞。
流れるように、また寄せてはかえす波のように進んでいく。

次の風景は“会話”
男女同権とバランスをテーマに
黒の総タイツのような衣装で
マリアがチェロの伴奏でファルーカを踊る。
Foto;Javier Fergo
振り付けは元同舞踊団のホセ・バリオス。

3つめは“壊れた時”
人生のはかなさ、がテーマだそうだ。
トリージャを歌うフアン・デ・マイレーナに引き続き
薄明かりの中で群舞によるソレア。
一人ずつの小さなブレリアのソロがあったり。
歌詞にネルーダやセルバンテスをつかっているそうだが
その肝心の歌詞がよく聞き取れない。
作曲の問題?歌い手の発声?


4つ目の風景は“意識と欲望”
自分の中にある影の影を
マリアがレバニエゴのギターで赤いドレスで踊る。
Foto; Javier Fergo
ドレスは二枚重ねたようになっており
その上のたっぷりした1枚をマントンのように使うのが面白い。
ほとんど同じ位置で動かず腕と上体の動きでみせるのは彼女の十八番。
顔に布をかけたり、肩にかけたり。

“一緒に行こう、仲間たち”が5つめ。
テーマは連帯。
群舞でのアップテンポのマルティネーテ
(とプログラムにあるけどギターも入るのでシギリージャ?)

6番目“赤い道”は
タラント。
Foto; Jvier Fergo
黒と赤の衣装のマリア。

7つめの風景“そこが住みたいところ”は
グアヒーラとタンゴ。
男たちはパルマ。女たちはアバニコ。
マリアだけ大きめのペリコンをつかって。
Foto;Javier Fergo

最後は“高み”。道の終わり。
下手でブラジル人ミュージシャン囲んでルンバ風に踊る。
最後の最後は後ろにのぼりはじめの太陽のような白い半円。

アレグリアス・デ・コルドバを
マリアが白に墨で絵が描かれたバタ・デ・コーラで踊る。
バタをまきつけたりほどいたり。
Foto;Javier Fergo

 そして上体の柔らかな動き。
先ほどの深紅のドレスのときと衣装こそちがうが似た感じ。
もっとフラメンコに踊ってほしい、と思うのは贅沢か。


初演のときだったか、ラジオのインタビューにこえたえて、
「舞踊と建築はよく似ている」
と言っていたマリア。
たしかに彼女の舞台は設計図をかいてきちんとつくりあげていく感じといい、
空間処理といい、建築的な舞踊といえるだろう。
彼女の腕の描く曲線とニーマイヤーの曲線。
出会うべくして出会ったのかもしれない。






2012年3月9日金曜日

ヘレス・フェスティバル2012 15日目昼

記者会見は閉幕を飾る
ホアキン・グリロの公演。
「マル・デ・フラメンコ」
公演に出演する全員でやってきた。
一番右はセビージャ出身のコンテンポラリーのダンサー
ホセ・バレンシア
フアン・レケーナ
ホアキン・グリロ
カルメン・グリロ
アントニオ・セラーノ
トルコの篠笛吹き




釣りが趣味の彼が海で思いついたという作品。
海を介してみたフラメンコ
海の向こうからきたフラメンコ

いよいよ最終公演
どんな舞台になるか楽しみ。

2012年3月8日木曜日

ヘレス・フェスティバル2012 13日目夜マヌエル・リニャン「タウロ」

モネータと同じくグラナダ生まれのバイラオール、マヌエル・リニャン。
ビジャマルタ劇場での初のソロ公演「タウロ」

鈴をならしながらマティアス・ロペスの歌うトリージャではじまる。
上手に4人の踊り手
下手に歌い手
女たちはエプロンをつけ
カンポ(畑、野原)の雰囲気だ。
畑の仕事歌を歌いつぐ。

全体と個。
一人一人の動きがよく整理され
舞台での位置もよく考えられた
ちゃんとした構成の振り付けで
振付家としての才能をみせる。
Foto;Javier Fergo

  下手奥に下がった6本の布の帯を弦にみたてた
ギターへのオマージュ。
Foto;Javier Fergo

二人の女と一人の男。
クリスティアン・マルティンが踊る。

続くタラントはリニャンのソロ。
美しく説得力のある踊り。
ひとつひとつの動きに感情がこもっており
訴えかけてくるものがある。
見事!

Foto;Javier Fergo
最後のタンゴもグラナダ風でさすが。

続く曲はガルシア・ロルカへのオマージュで
リニャンとマルティン
男二人のデュエット。

Foto;Javier Fergo
フラメンコなリニャンとよりクラシコなクリスティアンの対比
 一人の男の二つの自我のようにも
恋する二人のようにもみえる。
切なくも美しい。

Foto;Javier Fergo
 メルセデス・コルテスのグラナイーナのソロのあと、
再びリニャン。
バストンでのソレア・ポル・ブレリア。
これまた秀逸!
Foto;Javier Fergo
バストン、というとマノレーテだが、
リニャンは故郷の先輩マノレーテの技を
さらに発展させた素晴らしいバストンづかいをみせる。
自由自在。
生き物のように動きあやつられるバストン。
感服。


中幕の真ん中を少しあげて洞窟にみたて
その前でインマ・リベラがコプラを歌う。
洞窟でのフラメンコ、
サンブラへのオマージュだ。

メルセデスが歌うファンダンゴ・デ・アルバイシン。
女たちはカスタネットで。
大舞踊団時代へのオマージュでもある?
と思わせる振り付けだ。

アルボレアを白いドレスにマントンでグアダルペ・トーレスが魅せる。
カチューチャは男二人で。
タンギージョはチェックにいろいろな色のフリルがついた
まるであまり布でつくったようなバタ・デ・コーラのバネサ・コロマが
スカートをまくったり、花を投げ捨てたりとユーモラスに踊る。
洞窟のおばあちゃんたちのカリカチュア。
でもバタさばきもきちんとしていて観ていて楽しく気持ち良い。
おばちゃんたちが輪になって踊る、
グラナダ名物モスカは全員で。
これらの曲と曲の間にはマティアスのプレゴンがはさまれる
観光客向けの絵はがきのようなフラメンコを
高い技術とセンスの良さで上質な場面となった。

Foto;Javier Fergo
最後は録音のソレアレス・デ・アルカ。
グラナダの伝説のフラメンコに捧げられた、
カスタネットをつかいクラシコ・エスパニョールのように踊るリニャン。 
それを見守っていたクアドロがやがてさっていき
一人踊る


Foto;Javier Fergo

久しぶりにていねいにつくられた上質のフラメンコを観た!
という気持ち。

1時間半があっという間。
もう一度みたい。
今年のフェスティバルでのベスト3確実です。

それにしても昨年のオルガ・ペリセ、今年のマルコ・フローレス、
そしてこのマヌエル・リニャンと、
いい踊り手たちがきっちりと
それぞれに個性的な作品をつくりあげているのは頼もしい限り。
フラメンコ舞踊の未来も、安泰でございます。

ヘレス・フェスティバル2012 13日目午後モネータ「エストレモ・ホンド」

グラナダ生まれのモネータ。
今年のフェスティバルでは
サラ・コンパニアで二日間。
その初日。

最初はロマンセ。
そしてカーニャ。
カーニャの伝統、マントンをつかうのだが
その扱いが体育会系とでもいうか、
流れるような優雅な動きではなく
やや粗雑なのが気になる。
マントンをつかうのでなくマントンにつかわれている感じ、とでもいうか。
Foto;Javier Fergo
Foto;Javier Fergo
と、そこで靴が脱げるアクシデント。

靴がとんでいったり、かかとがとれたり、壊れたり
アクシデントはフラメンコにもつきもの。
それをどう処理するかがポイント。
彼女は踊れずすぐに袖に入る。
ギターはカーニャのファルセータを奏で
白い靴にはきかえた彼女が
再登場したところでもう一度サパテアードから。
靴をとりかえるだけなのにちょっと時間がかかった?
続くカンティーニャスは
この靴のアクシデントのせいか
ムーチョ・コラヘ。
憤怒の形相で。
って、座っていたのは二階席で表情まではみえないが
踊りの表情とはど迫力で迫られている感じ。
アレグリアスのもつ軽妙さや明朗さは感じられない。
こんなにこわいアレグリアスははじめてだ。

アバンドラオはモネータの故郷グラナダのおばあさんの踊りを思い出させる。
細身なのにどっしりした体型にみえるのは衣装のせい?
黒字に花柄の衣装は照明によってその花が金色にみえたり赤に見えたり。
面白い。
ギターソロのミネーラ
そして歌のロンデーニャ。
記者会見では歌を踊る、といっていたが、
踊りにあわせて切ったりするところもあるから
歌を踊っているというよりもやはり踊りに会わせて歌っている感じ。

カンテソロでトナ。
漆黒の衣装に着替えて来てのブレリア。
Foto; Javier Fergo

セラーナ、そしてリビアーナと続いていくが
ブツ切れでやるからか
曲に気持ちが入る前に終わってしまうのかな。
照明も全べたーっと体があかるすぎてめりはりがない。
最後はティエント/タンゴ。
タンゴではグラナダの意地をみせた。

舞踊のアンソロジー?
あれもこれも踊るならその曲の性格をきちんとつかんで表現していかないと
めりはりがつかない。

イスラエル・ガルバン「エダ・デ・オロ」の成功もあって
経済危機の時代に大流行?な少人数での舞台。
でも少人数だとそれだけそれぞれの責任も重い。
ミゲル・ラビにはまだまだ重すぎたかも。
セラーナ、リビアーナとも少々きつかった。

アクシデントがないとまた違った風になるのかもしれないけれど。

この作品はDVDになっているので


それで確認するとしよう。

Foto;Jvier Fergo




2012年3月7日水曜日

ヘレス・フェスティバル2012 12日目夜 ヘラルド・ヌーニェス

12日目夜、ビジャマルタ劇場での公演は
ヘラルド・ヌーニェスのコンサート。

ギターのコンサートということでか、
クルシージョ生たちの席には空席もみられたが
お休みした皆さん残念でした。

ヘラルドのコンサートは
観る人誰をも楽しませるものなのだ。

オープニングはパーカッションのセピージョと二人。
ソレアからブレリアへ。
Foto;Javier Fergo
全員が登場してのソレア・ポル・ブレリアでは
Foto;Javier Fergo
ゲストダンサーのアルフォンソ・ロサのサパテアードが爆裂する。

カンティーニャス
パーカッションとパブロ・マルティンのコントラバスによる演奏
(セピージョがコントラバスを打楽器にしてしまう!)
ギターソロ、
といつものヘラルドのコンサートでおなじみのナンバーが続く。
同じ曲でもアレンジが微妙に変わっていたりするので
何度観てもあきない。
が、ここからが大幅に違っていた。

ダビ・カルピオがトナーを歌いながら入ってくる。
テーブルを囲んで
歌い手二人とセピージョ。
拳で机を打ってコンパス刻み
ソレア。
アルフォンソ・ロサもソレア
Foto;Javier Fergo

派手なサパテアードがマドリーらしい。
最後は全員でブレリア。

アンコールでは
音響なしでギターが響く。
セピージョが歌い踊り
バスク出身パブロも踊る。

「メイド・イン・ヘレス」
ヘレスでボリーコやテレモートの伴奏をし
ヘレスから旅立ちジャズをはじめ世界の音楽と出会いふれあいもまれてきた
ヘラルド自身のヘレスへの回帰。

フラメンコはやさしい。
フラメンコは楽しい。
フラメンコの力を改めて思い知らされた。






ヘレス・フェスティバル2012 12日昼


記者会見は
19時サラ・コンパニアのモネータと
21時ビジャマルタ劇場のマヌエル・リニャン。
グラナダ出身の二人が並んだ。

モネータは初めて日本に行ったとき
カンテの名手たちとふれあって
カンテを踊りたいという気持ちが募り
できたという作品
「エストレモ・ホンド」

マヌエル・リニャンは
マドリードで初演した、
出身地グラナダに捧げた作品
「タウロ」

どちらも楽しみだ。

2012年3月6日火曜日

ヘレス・フェスティバル2012 11日目夜「ムダンサス・ボレーラス」

今年のフェスティバルのプログラムの中で
最も観たかった作品のひとつ。
 スペイン古典舞踊ともいうべき
エスクエラ・ボレーラの作品。
スペイン国立バレエ団「ダンサ・イ・トロニオ」
アイーダ・ゴメス舞踊団「ペルミタメ・バイラールテ」
など、
フラメンコに比べると圧倒的に観る機会が少ないものだけど、
足を高く上げたり、ジャンプしたり、
クラシックバレエのテクニックと
カスタネット。
私が愛してやまない舞踊のひとつだ。

1812年、1912年、2012年と
舞踊の発展を映していく、
とプログラムにある。
カチューチャの誕生から
ペリセによるレパートリー、
そして現在。
いったいどんな舞台に、と期待は高まる。

オープニングはスモークがいっぱいにたかれて
戦ににげまどう男女が描かれる。
1808年から1814年のスペイン独立戦争だ。
サパティージャ、つまりバレエシューズの2カップルによる踊り。
カディスの劇場で踊られたというボレーラを示しているのだろう。
舞台奥を客席にみたてお辞儀。
そこから楽屋?スタジオ?での舞踊が続く。
トゥシューズをはいてきたのはフランス娘で
ヨーロッパでの、カチューチャなどの
スペイン舞踊的バレエの流行と関連するのだろう。

Foto; Javier Fergo
振り付けをてがけたフランシスコ・ベラスコがチーフで、
クラスを行ったり、
酔っぱらって夢をみたり、
という小芝居の合間に、
ファンダンゴ、
パナデーロ、
エル・ビート、
18世紀のセビジャーナス…
男女のペアで、
ソロで、
男性2人で、
女性2人で
とフォーメーションをかえ踊りは続く。
衣装は変わらず。

Foto; Javier Fergo
音楽は18世紀の音楽に想を得て作曲したもの、
というが、これがどうにも、美しいとは言い難い。
当時の音楽を現代的にしたというのだろうか。
バックが黒で全体に薄暗いのも気になる。
個人的にボレーラには
華やかで明るいイメージをもっていたのだが。
当時の光の再現?
ならなぜ音楽はモダンに?
パーカッションやマリンバ、アコーデオン。
録音の音楽なのにきれいにきこえないのも気になる。
制作者にきけば
ひとつひとつに意味があるのかもしれない。
でも結果的には
単調で小芝居が鼻につく暗い舞台という印象。
踊りのかたちは美しいのに


なんかくやしい。

最後は白い衣装に着替え、
エスクエラ・ボレーラのテクニックをつかった現代のダンスを。
古典を、伝統を守るだけに限定されない、
エスクエラ・ボレーラの新しい可能性をさぐる、
意欲的な試みだ。

Foto; Javier Fergo

同じ作品を、ぜひ、オリジナルの音楽でみてみたい。

ヘレス・フェスティバル2012 11日目昼

記者会見
明日の公演は
舞踊フェスティバルだけど
19時からのカンテ・リサイタルと
21時からのギター・コンサートで
踊り手のいない記者会見。

月曜のせいか人もまばら。

写真左のビセンテ・ヘロは
セビージャ出身の歌い手。
先日まで長嶺ヤス子さんの仕事で日本にいたとか。


写真右のヘラルド・ヌーニェスは
ベースのパブロ・マルティン、
パーカッションのセピージョに加え、
第2ギターにヘレスのマヌエル・バレンシア、
カンテにダビ・カルピオとラファエル・デ・ウトレーラ、
踊りにアルフォンソ・ロサを加えたグループ。
アルフォンソが何を踊るかはまだわからないそう。
ん?

シェリー休憩をはさんで
雑誌ボロニアのエンリケ・モレンテ特集号の記者会見。
左が雑誌発行人。
右はその友達でもあるハビエル・ラトーレ

若き日のモレンテが表紙のこの号には
愛娘ソレア・モレンテや
イスラエル・ガルバンなどのインタビューのほか、
現代美術なども。




2012年3月5日月曜日

へレス・フェスティバル2012 10日目夜ロシオ・モリーナ

ロシオ・モリーナのヴィナテカ
昨年5月初演された
若きバイラオーラ、8作目の作品だ。
そのときのことはやはりこのブログに書いたが
作品の内容自体は
犬がいなくなったものの
基本的にかわっていない。
そして私の感想も。
Foto;Javier Fergo

むきだしの舞台。
ひとがた。
黒い衣装。
ワインで乾杯。
ショパン。
そして踊り続けるロシオ・モリーナ。

フラメンコ衣装で
スタンダードなフラメンコを踊る通常の作品に比べ、
ある意味、難解な作品かもしれない。
なぜワイン? なぜパンタロン?
乾杯はなんのため?
意味を探しだせばきりがない。
答えは本人しかわからないのかもしれない。
それでも
踊り手としてのロシオの才能はこの作品の中に満載されている。
スカートをつけてのアレグリアス
Foto;Javier Fergo
(記者会見でカルメン・アマジャに弾くサビーカスのイメージだといっていた)

シギリージャ。
ロシオは踊る。
解体されたフラメンコを。
その彼女を楽しめばいいだけだ。

美しいトーケをきかせるエドゥアルド・トラシエラ。

見事なサンブラをきかせたヘスース・メンデス。
Foto;Javier Fergo

コンパスで支えたオルーコとルビオの兄弟。
少数精鋭のアルティスタに伴われ
ロシオは彼女自身の中にもぐっていく。

でも正直にいえば
もう黒い世界はいらない。
光の中で踊りまくるロシオがみたい。

来月にはまた新作をマドリードで初演するという。
さて今度は?



ヘレス・フェスティバル2012 10日目午後 カレーテ

19時からのサラ・ラ・コンパニア
開場前から良い席をめざして
列ができていたものの満席ではない。

まだやっぱり知るひとぞ知る、の存在なのかなあ。

フアン・ホセ・アマドールとマヌエル・デ・ラ・クーラの歌う、
マルティネーテ
シギリージャ
踊りはいつ?
と思った頃にカンティーニャスへと変わり
帽子をかぶりステッキを持ったカレーテ登場。
彼の憧れ、フレッド・アステアを思わせる。
古き良き白黒ハリウッド映画より飛び出たよう。
自由闊達。
フラメンコ舞踊の決まりに縛られることなく、
コンパスの海を自由自在に
ゆうゆうと泳ぎ回る。
普通の舞踊には絶対ないような動き。
でもいつもコンパスの中
決して外れる事は無い。

マラガのバイラオーラ、ルイサ・チカノのソレア・ポル・ブレリアの後、
白いスーツで再び登場したカレーテ。
タラント・ポル・ブレリア
もしくはブレリア・ミネーラ
つまりタラントをブレリアのリズムで歌うのだ。
ピトでリズムをとる
椅子に座ってサパテアード。
Foto; Javier Fergo
グラシア。
歌う。踊る。
ブレリア。
観客に語りかける。
膝をついて踊る。
タンゴ。
全身で観客を楽しませようとする。
見事なショーマン。
座り込んだり
おなかをなみうたたせたり。
とどまることをしらない。
最後はカンタオールにおんぶして退場。

いや〜笑わせてもらいました。

2007年マラガのビエナルで初演された
お客さんが少なくて悲しんでいたカルメン・アマジャを
女装して笑わせた話があるが
彼のフラメンコには
観客を笑わせて元気にする力がある。


フラメンコをまじめなものとしてしか見ない人は
拒絶反応を示すかもしれない。
昨日も観客席からは
「観光客むけだ」
といった声もきこえてきた。

でもね
フラメンコって真面目ばかりじゃないんだよ。
苦しみ、悲しみ、痛みのほかに
喜びや笑いだってあるんだよ。

1940年生まれというから71歳。
マラガに行くアルティスタたちが必ず顔をだしたという
カレーテが毎日でていたタブラオも今はないが、
アルティスタのためのアルティスタ。
フラメンコを熟知したアルティスタたちを
最高に楽しませるアルティスタ。
カレーテ。
Foto; Javier Fergo

ぜひ一度はみてほしい。



カラコリージョ死す

3月3日
セビージャで舞踊家カラコリージョが亡くなった。78歳。

本名フェデリコ・カサード・アルぐれんてぃ。
1933年3月10日カディス生まれ。
こどものときにトリアーナに移り、
青少年ガラで初舞台。
芸名はやはりアルティスタだった兄“カラコール・デ・カディス”から。
ピラール・ロペス舞踊団で活躍後、自らの舞踊団をたちあげ
アメリカ、メキシコ等を舞台に活躍。

帰国後、
スペイン歌謡の人気歌手フアニータ・レイナと結婚し、
彼女の舞台の監修をてがけた。

1976年、トリアーナはキューバ広場裏に舞踊スタジオを開設。 
門下にラロ・テハーダらがいる。

ヘレス・フェスティバル2012 10日目昼

記者会見は
「ムダンサス・ボレーラス」と
ペドロ・グラナイーノ。

「ムダンサス・ボレーラス」は
エスクエラ・ボレーラの作品。
エスクエラ・ボレーラは
スペイン舞踊の古典とでもいうべきもので、
フラメンコ、クラシコ・エスパニョール、民族舞踊とともに、
スペイン舞踊の基礎をなすもの。
スペイン国立バレエ団「ダンサ・イ・トロニオ」などでも踊られているが、
エスクエラ・ボレーラに限定した作品は珍しい。
元スペイン国立バレエ団の
フランシスコ・ベラスコとペネローペ・サンチェスをはじめとする6人のダンサーが
物語風に仕立てられた作品を踊りぬく。

ペドロ・グラナイーノは昨年、ファルーカの公演で
そのフラメンコな熱唱が
話題をよんだ新進のカンタオール。
彼によるとあの舞台が彼の人生を変えたそう。
こちらは19時からのビジャビセンシオ宮殿での
マイクなしの舞台となる。


シェリータイムをはさんで第二部は
レポンパ・デ・マラガの伝記の発表。


夭折のカンタオーラ、レポンパの
足取りを丹念に追った作品。
録音は7曲しか残されていないが
それをききながら読んで彼女に思いを寄せよう

2012年3月4日日曜日

ヘレス・フェスティバル2012 9日目 ビバ・ヘレス

2008年のヘレス・フェスティバルの開幕を飾った作品が、
出演者や曲目を多少変えての再登場。
舞台芸術のテクニックをつかって
ヘレスのフラメンコを“みせる”作品。


一列に並んだ椅子に座った面々がちょうどみえるくらいに
幕を低めにあけて
マカニータのナナ。
昔の普段着風の衣装で
時代がさかのぼられる。

その昔、
といってもそんなに遠くない昔、
ヘレスのヒターノたちが働いていたという
農場のイメージ。
朗々と歌い上げるヘスース・メンデスのトリージャは
牛馬につける鈴の音が伴奏。

机に一人むかって
黒い衣装のマカニータがソレアを歌い始め、
やがてカンペーロ
すなわち馬に乗って野原に出るような格好の
アントニオ・エル・ピパが登場し踊る。
歌に敬意を払ってか、
ひたすらマルカール、マルカール。
ポーズ、ポーズ。
踊るというよりは歌を彩った感じ。

下手に
ワイン瓶とコップが並ぶテーブル
そこに座る人々。
ロンドロがミロンガを歌う。
ヘレスのベテラン舞踊教師フアン・パッラが踊るティエント。
Foto;Javier Fergo


いかにも昔風のアカデミアの先生という、
シンプルでまっすぐな踊り。
タンゴをこれもベテラン、
日本人もずいぶんお世話になったアナ・マリア・ロペスがタンゴを一振り。
ペスかディージャの歌うタンギージョで
ハビエル・ラトーレ!がひと踊り。

ヘレスによくある、こわれかけた古い家を描いた中幕の前で
ヘスース・メンデスのマラゲーニャ。
声量たっぷり歌い上げる。

Foto;Javier Fergo

鏡の前でのファルーカはフアン・パッラ。
これまだ古風というかお教室風というか。
ベテランに敬意は払うがこの作品の中で2曲踊るべきだったのだろうか。
マカニータは
パケーラのヒット曲「マルディーゴ・デ・トゥス・オホス・ベルデス」を。
髪型も若き日のパケーラ風。
Foto;Javier Fergo
伴奏はパリージャ・デ・ヘレスの甥マヌエル・パリージャ。

マカレーナ・ラミレスは黒いバタ・デ・コーラでシギリージャ。
まだ十代というがカスタネットを使ってのソロで健闘。

ジャンパー姿で
スーツケースをさげて登場し
アナウンスが東京行きの便を告げる空港の情景
アレグリアスを踊るアントニオ・エル・ピパ

Foto;Javier Fergo
中幕前でヘスースが
ロマンセとプレゴン。

幕があくと1966年の闘牛のポスターの前で
繰り広げられるブレリアの宴
ロンドロの歌でマカレーナ、
フアン・パッラ。
ペスカイージャが歌い踊り
アナ・マリア・ロペスがウナ・パタイータ、
ピパはマカニータとヘスースを従えて
Foto;Javier Fergo
バスティアナ、ジョジャのおばあさまコンビも
一振り踊ったあと
「ビバ!ジョ!」
私万歳。

Foto;Javier Fergo

ヘレスのフラメンコの歴史を、
家、農場から居酒屋、海外へ、
とたどり、
ヘレスのフラメンコのレパートリーをなぞり、
同時に今のヘレスのアルティスタをピックアップする、
という意欲作で2時間の大作。

マカニータとヘスースの熱唱。
舞踊を支えたロンドロもいつもに増して安定感がある。
ギターのマヌエル・パリージャ、マヌエル・バレンシアも
ヘレスらしいトーケをきかせてくれた。
ピパはいつもながらの彼のスタイル。
舞踊が物足りないといえば物足りないが
それがヘレスの現実をそのままうつしているのかもしれない。