2026年10月2日金曜日

マリナ・エレディア『エン・リベルタ、エル・カミノ・デ・ロス・ヒターノス』、パリージャ兄弟『エレンシア』


Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León 


グラナダ出身の歌い手マリナは、ファリャ『恋は魔術師』などで内外のオーケストラと共演も多く、そんなとこから始まった企画で、ヒターノたちの歴史をうたうもの。プログラムに記載はないけれど作曲編曲はホセ・ケベド“ボラ”とジョアン・アルベルト・アマルゴス。数多くのフラメンコたちのオーケストレーションをも手がけている人。

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León 

オーケストラをフルに使って厚みのある音楽を作り出し、それに負けない存在感のマリナ。

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León 


口跡もよく、ちゃんと歌詞が聞こえてくる。ただ、マイクは使っているもののオーケストラに対し音量が低めだったのは残念。それでもアレグリアス、甘やかなナナ、ブレリア、タンゴとしっかりオケでのフラメンコを堪能させてくれた。プログラムに書いていない休憩を挟んで二部はオーケストラが去り(だから休憩が必要だったのね)、最初は俳優が登場し、一部の歌詞と同じような内容を語り、マリナの乳で歌い手のハイメ・パロンがトナを歌う。下手からエバが登場、舞踏というか、とにかく超ゆっくり、上手へと歩みを進める。舞台中央のマリナが歌いかけ、ファルーカ。ざんばら髪で、タフタ地のような張りのあるバタ・デ・コーラ、顔がほぼ見えない照明の暗さもあいまっておどろどろしい。ファルーカぽいブラソとかもみせるけど、女性らしい動きもあったりで不思議な感じでございました。

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León 

その後、エセキエル・モントージャとのデュオでフラメンキート、すなわち伝統的なフラメンコ曲じゃない、ポップ風フラメンコ風曲を歌い、そこですでに21時45分となり、私は退出したけど最後はルンバだったそう。

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

タクシーが案の定捕まらず徒歩35分でアラメーダ劇場到着。パケーラの伴奏で来日もしたパリージャ・デ・ヘレスの兄のギタリスト、フアン・パリージャの息子でフルート奏者のフアンとバイオリン奏者のベルナルド。アントニオ・カナーレスやホアキン・コルテスらの舞台に欠かせなかった彼らの音楽が初めて主役となってビエナル登場。フアンはコルテスの音楽監督だったけど、他にもマノロ・サンルーカルカル、カルメン・リナーレスらとも共演している超実力派。今年の2月、ヘレスのフェスティバル直前にヘレスで行われたコンサートもめちゃよかったので期待大。

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León


オープニングはモライート・チーコに捧げたブレリア。フルートかっこいい。次はゲストのルビオ・デ・プルーナとタンゴ。ルビオは声がめっちゃフラメンコ。ギターはクーロ・カラスコ。


Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

そしてソレアはホセ・エル・ガトのキーボードからはじまる。かっこいい。フルートのソロが入り、バイオリンが歌い、ギターのファルセータに続いてルビオ。良き。ベルナルドのタンギージョ。

『シンコ・トレロス』のメロディが始まりディエゴ・カラスコ登場。ディエゴは歌わず朗唱。そこから『アルフィレレ・デ・コローレス』へ。フィエスタ番長健在。


Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

アレグリアスはフアンの息子でエレキギターのマヌのソロなどもあり、そのマヌのソロで始まるファルーカは速度の変化に加え、メロディにどこかピアソラ風味もあって面白い。フアンがひいおじいさんフアニチ・マニヘーロのカンテとサビカスやアルトゥロ・パボンのファルセータが入っているというけど「ララ(おかしな)」と紹介したシギリージャにはルビオとクーロも再び加わる。確かに伝統的な重厚で厳格なシギリージャではなく超速でライトな面もあるのだけどルビオの響きが伝統の中へと引き戻していく感じ。フアンは舞踊伴奏をすることも多いのでそういったものが反映されているのだろうな。

ジャズのテイクファイブのブレリア・バージョンがめっちゃかっこよくて、そこにフアンのフルートでカルタヘネーラが入ってくるのとか、最高でございました。

最後はディエゴ・カラスコも舞台に上がりブレリア。ディエゴの『ホセ・モンヘ・クルス』で盛り上がったところにディエゴが「20歳になったばかり」とカレーテを呼び込んで、おんとし86歳、でも衰え知らずの御大が踊る。アルテ!

アルテで舞台がいっぱいになる。フラメンコ楽しい!

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

締まりかかった幕を開けて踊り続けようとするカレーテ。いやあ、楽しかったです。

でも作品としてあちこちで上演するためにはもう少ししっかりした構成が必要かも。中身は悪くないのに見せ方でとっ散らかってしまった感。音響もひどかったしね。







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