2026年7月10日金曜日

マノロ・マリン伝記『ソロ・キエロ・バイラール』

 7月8日トリアーナにあるクリスティーナ・ヘーレン財団、トリアーナ・フラメンコ劇場においてフランス人作家クリスティーヌ・ディジェによるマノロ・マリンに伝記、『ソロ・キエロ・バイラール(ただ踊りたい)』の出版発表会が行われました。


元々2017年にフランス語で出版されたのですが、スペイン語でもぜひという声に応えて出版されたのがこのスペイン語版。この日は、壇上に、マノロのスタジオを受け継いだマヌエル・ベタンソス、クリスティーナ・ヘーレン、マノロ、クリスティーヌ(赤い服)、ABC紙の舞踊評論家マルタ・カラスコ、元ビエナル監督で舞踊評論家ロサリア・ゴメスが上がりましたが、客席にはよくマノロと劇場で一緒にいるのも見かけるホセ・アントニオとアナ・マリア・ブエノ、子供が産まれて仕事ができなくて大変だった時マノロに助けてもらったというカルメン・レデスマ、そしてマノロの教え子たち、イサベル・バジョン、ヘスス・トーレス夫妻、フェルナンド・ロメロ、マノロのスタジオで代教を務めていたピラール・オルテガをはじめ、トリアーナ出身ロシオ・コラル、マルコ・バルガス、ピラール・アストラをはじめ、ホセ・セラーノ、ホセ・オルテガ、クロエ・ブルーレ、カルメン・セグーラらたくさんの踊り手たちや関係者の姿がありました。それだけ皆に愛されているのだなあ、と改めて。

マノロ・マリンとマティルデ・コラルがセビージャのフラメンコ舞踊の規範でした。そして、私の舞踊観も彼らの舞踊に基づいているのだなあ、と最近改めて思います。女性らしい柔らかな動き、歌を踊るということ。

本では物語のようにして、彼が生まれ成長していった時代背景にも触れながら映画のように描いていきます。セビージャからバルセロナへ、バルセロナやロンドンでクラシックバレエも学び踊り、パリではサルトルやボーボワールとも交友があり、また海岸地帯のタブラオでも長らく活躍し、やがてセビージャに帰ってスタジオを開き…多くの教え子たちがプロとして活躍し、アンダルシア舞踊団やクリスティーナ・オヨス舞踊団への振り付け、マリア・パヘス舞踊団作品『ティラーナ』に出演し…

多くの日本人も彼の教えを受けました。

会の終了後はロビーでサイン会が始まり、その後は近くのバルで楽しいひと時を過ごしたのでありました。マエストロ、いつまでもお元気で!








2026年7月8日水曜日

セビージャ トリアーナの夏祭りベラ


 今年もトリアーナの夏祭り、ベラが7月21日から26日まで開催されます。

川沿いのベティス通りにカセータが立ち並び、飲食ができるほか、行事もいろいろ。

トリアーナ橋のたもと、アルトサーノ広場には特設舞台ができ、

23日はセビジャーナスのグループ、カントーレス、デ・イスパリスの50周年公演が行われ、24日はナノ・デ・ヘレスへのオマージュで、モンセ・コルテスとラ・タナ・ギターのホセ・アセドとペルラ、踊りにポジートが出演。またナノも、ホセ・メンデス、マヌエル・フンケーラと出演するそうです。25日はトリアネーロの孫娘たちというタイトルで、スペイン歌謡のシルビア・パントーハ、フラメンコのロシオ・ディアス、歌も歌う踊り手ピラール・アストラらが出演するそう。無料なのですごい人ですが、夜のセビージャ散歩のついでに覗いてみてはどうでしょう。


2026年6月30日火曜日

ヘスス・メンデス『キエロ・カンタルテ』

 セビージャ カハソル劇場でのフラメンコ公演シリーズ『フラメンコ・アパルテ』は、今はカイシャ会社銀行になったカハソル銀行がエル・モンテ銀行時代に始まったフエベス・フラメンコスに加えて始まったフラメンコ公演。その夏休み前の最後の公演はヘスス・メンデス。

パリータのヒット曲 Callejón del sueñoの出だしの一節に始まり、伝統的な歌詞と共にカマロンが歌った歌詞を多く歌うアレグリアスは、ぺぺ・デル・モラオのギター、アネ・カラスコのパーカッション、パルマ二人の伴奏で。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol


リズム隊抜けてマラゲーニャ、ソレア。


©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol


リズム隊帰ってきてのタンゴに続いてのシギリージャが私的にこの日のハイライト。最高でした。シギリージャは厳格な感じ、というか、重さと深みを真摯に重ねて強靭な大聖堂の伽藍を築くような曲だと思うのですが、まさにそんな理想的なシギリージャで心に深く染み込んでいったのでした。
©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

その後、うってかわってカンシオン・ポル・ブレリア、トレス・べセス・ロコを歌ったのですが、これはうーん、この日会場に来ていたミゲル・アンヘル・エレディアの方がいいかな。ヘススはカンシオン系より昔ながらのヘレスのブレリアの方が任に合うというか、得意なような気がします。正統派の歌い手って感じなのかな。続いて歌った、ローレ・イ・マヌエルの『ロメロ・ベルデ』も、同様。てか、あの曲を聴くとファミリア・モントージャのピシッと効いたパルマも思い出すので、ヘレスの、セビージャよりリラックスした感じの自然なパルマだとなんか物足りない気までしてしまう。で、そこから繋がった普通のブレリアの方が魅力発揮される気が。で最後はヘレスのブレリア。マイクなしでも十分な声量はさすがパケーラゆかりの人だけあります。

夏休み前にいいフラメンコを見せてもらえたので気持ちよく夏が迎えられます。



ビエナル関連イベント、開幕前公演、プレゴン、展覧会など

6月28日、ビエナル関連イベントの記者発表がありました。

ビエナル開会前、9月3日からの公演や展覧会など、色々盛りだくさん。楽しみですね。


Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

 


 

◇第24回ビエナル・デ・フラメンコ セビージャ

フラメンコ・ア・ピエ・デ・カジェ

9/3(木)21時30分『ラ・ノチェ・デ・ラス・ヒターナス』

[出]〈c〉エルミニア・ボルハ、マラ・レイ、サマラ・カラスコ、〈g〉ルイス・アマドール、〈perc〉ファリ・エル・エレクトリコ、〈palmas〉エミリオ・カスタニェダ〈b〉マヌエラ・バルガス、伴奏〈c〉ぺぺ・デ・プーラ、ほか

[場]セビージャ ファクトリア・デ・くるとぅら(3000)

9/4(金)21時30分『クエスティオン・デ・ティエンポ』

[出]〈b〉ディエゴ・アギラール、ウーゴ・アギラール

[場]セビージャ  サン・ヘロニモ修道院

9/5(土)21時 第3回マカレーナ・フラメンコ祭 ホセ・デ・ラ・トマサに捧げる

[出]〈c〉ポティート、伴奏〈g〉マヌエル・エレーラ、〈c〉アントニオ・レジェス、伴奏〈g〉ノノ・レジェス、〈c〉レメディオス・レジェス、伴奏〈g〉フリオ・ロメロ、〈c〉マヌエル・デ・ラ・トマサ、伴奏〈g〉ノノ・レジェス、〈b〉マヌエラ・アマドール・カラスコ、伴奏〈c〉エミリオ・モリーナ、マヌエル・タニェ、〈g〉ルイス・アマドール

[場]セビージャ ビルヘン・デル・ピラール広場 

9/6(日)21時30分『ナサレノ・イ・オリバレス/フォスフォリートの人生と作品』

[出]〈c〉ベルナルド・ミランダ、〈g〉アレハンドロ・ウルタド、〈b〉 ジョランダ・オスナ、俳優エンリケ・ガルセス

[場]セビージャ マリア・ルイサ公園アメリカ広場 民俗博物館


9/9(水)20時30分『プレゴン』

[出]〈c〉セグンド・ファルコン、ラファエル・デ・ウトレラ、マリア・テレモート、エスペランサ・フェルナンデス、ペドロ・エル・グラナイーノ、〈b〉アナ・モラーレス

[場]セビージャ サン・フランシスコ広場



2026年6月28日日曜日

ヘレスのブレリア祭

ヘレスは夏もフラメンコ!と言うわけで毎年恒例、ビエルネス・フラメンコスは7月24日から、そして8月19日から4日間、ブレリア祭も開催されます。ビエルネス・フラメンコスのホセ・バレンシア、ブレリア祭のアンヘリータ、モントージャとペレといったごく少数の例外をのぞいてほぼ全員がヘレスのアーティストというのがすごいですね。人口あたりのアーティストの数って絶対ヘレスが一番多いと思います。
ブレリアの生まれ故郷、ブレリアのメッカでフラメンコ、思いっきり楽しんでくださいませ。


◇ビエルネス・フラメンコス

7/24(金)『ミサ・フラメンカ』

[出]〈g〉ぺぺ・デル・モラオ、〈violin〉ベルナルド・パリージャ、〈perc〉ペリーコ・ナバロ、〈c〉マリア・ペーニャ、ロシオ・パリージャ、トマサ・ペーニャ、ロシオ・バレンシア、ペドロ・モントージャ“チャンキータ”、グレゴリオ・パリージャ、ベルナルド・ルビチ、ルイス・モントージャ

[場]ヘレス サンティアゴ広場

7/31(金)

[出]〈c〉カプージョ・デ・ヘレス、ホセ・バレンシア、マヌエル・デ・カンタローテ、〈g〉ラモン・トルヒージョ、フアン・レケーナ、ノノ・ヘロ、〈b〉 サライ・ガルシア、伴奏〈c〉ホセ・エル・ペチュギータ、マヌエル・デ・ラ・ニナ、gヘスス・ロドリゲス

8/7(金)

[出]〈c〉モモ・モネオ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈c〉ベルナルド・ルビチ、ルイス・モントージャ“チャンキータ、〈g〉マヌエル・セルパ、〈b〉 マリソル・ヒメネス、マルタ・デ・サンティアゴ、『ヘレスのブレリア』〈c〉コラル・デ・ロス・レジェス、タマラ・タニェ、ミゲル・アンヘル・エレディア、フアン・デ・ラ・マリア、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈b〉マリア・カルピオ"ミヒータ"、ベレン・レジェス、フアナ・デル・オビスポ

8/14(金)

[出]〈c〉トマス・ルビチ、チェロ・パントハ、マヌエル・モネオ“バルージョ”、〈g〉マヌエル・ルビオ、クーロ・カラスコ、〈b〉ソラジャ・クラビホ、伴奏〈g〉ホセ・デル・ボリータ、〈c〉フアニ・デ・ラス・トレスミル、〈palmas〉トロンボ

[場]ヘレス サント・ドミンゴ修道院

[問]https://www.turismojerez.com/detalle-fiestas/viernes-flamenco


 ◇第59回フィエスタ・デ・ラ・ブレリア

8/19(水)21時30分

[出]〈c〉エル・トロ、アンヘリータ・モントージャ、ダビ・カルピオ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、マヌエル・バレンシア、〈palmas〉フアン・ディエゴ・バレンシア、アリ・デ・ラ・トタ

8/20(木)21時30分

[出]〈c〉マカレーナ・デ・ヘレス、〈g〉イスマエル・エレディア、〈palmas〉マヌエル・ビナサ、ダビ・デ・ヘルトゥデス、マヌエル・デ・ラ・マカ、ラ・マキ、〈c〉ルイス・エル・サンボ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈palmas〉ハビエル・ペーニャ、アリ・デ・ラ・トタ、ルイス・ラモス、〈c〉マカニータ、〈g〉マヌエル・バレンシア、〈perc〉カルロス・メリノ、〈palmas〉ハビエル・ペーニャ、マヌエル・マカノ

8/21(金)21時30分

[出]〈c〉ホセ・ミヒータ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ、〈c〉フェリパ・デル・モレーノ、〈g〉マヌエル・バレンシア、〈c〉ルイス・モネオ、〈g〉フアン・マヌエル・モネオ

8/22(土)21時30分

[出]〈c〉エル・ペレ、〈g〉ニーニョ・セベ、〈c〉ヘスス・メンデス〈g〉アントニオ・イゲロ、〈perc〉ペリーコ・ナバロ、〈palmas〉ディエゴ・モントージャ、マヌエル・サラド、『ブレリア・デ・ヘレス」〈c〉エンリケ・レマチェ、マヌエル・デ・ラ・ニナ、ペドロ・モントージャ“チャンキータ”、〈g〉フェルナンド・デル・モラオ、マヌエル・デル・サラド、〈b〉ティア・ジョジャ、ティア・フアナ・デ・ラ・クーラ、ルイサ・レヒレス、ルイサ・デ・トラン。マヌエラ・デル・パスティージャ、ティア・マフマ

[場]ヘレス ベレン広場

[問]https://www.turismojerez.com/detalle-fiestas/fiesta-de-la-buleria

ジョエル・バルガスen トーレス・マカレーナ

2023年ラ・ウニオンのコンクールで優勝したジョエル・バルガス。2003年、バルセロナに近いローマ遺跡で知られる街、タラゴナ生まれ。地元で踊り始め、後、バルセロナ舞踊学院にも学び、2020年にはマドリードのスペイン舞踊振り付けコンクール、2021年にはカステジョンのコンクールで入賞。以後は、マヌエル・リニャン『ビバ』『ムエルタ・デ・アモール』、今年のヘレスのフェスティバルではエステベス/パーニョス『ドンセージャ』に出演し、ビエナルでは同作品とともにアルフォンソ・ロサのカンパニーに出演する予定という若手のホープ。

歌い手の一人の到着が遅れているということで30分以上遅れて開始。

腰高のズボンに丈の短い上着という伝統的な衣装トラへ・コルトで登場。



え?カバーレス? シギリージャの締め歌として歌われることが多く、それだけで歌われることは少なく、それだけで踊られることは滅多にない(一曲として踊られるの見たのは初めてかも?)曲なのでびっくり、途中、シギリージャぽくなったりもして最後はまたカバーレス。

シギリージャではなくあえてカバーレスだった理由はなんなんだろう。


本業は踊り手で、会場に来ていたカルメン・レデスマにも習っていたというカルメン・モレーノがブレリアを歌い踊る。複雑なことはせず、かつてのルンベーラみたいな感じ。自然体で好感。


ジョエルの二曲目はタラント、と思ったのだけど、

歌い手がカスタネットを渡す。え、カスタネットでのタラント、珍しいなあ、と思ったんだけど、一旦そのカスタネットを床に置いてタンゴ?あれ?


と思ったらハビエル・コンデのギターがパコのロンデーニャを奏で、ソレにカスタネットで合わせる。これはなんという曲と言うべき?うーん。


終演後に本人と話してわかったのだけど、タラント、タンゴ、タラントの起源であるファンダンゴから同じ系列のロンデーニャと組み合わせたと言うことでした。わかりにくい。舞台作品もやっていると言うことなのでそのためのものだったのかな。こういうの、昔、ハビエル・バロンが作品『メレディアナ』でやっていたなあ。あれはいつ?ああいう舞台作品では趣向としてありだとは思うけど、ペーニャだと違和感あるかも。趣向としては面白いんだけど。

休憩挟んだ2部はカンテソロでタンゴ、クリスティーナ・トバルとアナ・ポランコと女性ふたりだからからか、日本でもお馴染みレポンパのタンゴとか歌ってました。で、踊りはカンティーニャス/アレグリアス。




全体的に、スペイン舞踊的な身体づかいとかもあるけど、フラメンコとしてもちゃんとしている。でもやっぱり若いからかな、色々詰め込んで、余白がほぼない。足も強いけど、靴音が音楽に聞こえてくるような色彩、ニュアンスはない。できる人にもっともっとと期待しちゃうのは私の悪い癖かも、2年前、前年優勝者として踊っているのを見た時から確実に進化しているのはそう。今後もまだまだ変わっていくんだろうな。この世代では無敵で自信もある感じ。いいライバル、仲間がいるといいね。自分のスタイルが見つかるといいね。楽しみにしています。

最後は、会場にいたアナ・サラサール、ハイロ・ベガも加わってフィン・デ・フィエスタでした。




2026年6月26日金曜日

ディエゴ・デル・モラオ『ア・クエルダ・ペラー』

 カハソルのフエベス・フラメンコス、夏休み前の最終回はギターソロ。ヘレスのディエゴ・デル・モラオが登場。

なんとカンテもパルマもない、全くの独り舞台。というだけでなく、ピックアップのついたギターとペダルが舞台に!ええ?

舞台に登場したディエゴはまず、持ってきた、いつもの?ギターでロンデーニャ。2010年の曲だという。



©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

続いてエアレコでタランタ/ブレリア。ブレリアはパコ・デ・ルシアの曲をだいぶなぞるのだけど、彼には自分の音があるからパコっぽく聴こえないのが面白い。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol
 

再びいつものギターでソレア・ポル・ブレリアのようなスピードのソレア。ヘレスのソレアは他のところのソレアより早いよね。

シギリージャは、先日、早逝したミゲル・サラドに捧げて。「いつも謙虚で、歌の邪魔をしないギターだった」と。

パコ・デ・ルシアとの思い出のブレリア『エル・レガロ』はもちろん、に。昔、まだパコと知り合う前にコンサートに来てたディエゴをパコに紹介するよ、って言ったのだけど、いや、まだとか言って遠慮してるうちに箱が帰ってしまい紹介失敗して、その数週間後にパコから電話があって、一緒に録音することになったのは、2003年7月、カディス県ヒメナ・デ・ラ・フロンテーラでのこと。なんて話を思い出しつつ。

もう一曲、エレアコで弾いて、最後はブレリア。これが良かった。ヘレスらしく、リズムが生き生きとしていて、こっちの鼓動も高まるようなそんなブレリア。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol



ディエゴのことは彼がまだ子供の頃から知っているので、ずっと若手という認識だったんだけど、78年生まれだから47歳だということで、もう立派なベテランなんですね。

演奏も、いぜんとはイメージがちょっと変わって、ビセンテよりもパコ寄り、またブラジルというか、ちょっとラテンギターの影響も感jられるような気がしました。ソロでの公演は多くないから、たまに聞くとびっくりしたりしますね。





2026年6月22日月曜日

アルカサル庭園の夜

今年も6月25日から、毎夏恒例、アルカサル庭園の夜、コンサートが開催されます。

暑いセビージャの夏。夜に夜にアルカ毎週月曜朝10時にその次の週の公演の切符が売り出されます。

クラシックや古楽、ワールドミュージックなどと共にフラメンコ公演も。

今年は、カンタオーラ二人が3公演ずつ行うほか、オランダ人ギタリストらのグループ、ディエゴ・ビジェーカスが出演します。予定が合えばぜひ。




◇第27回レアル・アルカサル庭園の夜 ※フラメンコ公演のみ

7/2(木)、29(水)、8/11(火)

[出]〈c〉マリア・ホセ・ペレス、〈g〉アルベルト・ロペス

7/7(火)、8/4(火)、8/25(火)

[出]〈c〉エステル・メリノ、gニーニョ・セベ

7/24(金)、8/26(水)『ラ・クエルダ・デ・トレス・イロス』

[出]ALXARAF〈c〉ビセンテ・ヘロ、〈perc〉ダビ・チュペテ、〈g〉ティノ・ヴァン・デル・スマン

8/20(木)『イン・クレッシェンド』

[出]〈fl、sax〉ディエゴ・ビジェガス、〈g〉ビクトル・フランコ

[場]セビージャ レアル・アルカサル庭園

[問]https://www.actidea.es/nochesalcazar2026/

2026年6月20日土曜日

ロルカとグラナダ2026

 今年もグラナダの夜を彩る、フラメンコ公演シリーズ、ロルカとグラナダが開催されます。

世界遺産、アルハンブラの中でも奥の高台にあるヘネラリフェ庭園にある野外劇場で夜行われるフラメンコ公演。

2002年、アンダルシア舞踊団による『血の婚礼』、翌年はオヨス舞踊団の『イエルマ』といったようにロルカ作品の上演から始まったこの公演シリーズ、当初は一つの公演が一ヶ月以上続くものでしたが、ここ数年は複数の作品/公演からなり、今年も3作品が公演。

マヌエラ・カラスコとパストーラ・ガルバン観たすぎる!でも私は私はラ・ウニオンのフェスティバル/コンクールと丸かぶりでその後日本へ行くので観ることが叶いません。悲しい。

夜のアルハンブラ庭園に入れるのも魅力的ですよね。月曜火曜は休演なのでお気をつけて、。



◇ロルカとグラナダ22時

7/31(金)~8/15(土)『ラス・ヒターナス・カンタン・イ・バイラン・ア・ロルカ』月火休演

[出]〈b〉マヌエラ・カラスコ、パストーラ・ガルバン、、マヌエラ・カラスコ・イハ、サライ・デ・ロス・レジェス、〈c〉ラ・トバラ、サマラ・カラスコ、エンリケ・エル、エストレメーニョ、〈g〉ペドロ・シエラほか、ゲスト〈c〉第1週エスペランサ・フェルナンデス、第2週アウロラ・バルガス

8/19(水)~22(土)22時『ティエラ・ベンディタ』

[出]〈b〉アンダルシア舞踊団

8/27(木)~29(土)22時『オメガ』

[出]〈c〉キキ・モレンテ、ラガルティーハ・ニック、〈b〉イスラエル・ガルバン、〈g〉アントニオ・レイ

[場]グラナダ アランブラ ヘネラリフェ庭園野外劇場

[問] https://www.juntadeandalucia.es/cultura/lorcaygranada/


2026年6月19日金曜日

セルヒオ・アランダen ペーニャ・トーレス・マカレーナ

 日本ではお馴染みのセルヒオ・アランダだけど、なんと私は初見であります。彼も以前ここでの公演が予定されていたものの天候か何かで延期になってこの日のリベンジ。

ニョニョのギターソロに始まり

タニェのカンテソロ

ホセ・アニージョも加わって、セルヒオのアレグリアス。

軽快。もともと地元マラガの舞踊学院、コンセルバトリオで学んだと言うのだけど、コンセルバトリオ系というかアカデミック感じはなく、フェステーロな感じに見えるのは上体、腕の動きが限定的だからかもしれません。身体づかいとか、きっとフィエスタ系のフラメンコの方が、舞踊団系、劇場系のものより好きなんでしょうね。


休憩を挟んでナタリア・カロのタラント。ニョニョのギターで前座? 10代にしてはちゃんとしている。この時気づかなかったんだけどm、ヘーレン財団のコンクールで時間オーバーした子だ。

先日のキラキラ衣装よりはタラントぽい。17歳。来週末のラ・ウニオンの若者舞踊コンクール準決勝出場のためのデモンストレーションだったみたい。

ホセ・アニージョのマラゲーニャ+ベルディアーレス。

 そしてソレア。

歌聞いていないわけじゃないけど、レトラの時もどんどこ足突っ込んでくるタイプなんですね。ふむ。


この日は普段、公演がない木曜日ということで観客は少なかったのですが、最後、フィン・デ・フィエスタではカルメン・レデスマやぺぺ・トーレ、エル・ルビオ・デ・プルーナが舞台に上がり、思いがけなく得した気分。彼らがわざわざやってくるというのはやはり愛されてるのでしょうね。小さい子はナタリアの妹、踊らなかった子はカルメンの孫らしい。









2026年6月18日木曜日

スサナ・カサス、中原潤、ハイロ・ベガen トーレス・マカレーナ

 クリスティーナ・オヨス舞踊団などで活躍したスサナ・カサス。彼女が今年、2ヶ月ほど、クリスティーナ・ヘーレン財団フラメンコ芸術学校で指導した時に出会った二人の生徒と一緒に舞台に。

オープニングは最初にミュージシャンたち、ギタリストと歌い手たち、クリスティーナ・トバル、マヌエル・パハレス、そしてスサナ、ハイロ、中原と順番に舞台に上がっていってのマルティネーテ。


男装のスサナ初めて見たかも。マヌエラ・カラスコのように、二人のバイラオールを従えて踊るというのは彼女の新しい面を見たという感じ。三人三様だけど、劇場作品並みにしっかり作ってありました。

ルベン・ロメロによるギターソロでのブレリアを経て、




中原のソロはソレア、舞台に上がる時からしっかりソレアの中に入っていっている。集中力。


歌をしっかり聴いて反応して踊っている。ちゃんとしたソレア。

以前、日本で見るたびに気になっていた首が前に出る癖も治っている。フラメンコ的な感覚、センスもよく、メリハリのきいたソレアで、ペーニャのメンバーを含めた観客を魅了した。私が今まで見てきた中で一番良かった。このいい感覚をそのまま日本のお客様にもお届けしてくださいませ。


休憩を挟んだ第2部はカンテソロのアレグリアスに始まり、ハイロのタラント。


彼は昨年のヘーレン財団のフラメンコ才能コンクール舞踊部門優勝者なのだけど、だいぶ体重も減って、お尻を突き出すような姿勢もなくなってきている。膝がくっつきがちなのと、重すぎるサパテアードは相変わらずだけど。力強いというより力任せ、力をコントロールできていない感じ。靴音はデカけりゃいいってもんじゃない。ここぞというときに決めればいいわけで、その意味からもずーっとドデカ音で来られると効果も出ない。むしろ引いちゃうんじゃないかと。タンゴになってからの、ヒターノぽい、どうだ!っていうようなこれみよがせな感じとか、昔のホセ・ガルバン風というか、面白いんだけどね。でもタンゴが強すぎてタラントの意味がどっかいっちゃったかも。むしろタンゴだけで一曲にした方が良いかも。と思ったことでした。


フィン・デ・フィエスタは同級生?が大挙来ていた事もあって、出演者だけで。


1年と言うか、実質、9ヶ月のクラスでも、二人とも確実に学んでアルティスタとして成長している、と言うのを実感。集中して勉強することってやっぱ必要なのかも、ですね。


2026年6月16日火曜日

レウニオン・デ・カンテ・ホンド

 6月11日 アンダルシア・フラメンコ機関でレウニオン・デ・カンテ・ホンドのプログラムの記者発表が行われました。

アンダルシアでも歴史の古いフェスティバルの一つ。ラ・プエブラ・デ・カサージャはセビージャから東へ約70キロ、昔からフラメンコ熱でも有名で、歌い手ニーニャ・デ・ラ・プエブラやホセ・メネセらの出身地。

今年のフェスティバルにはモネータやマイテ・マルティンが出演するが、それまでの1週間、街のあちこちで無料のコンサートや講演会なども開催されます。

                          

◇第57回レウニオン・デ・カンテ・ホンド

7/3(金)~11

7/3(金)23時

[出]〈g〉メルセデス・ルハン/〈c〉ミゲル・デ・テナ、 伴奏〈g〉パトロシニオ・イホ

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ プラサ・ビエハ

7/4(土)23時

[出]フラメンコ・ロック ダニ・ジャマス/〈c〉ラ・トレメンディータ、〈g〉ホセ・アセド、〈ドラムス〉マヌエル・レイナ

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ プラサ・デ・アンダルシア

7/6(月)17時

[出]〈c〉ミゲル・デ・テナ、gパトロシニオ・イホ

[場]セビージャ セビージャ刑務所II

7/7(火)22時30分

[出]〈b〉ホセ・ガラン フラメンコ・インクルシブ協会

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ プラサ・デル・アジュンタミエント

7/8(水)23時

[出]〈c〉アロア・デ・バスティアン、〈g〉ルベン・ポルティージョ/〈c〉コンスエロ、〈g〉アントニオ・カリオン

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ プラサ・デ・ラス・メリアス

7/9(木)23時

[出]〈c〉マヌエル・カストゥロ、〈g〉マヌエル・バレンシア/〈c〉エル・ペレーテ、〈g〉ホセ・アンヘル・カスティージャ

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ プラサ・ヌエバ

7/10(金)23時

[出]〈c〉イスマエル・デ・ラ・ロサ、〈g〉フランシスコ・ビヌエサ/〈b〉フアン・トマス・デ・ラ・モリア、〈g〉ヘスス、ロドリゲス, 〈c〉ホセ・エル・ペチュギータ、セバスティアン・サンチェス

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ プラサ・デル・コンベント


7/11(土)22時『第57回レウニオン・デ・カンテ・ホンド』

[出]〈c〉マイテ・マルティン、ルビート・イホ、伴奏〈g〉アントニオ・カリオン、パトロシニオ・イホ、ホセ・デ・プーラ、パコ・レオン、ホセ・ガルベス、〈b〉フエンサンタ・ラ・モネータ

[場]セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ アシエンダ・フエンロンギージャ

[問]https://www.pueblacazalla.org/ayto/index.php/8-en-desarrollo/2643-la-deliciosa-imagen-del-monstruo-2020

2026年6月13日土曜日

ペドロ・コルドバen ペーニャ・トーレス・マカレーナ

かつて新宿『エル・フラメンコ』にも出演していたペドロ・コルドバがペーニャで公演。
これ、本当は1月にプログラムされていたのが、マドリードとセビージャを結ぶ新幹線事故で電車が運休になり延期になっていたもののリベンジであります。

最初は一人舞台に上がりソロ・デ・ピエでマルティネーテ。

後半はキニ・デ・ヘレスとセバスティアン・デル・プエルトの歌も加わる。セバスティアン、初めて聴いたけど、ムイ・フラメンコな声。
日本でもお馴染みニョニョのギターソロでブレリア。

二曲目はアレグリアス。

強い足だけでなく、パソもそうだけど、ふとした上体の動き、顔や首の角度、ミラーダなんかに、全盛期、90年代のアントニオ・カナーレスを思い起こさせる。ペドロは1978年バルセロナ近郊サバデル生まれでバルセロナで舞踊人生をスタート、その後マドリードに移り、ラトーレやカナーレスのカンパニーでも踊ったというけど、うん、10代の時、カナーレスに憧れた世代なのかも。カナーレスのいいとこが凝縮されて受け継がれているという感じ。

第2部はカンテソロのタンゴに始まり



ソレア。男らしくまっすぐなソレア。
歌にマヌエル・デ・ラ・ニナが加わってより厚みが出たかも。マヌエル、子供の時はほんと、愛嬌たっぷりな感じだったけど、いつの間にか、舞踊伴唱のエキスパートに。楽しんで歌っている感じ、一生懸命な感じが良き。キニも少年だったよね、最初に会った時は、としばし遠い親戚のおばさん的な感慨に浸るのでありました。

 やっぱ、カナーレスぽい。好き。なんか昔日本で観たときより、重みが風格が出てきて、いい感じ。

フィン・デ・フィエスタではムシコたちもみんな踊っていたのが最近では珍しいかも。




マノロ・サンルーカル国際フラメンコギター学院

 

マノロ・サンルーカル財団により、2026年9月にマノロ・サンルーカル国際フラメンコギター学院がセビージャに開校するそうです。

全く素養のないところからはじめることもでき、その場合11年かけて卒業とのことですが、実力に応じて中途入学も可とのことで、日本をはじめ世界中の人が受講可能だそう。ビザも取得可能だそう。また卒業時には提携大学からの証書も出るとか。

校長は校長はフアン・カルロス・ロメロで、パコ・ハラーナとともに自ら指導にあたる予定。

まだ色々未定な部分も多いので、日本やアメリカなど、ビザが必要な国の生徒が受講するのは27年度以降になるだろうが、マノロの遺志によるこの学院、どのようなカリキュラムになるのか注目していきたい。ああ

ミゲル・サラド逝く

 


6月12日、ヘレスのギタリスト、ミゲル・サラドが亡くなりました。

1981年9月20日ヘレス生まれ。歌伴奏を得意とし、決して前に出過ぎず、歌を支える演奏で、多くの歌い手たちと共演してきました。写真は昨年7月、ラス、カベサス・デ・サン・フアンのフェスティバルでアウロラ・バルガスを伴奏しているところ。

ニュース記事によるとガンが見つかったのは2023年と言いますが昨年までは普通に演奏を続けていました。ホセ・メルセ、ランカピーノ、パンセキート、ヘスス・メンデスなど数多くの歌い手たちを伴奏してきたのでした。安らかに。


2026年6月12日金曜日

ルシア・アルバレス“ラ・ピニョーナ”『セントラル』


なんというか、ほんと、何が何だかわからないんだけど、気がつくと泣いていた。終演後、友達に、また泣いちゃったよーって言ってるうちにもっと込み上げてきてしまい喋れない。涙止まらない。恥ずかしい。なんで泣いたか自分でもわからない。私が泣いたからすごい、とかそう言いたいわけじゃない。でも、ルシアの踊りには私の中のなにかを突き動かすなにかがあったということはたしかなのであります。

はじまり。客席から登場して舞台に上がり踊り始めるソレア。 すっくと立ち場を完璧に支配するその姿の美しさ。気高さすら感じられる。女王感。

歌を聴いて丁寧に踊る。


©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

ギターソロはパコ・デ・ルシアのモチーフを借りて展開するロンデーニャ

続くファルーカはキンキラキンの衣装で。コンクールでこれきてたら、衣装警察としては、おい、って言いそうだけど、リサイタル/自分の作品であれば問題なし。なんか意味あるのかなとおもったけど、特になさそう。ただ形としては女性の乗馬衣装アマソナ的デザインなので、伝統を新しく捉える、ってことなのかもしれない。わかんないけど。


そういえば彼女の踊りも伝統的な形やパソも出てくるんだけど、その組み合わせかたにオリジナリティがあるので新しい形に見える。

ギターがなんかちょっと違和感あったので終演後、観にきていたギタリスト、フアン・カンパージョに聞いたところ通常の調でなく、サンブラ的な調で演奏されていたとのこと。なるほど〜。

そう、ファルーカはサンブラを経て、タンゴへ。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol
 
 トナからの

最後はシギリージャ。伸びやかで品格のあるシギリージャ。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

彼女の踊りは、動きの一つ一つにセンティードがあると感じる。体操と舞踊の違いはそこだと思うのだけど、体操的になっちゃう踊り手も特に若い人には多い気がする。心をこめる、というか、意味を持たせるというか、動きに必然性があるというか。漫然とではなく、意識して動くというか。

止まって上を見る、何かを探しているような、遠くを見つめているような。その眼差しにノックアウトされた。

最初と同じように客席中央の通路を歩いて去って行き、おしまい。ぎゅっと凝縮された感じ。

フラメンコは、別にドラマやコンセプトやあらすじやそんなものを付け足す必要はなくて、踊り一曲だけで、全てを表現できちゃうんだなあ、と。物語は踊り手自身の中に、もしくは観客ひとりひとりの中にあって、フラメンコはそれを目覚めさせる、という気がする。


いつもいつもカハソル劇場公演の後は一人で大好きなバルに寄ってから帰るんだけど、昨日はつい遅くまでみんなと飲んじゃったよ。






2026年6月11日木曜日

アリシア・モラーレス『モチュエロ』

グラナダ出身の歌い手アリシア・モラーレスの新譜『モチュエロ』の発表会見。

アリシアはグラナダ出身でグラナダやマドリードのタブラオなどを中心に、ギタリスト、アントニア・ヒメネスのグループなどでも公演。3枚のアルバムを発表している実力派。

モチュエロとは蝋管レコードにもその声を残す、フラメンコ草創期のカンタオール。1868年セビージャ生まれで、セビージャやマドリードにとどまらず中南米などでも活躍しました。フラメンコ以外のホタなども含め、多数録音があります。ギタリスト、ホセ・ケベド“ボリータ”とともに曲を選び、録音し、アルバムにまとめたとのこと。

古いカンテを当時そのままに再現するのではなく現在のものとして再創造していったとのこと。

その場で歌ってくれた3曲をシェアします。







存在感のある、パワーを感じる声ですね。
彼女のwebはこちらです。