2009年11月30日月曜日

ホセ・ルイス・ロドリゲスのクルシージョen セビージャ

ウエルバ出身のギタリスト、ホセ・ルイス・ロドリゲスの集中クラスが
12月12日11時から14時と16時から19時、
12月13日11時から14時まで
セビージャで開催されます。
受講料は150ユーロ。聴講だけなら40ユーロ。
プロのフラメンコギタリストはもちろん、練習生だけでなく
ほかの音楽をやっている人も歓迎とのこと。

申し込み,問い合わせは 
 jlclaribel@yahoo.es
まで

2009年11月29日日曜日

クリスティーナ・オヨス「フラメンコ舞踊博物館売ります」

クリスティーナ・オヨスがセビージャに開いたフラメンコ舞踊博物館。
この建物が売りに出された
ビデオ付きのこの広告によると
セビージャの中心地区、カテドラルまで5分という地の利のいいところにある
18世紀に建てられたお屋敷だが、博物館(2006年開館)をつくるにあたって
完全に改築されている。
地下1階、地上3階。真ん中のパティオには必要に応じてせりあがってくる舞台もある。
現在は1階には舞踊スタジオ、2階が博物館、3階はオフィスと展覧会会場となっており、
総面積1713平米で気になるお値段は約599万7千ユーロ、およそ7億7680万円。
経営がうまくいかずでの決断らしいが、
セビージャ市やアンダルシア州の助成金を受けており、批判が集中している。

2009年11月28日土曜日

カハソル175周年記念フラメンコ・コンサート

先日お知らせしたカハソル175周年記念フラメンココンサートに行ってきました。
豪華な顔ぶれですが、招待客がほとんどだったこともあってダフ屋がでる盛況。


幕開けのアルカンヘル、マルティネーテがすばらしかった。
彼の声はフラメンコ歌いにはめずらしい、いわゆる美声であって、
フラメンコ独特のしゃがれ声とは正反対。
若いに似合わず研究家肌で古いカンテに学び新しい感覚を加えていく。
彼の、こう歌おうという姿勢がぴんぴんに感じられる。
そしてその方向にこっちの魂ももっていかれていく感じだ。
続くカーニャもソレア・アポラーにつなげて終わる。
うんうん、カンテと真っ正面から勝負している感じだ。
タンゴへ。すごい集中力を感じると同時に、伸びやかでゆったりとしている。
アレグリアスはオーソドックスなものから新しい歌詞のもの、
ミラブラやカンティーニャ、アレグリアス・デ・コルドバまで幅広く網羅し、
最後のファンダンゴではいつもながらに大向こうをうならせた。
ひとつの音にたくさんのものが集約されているというのだろうか
強く激しく、心に響く。目が離せない、


続いて登場はベテラン、パンセキート。
全く衰えを感じさせない、ふくらみのある響きのある声で歌い上げるアレグリアス。
深みのあるソレア。タランタ。が、ブレリアで昔のアルバムで歌っているレトラを歌ったときには鳥肌がたった。ブレリアの名手、モライートの伴奏で聴くのはひさしぶりだがいい感じ。


最後をしめたのはイスラエル・ガルバン。
フアン・ホセ・アマドールとダビ・ラゴスのカンテとペドロ・シエラの超絶ギターを踊る。
ギターのように歌を伴奏するかと思えば、ギターを聴く心の響きをそのまま表すようにリズムをとる。
いや、やっぱりイスラはすごい。一段と磨きがかかった感じ。動きがさえわたっている。
ついついオレ!がもれてしまう。あの間合い。なにか武術にも通じるような感じだ。


いいものばかりみっつもみた夜は、いいフラメンコをみた夜がいつもそうであるようになぜかお腹いっぱいで
杯ばかりを重ねるのでした。

2009年11月26日木曜日

フランス、ニームのフラメンコ祭


来年で20周年を迎えるニームのフラメンコ・フェスティバル。
そのプログラムの発表が今日、25日、セビージャのアンダルシア・フラメンコ振興公社において行われました。

ニームはフランスの南西部にある街。ローマ時代の遺跡が豊富な歴史の街です。
闘牛もさかんで、スペインでもなだたる闘牛士たちがやってきます。
闘牛とくればフラメンコ、というわけでもないでしょうが、この街のフラメンコ祭はフランス各地で行われるフェスティバルの中でもモン・デ・マルサンに並んで大きな規模。
通常は1月後半ですが、20周年記念の今年は7日から23日といつもより長い期間行われます。

プログラムは以下の通りです。
1/9(土)18時30分「コン・パサポルテ・フラメンコ」
[出]〈b〉シルビア・マリン エル・フラメンコ・ビーべ舞踊団
[場]ニーム 劇場
1/12(火)20時
[出]〈c〉マイテ・マルティン、伴奏〈g〉フアン・ラモン・カロ
[場]ニーム 劇場
1/13(水)20時
[出]〈c〉エル・カブレーロ、伴奏〈g〉ラファエル・ロドリゲス
[場]ニーム 劇場
1/14(木)20時
[出]〈c〉ラファエル・デ・ウトレーラ、伴奏〈g〉ダニ・メンデス、〈b〉マリア・ホセ・フランコ
[場]ニーム 劇場
1/15(金)20時「ドス・ボセス.パラ・ウン・バイレ」
[出]〈b〉ハビエル・バロン、伴奏〈c〉ホセ・バレンシア、ミゲル・オルテガ、〈g〉ハビエル・パティノ、リカルド・リベラ
[場]ニーム 劇場
1/15(金)22時30分「ティエラ・フラメンカ1」
[出]
[場]ニーム オデオン
1/16(土)17時30分
[出]〈g〉ハビエル・コンデ
[場]ニーム Cour d·Appel

1/15(土)20時「ティエラ・フラメンカ1」
[出]
[場]ニーム オデオン
1/17(日)15時「ロマンセーロ・ヒターノ・レデュー』
[出]〈c〉ペペ・リナーレス、〈朗読〉アンリ・ル・ニ、〈g〉アントニオ・コルテス
[場]ニーム Cour d·Appel
1/17(日)18時「エル・フィナル・デ・エステ・エスタード・デ・コーサス、レデュー」
[出]〈b〉イスラエル・ガルバン
[場]ニーム 劇場
1/19(火)20時「エル・シエロ・デ・トゥ・ボカ』
[出]〈b〉アンドレス・マリン
[場]ニーム 劇場
1/20(水)20時「シン・フロンテーラ」
[出]〈c〉ミゲル・ポベーダ、伴奏〈g〉チクエロ、ゲスト〈c〉ルイス・サンボ、〈g〉モライート、〈b〉ホアキン・グリロ
[場]ニーム 劇場
1/21(木)20時「パストーラ」
[出]〈b〉パストーラ・ガルバン、伴奏〈c〉ダビ・ラゴス、ホセ・バレンシア、〈g〉ラモン・アマドール、〈コンパス〉ボボーテ
[場]ニーム 劇場
1/22(金)20時「ティエンポ・デ・ディアボロ」
[出]〈c、g〉 ディエゴ・カラスコ

[場]ニーム 劇場
1/22(金)22時30分
[出]〈c〉イネス・バカン、伴奏〈g〉アントニオ・モジャ、〈c〉エル・ルビオ・プルナ、トマス・デ・ペラーテ、マヌエル・タニェ、伴奏〈g〉エウへニオ・イグレシアス、アントニオ・モジャ[場]ニーム オデオン
1/23(土)17時30分
[出]〈c〉アントニオ・カンポス、伴奏〈g〉ダニ・メンデス
[場]ニーム Cour d·Appel
1/23(土)20時「オロ・ビエホ」
[出]〈b〉ロシオ・モリーナ
[場]ニーム 劇場
1/23(土)22時30分「ア・シンコ・ボセス」
[出]〈c〉マリ・ビサラガ、ファビオラ・レデスマ、エルミニア・ボルハ、ラ・タナ.マリ・ペーニャ、〈b〉カルメン・レデスマ、〈g〉アントニオ・モジャ、ダニ・メンデス
[場]ニーム オデオン
[問]www.theatredenimes.com

 このほかにも講演、座談会、バイレのクラス(ハビエル・バロン、ホセ・ガルバン)、ビデオ上映などいろいろな催しが予定されているそうです。

あ、初日のシルビア・マリン舞踊団にはマドリード在住の日本人バイラオーラ、おおはしゆみさんが参加しています。

2009年11月25日水曜日

マリキージャのクルシージクルシージョ

2月、カーニバルの時期に、グラナダのマリキージャのスタジオでクルシージョが開かれます。
2月19日から26日までで
中級は10時30分から12時まで「アレグリアス、カスタネットのテクニック」
上級は12時15分から13時45分まで「ソレア・ポル・ブレリアとバタ・デ・コーラのテクニック」
プロクラスは17時から19時まで「カラコーレス、タラント、アルボレア」
カホンのクラスも19時から20時まであるそうです

指導はマリキージャとその愛娘タティアナ・ガリード。
マリキージャといえばかつてジェルバブエナやモネータ、ロシオ・モリーナも習ったというグラナダを代表する舞踊家。

2009年11月24日火曜日

フラメンコを世界遺産に


フラメンコを世界遺産に!
という動きについてはパセオ本誌の方で、
何度かお知らせしたかと思うのですが、
昨日、セビージャの旧万博会場内にある
カルトゥハ修道院の元礼拝堂において、
アンヘレス・ゴンサレス・シンデ文化相、
ロサ・トーレス(アンダルシア州文化相)、レオノール・フローレス(エストレマドゥーラ州文化相)、ペドロ・クルス(ムルシア州文化相)と3つの共同体の文化担当大臣が顔を揃え、フラメンコをユネスコ認定の世界遺産へ、という動きを推進していくことを確認しました。

 会場にはアンダルシア・フラメンコ振興公社の評議員たちやプレス関係者、マネージャー、ビエナル監督やラ・ウニオン市長、フォスフォリート、マノロ・サンルーカル、エバ・ジェルバブエナ、イスラエル・ガルバン、ハビエル・バロン、マリアーナ・コルネホ、カルメン・ハラ、エスペランサ・フェルナンデス、ニーニョ・デ・プーラ、アントニオ・エル・ピパ、エル・フンコ、アルヘンティーナらアルティスタたちも顔をみせ、はなやかな雰囲気。(下の写真には写っていない人もいますが)





なんとか、フラメンコを世界遺産に!という気持ちは皆同じかな。

しかし、あんなにたくさんの公用車みたのはフラメンコ関係の催しではじめてかもしれません。。。

2009年11月22日日曜日

コンパス・デル・カンテ賞授賞式

エバ・ジェルバブエナにコンンパス・デル・カンテ賞が授賞されるというニュース
すでにお伝えしましたが、
授賞式、来年ではなく今年でありました。すんません。

招ばれてでかけていったのは五つ星ホテル アルフォンソXIII。
映画「アラビアのロレンス」煮も登場したムデハル調の美しい建物。
そのパティオでアペリティフがふるまわれます。
ビール会社主催なだけに大量のビールそしてワインやシェリー酒など。
今年審査員をつとめたミラグロス・メンヒバルや
ディアリオ・デ・セビージャ紙のフアン・ベルヒージョ。
前回の審査員だったドミンゴ・ゴンサレス ビエナル監督
エバのカンパニーで長らく活躍したセグンド・ファルコンとファリ夫妻
カルメン・アマジャの舞踊団で初舞台をふんだルイサ・トリアーナ、
ABC紙の舞踊評論家マルタ・カラスコ、カナルスール局のマヌエル・クラオとパコ・サンチェス。。。
エバを長年支え得て来た旦那様、パコ・ハラーナや愛娘ら家族、マネージャーの姿も。
うずらのサラダとたらのキノコソースという食事のあと授賞式。


フラメンコの功労者におくられるこの賞、これまでの受賞者はすべて50歳以上のベテラン・アーティストたち。エバのような第一線で活躍する中堅アーティストの授賞ははじめてです。
エバは思いあまって涙ぐみ。。。

これまでにアンダルシア州メダルや、舞踊国家賞、マックス賞など多数の賞を受賞している彼女ですが、この賞にはまた特別な思いがあったのでしょう。

でも、続いてはじまったフィエスタではヘレスのコンパスにのって見事なブレリアを披露してくれました。

ENHORABUENA, EVA!


2009年11月20日金曜日

マラガ、ピカソ美術館でフラメンコ

フラメンコはアートである。
フラメンコが誕生し、形作られていった時代はまた前衛芸術のそれと重なりあい、
ピカソやダリがフラメンコを愛し、またそれに関わっていた。

ピカソはディアギレフがプロデュースしたバレエ・リュスの「三角帽子」や「クアドロ・フラメンコ」の舞台美術や衣装をてがけ、ダリも「三角帽子」や「カフェ・デ・チニータス」の美術をてがけているのだ。

昨年、マドリードのソフィア王妃美術館,パリで開催された「ノーチェ・エスパニョーラ」は、現代美術家であり、イスラエル・ガルバンのブレーンでもあるペドロ・G・ロメーロが
企画した、フラメンコに関する美術展であり、そこではフラメンコと前衛芸術の関わりがあきらかだった。

この流れを受けて、マラガのピカソ美術館でもフラメンコの11月27日から来年4月23日までフラメンコの公演が行われる。

11月27日は,セビージャのクリスティーナ・ヘーレン財団フラメンコ芸術学校校長のフェルナンド岩崎の講演とカリスト・サンチェスのカンテ(伴奏マノロ・フランコ)。
12月18日は、詩人でセビージャ大学教授エンリケ・バルタナースの講演とリディア・モンテーロのカンテ。
2月12日はABC紙の舞踊批評家、マルタ・カラスコの講演とルイサ・パリシオのバイレ。
3月12日は前ソフィア王妃美術館館長のフアン・マヌエル・ボネの講演にエドゥアルド・レボジャルのギター。
4月23日はイスラエル・ガルバンのバイレで幕を閉じる。

2009年11月19日木曜日

ロサリオ・ロペス

今度の月曜日、23日に日本で、ハエン出身の歌い手ロサリオ・ロペスへのオマージュが開催されるとのことですが、スペインでも彼女のオマージュとしてCDが発表されます。
ハエンのペーニャ協会が出版するもので、「ア・ラ・ベルデ・オリーバ」と題されたこのアルバム、彼女の、1982年から2002年までの録音からピックアップされたもので、マラゲーニャス、アレグリアス、ロンデーニャス、ソレア、ファンダンゴス、シギリージャス、ブレリアス、タンゴス、ビジャンシーコ,サエタなどを収めているとのこと。

1500枚リリースされるとのことなので入手できるかな。
その昔、彼女のビジャンシーコ集でのナナにいたく感動したので、ぜひ早く聴いてみたいという気持ちでいっぱいです。

カハソル175周年記念フラメンココンサート

カハソルはセビージャに本拠をおく銀行。
貯蓄銀行と訳されますが、日本の信用金庫のような存在。
もともとセビージャにあったカハ・サン・フェルナンドと、ヘレスのカハ・ヘレスが合併、その後ウエルバとセビージャのエル・モンテが合併し、カハソルという名前になりました。
この10年間、セビージャでフエベス・フラメンコス(木曜日のフラメンコ)という公演シリーズを続けていますが、そのほかにも各地のペーニャ、大学などを舞台に「コノセール・フラメンコ(フラメンコを知る)」という公演シリーズも続け、また毎年冬にはクリスマス・ソング、ビジャンシーコなどのアルバムをリリースしています。
フラメンコに理解があり、フラメンコをサポートしている銀行!というわけです。

その銀行が、その歩み始めから175周年ということを記念するフラメンコ公演が来週の木曜日、11月26日、セビージャのカハソル文化センターで開催されます。
題して「アシ・カンタ・ヌエストラ・ティエラ・エル・フラメンコ」(私たちの故郷ではフラメンコをこう歌う)
出演はバイレのイスラエル・ガルバン、カンテにアルカンヘルとパンセキート。
セビージャ、ウエルバとカディスのフラメンコを代表しての出演です。
どんな舞台になるのか、今から楽しみです。

写真は右からアントニオ・カセレス(銀行の財団理事)、パンセキート、イスラエル、マヌエル・エレーラ(元ビエナル監督。カハソルのフラメンコのプログラム責任者)

2009年11月18日水曜日

セビージャ サルバドール・タボラ劇場でのフラメンコ公演

セビージャの町の東にあるセロ・デ・アギラ地区。
元スペイン国立バレエ団でサラ・バラス舞踊団で活躍するルイス・オルテガや
先日のマヌエラ・カラスコ舞踊団来日公演でファンを増やしたラファエル・カンパージョらを輩出した、フラメンコな地区。そのすぐ隣にある倉庫街、ポリゴノ・イタサにあるのがサルバドール・タボラ劇場。アンダルシア演劇界の蜷川的存在、サルバドール・タボラが率いる劇団ラ・クアドラの本拠地である。
三方を高くなった客席が囲む、スタジオのような小劇場で、臨場感は抜群。

サルバドール・タボラといえばかつて日本公演を行った「カルメン」をはじめ、「ドン・フアン」「椿姫」などフラメンコをフューチャーした作品を思い出す人もあることだろう。
その彼の新作が「アンダルシア。伝説と歴史の間に」で、毎週木曜金曜とこの劇場で上演中。
で、土曜は「シクロ・フラメンコ・プリミティーボ」でフラメンコが楽しめる。
先週末にはマヌエル・モリーナが娘アルバ・モリーナと共演したそうだ。

これからの公演予定は

11月21日 〈b〉ラ・チョニ
11月28日 〈b〉フアン・デ・ロス・レジェス
12月5日 〈b〉アデラ・カンパージョ
12月12日 〈b〉ラファエル・アマルゴ
12月19日 〈b〉ホセ・ガルバン

と、舞踊公演が続く。
入場料は18ユーロ。ウエブからの購入も可能だけど、セビージャのカテドラルの前にあるCD/本/オーディオのショップ、FNACや劇場窓口でも購入可能。

セントラル劇場のフラメンコ・ビエネ・デル・スールも、カハソル文化センターのフエベス・フラメンコスも来年にならないと始まらないようだけど、やっぱりセビージャ。
1週間のうちにフラメンコ公演がまったくない、という事態にはならないのである。

第35回エストレマドゥーラ・フラメンコ祭

昨年、瀧本正信さん、俵英三さん。影山奈緒子さんが出演した、エストレマドゥーラ地方はカセレスで開催されている、フラメンコ祭。
今年は生誕百周年を迎えたアントニオ・マイレーナにちなんで展覧会なども開催されたそうです。そしてその最後を飾るガラ公演が21日、サン・フランシスコ音楽堂で開催されます。

出演は、ラ・ウニオンのコンクールでシギリージャの賞を受賞した若手カンタオーラ、エステル・メリノ(伴奏フアン・マヌエル・モレーノ)と、パケーラ・デ・ヘレスの甥で、すでにCDデビューも果たしているヘスース・メンデス(伴奏マヌエル・バレンシア)、そしてグラナダ郊外サンタ・フェ出身のネネ・デ・サンタ・フェ。
またアントニオ・マイレーナ.その人の録音をペドロ・シエラ伴奏でも会場にながすとか。現代のテクノロジーあってのものですね。

2009年11月16日月曜日

小松原庸子舞踊団40周年記念マドリード公演

日本から来た生え抜きの舞踊団のメンバーとスペインのアルティスタたちがいっしょにつくりあげた「カルメン」はスペインの観客のあたたかい拍手に包まれて、昨夜、無事千秋楽を迎えました。

日本のフラメンコ舞踊団がマドリードで公演、というニュースはいくつかのスペインのメディアにも取り上げられたのでちょっとご紹介。

新聞エル・パイスでは舞踊評論家ロヘル・サラスによるインタビューが掲載。

テレビ局アンテナ3  のニュースでもインタビューにこたえています。

そのほかにもスペイン国営放送の老舗フラメンコ番組「ヌエストロ・フラメンコ」
美術倶楽部ラジオでの「シルクロ・フラメンコ」でもインタビューされました。

ウエブ、デフラメンコ。コムでは写真ギャラリーで取り上げられていますし
YouTubeでもいくつが映像がアップされています。


で、どこでも訊かれるのが「日本人はなぜフラメンコが好きなのだ?」という疑問。

小松原さんは、
「日本は感情を隠す文化でしたが、フラメンコは正反対。それをみて私も同じ、と思って憧れるのではないでしょうか」
とお話されてましたが、
「スペインも日本も同じ。私はアーティストの家に育ったのですが、アーティストの気質は日本もスペインも変わりませんよ」
とのこと。

ちなみに今回は舞踊団の井上圭子さん、谷淑江さん、田村陽子さんがトリプルキャストカルメンを踊り
相手役のホセはマルコ・バルガス、カルメン夫をスペイン国立バレエ団のホセ・マヌエル・ブソンが踊りました。




2009年11月14日土曜日

アントニオ・マイレーナへのオマージュ

12月10日、マエストランサ劇場で予定されていた、マノロ・カラコールとアントニオ・マイレーナへのオマージュは、諸々の事情により、アントニオ・マイレーナのみへのオマージュへと変更になりました。マノロ・カラコールへのオマージュ公演は来年、改めて開催されるそうです。
で、この公演の出演者は
バイレに ハビエル・バロン
カンテに アルカンヘル
ギターに エンリケ・デ・メルチョール
ピアノとカンテの ディエゴ・アマドール
バイレの ラ・モネータとラウラ・ロサレン
カンテの ダビ・ラゴス
ギターの ミゲル・アンヘル・コルテスとミゲル・オチャンド

というなかなかの組み合わせ。
フラメンコ研究家のフアン・ディエゴ・マルティンとホセ・ルイス・オルティス・ヌエボがマイレーナの最後の録音、「アル・カロール・デ・ミス・レクエルドス(私の思い出の熱)」とその本をベースにデザインしたもので、タイトルは「アル・ソン・デ・スース・レクエルドス(その思い出のリズムで)」

今からとても楽しみです、

2009年11月12日木曜日

小松原庸子舞踊団創立40周年記念マドリード公演



今日から4日間、マドリードの北部、バグアダというショッピングセンターの隣にある
マドリード劇場で小松原庸子舞踊団のマドリード公演が行われます。

今年はスペイン国立バレエ団やハビエル・バロンも登場したこの劇場、
町の中心部からは少し離れていますが、ダンス関係の公演が多く、
かつてアントニオ・カナーレスの「トレロ」のスペイン初演をも行われた場所。
すり鉢式の底に舞台という、珍しいタイプの劇場ですが、どこからでも見やすいのが特徴。

演目は「アンダルシア・レハーナ(遠いアンダルシア)」というフラメンコやスペイン舞踊の曲を並べたアンソロジーと、同舞踊団の代表作「カルメン」のふたつ。
「カルメン」には今年のラ・ウニオンで素晴らしいタラントをみせてくれた井上圭子さん、
谷淑江さん、田村陽子さんのトリプルキャスト。相手役のホセにはココ数年クロエ・ブルレと組んだデュオで評判がいいマルコ・バルガス、カルメンの夫にはスペイン国立バレエのソリスト、ホセ・マヌエル・ブソンという配役。バックにはギターのアントニオ・ゴンザレス、カルロス・ベルランガ、歌にナタリア・マリン、フアン・ホセ・アマドール、イスマエル・ゴンサレス。

マドリードにいらっしゃる方はぜひ観にいってくださいね。

2009年11月9日月曜日

ニーニョ・ミゲルに捧げる 続報

先日お知らせした,ウエルバでの「ニーニョ・ミゲル」へのオマージュですが
11月7日、スポーツセンターに5千人もの観客を集め、無事開催されたとのことです。

ニーニョ・ミゲル、その人も久々に舞台に上がり、観客の惜しみない拍手を受けたとか。

ペペ・デ・ルシア、エル・ペレ、ホセ・メルセ、エストレージャ・モレンテ、エバ・ジェルバブエナ、カルメン・リナーレス、マノロ・サンルーカル、トマティート、フアン・アビチュエラ、ホセ・ルイス・ロドリゲス、ミゲル・アンヘル・コルテス、フアン・カルロス・ロメーロ、アルカンヘル。
公演告知のポスターにあった、全てのアーティストたち(!)が舞台に上がり、ニーニョ・ミゲルへの敬愛を示したのです。
また、会場には来れなかったエンリケ・モレンテ、ビセンテ・アミーゴらはビデオでメッセージを寄せました。

フラメンコたちの、本物のフラメンコへの限りない敬愛、友愛に胸が熱くなる思いです。

2009年11月8日日曜日

ルベン・ダンタスのクルシージョenセビージャ

来週の週末、11月13日から15日の3日間、
ルベン・ダンタスのクルシージョがセビージャで開催。

金曜は18時から20時、土曜は11時から14時、16時から20時、
日曜は11時から14時という集中クラスで受講料は155ユーロ。


ルベンといえば、パコ・デ・ルシア・セクステットのオリジナルメンバー。
今はフラメンコ以外の音楽、ポップロックやジャズなどでもポピュラーな楽器となったカホンだが、その張本人はいうまでもなくパコ・デ・ルシア。
中南米公演で訪れたペルーでのパーティーで、木の箱の上に座ってそれを叩く地元ミュージシャンをみてひらめいた。
舞台の上でなく、家やバルなどでのプライベートなフラメンコでは、こぶしで机を叩いて拍子を取ることがよくあるが、この箱の音はそれともにていて、フラメンコに違和感がない。
当時、パコのグループのパーカッション奏者だったルベンにこれを使おうと提案したのだった。だからカホンの産みの親はペルーでも、養子にしようといったのはパコで、パコとともに育ての親となったのはルベンなのだ。
それからおよそ30年。箱、カホンは楽器としてめざましい発展普及を遂げた。

現在、自らのグループでの活動とともに後進の指導にあたるルベン。
今回のクラスもその一環というわけである。
なお、彼はブラジル人ゆえ、スペイン語表記のRúben ではなくRubemとなります。

2009年11月7日土曜日

コンパス・デル・カンテ賞はエバに

賞つながりで、思い出しました。
先頃、来日してすばらしい舞台をみせてくれたエバ・ジェルバブエナの
コンパス・デル・カンテ賞受賞が決定していたんです。
授賞式は来年の11月頃になる予定、ということなのですが、
とりあえずめでたい。

このフラメンコの功労者におくる賞を主催(というのか?)しているのは
セビージャのビール会社、クルスカンポ。
はい。あのセビージャの突き刺さりそうな陽光の中でごっくご飲むのがとってもおいしい
軽い飲み口のビールです。
日本にも輸入されていて、スペイン料理店などで飲んだことがある人も多いのでは?
この賞、前回の受賞者がメルチェ・エスメラルダ、その前がミラグロス・メンヒバル、と
女性舞踊家の受賞が続いていますが、これまでの受賞者を振り返ると、
1984年の第一回受賞者のマノロ・マイレーナにはじまり、フォスフォリート、チャノ・ロバート、パコ・デ・ルシア、ピラール・ロペス、フェルナンダ・デ・ウトレーラ、マノロ・サンルーカル、ファルーコ、、ホセ・メネセ、マリオ・マジャ、フアン・アビチュエラ、マティルデ・コラル、レブリハーノ、アントニオ・ガデス、カルメン・リナーレス、クリスティーナ・オヨス、マヌエル・モラオ、チョコラーテ、パケーラ、と、
重量級、人間国宝級フラメンコがずらっと並びます。
ほぼ半数が故人だというのはつらいけど、現役ばりばりもたくさん。
でもどっちかというと、賞の性格からか、熟年世代中心。

そんな中で若い彼女の受賞はほんとうによろこばしいことであります。

2009年11月6日金曜日

マノロ・サンルーカルにニーニャ・デ・ロス・ペイネス賞

ニーニャ・デ・ロス・ペイネスといえば、フラメンコ史上最強のカンタオーラ。
8歳でセビージャで初舞台を踏み、11歳のときにマドリードでデビューという早熟の天才。
なんたって1910年から1950年までの間に258曲の録音を残し
(これは13枚のCD全集になって発売されています)
そのレパートリーもカルタヘーナ、タランタ、ソレア、ティエントス、マラゲーニャス、タンゴ、セビジャーナス、セラーナ、ペテネーラス、ファルーカ、シギリージャ、ブレリア、ガロティン、アレグリアス、サエタ、ルンバ、グアヒーラ、グラナイーナ、コロンビアーナ、カンティーニャ、ミロンガ、カラコーレス、ファンダンゴ、バンベーラ、ブレリア・ポル・ソレア…。すなわちフラメンコほぼすべての曲を網羅しているというのもすごい。
そしてまたその録音がいいのです。
コンパス、音程、フラメンコ性.声質。どれをとってもすばらしい。

その彼女の名を冠した、ニーニャ・デ・ロス・ペイネス賞は、アンダルシア自治政府の文化省がフラメンコの功労者におくる賞。
これまでにフォスフォリート、パコ・デ・ルシア、エンリケ・モレンテ、チャノ・ロバートが受賞しています。
そのたいへん名誉ある賞の今年度の受賞者にマノロ・サンルーカルが選出されました。

日本との関わりも深く、1979年の初来日後には「ハポン、シエンプレ、ハポン(日本いつまでも日本)」という曲もあるマノロ。
実はニーニャ・デ・ロス・ペイネスの伴奏をしたこともあるそうです。
それが実はマノロの初録音だったそうなのですが、なぜか録音はお蔵入り。。。
そんなエピソードがあるだけに今回の受賞はなおうれしいことでしょう。

そのマノロが、昔、日本公演を行ったときに手編みのマフラーをプレゼントしてくれた人を探しています。
彼の名が編み込まれた力作で、どこか島からわざわざ観に来てくれた人だとか。
心当たりのある方はぜひ私、志風までご連絡くださいまし。

2009年11月3日火曜日

ラ・ギタリスタ



基本的にスペイン語ではaで終わる単語は女性形。
バイラオールbailaorが男で、バイラオーラbailaoraが女。
カンタオールcantaorが男で、カンタオーラcantaoraが女。
で、ギタリストは、というとギタリスタguitarristaと
aで終わる形なのだけど、男女、どちらもギタリスタなのである。
にも関わらず、フラメンコにおいては女性ギタリスタは希少価値。
めったにいない。
フラメンコワールドやデフラメンコなどのフラメンコ専門webのアーティスト名鑑でも
ギタリスト部門では女性は皆無。
今年のヘレスのフェスティバルではラウラ・ゴンサレスら、
幾人かの女性ギタリストが登場したし、全くいないというわけではない。
しかし、今、第一線で活躍している女性フラメンコ・ギタリストというと、
アントニア・ ヒメネスくらいだろう。
クラシックではそれほど珍しい存在というわけではないのだけど。

でも実は昔はそんなことなかった、というのを説明してくれるのがこの本。
19世紀末から20世紀初めには、舞台に上がるギタリストもたくさんいたのだ。
女性たちも踊り、歌うのと同じようにギターを弾いていたのだ。
昔の写真でそんな姿を見たことがある人もいるのではないだろうか。

たとえば、カルメン・アマジャよりずっと昔に、男装で踊ったバイラオーラ、ラ・クエンカはギタリストでもあったという。
1933年、日本にやってきたスペイン舞踊家アスンシオン・グラナドスは踊るだけではなく、ギターソロも3曲、披露したという。

日本でも、長らく小松原庸子さんの伴奏をつとめた戸田博子さんや、大家説子さんなど、数少ないながらいらっしゃるし、スペインでもエルマナス・アルバランとかもいましたね。

なぜ、フラメンコには女性ギタリストが少ないのだろう、
力がないから
などという人もいるけど、実はその理由はフラメンコのマチスモ、男性優位にあるのかもしれない。

2009年11月1日日曜日

ニーニョ・ミゲルに捧げる!



ニーニョ・ミゲルを知っていますか?

知っている人はかなりのフラメンコギター通。
はい。ウエルバ出身のフラメンコ・ギタリストで、あのトマティートの叔父にあたる人。
若き日に録音した2枚のアルバムは今もギターファンの口にのぼる名作。
将来を嘱望されていたのだが、
人生というものは順調であるとは限らない。
私が初めて会った彼は街角で弦の切れたギターをかきならして小銭を稼ぐ
尾羽うち枯らした流しのギタリストだった。
あのアルバムのジャケット写真でしか知らなかった彼と同じ人物とは思えないほど
やせて、やつれて、目の焦点もあっていないような彼を、
バルの主人に貧乏神でもあるかのようにおっぱらわれる彼が
あの華やかなトーケをきかせたニーニョ・ミゲルとはとても信じられなかった。

5年くらい前のことになる。
セビージャのエル・モンテ文化センター(現カハソル文化センター)の舞台に立った彼は
知り合いから借りたギターを抱きかかえ、本当にうれしそうに弾いていた。
体の中からいくらでもフラメンコがあふれてきて止まらない。
予定をすぎても弾き終わらない彼を係員が誘導して舞台袖につれていった。
彼がいつまでも弾いていたかったように
わたしたちもいつまでも聴いていたかった。

その彼、ニーニョ・ミゲルへのオマージュが今度の土曜日、
その故郷ウエルバで行われる。
出演者を聴いて驚け。

カンテに
ホセ・メルセ、エストレージャ・モレンテ、ペペ・デ・ルシア、カルメン・リナーレス、エル・ペレ。
ギターに
マノロ・サンルーカル、ペペ・アビチュエラ、トマティート、フアン・カルロス・ロメーロ、ホセ・ルイス・ロドリゲス、ミゲル・アンヘル・コルテス
バイレに
エバ・ジェルバブエナ

どうだ。まいったか。的ラインアップ。
この手のオマージュというのはポスターに名前がでていても当日出てこない、という場合も多い。
でもこのメンバーなら半分だってじゅうぶん満足。

実はこの催しの仕掛け人はアルカンヘルらしい。
ウエルバが誇る、今をときめくカンタオールが、かつてウエルバのフラメンコを代表した
天才ギタリストへのオマージュを企画するなんて、とってもうれしくてちょっと泣ける。