2010年5月31日月曜日

カステルデフェルス舞踊フェスティバル

バルセロナの町から電車で15分
空港にほど近い海辺の町、カステルデフェルス。
この町で今年で31回目を迎える、老舗舞踊フェスティバルが 今週開幕。
6月4日はマリア・パヘスがと「ドゥーナス」を
7月2日はアントニオ・ガデス舞踊団が「カルメン」を公演します。
入場料はいずれも25ユーロ。会場は同市のプラサ劇場です。
ほかに6月11日にはタップダンス、7月9日にはコンテンポラリーの公演もあります。
詳しくは市役所のホームページのこちらから。
入場券はこちらで販売中です。

2010年5月30日日曜日

大学の夏期コースでもフラメンコ

今、スペインの大学は夏休みを前に試験の真っ最中。
これが終わると楽しい夏休み、となるわけだが、
夏休みにもたくさんのクラスが開講される。
中にはフラメンコ関係のものもいくつか。

まずは今年、50周年を迎えるカンテ・デ・ラス・ミーナス祭を記念しての催し。
講師にはコンクール審査員らの名前もならぶ。

○海の国際大学
第1回カンテ・デ・ラス・ミーナスに関するフラメンコ国際会議
6/2(水)〜4(金)10時〜20時
[教]ホセ・ヘラルド・ナバッロ、フランシスコ・イダルゴ、ノルベルト・トーレス、ホセ・マヌエル・ガンボア、ミゲル・ポベーダほか
[内容]30時間 定員100名 3単位
[場]ムルシア/ラ・ウニオン市役所ホール
[料]95ユーロ
[問]http://www.um.es/
※3日は〈c〉ヘマ・ヒメネスのリサイタルあり。


カディスの夏期コースでは、フラメンコの基本のコンパスで舞踊を学ぶ、という。

○カディス大学
エスクエラ・デ・ダンサ「フラメンコのABC」
7/19(月)〜23(金)17時〜21時
[内容]舞踊・ギター伴奏付き
[場]カディス カディス大学
[問]http://www.uca.es

毎年、フラメンコ関係のクラスがひとつ、開かれるのはパブロ・オラビデ大学の
カルモナでのクラス、今年はエスクエラ・セビジャーナについて、ということで
毎日舞踊公演があるという豪華版。
ほかにもマティルデ・コラルやミラグロスらによる座談会もあり
これは私もぜひ参加したいもの。

○パブロ・オラビデ大学
「フラメンコ舞踊のセビージャ派。マティルデ・コラルに捧げる」
7/12(月)〜16(金)
[教]マティルデ・コラル、ホセ・ルイス・ナバッロ、クリスティーナ・クルセスほか
[内容]30時間 3単位
[場]セビージャ県カルモナ
[料]90ユーロ
[問]http://www.upo.es/
※すべて講義。12日ヘスース・オルテガ、13日アリシア・マルケス、14日ミラグロス・メンヒバル、15日コンチャ・バルガス、16日ペパ・モンテスのミニ・リサイタルあり。

ジャーナリストによるアーティストへのロングインタビューが
ライブでみることができるのが
今年で5回目を迎える、フラメンコ自らを語る。
これまでにミゲル・ポベーダ、マノロ・サンルーカル、ディエゴ・カラスコらも登場。
今年はエンリケ・モレンテが登場するとのこと。
ビエナル期間中なので、早起きが苦でない方はぜひ。

○アンダルシア国際大学
第5回フラメンコ自らを語る
9/20(月)〜24(金)
[教]マヌエル・クラオほか
[内容]詳細未定
[料]115ユーロ
[問]セビージャ県セビージャ  アンダルシア国際大学セビージャキャンパス(旧万博会場)
[問]http://www.unia.es/

アントニオ・カンポス

5月27日カハソル文化センター
フエベス・フラメンコス、今シーズン最後の公演は
グラナダの二人の歌い手
アントニオ・カンポスとネネ・デ・サンタ・フェ
題して「ソン・デ・グラナ」

最初はアントニオ。
伴奏はダニ・メンデス。

1972年生まれ。
ラファエラ・カラスコらの舞踊伴唱でおなじみのこの歌い手、
25歳まではセミプロで本業はお肉屋さんだったとか。
昨年、地元グラナダでの公演の
ライブアルバムでCDデビューした。
このアルバムがなかなかの出来。
おすすめでございます。

タランタ、ソレア、ティエント〜タンゴス
どれもまっすぐな、
どっちかというと古風な響き。
そこにからむダニのギターはモダン系なので
その取り合わせが面白い。


がこの日最高だったのは
最後に歌ったロマンセ・デ・ラ・モンハ.
マグナ・アントロヒア・デル・カンテ・フラメンコに
エル・ネグロ・デル・プエルトの歌で収録されている、
あの曲を朗々と熱唱。
エル・ネグロよりもゆっくりと間をおいて
よりフラメンコな歌となっていた。


二人目ネネ・デ・サンタ・フェはグラナダ郊外サンタ・フェ出身のベテランだが
60をすぎた最近になって注目されているという人。
カンティーニャス、ソレア・アポラー…
音程が安定していないのが気になるが
こちらも盛んな拍手をうけていた。

なお、この公演シリーズ、
ビエナル終了後の10月末から再開。
それまでは夏休み。。。

2010年5月28日金曜日

フラメンコと詩enマラガ

今年で6回目を迎える「フラメンコと詩」
フラメンコで詩をうたい、詩の朗読とフラメンコが共演する試みで
これまでにフォスフォリート、エストレージャ・モレンテ、マヌエル・ヘレーナ、
ホセ・メネセ、ティナ・パボンらが出演してきた。
今年の公演詳細は下記の通り。

6/10(木)「ラス・ダマス・ドゥエンデ」
[出]〈c〉エスペランサ・フェルナンデス、〈g〉ミゲル・アンヘル・コルテス、〈パルマ〉ミゲル・バルガス
6/17(木)「ミゲル・エルナンデスに捧げる」
[出]〈c〉カリスト・サンチェス、〈g〉マノロ・フランコ
6/24(木)「27年世代の女性詩人」
[出]〈c〉マリナ・エレディア、〈g〉ホセ・ケベド
7/1(木)「デ・イダ・イ・ブエルタ」
[出]〈c〉エル・レブリハーノ、〈g〉ペドロ・ペーニャ
[場]マラガ県マラガ マラガ県庁音楽堂
[料]4ユーロ
[問]www.malagaenflamenco.com 前売りwww.generaltickets.com 

07年以後、規模を縮小。
地元アーティストを中心となったマラガ・エン・フラメンコだが、
秋のフェスティバル、というかたちでなく、
通年の催しはいろいろだ。

2010年5月26日水曜日

ラ・ノーチェ・ブランカ・デル・フラメンコ

6月19日 コルドバで開催されるラ・ノーチェ・ブランカ・デル・フラメンコ
フラメンコの白夜、というタイトル通り、夜通しフラメンコ公演が行われるという、
世界でも唯一のフラメンコ・フェスティバル。



その詳しい開演時間が発表されました。

22時30分 テンディージャ広場 〈c〉エンリケ・モレンテ
23時30分 レプブリカ・アルヘンティーナ通り 〈c〉ピティンゴ、〈g〉ライムンド・アマドールほか
00時    サン・フランシスコ「カプリチョ」〈c〉ミラグロス・デ・サンス、チュルンバケ
01時    メスキータ/オレンジの中庭 〈ピアノ〉ドランテス
01時30分 ポトロ広場「フラメンコ・デ・ソル・ナシエンテ」〈b〉萩原淳子、屋良有子、高木亮太、〈c〉広重ゆか、モイ・デ・モロン、〈g〉徳永健太郎、ミゲル・ペレス
02時    バイリオ坂「パシオン」
02時30分 アバデス広場 タリク・バンジ+〈フルート〉ホルヘ・パルド
02時30分 コラデーラ広場 〈c〉エル・ペレ
02時30分 アセルキア劇場 〈c〉カブレーロ、ルイス・デ・コルドバ(伴奏〈g〉マヌエル・シルベリア)、〈g〉アルベルト・ルセーナ(+〈b〉ケコ)
3時     コンデ・デ・プリエゴ広場「マノレーテ、アルテ・イ・パシオン」〈b〉ホセ・フラード、〈c〉アントニオ・ルケ、アナ・ラモン、〈g〉カルデリート
3時30分 ヘロニモ・パエス「アレナス・ノブレス」
4時30分 カルデナル・サラサール広場「ゴンゴラとフラメンコ」〈c〉ダビ・ピノ、ローラ・ペレス、〈perc〉パチ・カマラ
5時30分 サン・ラファエル記念碑「ポル・フィエスタ」
7時30分 プエルタ・デル・プエンテ 閉幕

そうなんです。
このフェスティバルにも日本人アーティストが出演するのです。
現在、セビージャに留学中の彼らがどんな舞台をみせてくれるのか楽しみですね。

またこの秋のビエナルでは小松原庸子舞踊団「響」公演がありますし、
50周年のウニオン、カンテ・デ・ラス・ミーナス祭でも
日本のアフィシオンに賞がおくられるとか。
スペインでも日本のフラメンコに注目が集まっています。


2010年5月25日火曜日

青少年コンクール決勝進出者発表

6月5日、ヘレスのビジャマルタ劇場で行われる
第1回アンダルシア青少年フラメンココンクールの決勝進出者が発表された。
これまでにグラナダでギター、セビージャでカンテ、マラガでバイレと
各部門の予選を勝ち抜いて決勝に進んだ各部門二人。

ギター
マルティン・ファジョス・リモン(ウエルバ県エル・ポルティージョ)18歳
フランシスコ・レオン・ガジャルド(カディス県プエルト・デ・サンタ・マリア)18歳

カンテ
フアン・フランシスコ・リオス・カブリジャナ(マラガ県エル・ブルゴ)22歳
タマラ・アギレラ・ガラメンディ(セビージャ県ラ・プエブラ・デ・カサージャ)21歳

バイレ
モイセス・ナバッロ・ベルガラ(マラガ県マラガ)22歳
サライ・デ・ロス・レジェス・トレス(セビージャ県セビージャ)20歳

特別出演
ロシオ・クレスピジョ・ルナ(コルドバ県カニャーダ・ラ・レアル)11歳(!)

審査員は
歌い手フォスフォリート、ギタリストのペドロ・シエラ、踊り手マリキージャと
アルティスタに加え、アンダルシアのペーニャ協会会長と
主催者であるアンダルシア青少年研究所の所長。

決勝はカナルスールラジオのフラメンコ専門家マヌエル・クラオの司会で行われ、
審査が行われている間にエバとディエゴのルビチ夫妻の観にリサイタルもある。
入場は無料だが、招待券が必要。
招待券はヘレスのアンダルシア・フラメンコ・センターで配布している。

2010年5月24日月曜日

ホセ・ウエルタス新作

 80年代に日本にフラメンコブームをまきおこしたアントニオ・ガデス。
「血の婚礼」「カルメン」「恋は魔術師」 という
カルロス・サウラ監督とのフラメンコ映画三部作でも知られるガデスが晩年、
その舞踊団自らの役を踊らせたのがホセ・ウエルタス。
ウエルタスが「アンダルシアの嵐」のフロンドーソや
「カルメン」のドン・ホセを踊るのを観たが
ガデスその人と寸分たがわず見事な出来だった。
現在、ガデス舞踊団では主にアドリアン・ガリアがガデスの役を踊り
そのそっくりぶりが話題になったが、ウエルタスはアドリアン以上にガデスだった。

その後、アイーダ・ゴメス舞踊団に客演もしたが、
今は自らの舞踊団での活動が主体。

この5月29日には
新作「flamenc@ バイランド・アル・パサード(過去へ踊る)」を
マドリード郊外トーレロドネスのブルバル劇場で上演する。
ビセンテ・エスクデーロ、
グラン・アントニオ、
アントニオ・ガデス。
フラメンコ舞踊の歴史をつくった三人の男性舞踊家へのオマージュとなるものだという。
二部にはスペイン国立バレエ団出身のエレナ・マルティン、
マティルデ・コラル門下のマルタ・フェルナンデス、
マリア・パヘス舞踊団のホセ・バリオスらも参加している。

なお、同日、やはりマドリード郊外のサン・セバスティアン・デ・ロス・レジェスでは
ADAE (マドリード舞踊・舞台芸術協会)主催の舞踊ガラ公演が開催される。
昨年亡くなった二人のスペイン舞踊家、
民族舞踊教授/振付家のフアンホ・リナーレスと
カスタネットの名手として知られたホセ・ウダエタに捧げられ、
ホアキン・コルテス舞踊団やスペイン国立バレエ団で活躍したマイテ・バホや
ダビ・ペレスらが出演予定だ。

2010年5月23日日曜日

第36回カセレス・フラメンコ祭

22日土曜日、第36回カセレス・フラメンコ祭がはじまった。

カセレスはエストレマドゥーラ地方にある古い町。
中世そのままのような旧市街は世界遺産に登録されている。
この町にはふたつのペーニャがあり、そのどちらもが同じ名前で
フェスティバルを開催しているのでややこしいが、
こちらは ペーニャ・フラメンカ・デ・カセレスの主催。
一昨年、瀧本正信、俵英三らが出演した方は
ペーニャ・アミーゴス・デル・フラメンコ・デ・エストレマドゥーラ主催で秋に行われる。

土曜はカンテにフアン・コラレス、エウヘニオ・カンテーロ、ペドロ・ペラルタ、マリア・アレグレ、ギターにホアキン・モニーニョ、ペリーコ・エル・デ・ラ・パウラと地元アーティストが出演する無料公演だったそう。
がこの5月25日火曜日には新譜「ルイード」をリリースしたホセ・メルセが登場。
地元のニーニョ・デ・ラ・リベラ、ラケル・カンテーロらと共演する。
両親も歌い手というラケルはセビージャ大学院フラメンコ学の同級生。
カセレスのサエタについて 博士論文を執筆中だ。
踊りはマドリード王立舞踊学校で学び、ラファエル・アギラール舞踊団などで活躍し、現在カセレスに住むというカルメン・オサード。アントニオ・ガデス主演の映画「恋は魔術師」にも群舞で出演している。

てなつながりで久しぶりに「恋は魔術師」をDVDでみる 。
ガデスのブラソと完璧なかたち、
グラナダ名物蠅踊り、モスカを踊るおばあちゃんたちのブラソと迫力の腰つきがいい。
洗濯の場でステラ・アラウソとマリア・パヘス発見。
皆若い。。。
1986年の映画だから25年前。
でもガデスの踊りはまったく古さを感じさせない。
たまには見返さなきゃだね、こういうのを。

ちなみに私がパセオに初めて書いた記事はこの映画についてだったような。
あの頃と今ではフラメンコをとりまく環境も、フラメンコ自体も変わっているけど
何より変わったのは自分?。いや体型だけじゃなくて。
でも本当はなんにも変わってないのかもしれない。
フラメンコはフラメンコだもんね。

2010年5月22日土曜日

ベルリン・フィルと共演!

ベルリン・フィルハーモニーといえば世界最高峰のオーケストラ。
その創立記念日である5月1日には毎年、ヨーロッパ各地の代表的な劇場などで
記念コンサート“ヨーロッパコンサート”を開催、
世界各国に中継されている。

今年はオクスフォード大学、 昨年はナポリのサン・カルロ劇場、
一昨年はモスクワ音楽院ホールで行われたこのコンサート、
来年はスペインで開催される。
会場となるのはマドリードのテアトロ・レアル、王立劇場だ。
プログラムはシャブリエ「狂詩曲スペイン」
ホアキン・ロドリーゴ「アランフェス交響曲」
そしてラフマニノフの「交響曲第2番」。
そしてこのアランフェスをパコ・デ・ルシアが弾くというのだ。


パコ・デ・ルシアがアランフェス交響曲を初演したのは1990年。
スペインの本などでは1991年パリ公演が初演としているものもあるが
90年5月15日 東京の今はなき厚生年金会館で演奏したのが初演のはず。
(当時、本人から中南米でプレ公演をしたと聞いた気もするのだがうろ覚え)
オーケストラはテレマン室内管弦楽団で、
指揮はクラシックギタリストのホセ・マリア・ガジャルドだった。

その後、91年2月14日にパリでヨーロッパ初演し
4月25日にマドリード郊外のトーレロドネスで録音したのがこのアルバム。
共演はエドモン・コロメル指揮のカダケス交響楽団 。


アルバムジャケットにあるように作曲者のホアキン・ロドリーゴも訪れ
アンコールで舞台に挨拶に立った。(写真では座っているけどね)
あのときは二日とも行ったけど、パコのご両親やお兄さんたち、
トマティート、セラニート、ケタマの面々なども客席にいたのを覚えている。
オーケストラには日本人のバイオリン奏者(村田穂積さん)もいて
感想きいたら「ステージでタバコをすうのにびっくりしました」
いやあ、あの頃は劇場でもタバコ吸えたんですね。今はだめだけど。
ついこの間のことのようなのに、あれからもう20年。。。。
ロドリーゴも、パコの両親も、長兄ラモンも今はない。


パコは楽譜をよめないという伝説があるが、実は読めるんだそうだ。
でも、 一見で弾けるという具合に
すらすらよめるわけではないので
アランフェスも楽譜で学んだわけではないという。
初演の前後もCDウォークマンでクラシックギタリストによるアランフェスの演奏を聴いていた。
「聴いて覚える方が早いからね」
でもその演奏はクラシックギタリストとは
ひとあじもふたあじもちがったフラメンコなアランフェスだ。
聴いて覚えていたのは曲であって演奏ではない。

目の前に、
スペインの赤い、乾いた大地が浮かんでくるような、
どこか野性的なパコのアランフェス。
力強くリズムをキープして突き進むパコのアランフェスは
私にとってのスペインそのもの。

初演当時、 クラシックギタリストに酷評されたりもしたが、
作曲者ホアキン・ロドリーゴはパコの演奏を気に入っていたのだという。
さもありなん。

2010年5月21日金曜日

カンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバル プログラム発表


今年で50周年を迎える、カンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバル。
そのプログラムが5月20日、マドリードで発表された。

50周年ということで、
イスラエル・ガルバン、エンリケ・モレンテ、ミゲル・ポベーダ、
マノロ・サンルーカル、パコ・デ・ルシアと、
フラメンコの現代を代表するアルティスタをそろえた、
超豪華なプログラム。
このフェスティバルのよびもののコンクールの方も
カンテ、バイレ、ギターの3部門に6カ国、143人が応募。
日本人の応募者もあるようだ。
これから各地での予選が行われ、それを勝ち抜いた者が
フェスティバルでの準決勝、決勝へとのぞむ。
昨年の井上圭子のように準決勝に参加する人がありますように。



第50回カンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバル
83(火)ウニオンの日
84(水)前年度優勝者ガラ公演
[出]〈c〉チュルンバケ・イーホ、〈g〉ホセ・アンドレス・コルテス、〈b〉アナ・モラーレス、〈ピアノ〉ボルハ・エボラ
85(木)「カフェ・デ・チニータス」
[出]〈b〉スペイン国立バレエ団
86(金)[出]〈c〉エンリケ・モレンテ
87(土)[出]〈b〉イスラエル・ガルバン、〈c〉ホセ・メルセ
88(日)[出]〈c〉マイテ・マルティン、〈g〉マノロ・サンルーカル
89(月)「シン・フロンテーラ」
[出]〈c〉ミゲル・ポベーダ
810(火)[出]〈g〉パコ・デ・ルシア
811(水)〜13(金)コンクール準決勝
814(土)コンクール決勝
[問]www.cantedelasminas.org

入場券はこちらで6月1日発売開始。

2010年5月20日木曜日

バスクだって BBKフラメンコ 

フラメンコはアンダルシア生まれ。
だからフラメンコをスペインを代表するアートというと怒る他地方の人もいる、
というけれど、フラメンコを楽しんでいるのはアンダルシアの人たちだけじゃない。

北スペイン、バスクにだってフラメンコ・フェスティバルやシクロ(公演シリーズ)があるし
スペインきってのジャズ祭のひとつ、ビトリア・ジャズ祭にだって
今年もパコ・デ・ルシアが出演するし、
ほかにもホルヘ・パルドなど、毎年のようにフラメンコ関係のアルティスタが出ている。

その中で最も重要な催しにBBKのシクロがある。
BBKはバスク第一の都市、ビルバオの貯蓄銀行(信用金庫みたいなかんじ)で
そこのホールを舞台に、講演と公演をセットに毎年続けているのだ。
ビルバオのペーニャの有志が中心となってはじまったこの催しだが、
BBKは今ではフラメンコCDを後援するまでになっている。
フラメンコとは一見無縁のこの町にも沢山の熱心なフラメンコ・ファンがいて
毎年のフェスティバルを楽しみにしているという。

今年は「フラメンコにおける女性」をテーマに以下の日程で公演の予定。開演は20時。

6/9(水)「舞踊における女性」
[出]〈b〉ロシオ・モリーナ、〈c〉ホセ・アニージョ、〈g〉パコ・クルス、〈palma〉バネサ・コロマ、ポピ、〈講演〉ロサリア・ゴメス
6/15(火)「カンテにおける女性」
[出]〈c〉エスペランサ・フェルナンデス、〈g〉ミゲル・アンヘル・コルテス、〈講師〉マヌエル・クラオ
6/22(火)「永遠のパストーラ」
[出]〈講演〉マヌエル・ボルケス+劇団トゥルデタニア
6/30(水)「ムヘレス」
[出]〈c〉フアナ・ラ・ピパ、トマサ・ラ・マカニータ、ドローレス・アグヘータ、〈g〉もライート、ディエギート・アグヘータ

2010年5月18日火曜日

夏のフェスティバル。。。

アンダルシアの夏の夜を彩る、野外フラメンコ・フェスティバル。
ウエルバからアルメリアまで、アンダルシア8県を中心に、
エストレマドゥーラやムルシア、マドリードなどでも
各地で行われるフラメンコ・フェスティバルは
フラメンコ好きなら一度は訪れてみたいもの。

地元の人といっしょに一杯やりながら観るフラメンコは
劇場で観るフラメンコとはひと味違う。
満艦飾に着飾ったヒターノのファミリーがいるかと思えば
アッパッパーを着て夕涼みにでてきました風のおばちゃん、
バルのカウンターでファンダンゴをうなってる酔っぱらっいのおじさん、
舞台そっちのけで遊びまくるこどもたち…
フラメンコは舞台の上にだけじゃなく
そこここらじゅうに転がっている。

夏の訪れをつげるフラメンコ・フェスティバルは6月スタート。
今年のフェスティバルの情報はまだまだ少ない。

今手元にあるのは、
マラガのアラウリン・デル・トーレのもの。

◆第37回トーレ・デル・カンテ・フラメンコ祭
6/19(土)22時30分
[出]〈c〉ミゲル・ポベーダ、エスペランサ・フェルナンデス、ヘスース・ヒメネス・ガスパール、ルイス・ペルディゲーロ、ミゲル・デ・テナ、サンティ“エル・ネネ”、〈g〉ヘスース・ゲレーロ、ミゲル・アンヘル・コルテス、アントニオ・カセレス、ニーニョ・チャパッロ、フェルナンド・ロドリゲス、ホセ・フアン・パントーハ、〈b〉アントニオ・デ・ベロニカ、サライ・コルテス
[場]マラガ県アラウリン・デル・トーレ

この同じ日にコルドバではノーチェ・ブランカ・デル・フラメンコ
フラメンコの白夜というフェスティバルが開催。
一晩中、コルドバ市のあちこちで公演があるというもの。
こちらには日本人クアドロも出演!予定だ。

ほかにもセビージャ市のフェスティバルなども6月。
こちらのプログラムは6月にはいってからの発表とのこと。


また、7月になるが、老舗フェスティバルも健在。

◆第54回ポタへ・ヒターノ
7/3(土)22時
[出]〈c〉エストレージャ・モレンテ、ピティンゴ、エスペランサ・フェルナンデス、〈b〉アントニオ・“エル・ピパ”
[場]セビージャ県ウトレーラ  サレシアーノ学校 校庭
[問]www.potajegitano.com

経済危機のとばっちりでフラメンコ・フェスティバルも規模縮小や中止の話もきくが
不況のときこそフラメンコでうさをはらしてがんばりたい!

チャンタラムイ、アルゼンチン公演

コルドバ生まれのオルガ・ペリセ
ダニエル・ドーニャ
アルコス生まれのマルコ・フローレス

3つの才能が
マドリードで出会い
「チャンタ・ラ・ムイ」
という作品に花開いた。

フラメンコだけにこだわらず
さまざまなダンスが
音楽があらわれる舞台
ちょっと洒落た、シックな作品だ。

この6月にはアルゼンチン公演を行うという。





6月11日 ロサリオ   プリンシペ・デ・アストゥリアス劇場
6月13日 コルドバ   レアル劇場
6月18日 アスンシオン  フアン・デ・サラサール文化センター

2010年5月16日日曜日

第10回シウダ・デ・マハダホンダ・フラメンコ祭

スペインでフラメンコ公演が多く行われているのは
セビージャ? それともマドリード?
首都マドリードでは、スーマ・フラメンカや
カハ・マドリード・フラメンコ祭、
ベラーノ・デ・ビジャでのフラメンコ公演、
などけっこう多くのフラメンコ公演が行われている。
フエンラブラダやトレロドネスなど
郊外のベッドタウンでのフェスティバルも数多い。


首都マドリード北西の住宅街、マハダオンダでも
この5月、10周年を迎えるフェスティバルが行われる。
フェスティバルといっても1日でおわる形式ではなく、
一日一人のアーティストが登場し、複数日行われるタイプ。


カルメン・コンデ文化センターを舞台にこれまで
エンリケ・モレンテ、カルメン・リナーレス、アントニオ・カナーレス
らも出演してきたこのフェスティバル、
10周年の今年は
5月8日に昨年ウニオンのコンクールで優勝したチュルンバケ・イーホ、
15日にホセ・デ・ラ・トマサ、
29日にラファエル・カンパージョのグループが登場する。

2010年5月15日土曜日

映画とフラメンコenセビージャ

フラメンコの映画、というと
カルロス・サウラを思い浮かべるのでは?
アントニオ・ガデスとの「血の婚礼」「カルメン」「恋は魔術師」
音楽映画シリーズのさきがけとなった「セビジャーナス」「フラメンコ」
アイーダ・ゴメスの「サロメ」、「イベリア」…
これら名作に導かれ、フラメンコの世界に足をふみいれた人も多いことでしょう。
かくいう私もその一人。


でもフラメンコ映画は決して彼の専売特許ではありません。
昔むかし、パストーラ・インペリオとカルメン・アマジャが共演した
「マリア・デ・ラ・オ」や
アンへリージョとカルメン・アマジャの「ドン・フアン・シモンの娘」
など1930年代の白黒映画もあるし、
グラン・アントニオ、ピラール・ロペスらが出演した「フラメンコの神秘と魔性」など、
その後もいろいろな映画がつくられてきた。

その伝統は今に続き。。。
というわけで、現在でもフラメンコをテーマやモチーフにした、
もしくはフラメンコを取り入れた、映画というのは作られ続けているのであります。
5月末から毎週火曜日にそんな映画/ビデオの新作たちが
セビージャのセントラル劇場で無料で上映されます。

5月25日「ティエンポ・デ・レジェンダ」
6月1日「フローレス・エル・ガディターノ」
6月8日「ラ・ソンブラ・デ・ラス・クエルダス」
6月15日「ロンペ・エル・ディア」
最後の(2008年)をのぞいてすべて昨年製作されたもの。
さてどんな映画なのでしょうか

2010年5月14日金曜日

アデラ・カンパージョ!

セビージャの木曜はフエベス・フラメンコス。
カハソル文化センター、ホアキン・トゥリーナ・ホールで行われる
フラメンコ公演シリーズ、5月13日の登場はアデラ・カンパージョ。
兄ラファエルとの共演などですでにこの舞台には立っていたが
セビージャでは初の、独り立ち公演。
タイトルは「オリソンテ」


幕開き。うすらあかりの中にほんのりと浮かび上がる、その姿の美しさ。
弧を描く腕がゆっくり動き出す。オレ!
黒い、膝丈のスカートで踊るのはガレーラ。
歌い手レブリハーノが名作「ペルセクシオン」で歌っていたこの曲を
昔からずっと踊ってみたかった、というアデラ。
ハビエル・リベラ、エル・ガジ、ヘロモ・セグーラという若手たちが
歌い継いでいくこの曲のコンパスに、メロディに
完璧にシンクロした動きで、 凛として踊ってみせた。
見事! のひとこと。

やはり膝丈のワンピースで の
マリア・モレーノ、シルビア・デ・ラ・パスの二人の短い一曲のあと
フアン・ホセ・アマドールが登場。
登場しただけで拍手がおこる数少ない歌い手の一人だ。
朗々とうたいあげるセラーナを、
さざ波のような細かなフリルのついた青いバタ・デ・コーラで踊るアデラ。
絵に描いたような美しさだ。


アデラはムイ・フラメンカなバイラオーラ。
テンペラメントとエレガンシア。
激しさと優雅さが同居する。
マヌエラ・カラスコのような激しさと
メルチェ・エスメラルダのような優美なやさしさ
セビージャのふたつの個性をあわせもつ踊り手だ。

マリアとシルビアのタンゴ(バンベーラ、レバンティーカ、ソレアアポラがタンゴのリズムで歌われるこったもの)に続き、最後はソレア。

フアン・ホセの熱唱にこたえるように踊りも熱をおび
思わず、オレ!がでてしまう。
姿の美しさ、なかでも手のかたちの美しさは特筆ものだ。
 92年、「エル・フラメンコ」出演中に知り合って以来、
長年彼女の舞台をみているが、
これまでで文句なく 最高の踊りをみせてくれた。

数年前交通事故にあった。
まもなく踊り始めたアデラだが、
段々腕が上がらなくなり、体がしびれるよ うになる。
自分の体に何がおこっているのかわからないまま
仕事を続ける日々。公演先にいっても不安な日々がすぎた。

 つてをたどって出会った医師の診断の結果は
実は事故の影響で、頸椎が神経を圧迫していたのだった。
手術の結果、完治し、まもなく舞台に復帰したが、
このことが彼女を変えた。
間もなく母になり、その「すばらしい経験」もあっ て
彼女の踊りはより深みをました。

以前、この同じ劇場の舞台に立ったときはまだ本調子ではなかった、
と いうアデラが、初めてのリーダーとしてのセビージャ公演にかける意気込み、
やる気がまっすぐ伝わってきた、そんな舞台。

もうひとつの作品「5月7日」(愛息の誕生日)もぜひ観てみたい。

2010年5月13日木曜日

マドリード春の秋祭り ロシオ・モリーナ

タイトルで、え? とお思いでしょうが
間違いではありませぬ。
マドリードで25年にわたって行われていた秋のフェスティバル
それが今年から春の開催となり、
春の秋のフェスティバル、というタイトルで行われているのです。

芝居やダンス、コンサートと盛りだくさんの内容。
もちろんフラメンコも!

今いちばん熱いバイラオーラ、ロシオ・モリーナが
新作「クアンド・ラス・ピエドラス・ブエラン」(石が飛ぶとき)で
登場します。
セビージャでもビエナルで19日に公演予定の作品です。

公演は5月27日から30日まで、カナル劇場で。
出演は歌にロサリオ“トレメンディータ”、ヘマ・カバジェーロの若手カンタオーラ、
パルマにラウラ・ゴンサレスとバネッサ・コロマ、
ギターにパコ・クルスとカーノ。

入場券はこちらで。16〜22ユーロとお手頃な価格なのは
マドリード共同体の主催だから。
うーん、観に行きたいなあ

ちなみに公的機関が関わっていない公演だと…

元サラ・バラス舞踊団のバイラオーラ、セシリア・ゴメスの舞踊団は
アルバ公爵夫人の人生を描いた「カジェタナ、ス・パシオン」を
マドリードのロペ・デ・ベガ劇場で6月に公演。
こちらは20〜40ユーロ。

7月1日から4日までのラファエル・アマルゴ
新作「プリンセサス・デル・フラメンコ」公演は25〜53ユーロ。

6月29、30日にマドリードで公演するパコ・デ・ルシアは
35〜70ユーロでございます。これは市主催なんだけどなあ。。。

2010年5月12日水曜日

メルチョーラ・オルテガとダビ・ラゴス

セビージャの火曜日はフラメンコ・ビエネ・デル・スール。
アンダルシア州主催のフラメンコ公演シリーズだ。
毎年ベテランから若手まで、カンテ、ギター、バイレと
バラエティにとんだプログラムで公演が行われている。
最初はセビージャだけだったが、今ではアンダルシア8県に広がった。

11日はメルチョーラ・オルテガとダビ・ラゴス夫妻のリサイタル。
え、名字が違うじゃないかって?
スペインでは夫婦別姓なんです。
子供は父と母の名字をひとつづつもらうのであります。
太郎鈴木さんと花子山田さんのこども、
一郎さんは、一郎鈴木山田ってなるわけです。
と、余談はともかく。

開幕は二人のトナ。
朗々とうたいあげるメルチョーラ
かすれた声に味わいのあるダビ。
二人のカンテが会話のようにからみあうオープニングだったが
このあとは二人別々のリサイタル。
まずはダビが兄アルフレドのギターで登場。
エル・セビジャーノに捧げた曲にはじまり、
マラゲーニャ、カンティーニャ、そしてブレリア。
続くメルチョーラは裸足で登場。サンティアゴ・ララのギターで
タンゴ、シギリージャ、ファンダンゴ、そしてブレリア。
最後は二人でソレア・ポル・ブレリアを。
ダビの実力のほどはいうまでもないだろう。
舞踊伴唱が多いが、じゅうぶんにソロでいける実力派だ。
メルチョーラは明るくあけっぴろげな性格をうかがわせる歌いっぷり。
ダビに劣らぬほどのアフィシオンを感じさせる。

二人の公演は12月、カハソルのフエベス・フラメンコスでも行われる予定。
その前にはビエナルでダビのソロ公演もある。

ふだん舞踊の影にかくれがちな才能を味わい尽くすチャンスだろう。


写真は新譜発表会時のもの

2010年5月11日火曜日

ベレン・マジャ「ラ・ボス・デ・ス・アモ」

13日木曜日から16日日曜日まで、
セビージャの小劇場ラ・フンディシオン
ベレン・マジャ「ラ・ボス・デ・ス・アモ」を公演する。
フラメンコ公演には珍しい、4公演連続。

タイトルは英語でいうなら、ヒズ・マスターズ・ボイス、主人の声。
ビクターの蓄音機の前で耳をかしげているわんちゃんのコピーです。
2007年に初演された作品で、
出演はベレンのほかに
バルセロナでコンテンポラリーを学んだフアン・カルロス・レリダ、
俳優で演出家のダビ・モンテーロ。
芝居仕立てのフラメンコ?
そうともいえるかもしれない
が演劇的要素とフラメンコが微妙な色彩でまじりあった
不思議な作品、
だったという印象がある。


ベレンというと、多くの人がおもいおこすのは
映画「フラメンコ」だろう。
グリーンの衣装で、メトロノームのような機械音で踊っていた彼女は
そのほかのどの踊り手とも違う、独特のスタイル。
フラメンコにコンテポラリーの風を持ち込んだ一人とも目される。
フリルの少ないすっきりした衣装の流行のさきがけの一人でもある。
いっときはモデルノ派の筆頭にようにもいわれていたけど
気がつくと伝統のバタ・デ・コーラをきっちりこなす。
エレクトリックミュージックで踊ったかと思うと、
シンプルなフラメンコをまっすぐ踊る。
そのときどきでまったく違う顔をみせるアルティスタだ。

でも、それは奇をてらったり、
闇雲に人とちがうことをしようとしたわけではなく、
ベレンがそのときどきでしたいことをしてきただけだと思う。
あくまで自然体。
そこがまたフラメンコなんだね。

2010年5月10日月曜日

ラ・ウニオン、今年のポスター


今年で第50回を迎える、カンテ・デ・ラス・ミーナス祭
毎年ムルシアの小さな町、ラ・ウニオンで開催されるこのフェスティバルは
スペインでも有数の大掛かりなもの。
カンテ、ギター、バイレのコンクールからは
今をときめくミゲル・ポベーダなど、たくさんの才能が育っている。

50周年記念を飾る今年のフェスティバルのポスターがご覧の写真の右のもの。
毎年、現代美術のアーティストに依頼しており、
今年はマルティン・チリノの手によるもの。
風の渦を描いた、というが、日本人にとっては
。。。蚊取り線香。。。ですよね。。。

フェスティバルは8月。
コンクール決勝は8月14日です。

2010年5月9日日曜日

パコ・デ・ルシア


今日、バークリー大学で名誉博士号を授与されるパコ・デ・ルシア
そのインタビューがスペインの日刊紙に掲載されていた。


ギターを止めようと思ったことも何度もある。
それでも舞台のドゥエンデに導かれ、戻っていくのだというパコ。


パコのおかげでどれだけたくさんの人がフラメンコに出会い、
フラメンコを楽しんだことだろうか。
アメリカまで授賞式にでかけていったのもフラメンコへの責任感ゆえ。
フラメンコを背負った天才はそうして人生をすごしてきた。63歳。


「20歳の頃は早く50歳になりたかった。
やってることを楽しめると思ったからね。
でも今の方がひどいよ」

人生、みんなたいへんなんだ


し残したことはある?
「うーん、全部だね。人生でやってきたのはギターを弾くことだけ。
さびしい人生だ、そうだろ」

2010年5月7日金曜日

ヘレスのフラメンコ・シティ

いやいや、ヘレスはフラメンコの町、でありますが。。。

この町に、シウダ・デル・フラメンコ、すなわちフラメンコの町、という名前の
フラメンコ・センターをつくる、
という話がでたのはもう数年前のこと。
設計のコンペをしてスイス人の作品が優勝し
つくりはじめた。。。。はずだったんだけど、
基礎をつくる前の段階で予算不足で挫折。

が、これにこのたび、国からも補助金300万ユーロがでることになって
めでたく工事再開の運び。らしい。
ちなみに場所はわりとセントロ、中心地であります。

予定では舞台あり、博物館あり、らしいけど、
これからもまだまだ二転、三転あるのかな。

2010年5月5日水曜日

梶山彩紗と高木亮太en Triana

昨日はうちから1分
ベティス通り20番のT de Trianaというお店で
梶山彩紗と高木亮太
みてきました。

ここは普通のバルなんだけど火曜と木曜の22時すぎに
無料でフラメンコのショーがある。
私は初めてだったけど

いやまあ、
無料ということもあってか
イタリア、ドイツ、イギリス、アメリカ…
外国人語学留学生で満員御礼。
飲み物すら頼まずに前にたちはだかる若者の頭をさけつつ
必死でみたのでありました。
あんまよく見えなかったので批評はお預け。
あ、もちろん
レベルクリアでございますが、
細かいところはよくみられなかったのであります。


でもオープニングの
セビジャーナスでのプレゼンテーション


1番を二人で、2番、3番はそれぞれソロで踊り、最後また二人で、
という構成はなかなか。
セビジャーナスも馬鹿にできませんぞ、
っていうくらいにフラメンコでありました。
決まったコンパス、
決まった寸法の中で
どれだけ自由に自分をだすか、
ということで
けっこうその人のフラメンコ観や
テクニック、センスがみえてくるような気も。


続くは
高木のソレア
なんか
大人っぽくなったね。

そして
休憩をはさんでの
梶山のアレグリアス
ふだんはあどけない感じの彼女が
舞台用に化粧するとぐっと貫禄がでる。。。
それって彼女が中にもっているものなんだろうな。


しかしほんとにうるさい観客で
こんなところで踊れるならもうなにもこわくない、
ってくらい。

はい、私的にはもう一度落ち着いたところでみてみたいです。

2010年5月4日火曜日

エバ・ジェルバブエナにプレミオ・マックス

スペインの舞台芸術のアカデミー賞的存在、プレミオ・マックス
その今年度の受賞者が昨日発表されたが
エバ・ジェルバブエナが「ジュビア」で
今年度の最優秀舞踊作品賞と最優秀女性舞踊家賞の二部門で受賞。

彼女はすでに
2005年「カル・イ・カント」最優秀女性舞踊家賞、最優秀振付け賞、最優秀作品賞、
2006年「ア・クアトロ・ボセス」最優秀女性舞踊家賞
2008年「サント・イ・セーニャ」最優秀女性舞踊家賞、最優秀振付け賞、
を受賞している、この賞の常連。

ちなみに最優秀男性舞踊家賞はスペイン国立バレエ団出身のアントニオ・ナハッロが受賞。
日本では彼自身の舞踊というよりも
フィギュアスケートのランピエールにスペイン舞踊を指導したことで有名だけど
自分のカンパニーで「タンゴ・フラメンコ」などの作品を発表。
今回の受賞もマドリードで上演された「ジャジング・フラメンコ」が評価されてのこと。
ちなみにほかの二人の候補者もマヌエル・リニャン、ダニエル・ドーニャとフラメンコ系。
やっぱりスペイン、フラメンコが舞踊の主流。
あ、今回の作品賞を受賞したのはコンテンポラリーのソル・ピコ。
はい、スペイン、コンテンポラリーもがんばってます。
でも、このソル・ピコ、イスラエル・ガルバンとも共演している。
うん、コンテンポラリーでもフラメンコは無視できない存在なのだよ、スペインでは。

2010年5月3日月曜日

フェスティバル・フラメンコ・アーツ&トラディション


まだ先の、それもアメリカの話ですが、
6月15日火曜日20時から、
カリフォルニア大学バークレー校キャンパスにある
ZELLERBACH HALLで
マヌエラ・カラスコの公演が行われます。

クイーン・オブ・ジプシー・フラメンコ・ダンス
ジプシーフラメンコ舞踊の女王

というキャッチコピーはちょっとべただけど
でもそうだよね。
フラメンコの女王といわれるだけの
実力と風格とキャリアを
この人ほどに感じさせる人はいないかも。

ラファエル・デ・カルメン、トロンボと
熱いバイラオールたちをしたがえて
アメリカでもエネルギーを爆発させてくれることでしょう。
 
舞台のマヌエラは怖いくらいの存在感で私たちを圧倒するけれど
舞台を降りてもあの存在感、オーラがある人、
なんだけど、実は見た目ほど怖い人ではぜんぜんない。
トリアーナの町でときおりみかける彼女はたいてい
ふだんからスーツとかでばりっときめて
きりっと胸を張って
角のカフェに座っていたりする。

ある日、私の知り合いの日本人がセビージャの町でマヌエラに出会った。

「マヌエラ・カラスコさんですよね?」
おそるおそる尋ねた。
「ええ」
と答えた“生”マヌエラを目の前にして
「私、あなたのバイレが大好きなんです」
と、言いながら彼女は感激のあまり泣き出してしまった。
すると
「ありがとう」
といいながら当のマヌエラも泣き出してしまったという。
それほど感受性の豊かなマヌエラだから
あのエネルギッシュで情熱にあふれたバイレを踊るのだろう。
悲しみも喜びも、そのときの気持ちをめいっぱい生きる。
それってすごくフラメンコだ。

2010年5月1日土曜日

屋良・里・高木/セビージャの日本人舞踊家たち

いやーびっくりしました。
魅せてくれました。

4月29日22時セビージャ カフェ・ソル。
バルの奥に小さな舞台のあるこの店で踊った3人。

屋良有子

里有光子

高木亮太


いずれもすでにマルワのコンクールなどに入賞している彼らだから
留学生というのもおかしいかもしれないが、
実際、今はセビージャでスタジオに通うなどして学んでいる3人。
伴奏は歌がイバン・カルピオ、ギターがフアン・デ・クレメンテ。
店は時折、若手や留学生が公演するところで
留学生、練習生たちで満員。熱気がうずまいている。

オープニングはグアヒーラ。
里が踊り始めたかと思うとそこに屋良がからみ最後は高木も入るという
こった構成のプレセンテーション。
そして高木のソロはティエントス。

やっぱ流行なんでしょうか。ずーっと観てないと思ったらこれだけ続くなんて。
が、このティエントスがめちゃくちゃよかった。
ティエントの部分がけっこう長いのだが、あのねっとりからみつくようなリズムを
しっかり身体にとりいれて、男性らしい力強さと重みも感じさせる、
気合いの入ったティエントスだった。
欠点といえば、回転で軸がずれてしまうことがあることだろうか。
でもグラシアもあるし、いやー、なかなか面白い存在になりそう。

これで1部が終わり、休憩をはさんでの2部は
里のソレア。端正なソレアである。

黒のシンプルな衣装で踊る彼女はもともと姿の美しい人だが動きも美しい。
きっちりつくって、いい意味でそつなく踊る。
いやあ、今の若い人はみんなうまいなあ。。。と感嘆。
肩が前に出がちになることだけ少し気になったけど、
これって日本人のほとんどにおこることだよね。
ってか、日本人は骨格的に肩が前についてるし、
足やるとき前屈みになりがちなのも普通におこりうるわけで。
でもそこを意識して胸開くようにするとさらにきれいに、
フラメンコにみえる、と私は思うのであります。

最後は屋良のシギリージャ。これがまたすごかった。

もともと大きな目で、目力のある人だが
それに加えてそのテンペラメント!
彼女の中にある激情がずんずんと尋常でない集中力で
ぐんぐん観客をひきこんでいく。
いやあ、魅せます。


参りました。
先日日本で観た松彩果さんといい、
日本の若手、すごいことになっていますね。
今頃、何いってんですか、と怒られそうだけど、セビージャでは
そんなにたくさんみることできないのですよ。
今度はぜひもっと大きなところでほかの曲も観てみたい。