2013年4月29日月曜日

スペインの舞踊の今日

4月29日はユネスコ制定の
国際舞踊デー

それを記念した、
スペインの舞踊の今日
というこのビデオ
フランス、パリでの催しのためのもので
フランス語です。


スペイン国立ダンスカンパニーと
スペイン国立バレエをはじめ
クラシックバレエ、フラメンコ、コンテンポラリーと
ジャンルを問わず
プライベートのダンスカンパニーの
ビデオで構成されています。



スペインのダンスはフラメンコばかりじゃないんだよね。
とはいっても
国立ダンスカンパニーは
プリンシパルが日本人だったり
メンバーにも韓国、イタリア、キューバ等
外国人がとても多い。
スペイン舞踊のバレエ団の国立は
スペイン人ばかりなのと対照的。

 世界で活躍する
すごいダンサーも生まれてはいるのだけど
カンパニーとして世界にはばたいていくのはなかなか難しい。

コンテンポラリーでも
いろいろ面白いカンパニーがあるんだけど
それでもやっぱりスペインの舞踊として
世界をまたにかけているのは
スペイン舞踊とフラメンコなのであります。

2013年4月28日日曜日

コルドバ、ビアナ宮殿でのフラメンコ

12の中庭をもつ
500年の歴史をもつ貴族の館ビアナ宮殿。
つい十数年前まで実際に住居としてつかわれていたため
あまり知られていないが、
昨年一般公開された、
静かで美しい,新たな名所だ。
ここを舞台にフラメンコ公演が行われる。



◆ビアナ宮殿フラメンコの夜
5/3(金)22時「デ・ウナ・ピエサ」
[出]〈b〉オルガ・ペリセ、〈c〉ミゲル・オルテガ、ミゲル・レビ、〈g〉アントニア・ヒメネス
5/10(金)22時「トリスケル・フラメンコ」
[出]〈b〉マヌエル・リニャン、〈c〉アントニオ・カンポス、〈おおっっっhpiano〉パブロ・スアレス
6/7(金)22時「バイレ・デ・パラブラ」
[出]〈b〉メルセデス・ルイス,〈c〉ダビ・ラゴス、〈g〉サンティアゴ・ララ
6/21(金)22時「インテルアクシオン」
[出]〈piano〉ドランテス,〈b〉ウルスラ・ロペス、〈perc〉ハビエル・ルイバル・イーホ
[場]コルドバ ビアナ宮殿 柱のパティオ
[料]15ユーロ
[問]http://www.palaciodeviana.org

2013年4月27日土曜日

イスラエル・ガルバンのマスタークラス

スペインの著作権者協会と
著作権者財団の共催で
スペイン各地で
5月、イスラエル・ガルバンのマスタークラスが開催される。
対象は振付家及び上級の舞踊学生。
著作権者財団のホームページで申し込み
受講生に選ばれた者には連絡がいくシステム。
受講料は40ユーロ.
著作権者協会会員や学生には割引がある。

4時間のクラスで
テクニカ、シギリージャ、ソレア・ポル・ブレリア、ブレリアを学ぶ。

日程は以下の通り。

5月8日(水)セビージャ
5月9日(木)バルセロナ
5月10日(金)バレンシア
5月11日(土)マドリード
5月8日(水)サラゴサ

2013年4月26日金曜日

エバ・ジェルバブエナの聖女たち


中庭の真ん中にある噴水を中心に十字に伸びた舞台。
南はしにはフラメンコギターとドラムセット、
北のはしには チェンバロが。

スルバランが描いた聖女たちに
想を得たスペインを代表するファッションデザイナーたちの衣装が
フラメンコとバロック音楽に舞う。

主役は衣装
エバの振り付けはその彩り。
舞踊の舞台というよりも
ファッションショーのようだ。
フラメンコを期待して 行ったらがっかりするだろう。
音楽の中心はセビージャバロック楽団
衣装も音楽も美しい。
これは舞台よりも映像でみたかったかも
などと思い始めた後半。

天使に包帯をまかれたサンタ・アグエダ、
ヘマ・モラード、のカスタネットが
アントニオ・コロネルのパーカッションと響きあう。
サンタ・アポロニア、ウルスラ・ロペスはボレーラで
サンタ・イサベル・デ・トゥリンヒア、
タマラ・ロペスのトゥシューズで
バロックの調べをマルカールしていく。
聖女たちの受難と法悦がうかびあがるようだ。

4人の聖女たちのファルーカ。
そして最後に登場したサンタ・カシルダ、
エバ。
ゆっくりゆっくりしたその動きが
空気を動かす。
指先が、目線が語る。
かたちの美しさ。
その彼女にふりかかる
ホセ・バレンシア渾身のサエタ。
定番ソレアをしのぐとも思われるほど
深い深い表現、フラメンコを感じさせる。
  

このセビージャ市のビデオでは
音楽と映像がシンクロしていないし
ロペス姉妹の舞踊の粋もないのが残念だが
片鱗は感じていただけよう。



なお展覧会は5月3日から7月20日まで。
入場券はこちら
ロンドンのナショナルギャラリーをはじめ
マドリードのプラドやビルバオ、マラガ、オビエドなど
各地から集められたスルバランの聖女たちの絵画と
それにインスパイアされた現代のデザイナーたちによるファッション、
すなわちこの舞台の衣装の数々が展示される。

2013年4月25日木曜日

マヌエル・マイレーナ逝く

今日の明け方セビージャで
歌い手のマヌエル・マイレーナが亡くなったそうです。
ご冥福を祈ります。

アントニオ・マイレーナの弟。
1934年マイレーナに生まれ、こどものときから
サエタを得意とし13歳でラジオのコンクールで賞を獲得。
エンリケ・エル・コホのアカデミアや
マヌエラ・バルガスなど踊りの伴唱を得意としていました。
ファルーコにも歌ったこともあります。
フェスティバルやペーニャで
マイレーナ家の一員としてのカンテで活躍するようになっても
サエタの名手として知られ
92年のビエナル閉幕公演で歌った
サエタも今まだ印象に残っています。

クルスカンポ財団の
コンパス・デル・カンテ賞の
第1回受賞者でもあります。




明日生まれ故郷マイレーナ・デ・アルコールの墓地に葬られるそうです。

2013年4月24日水曜日

スペイン国立バレエのダンサーたちの創作

今年2月、久しぶりの日本公演で
センセーションをまきおこしたスペイン国立バレエ団
そのダンサーたち自身による振り付けを見せるイベント
「ロス・バイラリネス・デル・BNEクレアン!」
が4月27、28日の両日、19時から
マドリードの国立バレエ団本拠地で行われる。
これは国際舞踊の日を祝うもので

今回その振り付けを披露するのは
第一舞踊手の
マリアーノ・ベルナル、
エドゥアルド・マルティネス、
群舞の
ピラール・アルテセロス、
アンヘル・ロドリゲスの4人。

招待券はメールで申し込みだが
残念ながらもう満員になってしまったようだ。

2013年4月23日火曜日

ペーニャ“トーレス・マカレーナ”5月のプログラム



セビージャで最もイベントが多い、老舗ペーニャ
トーレス・マカレーナ。
文字通りマカレーナ地区のアーチの近くにあり
日本のテレビでも何度も取り上げられている。

そのペーニャの5月のプログラムは以下の通り。
なおたいてい上演時間はたいてい遅れるのでそのつもりで。


5/1(水)21時30分
[出] 〈b〉メメ・メンヒバル、〈c〉フアン・レリダ、ミゲル・エル・ピクオ、〈g〉フアン・ホセ・アマドール
5/8(水)21時30分
[出] 〈b〉ゴンサロ・キンテーロ、〈c〉インマ・リベロ、ヘスース・フローレス、〈g〉フアン・トーレス
5/15(水)21時30分
[出] 〈b〉マリア“ラ・グラナイーナ”、〈c〉ギジェルモ・マンサノ、ホセ・メンデス、〈g〉エウヘニオ・イグレシアス
5/22(水)21時30分
[出] 〈b〉マリア・カスティージョ、〈c〉フアン・レイナ、〈g〉マヌエル“エル・パティ”
[場]セビージャ ペーニャ・トーレス・マカレーナ
[問]http://www.torresmacarena.com/

2013年4月21日日曜日

カルメン・アマジャへのオマージュ

今年はカルメン・アマジャの没後50周年。


4月24日から5月5日まで
マドリードのヌエボ・アポロ劇場で
カルメン・アマジャへのオマージュ
「デ・カルメン」が上演される。
振り付けはマリア・ロビラ。
カタルーニャ出身の舞踊家で
トランシット・ダンサというカンパニーを85年設立し
98年には文化省のプレミオ・ナショナルを受賞。
もともとコンテンポラリーの人だが
今回の舞台はコンテンポラリーとフラメンコが混在する。
なお音楽は日本でもおなじみのチクエロが担当。

ビデオはこちら


入場券はこちらから

2013年4月15日月曜日

ホセ・メルセがアストゥリアス皇太子賞候補に

歌い手、ホセ・メルセが
アストゥリアス皇太子賞候補にあがっているとのニュース。

アストゥリアス皇太子とはスペインの皇太子のこと。
アストゥリアスがスペインで唯一、
イスラムの支配下にならなかった地方であることもあり、
その名が橙の皇太子の名前に使われるんだそうな。

この賞はアストゥリアス皇太子財団が主宰し
1980年からはじまり、
社会科学や芸術、文学など
8部門の功労者におくられる。

日本人でも
フクシマ50(2011 年平和部門)
任天堂の宮本専務(2012年コミュニケーションとヒューマニズム)
などが受賞している。

フラメンコでは2004年にパコ・デ・ルシアが受賞したのが唯一。
なおそのときヘレスのビジャマルタ劇場が先頭にたって
フラメンコそのものを受賞させようと推薦していたというのは知る人ぞ知る話か。


そういえば皇太子の結婚式に招待された唯一のヒターノだった(?)メルセ。
フラメンコ二人目の受賞となるか?

2013年4月14日日曜日

ビルバオのフラメンコ

フラメンコはスペイン南部の生まれ。
故郷アンダルシアのセビージャやヘレス、グラナダではもちろん、
首都マドリードやバルセロナでも
フラメンコ公演は沢山行われている。
が、そのほかの地域ではそれほど多くない。
北部の大都市ビルバオもそうだった。
1年に数回の公演しか行われていなかったのだが
アフィシオナードたちが動き
地元の銀行にはたらきかけはじまったのが
この公演シリーズ。
今年は生誕百周年を迎えたカルメン・アマジャにちなんだ
公演が行われる。
アンダルシアでもなかなかない、
通好みのプログラムだ。


◆BBKフラメンコ公演シリーズ
5/7( 火)20時「ア・ピアノ・アビエルト」
[出]〈piano〉ドランテス、〈c〉へスース・メンデス、〈b〉パストーラ・ガルバン、〈base〉 フランシス・ポセ、〈perc〉ハビ・ルイバル
5/15(水)20時「コルドバ・フラメンカ」
[出]〈c〉エル・ペレ、〈g〉アントニオ・パトロシニオ、〈講演〉ファウスティーノ・ヌーニェス
5/29(水)20時時「エル・バイレ・イ・スス・コンプレメント」
[出]〈b〉コンチャ・ハレーニョ、〈c〉パコ・デル・ポソ、〈g〉カーノ、〈perc〉バンドレーロ、〈palmas〉タマル・ゴンサレス、〈講演〉フアン・ベルヒージョ
6/12(水)20時「フラメンコ&シェリー・エクスペリエンス」
[出]〈c〉マヌエル・モネオ、〈g〉バルジート、〈講演〉ホセ・マリア・カスターニョ、アントニオ・フローレス
6/26(水)20時「カルメン・アマジャ。ウン・シグロ・イ・ウン・ディア・デ・バイレ」
[出]〈b〉メルセデス・ルイス、〈c〉ダビ・ラゴス、〈g〉サンティアゴ・ララ、〈講演〉マヌエル・クラオ
[場]ビルバオ BBKホール
[問]www.salabbk.es

2013年4月13日土曜日

ヘレス夏のクルシージョ3 マリア・デル・マル・モレーノ

ヘレスのバイラオーラ、
マリア・デル・マル・モレーノの夏のクラス。




◆第8回ヘレス・プーロ夏のフラメンコ国際コース
8/5(月)〜10(土)
[教]〈b〉マリア・デル・マル・モレーノ
[内容]セラーナ(180ユーロ)、ブレリア(150ユーロ)
8/12(月)〜17(土)
[内容]ソレア(180ユーロ)、タンゴス(150ユーロ)
◆第1回ヘレス・プーロ フェイスタ・デ・ブレリアのクラス
9/2(月)〜7(土)11時〜13時30分
[教]〈b〉マリア・デル・マル・モレーノ、〈c〉アントニオ・マレーナ、〈g〉サンティアゴ・モレーノ
[内容]ヘレスのブレリア
[料]220ユーロ

2013年4月12日金曜日

ラ・チョニenマドリ

セビージャ出身、
バイラオーラ、ラ・チョニの作品、
ラ・グロリア・デ・ミ・マレ。

3年前のビエナルで初演された、
バイラオーラとその母を描いた
フラメンコ芝居。
初演後も各地で公演し
5月にはマドリードのカルデロン劇場での1週間の公演が決定。

お母さん役の喜劇俳優と
バイラオーラのチョニ、
そしてカンテにギター。
4人きりで大舞台に挑みます。







◆ラ・グロリア・デ・ミ・マレ
5/21(火)〜26(日)
[出]〈b〉ラ・チョニ、〈c〉アリシア・アクーニャ、〈g〉ラウル・カンティサノ
[場]マドリード カルデロン劇場
[問]www.teatrocalderon.com

2013年4月11日木曜日

モネータ ロンダ公演


グラナダ出身バイラオーラ、
ラ・モネータがロンダの市立劇場で公演。
ロンダの劇場は観光名所、プエンテ・ヌエボのすぐそば、
闘牛場のむかいの公園の中。
観光してついでにフラメンコというのも悪くない。



◆ラ・モネータ「エストレモ・ホンド」
4/19(金)21時
[出]〈b〉ラ・モネータ
[場]マラガ県ロンダ 市立ビセンテ・エスピネル劇場
[料]12ユーロ(前売り10ユーロ)

2013年4月10日水曜日

コルドバ・ギター祭フラメンコ公演

毎年7月恒例コルドバのギター祭
今年で第33回という老舗フェスティバルには
クラシックやジャズ、そしてフラメンコ、ポップロックなど
さまざまな分野のギタリストたちが出演する。

そのフラメンコのプログラムが発表になった。

フラメンコでは
このフェスティバルの創設者であるイギリス在住のパコ・ペーニャをはじめ
トマティート、
そしてカンテのアルカンヘル、
バイレのジェルバブエナ
堂々たる面々が並ぶ。




◆コルドバ・ギター祭フラメンコ公演
7/4(木)21時「キメラス」
[出]〈g〉パコ・ペーニャ
7/8(月)21時「ソイ・フラメンコ」
[出]〈g〉トマティート
7/11(木)21時「メスティサス」
[出]〈c〉アルカンヘル、アカデミア・デル・ピアッチェ
[場]コルドバ グラン・テアトロ
7/6(土)23時「フェデリコ・セグン・ロルカ」
[出]〈b〉エバ・ジェルバブエナ舞踊団
[場]コルドバ アセルキア野外劇場
[問]www.guitarracordoba.org

2013年4月9日火曜日

ランカピーノに捧げる/ビデオ追加

ミゲル・ポベーダとアルカンヘル
フラメンコの今を体現する二人が
掛け合いで歌うソレア!
ペペ・マルチェーナのような、
高音を見事にまわして
彩っていく至福の瞬間。

ビデオはこちら

いやあいいものを見せて頂きました。



4月8日月曜日
セビージャのロペ・デ・ベガ劇場
ランカピーノに捧げる公演。

ミゲル・ポベーダが企画制作し
ヘスース・メンデスは義母が亡くなり欠席したものの
フアン・ビジャールをはじめ
ランカピーノ・イーホ、
アルカンヘル、
アントニオ・レジェス,キコ・ペーニャと
実力派が顔をそろえ
劇場は満員御礼。

今年18歳のキコ・ペーニャのティエント、ブレリアで幕をあけ、
続くチクラナ出身でランカピーノと同郷の
アントニオ・レジェスがタンゴ、ブレリア、ファンダンゴ。
アントニオはユニークな個性を持った若手カンタオール。
タンゴもブレリアもゆっくりとしたリズムで。
いわゆる“カマロン風”の歌い手ではないのに
カマロンの声のテクスチャーをもっていて
はっとさせられる。


アルカンヘルはミゲル・アンヘル・コルテスの伴奏で
シギリージャ、ファンダンゴ。
かなり高い音程で

そして冒頭のミゲル・ポベーダと二人でのソレア。
カンテボニート新時代。

ミゲルは
マラゲーニャからロンデーニャ
そしてアレグリアス。
当代きっての人気カンタオールは今黄金時代を謳歌するにふさわしい
素晴らしい歌いっぷりで観客を圧倒した。


カディスのベテラン、フアン・ビジャールのソレアとブレリア。
ヘレスのギタリスト、パコ・セペーロのソロでブレリア、タンゴ/ルンバと続き、
ランカピーノ・イーホ、
そして父ランカピーノは
パコ・セペーロの伴奏で。
フィン・デ・フィエスタに至るまで
ミゲルのフラメンコへの愛が感じられる一夜だった。



2013年4月8日月曜日

ベレン・マジャのクルシージョenセビージャ

今日4月8日から
ベレン・マジャのクルシージョが
セビージャではじまった。

会場のエストゥディオ・フラメンコは

セビージャの中心街から離れた
国際会議場近く。
最近オープンしたきれいなスタジオだ。

今週のクラスにはまにあわなくても
フェリアのあと
22日からの週にももう一度開催されるとのこと。
受講料は1週間/5時間で90ユーロ。

詳細は


2013年4月7日日曜日

イスラエル・ガルバン「ロ・レアル」enセビージャ

4月7日マエストランサ劇場での
イスラエル・ガルバン
「ロ・レアル」

を経て
オランダ、パリでも上演されたこの作品が
パワーアップされてスペインにかえってきた。

初演ではさすがに上演時間が長過ぎた、
ということで
その翌週にもう一度観に行ったときはすでに一部カットされていたが
それがさらにカットされ
より短くなっていた。
といっても場面構成はそのままで
より洗練されまとまっている感じ。

という事情があったにせよ、
観客の反応の違いには驚かされた。

場面が終わるごとに拍手。
マドリードでは罵声がとんだヒターナのシーンにも拍手喝采!
イスラエルはセビージャではすでに多くの支持層があるのだと実感。
テーマがナチスのジプシー迫害という重いテーマだけに
個人的にはすぐに拍手できない気分だったりもするのだけれど。


あばら骨が浮き出てひげをはやしたイスラエル。
その動きのひとつひとつに
死んでいったヒターノたちの魂が宿っている。

ピンクのジャージに派手なスカートをはき
木靴で,フラメンコ靴で、
スカーフでほっかむりしたベレン・マジャの
ユーモラスな動きにも苦しみのたうち回る動きにも
たくさんのヒターナたちの影がうつる。

ナチス政権下ドイツでアンダルシア風の映画が制作された話は
ペネローペ・クルス主演の映画にもなったが
ナチスドイツのアンダルシア愛をからかうように
踊り歌う蠱惑的なイサベル・バジョン

三人の踊り手たち
それぞれのかたち。
それぞれの美しさ。
磨き抜かれた
それぞれのフラメンコ。

だがそれを楽しむ余裕がないほどに
圧倒的な迫力で伝わって来るメッセージ。

忘れない。
私たちに罪はなかったのだろうか?
次は私たち?

ふるえがくるほどにこわい。

楽しい作品では決してない。
居心地が悪くなるほど。
でもまた観たくなる。

チクエロのドラマチックで美しいギターと
エミリオ“カラカフェ”のヒターノらしい重みのあるトーケ。
見事としかいうことのできないダビ・ラゴスと
トマス・デ・ペラーテの熱唱。
対照的なアーティストの共演は世界をさらに大きくした。
そしてボボーテ、ウチ夫妻のスパイス。

作品の裏にあるひとつひとつを理解しようなどと考える必要はない。
フラメンコはフラメンコ。
目の前にだされたものをみてきいて感じることにかわりはない。

2013年4月6日土曜日

フランス モン・ド・マルサンのフラメンコ祭


スペイン国外きっての歴史を誇る、
フランス、モン・ド・マルサンのフラメンコ祭。
(フランス語だとモン・ド・マルサンと発音するがここでは
スペイン人の発音だとモン・デ・マルサン)

アーティストたちはサン・セバスティアンの空港からバスで向かうというくらい、
スペインの国境に近いランド県の首都。
静かな山間の田舎町が
この期間フラメンコ色に染まる。
今年で25周年!

初日の
アリア・パヘス舞踊団「ユートピア」から
千秋楽の
ファルキート「アボレンゴ」まで
通も納得のすばらしいプログラムが続く。

とくにみっつの「記念作品」は
このフェスティバル独自のアイデアで
二人のアーティストを共演させるもの。
期待したい。

なお舞踊などのクルシージョも開講される。
詳細はフェスティバルのホームページで。



◆第25回モン・ド・マルサン フェスティバル・アルテ・フラメンコ
7/1(月)21時「ユートピア」
[出]〈b〉マリア・パヘス舞踊団
[場]モン・ド・マルサン エスパス・フランソワーズ・ミッテラン
7/2(火)20時
[出]「リサイタル」〈g〉ディエゴ・デ・モラオ,「パソ・ア・パソ」〈b〉ラ・モネータ
7/3(水)20時「記念作品」
[出]〈ピアノ〉ディエゴ・アマドール、ドランテス
7/4(木)20時
[出]「バイレ・デ・パラブラ」〈b〉メルセデス・ルイス、「記念作品」〈c〉アルカンヘル、エスペランサ・フェルナンデス
7/5(金)20時
[出]「記念作品」〈c〉ホセ・バレンシア、ペドロ・エル・グラナイーノ、「セクステット」トマティート
7/6(土)20時「アボレンゴ」
[出]〈b〉ファルキート
[場]モン・ド・マルサン カフェ・カンタンテ
[問]http://arteflamenco.landes.org


2013年4月5日金曜日

マドリード クラモーレス4月のフラメンコ


マドリードのライブハウス、
4月フラメンコ公演が続く。

今週の火曜日
ギタリスト、カーノのリサイタルで幕をあけ、
19日はトルタ
20日はカプージョと
ヘレスの両雄が登場。
21日はカンカニージャ・デ・マルベージャ
(このポスターにはカンカニージャ・デ・マラガとありますが)
そして最後は
サンルーカル出身の若手、
マリア・メスクレがマドリードでリサイタル。




2013年4月4日木曜日

エバ・ジェルバブエナ新作「スルバランの聖女たち。確信と信仰」

エバ・ジェルバブエナが
4月25日から28日まで
セビージャのエスパシオ・サンタ・クラーラで
新作「スルバランの聖女たち。確信と信仰」を上演する。


これは5月3日から同所で開催される
スルバランの展覧会にちなんだもので
エバはセビージャのバロック・オーケストラをバックに
スルバランの絵にヒントを得て
スペインを代表するデザイナーたちによる衣装で
10人のバイラオーラ、2人のバイラオールとともに舞台に立つ。

ビデオはこの舞台について語るエバだが、
手の動きの美しさ!
だけでも観る価値ありです。


2013年4月3日水曜日

ランカピーノに捧げる


カディス県チクラナ出身の
ベテラン・カンタオール、
ランカピーノに捧げる公演が
4月8日
来週の月曜日
セビージャのロペ・デ・ベガ劇場で行われる。

出演は
カディスのフアン・ビジャールをはじめ
アルカンヘル、
ヘスース・メンデス
アントニオ・レジェス、
キコ・ペーニャ、
ミゲル・ポベーダと
現代フラメンコを代表する若手カンタオールたちに加え
ランカピーノ・イーホ

素晴らしい公演になることは間違いない。
入場券はこちらから。


2013年4月2日火曜日

8月ヘレスのクルシージョ3/ヘレス舞踊センター

◆ヘレス舞踊センターのクルシージョ
7/29(月)〜8/2(金)
[教]〈b〉オルガ・ペリセ
[内容]10時〜11時30分中級、12時45分〜14時15分中上級
[料]各クラス180ユーロ、両方だと310ユーロ
[教]〈b〉クリスティナ・オテロ
[内容]10時〜11時ヘレスのブレリア
[料]100ユーロ(他のクラスと一緒だと80ユーロ)
[教]〈b〉ベアトリス・モラーレス
[内容]11時40分〜12時40分テクニック
[教]〈b〉ビクトリア・ラモス
[内容]11時30分〜13時初級
[料]160ユーロ
8/5(月)〜9(金)

[教]〈b〉クリスティナ・オテロ
[内容]9時〜10時初心者、初級
[料]80ユーロ
[教]〈b〉ラファエラ・カラスコ
[内容]10時〜11時30分中級、12時30分〜14時中上級
[料]各クラス190ユーロ
[教]〈b〉ヌリア・ガルシア
[内容]10時〜11時30分初心者
[料]160ユーロ
[教]〈b〉ベアトリス・モラーレス
[内容]9時〜10時中級バタ・デ・コーラ、11時30分〜12時30分中上級テクニック、12時30分〜14時初級
[料]各クラス160ユーロ、テクニック100ユーロ(他のクラスと一緒だと80ユーロ)
[教]〈b〉ビクトリア・ラモス
[内容]11時30分〜12時30分初級
[料]100ユーロ(他のクラスと一緒だと80ユーロ)

8/12(月)〜17(金)
[教]〈b〉ピラール・オガージャ
[内容]10時〜11時30分中上級、11時45分〜12時45分ブレリアス
[料]170ユーロ、ブレリア90ユーロ
[教]〈b〉ビクトリア・ラモス
[内容]9時〜10時中級バタ・デ・コーラ
[料]170ユーロ
8/19(月)〜24(金)
[教]〈b〉クリスティナ・オテロ
[内容]10時〜11時30分初級
[料]150ユーロ

[教]〈b〉ベアトリス・モラーレ4
[内容]10時〜11時中級、11時40分〜12時40分ヘレスのブレリア
[料]170ユーロ、ブレリア100ユーロ(他のクラスと一緒だと80ユーロ)
[場]ヘレス セントロ・デ・バイレ・ヘレス
[問]http://www.academiadebailejerez.com/