2026年10月13日火曜日

ラ・プエブラ・デ・カサージャとラ・ピニョーナ

  フラメンコの故郷アンダルシア。フラメンコの歴史をたどっているとカディス、ヘレス、セビージャといった大きな町だけでなく、カディス県やセビージャ県にあるより小さな町の名前も登場します。カディスならプエルト・デ・サンタ・マリアやサンルーカル・デ・バラメーダ、セビージャならレブリーハ、ウトレーラ、モロン・デ・ラ・フロンテーラ、マルチェーナ、マイレーナ・デル・アルコールといった具合。そんな町の一つがラ・プエブラ・デ・カサージャ。



セビージャから東へ62キロ。マラガ/グラナダへ向かう街道沿いにある、人口1万1千人の町。フラメンコ好きなら、盲目の歌手、ニーニャ・デ・ラ・プエブラ(1909−1999)やホセ・メネセ(1942−2016)の名前を聞いたことがあるはず。メネセに多くの歌詞を提供した画家で詩人のフランシスコ・モレーノ・ガルバンが、メネセや地元のアフィシオナードたちと共に始めたフラメンコ祭、レウニオン・デ・カンテ・ホンドも知られているのではないでしょうか。小さな町にもかかわらずこの町には現代美術館があり、



フランシスコ・モレーノ・ガルバンの兄で美術評論家のホセ・マリア・モレーノ・ガルバンの名前を冠したもので、フランシスコによるフェスティバルのポスターの原画などが常設展示されています。



その美術館の1階で7月からこの10月18日までアロンソ・ヒルという現代美術家の、フラメンコも一つの要素となった展覧会『ラ・フエルガ』が開催。。そのフィナーレを飾るように、10日には、作家とこの展覧会のキューレーター、エステル・レゲラによる解説とルシア・ラ・ピニョーナのパフォーマンスがあるということで、セビージャから貸切バスも出るということで出かけてまいりました。

作者本人の解説が聞けるなんていうのは現代美術ならでは。

ピニョーナは、彼の作品のひとつである、波打ったレコードをプレーヤーにかけてのタラント。歌が急にゆっくりになったり、止まったり、音飛びしたりするのに合わせて踊るという、本当の”歌を踊る”、をユーモアたっぷりにみせていただきました。

その後は作品に描かれた形をなぞったりしつつ踊り、最後はアロンソが生まれ故郷のエストレマドゥーラの一度は閉まった鉱山をまた開ける開けないという話になり再開反対の意も込めてのポスターや歌詞を当地のアーティストたちに歌ったものを録音したりしたものなどの総合的な作品類で、その中の歌詞をマティアス・ロペス”エル・マティ”が歌い、ピニョーナが踊ったのでありますが、その真摯さ!マティがはっきり発音してくれるので歌詞がしっかり頭に入ってくる。さっき、展示で読んだ詞が歌になることで立体感を持って迫ってくるような面白さもあり、ピニョーナの嘘のない、まっすぐな踊りとともに心に刺さりまくったのでありました。


その後はペーニャとして使われている?近くのサロンで、ビールとおつまみにパエジャ、最後にはご当地アーティスト、ラ・ジジャのミニ・リサイタルと盛りだくさんの午後となったのでありました。

いやいや、来年こそ、フェスティバル、見に行ってみたいものでございます。



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