バイラオーラとギタリスト、夫婦二人だけの舞台。フラメンコのメッカ、ヘレスの二人が作ったのは、カンテ不在のフラメンコの舞台。カンテが空気のように存在するアンダルシアの人にとっては新鮮に思えるのかもしれないけれど、かつて日本ではカンテなしでギターだけでのフラメンコが普通だった時代を知っている私のような者にとっては昔に戻るような感じもちょっとする。
オープニングそして最後が『禁じられた遊び』というのは外国公演とかを考えた選曲なのかな? バタ・デ・コーラのソレア、ラモン・モントージャの録音のロンデーニャ、マヌエル・モラオのシギリージャのソロの映像にカスタネットで絡むメルセデス、白い短いジャケットに細かい花柄の衣装で踊るファルーカはサビーカスの曲で伴奏。ギターソロはブレリア、そしてサラサーテのサパテアードをソフト帽、背広のようなジャケットで踊り、最後フィン・デ・フィエスタという感じでメルセデスがちょっと歌いつつ踊ったのでありました。
マントンやアバニコ、カスタネットというのはなんか、マリア・パヘスの影響なのかな。とりあえず色々全部できるけど、この人のこれは誰よりも魅力的、みたいなものがあるといいんだろうな。一観客が贅沢言ってるんじゃない、って自分でも思うけど、でもそれがあれば強いのにな、と思ったことでした。あと、サンティアゴの先日のリサイタルとレパートリーが、ソレア、ファルーカ、サパテアードとモロかぶりだったこともあって、なんか損した気分で不完全燃焼。いやいつも引き慣れた曲弾いたってだけでしょうけどね。
プロモーションビデオがあったので貼っときます。
作品としてはすでに各地で公演しているようで、作品としてのまとまりはできているし、出演者も二人だけなので出演料や経費も抑えられるからツアーの可能性は高くなるのかもね。と思いつつググると、もうすでにアメリカ、イギリス、中国などあちこちこれで公演しているんですね、なるほど。
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