2018年9月15日土曜日

アルフレド・ラゴス「ソナンタクルブ」

Bienal Óscar Romero

最初の音が出た瞬間にぐっと魂を捕まえられる感じ。音が違う。音自体に存在感がある。
グラナイーナ。粒だったトレモロが美しい。

主役なのに上手の、一番はしに座っている。
隣にはアコースティックやエレキギターを弾くホセ・アセロ、ウッドとエレキ、2台のベースを弾くアントニオ・コラーレス、ドラムスとカホンのギジェルモ・マッギル。
Bienal Óscar Romero
「ソナンタ・クルブ」というタイトルは、ジャズ・クラブやフラメンコバー、ライブ演奏のある店でのセッションのイメージでのコンサートという気持ちの表れ。そう言った場所で出会ったミュージシャンたちが自由に、インプロで演奏する中で生まれてくる何か。
雰囲気としては、マドリードのジャズクラブ、カフェ・セントラルの雰囲気。でもじゃあ、ジャズかというと、そうではない。フラメンコでもジャズでもフュージョンでもなく、ジャンルに囚われることなく自分の知識と好みで音を遊ぶ、そんな感じのコンサートなのだ。
エンリケ・モレンテ「オメガ」の曲やミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の「マイ・フェイバリット・シングス」、バッハが顔を出す。音楽の垣根を越えてその先へ向かう。

フラメンコは自由なアートだけど、それぞれの曲種の決まりという制約の中の自由でもある。その制約を取り去って、フラメンコのテクニックやメロディ、調性などを使って、より自由に、表現するとどうなるか、という試みのようにも見える。

パコのジャズミュージシャンたちとの共演や、パコのシルヤブやカンシオン・デル・アモールなど、フラメンコの曲形式に縛られていない、でも、フラメンコな曲をも思い出す。

ボレロはビセンテもやっていたなあ。
フラメンコの縛りから解き放たれて自由に羽ばたくことも必要なのかも。
新しいフラメンコの可能性も見せてくれたようにも思う。

地味に見える人なのだけど、実はすごい名手。
音の強弱、間合い、静寂の使い方。
イスラエル・ガルバンなど伴奏に引っ張りだこなのもうなずける。
ソロもオススメです。
Bienal Óscar Romero

ロペ・デ・ベガ劇場ではグラナイーノのリサイタル。こちらも良かったそうだ。
でも二つ行くのは時間的にも肉体的にもきついのでパス。

Bienal Óscar Romero
突然の雷雨でオテル・トリアーナの公演は中止。
トリアーナの公演が中止になるのは数年前のファミリア・フェルナンデスの時以来。
9月のセビージャは雨なんか降らなかったんだけどね、やっぱ世界的に天候が変わっているのかも。




0 件のコメント:

コメントを投稿