2015年3月6日金曜日

ヘレスのフェスティバル14日目その2アンダルシア舞踊団「イマへネス」

アンダルシア舞踊団は昨年のビエナルで初演した「イマへネス」。同舞踊団結成20周年を記念する作品で、これまで同舞踊団の監督をつとめた5人の舞踊家/踊り手であり振付家である彼らへのオマージュとして、現監督のラファエラ・カラスコが作り上げた作品.ラファエラらしい繊細な美しさにあふれた作品となっている。

5人の監督、5つの場面からなるこの作品。
最初は初代監督マリオ・マジャへのオマージュ。
鐘の音が響き、最初はラファエラのソロ。祈りを捧げるかのように踊る。
そこから椅子に座ってのサパテアードの群舞が加わる。
椅子に座ってのサパテアードといえばマリオならではの振り。それをモチーフに繰り広げられる群舞。圧倒的な美しさ。手の形、靴音までしっかり揃った群舞の迫力。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
 エル・ネグロ・デル・プエルトらのロマンセが流れる。そしてトリージャが歌われる。
プリミティブなフラメンコでアンダルシア舞踊団の歴史の始まりを象徴している?
サパテアードとパルマだけのシーン。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
 ラファエラはマリオのスピリットをきちんと継承し伝えている。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
二代目監督マリア・パヘスは彼女の出世作ともなった「アンダルシアの犬」の、カンテラをつかったシーンをもとにした場面。ペテネラ。ギターのこまやかな響き。

© Festival de Jerez/Javier Fergo

© Festival de Jerez/Javier Fergo
三代目、ホセ・アントニオへのオマージュは彼がカルメン・アマジャに捧げた作品「レジェンダ」での舞台いっぱいに広がる白いバタ・デ・コーラをラファエラがまとい、原作以上の動きをみせるところから始まる。バックには映画「バルセロナ物語」でのカルメンの足がうつしだされる。無伴奏でのティエントス。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
舞台は白いバタ・デ・コーラのダンサーたちで一杯になる。そこに赤い線が映し出されていく。スタイリッシュだ。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
最後は赤いバタ・デ・コーラのアナ・モラーレスが登場。タンゴ・デ・マラガ。今最も美しいかたちをみせるバイラオーラ。バタさばきも一流。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
4代目クリスティーナ・オヨスは彼女の作品で、愛知万博時に来日公演も行われた「南への旅」のトランクをモチーフに。スクリーンに映し出されるのはいきかう人々の足。そして駅。時計。舞踊団を通り過ぎて行った人々のことを思い出させる。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
舞踊団ソリスト、長身のウーゴ・ロペスが、美しい跳躍やサパテアードで魅了する。
身長193センチ、おそらく世界一背の高いバイラオールは、トランクをステージに踊りまくる。

前監督ルベン・オルモへは彼が得意とするマントンで表現。豪華な刺繍がほどこされたマントンが舞い、ラファエラからダビへ、ダビからアナへと手渡される。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
ソリスト、ダビ・コリアの形の美しさ。スペイン国立バレエ団出身の彼は回転ひとつにしてもなんともエレガントだ。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
ラファエラとのデュオもいい。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
ソリストだけでなく舞踊団員もそれぞれに見せ場を貰う。
渡されるマントンのように繋がれていくアート。
それぞれの監督作品の小物をモチーフに新しいフラメンコを美しく作り上げたラファエラの手腕には脱帽の一言。フラメンコファンにも舞踊ファンにもぜひ見てもらいたい上質な作品であります。

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