2015年3月26日木曜日

ダビ・モラーレス「ロルカ、ムエルト・デ・アモール」

カディス県ラ・リネア・デ・ラ・コンセプシオンは、アルへシラスの隣町。ジブラルタルと国境を接する町であります。その町出身のバイラオール、ダビ・モラーレスが昨年6 月ヘレスで初演した作品「ロルカ、ムエルト・デ・アモール」。

ロルカに関する作品は、フラメンコでもこれまでにもたくさん上演されてきたけれど、 この作品は、マヌエル・フランシスコ・レイナの小説「ロス・アモーレス・オスクーロス」をベースにしており、彼の同性愛に焦点をあてたもの。

上手に3人の歌い手とパーカッションが、下手に3人のギタリストとバイオリン奏者が縦にならぶ。装置はなく、手前の紗幕と後ろのホリゾントにビデオが映し出されるという、すっきりとした舞台。ビデオもファッション写真みたいなおしゃれっぽい感じ。ビデオづかいはラファエル・アマルゴの「ニューヨークの詩人」でもあったなあ。。。

赤いスーツのダビがロルカ。はじめはシギリージャ。ジャケットの肩パットのせいか首がうもれてみえる。グラナイーナ、ソレア・ポル・ブレリア。
アルへシラスのバイラオーラ、ノエリア・サバテルはパソドブレ「ススピロ・デ・エスパニャ(スペインのため息)」の曲をバタ・デ・コーラと共和国の旗の色のマントンで踊る。粗野。

コンテンポラリーのダンサー、イバン・アマジャがロルカの恋人役でティエントを踊り、そこにダビが登場し二人のデュオとなる。狂乱のルンバ。性愛を連想させるようなデュオ。ヌードの男性や、彼らが抱き合うイメージが映写される。同性愛でも性愛をもろに描くようなかたちでなくてもよかったのではないだろうか。実際に抱き合ったりさわったりするよりも、舞踊として二人の愛を表現できたのではないだろうか。R18?になっちゃいそう。

「 ロス・ペレグリニートス」で結婚式のような場面があったりして長い長いアレグリアス。これで黒いドレスのバイラオーラが共和国の旗の色のマントンでダビを死へと誘う。

ダビにしても、ノエリアにしても、野性的というのではなく、がさつというか下品な感じが漂うのはなぜだろう。かがみがちの姿勢のせい?フィエスタのような足を多用するから?振り付けもワンパターンにみえてしまう。いやワンパターンなのか。

作品づくりに努力したのは評価する。なぜ照明があまりあたらないところで踊ったりする?っていうのはあったけどね。コンテンポラリーのダンサーは身体は動くが美しくない。容姿の美醜ではなく形や動きの話ね。

んで音響。ボリュームが大きすぎで結局耳抑えながらみていた私。アンコールを待たずに走って劇場を出たのでありました。



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