2015年3月21日土曜日

トリアーナのフラメンコ講演


トリアーナに昨年できた陶器博物館でトリアーナのフラメンコについての講演が2月19日より毎週開催されています。当初はヘレスにいたので行くことができず、やっと出かけられたのが3月19日。フラメンコ研究家ファウスティーノ・ヌーニェスによる「港とインドへの扉におけるフラメンコ」フラメンコへの中南米の影響について語ったものです。

もともとクラシック音楽をウィーンで学び、そこでフラメンコと出会い、アントニオ・ガデス舞踊団でギタリストをつとめ来日公演にも参加したという人。現在はコルドバの高等音楽院の教授でもあります。そんな彼の話は、時に音楽の専門用語も入りますが、わかりやすく楽しい。ギターを弾きながら歌いながら、踊りながらの講演は、とにかく面白い。

セビージャはアメリカ大陸発見後、大陸貿易の玄関口となったところ。 だからこの地で生まれたフラメンコもその影響をうけないわけがない。音楽の影響というのはわかりにくい。とくに以前のフラメンコの歴史は科学的に実証されたものでなく、小説のように書かれた物語だった。だが、近年、ホセ・ルイス・オルティス・ヌエボやホセ・マヌエル・ガンボア、マノロ・ボルケス、そして彼ファウスティーノらをはじめとする研究者が、古い新聞や雑誌をはじめとする記録を丹念に探し、新たな発見がたくさんされている。またファウスティーノはこれまでほぼされていなかった音楽の見地からの研究を行い、ペテネーラがメキシコ起源等、フラメンコ曲種のルーツを中南米にみつけている。ソレアのリズムは中南米起源のサラバンダにあるのじゃないか、など、驚きつつ拝聴。フラメンコのコード進行とブルースのそれの相似性とか、いやあ、もっと聴きたい、と思った次第。もちろん、なんでも中南米、なのではなく、フラメンコたちの新しいものをつくっていく力、そしてフラメンコが、世界に通じる音楽であることも改めて再確認でありました。

フラメンコ研究の世界って、ちょっと近寄り難く思えるかもしれませんが、スペイン語がある程度できる人なら、彼の講演、絶対おすすめです。 機会があればぜひ。

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