私は初演をこの同じサルスエラ劇場で観ましたが、はい、それってもう15年も前のことなのね。ひええ。月日のたつのが早すぎる。
ここでは主役二人のパ・ド・トゥを、初演でも主役をつとめたローラ・グレコと、フランシスコ・ベラスコが踊ってみせてくれました。
今、資料が手元にないのでうろ覚えだけれど(なんせ15年前だ)、たしか、南米に行った恋人を待つ娘ローラのもとに、彼が帰ってくる、というシーンだったのではないかと。
揺り椅子に座ったローラにしのびよって目隠しして驚かせてはじまる、二人の愛のパ・ド・トゥ。かなり色っぽい振りもあるのですが、決していやらしくならず、美しくみせています。
セビージャはマティルデ・コラルのアカデミア出身のフランは、今もローラと組んで踊ることも多い長身のダンサー。アントニオ・マルケスが抜けた後、国立で主役をつとめていたので覚えている人も多いことでしょう。
ローラは,昔に比べ少し肉付きがよくなったのですが、かつてが細すぎたくらいなので、気になりません。この人も舞踊の、細部の表現がきれいだし、役になりきる、というのか、感情をこめて踊っている感じ。また跳躍がほんとうに軽やかなんですよね。
そしてそれをサポートするフランも、いい感じに年をとってます。
ほんと美しいパ・ド・トゥに酔わされました。。。
次は「アランフェス協奏曲」
50年代にピラール・ロペスが自らの舞踊団のために振りつけたこの曲を2001年、国立バレエ団が復活上演させました。この初演もここ、サルスエラ劇場に観にきたな。。。(遠い目)。
あのときはピラール女史もまだお元気で、フィナーレには舞台にあがって、ちょこっと踊ってみせたのだった、なんて思い出にひたってしまうというのは私も年をとったということでしょうか。。。
ここでは第2楽章を、マリベル・ガジャルドがゲスト出演してみせてくれます。
ロマンチックバレエのチュチュのような(レ・シルフィードやジゼルを思い浮かべてくださいまし)長く、ふわっとしたスカートといい、男性の、ゴヤの絵の中から抜け出たような衣装といい、いやー、ロマンチックです。
振り付けとしても古風。今のスペイン舞踊では決してみることができないような感じ。
マリベルも存在感と実力で舞台をしめてくれました。
「三角帽子」からは粉引きのファルーカ。
マヌエル・デ・ファリャの「三角帽子」は、ディアギレフが自らが率いるバレエ・リュス、ロシア・バレエ団のために作曲を依頼し、レオニード・マシーンが振り付けし、ロンドンで初演したバレエでありますが、フラメンコではグラン・アントニオの振り付けが有名ですね。
ここではそのアントニオの愛弟子、ホセ・アントニオの振り付けでアントニオ・マルケスが踊りました。あ、皆アントニオなんでちょっとややこしいですが。
これもきりっとした男振りで、なかなかの出来でした。
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