2020年2月22日土曜日

へレスのフェスティバル初日ラファエラ・カラスコ『アリアドナ』

開幕を飾ったラファエラ・カラスコの新作『アリアドナ』
ギリシャ神話に登場人物するクレタ島の王女で、牛の頭を持つ怪物、ミノタウロスの生贄に成る筈のテセウスを、迷宮を糸を手掛かりに脱出する方法を教え、ミノタウロス退治に貢献した人物で日本語ではアリアドネと言います。

島という閉ざされた空間に住み、父の支配下で暮らし、自由を希求し、恋をする女。

青い照明が客席を照らし、海が見えてくるようです。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
薄明かりの中に響くサパテアードは彼女が父に隠れて織る機の音のようでもあり、彼女の中にうごめく自由を希求する叫びのようでもあります。
© Festival de Jerez/Javier Fergo

ペテネーラが彼女の閉ざされた、抑圧された状態を示しているよう。それが父の存在を王冠のような存在で帽子を使った4人の男性舞踊手のソレアへとつながります。
© Festival de Jerez/Javier Fergo

一つ一つの動き、ポーズの美しさといったらありません。ため息が出るほど。
男たちと次々にパドドゥを踊るラファエラの美しさ。若手ダンサーたちの素晴らしさ。
ラファエラの踊りの中にはマティルデやマリオ・マジャがいて、でもラファエラ以外の何物でもない踊りで。涙が出るほど美しい。
© Festival de Jerez/Javier Fergo


ラフェエラ作品にしかない、照明と踊りのコンビネーションの美しさ。照明も踊っているのです。こんな照明他にない! ちなみにグロリア・モンテシーノという女流照明家です。
センスのいい、装置も彼女のデザイン。

© Festival de Jerez/Javier Fergo

1時間という短い時間だけど、繊細で洗練され尽くしていて、動きの一つ一つがひたすらに美しく、1時間というのは短いのだけど、中身が十二分に詰まっているから大満足な夜でした。
© Festival de Jerez/Javier Fergo


ヘスース・トーレスとサルバドール・グティエレスのギター、ミゲル・オルテガとアントニオ・カンポスの歌、そしてラファエル・ラミレス、ガブリエル・マティアス、リカルド・モーロ、フェリペ・クリビオという4人の若手ダンサー、ヘスース・ペローナ、ヘスース・ゴンサレスという2人のパルメーロ(実はダンサー)も本当に素晴らしく。
照明も衣装も装置も完璧で。

こんなすごい作品で始まっちゃうと、明日以降の人、大変でございます。

ラフィ、ありがとう。でもまた泣いちゃったよ、あんまりにも美しくて。


Rafaela Carrasco abre el XXIV Festival con 'Ariadna' from Festival de Jerez Televisión on Vimeo.
ビデオはこちら
https://vimeo.com/393110993

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