2012年3月31日土曜日

スペイン国立バレエ団マドリード公演2 「アンヘル・カイード」

スペイン国立バレエ団マドリード公演の前半
「アンヘル・カイード」は
バルセロナの劇団フーラ・デルス・バウスの創立メンバーで
演劇、舞踊、サーカスなど多彩な分野で活躍しているハンセル・セレサの演出。
フラメンコでは、国立バレエの「ポエタ」や
エバ・ジェルバブエナの「5ムヘーレス5」「ボス・デ・シレンシオ」の
演出をてがけた人物である。
彼のアイデアに基づき、
スペインのフラメンコ舞踊の今を象徴する6人の振付家が集められた。
ハビエル・ラトーレ、ロシオ・モリーナ、オルガ・ペリセ、
ラファエラ・カラスコ、ルベン・オルモ、そしてマヌエル・リニャンがその人だ。
うち、ロシオとオルガ、ルベンはゲスト出演もしている。
彼らによる次の5つの場面から作品は構成されている。

CAPTVUS 囚われて人類と
白い衣装に白いぴったりとした帽子をかぶった女たち。
黒い衣装の男たちがうごめく。
背景にうつされるのは教会の回廊?
ドラマチックな音楽を大人数の群舞で
視覚化するラトーレの振り付け。

STATERA 善悪のバランス、自由な共生
黒い衣装のロシオ・モリーナと白い衣装のオルガ・ペリセがせめぎあう。
粋がかかるほどの距離に向かいあい、手を互いの身体にからめては離し、
背中を合わせて足をうち、離れても踊る。
髪を頭の上高くにゆっているせいか、
東洋風の衣装のせいか、
はたまた彼女たちの撃つ櫛も抽象的な動きのせいか、
興福寺の阿修羅像を思わせる。

CONCENTUS 調和の自然、であることの解放する魂
漆黒のバタ・デ・コーラ。
そのコーラ、長く引いた裳裾の部分に白い羽が描かれている。
8人のダンサーたちがバタを自在にあやつるが、
照明は暗く、その踊り手の顔はほとんどみえない。
女と男。それぞれ4人ずつ。
いずれもが見事なバタさばきをみせ、繰り返す。
バタに描かれた羽だけをみせかったのだろうと思うが、
せっかくのバタがもったいない感じ。
黒の衣装のせいかなぜか忠臣蔵を思い出してしまった。
はじまりが歌舞伎のつけ打ちの音のようだったり、
サックスが尺八風だったりすることもあって、ちょっと和風テイスト。
実は歌舞伎のイメージ?

SUBLIMATIO であることの純粋さ、内なる美の昇華
ルベン・オルモが作品「トランキーロ・アルボロト」でみせた
大判のマントンを翼のように使って踊る一曲。
私が観た日はゲスト出演しているルベンの休演日で、
第一舞踊手のミゲル・アンヘル・コルバチョが踊ったが、
あの大判の、重いマントンを軽々とつかってみごとな羽ばたきをみせていた。
ルベンは男性のマントンという新ジャンルを開拓したといえよう。
振り付けとしては「トランキーロ・アルボロト」で使われたテクニックと同じで
新味は少ないが、あの名人技はやはり必見。

INMORTALES 死すべき運命の恵みが人類に夢見させる
鼓動
全員での群舞はしっかりと構成されており破綻がない。
最初の場面と同じ衣装(女性のかぶりものはないが)せいもあってか
印象がいささかにてしまうような。


こうして各場面のタイトルをみていくと、
アンヘル・カイード、落ちた天使は
天使ではない人間たちへの讃歌であるのか?

大きなうちわのような羽?や宙吊り、映像などの、
パフォーマンス的演出はいかにもフーラ。
だがいかにもけれん。
驚かせることはあってもそれ以上の効果はあまりないようにも思う。

舞踊の方が二次的になってしまい
せっかくの、
フラメンコの最前線で活躍する舞踊家たちの
フラメンコの今を象徴するような振り付けがいきてこない。
同じ振り付けを違う衣装、違う照明でみてみたいとう気になってしまう。

カンパニーのコンビネーションは素晴らしく、
現代的な振り付けをよくこなしている。






2012年3月30日金曜日

スペイン国立バレエ団マドリード公演1



アントニオ・ナハッロが芸術監督に就任して初めての、
スペイン国立バレエ団本拠地サルスエラ劇場公演。
新作「アンヘル・カイード」と、
アントニオが自分の舞踊団で昨年2月に初演した「セビージャ組曲」の2部構成。

「アンヘル・カイード」と「セビージャ組曲」は、
「正反対の」対称的なふたつの作品だ。

「アンヘル・カイード」は黒と白の世界。
照明もどちらかといえば暗く重い印象。
「セビージャ組曲」では色彩が、光があふれる。

「アンヘル・カイード」では
現代的な、コンテンポラリー・フラメンコの振り付けが続き、
「セビージャ組曲」では
大舞踊団時代を彷彿とさせる、“ティピカル・スパニッシュ”な、
ショーアップされた振り付けである。

そのどちらもがフラメンコ/スペイン舞踊である。
スペイン舞踊のバラエティの豊かさのほんの一部を広げてみせた、というところか。

「アンヘル・カイード」はラトーレら一線のフラメンコ舞踊家による振り付け。
「セビージャ組曲」はアントニオ・ナハッロ監督自身による振り付け。
だが、初演時にあった彼のソロはここではなく、彼が踊っていたほかの役もバレエ団の踊り手たちが踊っている。アントニオは踊り手であることより監督であることに重きをおいて、少なくとも現在のところ、この歴史あるバレエ団を導いていくつもりのようだ。

3月29日、ゼネストの日をのぞき全日満員という盛況。町にあふれた
ポスターゆえもあるだろう。そして新監督への期待も。

2012年3月29日木曜日

ヘレスの“教室での”フラメンコ週間

今週は月曜日からヘレスのサラ・パウルで
フラメンコ週間が開催中。
でも
そんじゅそこらのフラメンコ週間ではありません。
ヘレスの教育局主催の
「教室でのフラメンコ週間」
なのです。
すなわち
ヘレスにある舞踊やギターの
フラメンコ教室の生徒が出演。

月曜には
ホセ・ルイス・バラオのギター教室をはじめ
フアン・パッラ、アルムでな・マリンの舞踊教室等

火曜には
ホセ・イグナシオ・フランコのギター教室
舞踊はアナ・マリア・ロペスのアカデミア、
そしてサンタ・イサベル・デ・ウングリア・イ・フェルナンド・サバテル中学校の生徒たち

水曜には
カルボネーロのギター教室
舞踊はチキ・デ・ヘレスら。
そして
ホアキン・グリロやドミンゴ・オルテガの師である
フェルナンド・ベルモンテへのオマージュが行われました。

2012年3月28日水曜日

バルセロナ シウタ・フラメンコ祭

バルセロナの旧市街で長らく開催されていた
シウタ・ベジャ・フラメンコ祭が
同じバルセロナのメルカ・デ・フローレスに場所をかえて
名前も新たに開催される。

シウタ・フラメンコ祭
フラメンコの町。
5月末
バルセロナはフラメンコの町となる。


小島章司がチクエロとともに登場。
アルヘンティーナを踊った大野一雄を胸に
一人舞をみせる。



◆シウタ・フラメンコ祭
5/23(水)〜26(土)
★フラメンコ・エンピリコ
5/23(水)20時「タジェール・イ・フラグアス」
[出]〈b〉オルガ・ペリセとアンドレス・コルチェーロのクラスの生徒
5/24(木)20時
[出]〈b〉クロエ・ブルーレ、カレン・ルゴ、ニコリア・モリス、クリスティーヌ・ホールほか
5/25(金)20時「エル・アプレンディサへ」
[出]〈b〉フアン・カルロス・レリダ
5/26(土)20時
[出]〈b〉小島章司、〈g〉チクエロほか
[場]バルセロナ メルカ・デ・フローレス サラ・ピナ・バウシュ
[料]各10ユーロ
★コンサート
5/23(水)21時30分[出]パウラ・ドミンゲスとゴスペル・メッセンジャーズ
22時30分「ウナ・レジェンダ・デル・ティエンポ、コン小島章司
[出] 〈g〉チクエロ、〈b〉小島章司、〈c〉ドゥエンデ、サラオ、フェファ、〈sax〉ジョン・ロブレス、〈エレキギター〉アンドレウ・マルティネス、〈ベース〉アグスティン・エスピン、〈drums〉ダビ・ゴメス、〈perc〉イサアク・ビゲラス
5/24(木)21時30分「ポリフォニア・オンダ」
[出]〈c〉アルバ・ゲレーロ、カルラス・ダニア、アナ・コロン、クリスティーナ・ロペス、〈g〉パコ・ガルフィア
22時30分
[出]ラス・ミーガス+ラウル・ロドリゲス
5/25(金)21時30分「クアシダ」
[出]〈c〉ラ・トレメンディータ、〈ボーカル〉モハマッド・モタメディほか
22時30分
[出]〈b〉パストーラ・ガルバン、〈c〉ダビ・ラゴス、〈g〉ラモン・アマドールほか
5/26(土)21時30分
[出]〈c〉アルカンヘル、〈ブルガリアの笛〉テオドシル・スパソフ
、〈g〉ダニ・デ・モロン
22時30分
[出]〈b〉マルコ・フローレス、〈c〉ヘスース・コルバチョ、〈g〉ヘスース・ヌーニェスほか
[場]バルセロナ メルカ・デ・フローレス サラ・マリア・アウレリア・カプマニ
[料]各22ユーロ
[問]http://ciutatflamenco.com/



2012年3月27日火曜日

夏のクルシージョ3 サンルーカルでフラメンコ



各地で行われる夏のクルシージョのくさわけといえばここ。
カディス県サンルーカル・デ・バラメーダで開催される、
クルソ・フラメンコ。
この地に別荘をもつカルメン・コルテス、ヘラルド・ヌーニェス夫妻が
もっとこの町にいたい!
と思ったのがそもそものきっかけだとか。

シェリー酒の一種マンサニージャの産地の酒どころだし
港町なので魚介類も安くておいしい。
ちょっと町をはずれれば畑が広がり野菜もおいしい。

世界各地から毎年やってくる生徒も多いというのもうなづける。

そして
このクラスの最大の楽しみは夜。
毎日場所をかえ、フィエスタが開かれるのだ。
先生や上手な生徒たちのミニリサイタルなどのあとは
生徒もまざってフィエスタ!
上手い下手も関係なくみんな歌って踊って
フラメンコを楽しめる。

数年前この私めも
友達とセビジャーナスのクラスに参加して
夜はブレリア踊りまくりでございました。
え?
私? 踊れません。
でもいちばんへたな私が最初に飛び出れば
あとはみんなどんどんでてくるわけで。
楽しいよ。
心からおすすめします。



◆第21回クルソ・フラメンコ
7/16(月)21(土)
[教]〈b〉カルメン・コルテス
[内容]1012時初級、1214時中級各290ユーロ、14時14時30分セビジャーナス120ユーロ
[教]〈g〉ヘラルド・ヌーニェス
[内容]1012時初級、1214時上級各290ユーロ
[教]〈perc〉セピージョ
[内容]14時30分16時30分150ユーロ
[教]〈c〉へスース・メンデス
[内容]カンテ入門19時20時30分160ユーロ
[教]〈g〉アントニオ・カリオン
[内容]ギター伴奏17時18時初級、18時19時中級各150ユーロ
[教]〈g〉ティノ・バンデルスマン
[内容]ヘラルドのクラスの復習1718時初級、18時19時中級各60ユーロ
[場]かディス県サンルーカル・デ・ラ・バラメーダ ラ・メルセ音楽堂(舞踊のみパティオ・デ・ビトリア)
[問]www.cursoflamenco.com、info@cursoflamenco.com

2012年3月26日月曜日

夏のクルシージョ2 カディスで学ぶフラメンコ


7月ともなるとセビージャもだいぶ暑くなって参ります。
ってか6月でも十分暑い。
フラメンコ教室も7月や8月は休みになるところも。

なのでクルシージョ。
このカディスのクルシージョは
セビージャにあるエスペランサ・フェルナンデスとミゲル・バルガスの学校が
毎年夏カディスで開催しているもの。

朝カンテのレッスンをして
そのあと海にいって午後はゆっくり。
なーんて楽しみ方がおすすめかも。

カディスの雰囲気は独特だから
こんなクラスをうけつつ1週間滞在するなんていうのも楽しいのでは。



◆第6回カディス・フラメンコ国際クラス
7/9(月)13(金)
[教]〈c〉エスエペランサ・フェルナンデス
[内容]10時30分12時 マラゲーニャ、ハベーラ、ハベゴーテ 175ユーロ
[教]〈b〉ミゲル・バルガス
[内容]12時30分14時中上級マラゲーニャ、ハベーラ、ハベゴーテ175ユーロ 17時18時中上級クラス復習 50ユーロ 18時30分20時初中級ソロンゴ 175ユーロ 20時21時ブレリアス145ユーロ
[教]〈perc. palmas〉ハビエル・カトゥンバ
[内容]10時30分12時 テクニックとコンパス 150ユーロ
[教]〈g〉ハビエル・イバニェス
[内容]中上級 マラゲーニャ、ハベーラ、ハベゴーテ
[場]カディス 市立ラ・メルセフラメンコ芸術センター
[問]http://www.centroflamencodesevilla.com

2012年3月25日日曜日

夏のクルシージョ1 クリスティーナ・ヘーレン財団

今日から夏時間!
日本とスペインの時差は7時間になりました。

暑い夏ももうすぐそこに。
というわけで夏のクルシージョ情報。

まずは
セビージャのクリスティーナ・ヘーレン財団の夏のクルシージョ。
この財団のフラメンコ学校からは
アルヘンティーナ、ロシオ・マルケス、らの歌い手、
チョロ、ルイサ・アパリシオ、ラ・ピニョーナらの踊り手をはじめ
多くのアルティスタたちが巣立っている。

学校は1年のクラスだけど
この夏期コースは一ヶ月。
まずはこれで感じをみて本格的に留学するかどうかを決めるという手もあり。

レッスン内容はまだ詳細が発表されていないが、
毎日9時から3時までみっちり。
指導にあたるのもふだん学校で指導にあたっている先生がほとんどとのこと。



◆クリスティーナ・ヘーレン財団夏期コース
7/2(月)~27(金)
[教]〈b〉ミラグロス・メンヒバル、〈c〉ヘロモ・セグーラ、〈g〉ペドロ・シエラほか
[内容]舞踊、ギターはみっつ、カンテはふたつのレベルに分かれ毎日9時から15時までのクラス。
[料]1500ユーロ
[場]セビージャ クリスティーナ・ヘーレン財団
[問]http://www.flamencoheeren.com

2012年3月23日金曜日

ロサンジェルスのフラメンコ祭

アメリカのロサンゼルス
スペイン語読みだとロス・アンヘレス。
その名が示すようにスペインゆかりの町である。

そこでのフラメンコ・フェスティバル、
ロサンゼルス国際フラメンコ・フェスティバルが
3月24日、25日に開催される。
会場はレドンド・ビーチ・パフォーミング・アーツ・センター

24日の出演はビセンテ・アミーゴ。
25日は地元で活躍のアーティストが
ギタリスト、アダム・デル・モンテと
踊り手、ニノ・デ・ロス・レジェスをゲストに迎えての公演。

詳細はこちら

2012年3月22日木曜日

グアディアナとモンセ・コルテス


マドリードのタブラオ、ビジャロサ。
3月29日にはグアディアナとモンセ・コルテスのコンサートを行う。
23時からで
当日券25ユーロ
前売りは22ユーロ。

この日、ゼネストの予定なんですが、だいじょうぶなんでしょうか?

2012年3月21日水曜日

マックス賞ノミネート

スペインのトニー賞とでもいうべき、
舞台芸術におくられるマックス賞

演劇、そして舞踊に対する賞で
今年の候補にもフラメンコ関係者が何人も!

まずは舞踊作品部門
「クアンド・ジョ・エラ」
エバ・ジェルバブエナの作品が、
コンテンポラリーのカンパニーの3作品とともに候補に。

エバ・ジェルバブエナは
振り付け部門でも
イスラエル・ガルバン「ラ・クルバ」とともに候補にあがっている。

そのイスラエルは
最優秀男性舞踊家部門で
新しく国立バレエ団監督に就任したアントニオ・ナハッロとともに。

ちなみに女性舞踊家部門ではエバが「フェデリコ・セグン・ロルカ」で、
「ロサ、メタル・イ・セニサ」のオルガ・ペリセとともに


フラメンコがんばれ!    

2012年3月20日火曜日

コルドバ・ギター祭クルシージョ

7月上旬恒例
コルドバのギター・フェスティバル。
今年は7月3日から14日まで。

公演プログラムに先立ち
クルシージョのプログラムが発表された。

フラメンコ関係のクルシージョは以下の通り。

◆コルドバ・ギター祭
7/3(火)~6(金)10時~14時
[教]〈g〉ミゲル・アンヘル・コルテス
[内容]中上級 「フラメンギターのカンテ伴奏」
[料]200ユーロ
7/7(土)~10(火)10時~14時
[教]〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス
[内容]中上級 「現代フラメンコ・ギターの技術、表現の性格」
[料]200ユーロ
7/11(水)~14(土)10時14時
[教]〈g〉マノロ・サンルーカル
[内容]中上級 「フラメンコ・ギターの自然とかたち」
※このクラスのみ受講希望者はCDを郵送、もしくはMP3をメールで自分の演奏2曲を事前に送付
[料]200ユーロ
7/3(火)6(金)10時13時
[教]〈b〉ハビエル・ラトーレ
[内容]中上級 「フラメンコ舞踊におけるバッハ」
[料]100ユーロ(舞踊公演の入場券含む)
7/7(土)10(火)10時13時
[教]〈b〉パストーラ・ガルバン
[内容]中上級 「タンゴとブレリアの舞踊」
[料]100ユーロ(舞踊公演の入場券含む)
7/11(水)14(土)10時13時
[教]〈b〉ラファエラ・カラスコ
[内容]中上級 「シギリージャのテクニックと振り付け」
[料]100ユーロ(舞踊公演の入場券含む)
7/9(月)~13(金)
[教]〈c〉エル・ペレ
[内容]初中上級
[料]200ユーロ 聴講のみ60ユーロ
[場]コルドバ市内各所
[問]www.guitarracordoba.org

このほかにクラシックやジャズ、ロックギターのクルシージョがある。
また
サビーカス生誕百周年にちなみ
以下の講演も行われる。

★コルドバ・ギター祭
ギターの歴史研究セミナー 第10回アグスティン・カステジョン“サビーカス”
7/9(月)19時30分「アルティスタ」
[教]アンドレス・バティスタ
7/10(火)19時30分「人間」
[教]マリオ・エスクデーロ
7/11(水)19時30分「作品」
[教]ホセ・マヌエル・ガンボア
[場]コルドバ市内
[問]http://www.guitarracordoba.org/




2012年3月19日月曜日

ベルギーのフラメンコ・ギタリスト



ギタリスト、ヘラルド・ヌーニェスが
ヘレス郊外にある農村、トレブヘーナでやっている
タバンコ・デル・アルテ

元々奥方の舞踊家カルメン・コルテスが
舞踊団の装置などを保管していた倉庫を改造し舞台を設置。
自らもぶどう畑をもち自家製ワインをつくるヘラルドが
そのワインを提供する小さなバーカウンターもつくり
タバンコ、
昔のヘレスの居酒屋、タバンコの雰囲気で
フラメンコを楽しめる場をつくりあげた。

この週末にはヘラルドのクラスも受けた
ベルギー人フラメンコ・ギタリスト、ミルディンが出演する。

クラリネットでジプシージャズをしていたのがきっかけで
フラメンコにはまったという彼。
その演奏は彼のホームページできくことができる。




3/24(土)21時
[出]〈g〉ミルディン
[場]カディス県トレブヘーナ タバンコ・デル・アルテ
[問]http://www.myrddinmusic.com

2012年3月18日日曜日

イスラエル・ガルバンenバルセロナ

3月22日から25日まで
イスラエル・ガルバンが
最新作「ラ・クルバ」で
バルセロナ公演を行う。



アバンギャルドなピアノと
プリミティブなカンテを
イスラエルが踊る。
イスラエルの中の最先端と原始が交差する。




★イスラエル・ガルバン「ラ・クルバ」
3/22(木)、23(金)、24(土)
[出]〈b〉イスラエル・ガルバン、〈c〉イネス・バカン、〈piano〉シルビー・クルボアジェ、〈palmas〉ボボーテ
[場]バルセロナ メルカ・デ・ラス・フローレス
[料]14〜28ユーロ
[問]http://www.mercatflors.cat

2012年3月17日土曜日

ファルキート南米公演



昨年来日し
迫力のフラメンコをみせてくれたファルキート。
4月にはアルゼンチン、チリと南米をまわる。






★ファルキート
[出]〈b〉ファルキート、バルージョ、ポリート、ヘマ・モネオ、イレーネ・ブラッシーネ、〈c〉エル・ルビオ・デ・プルーナ、ペドロ・エル・グラナイーノ、マラ・レイ、マリア・ビサラガ、〈g〉ロマン・ビセンティ、アントニオ・レイ、〈perc〉ルイス・アマドール、〈violin〉ベルナルド・パリージャ、〈piano〉ジュミトゥス
4/24(火)21時
[場]アルゼンチン ブエノスアイレス グラン・レックス
4/25(水)21時
[場]アルゼンチン ロサリオ アステンゴ財団劇場
4/26(木)
[場]アルゼンチン コルドバ オルフェオ・スペルドロモ
4/28(土)
[場]チリ サンティアゴ・デ・チリ オリエンテ劇場
4/30(月)
[場]アルゼンチン メンドーサ アウディトリオ・ブステリョ
[問]

2012年3月16日金曜日

サビーカス生誕百周年


フラメンコ・ギターの歴史を築いた
アグスティン・カルボネル“サビーカス”
1912年3月16日
北スペイン、パンプローナで生まれ、
市民戦争をさけメキシコに渡り、
1990年4月14日ニューヨークで亡くなった。

そう今日はそれからちょうど百周年。


その生地、パンプローナでは今月、来月と記念の催しが開かれる。

3/21(水)20時
講演 ノルベルト・トーレス「サビーカス 国際的なソロ奏者」
3/22(木)20時
ドキュメンタリー上映
[場]Civivox Condestable
4/15(日)13時「ミサ・フラメンカ」
[出]ヨーロピアン・ロマニ・シンフォニック・オーケストラ
[場]パンプローナ カテドラル・サンタ・マリア


パンプローナは牛追いで世界に知られる町。
彼が生まれたマニュエタ通り7番には記念碑があるという。

2012年3月15日木曜日

FVS ミラグロス・メンヒバル&アンヘレス・ガバルドン

 アンダルシア自治政府のフラメンコ公演シリーズ
FVS
フラメンコ・ビエネ・デル・スール

セビージャのセントラル劇場の火曜日。
第1回のマイテ・マルティンはヘレスにいて見逃して
第2回目の今日は
「オメナへ・ア・ラ・エスクエラ・セビジャーナ・デ・バイレ」
セビージャ派フラメンコ舞踊へのオマージュ

最初に登場したのはアンヘレス・ガバルドン。
金色のラメ入りの夜会服のような衣装でグアヒーラ。
ダビ・ラゴスの声がのびのびと
見事にグアヒーラの雰囲気をつくる。
やはり金色のアバニコを
伝統的な使い方だけでなく、音を続けざまにならしたり
背中や脇でポーズをつくったり
さまざまに工夫してつかっている。
伝統に根ざしながらも新しい地平を切り開いていこうという姿勢。正解。
ギターとカンテによるマラゲーニャを経て
背中が大きくあいた黒いバタ・デ・コーラでのシギリージャ。
カスタネットが響く。
バタ・デ・コーラのかたちも、さばく技術もすばらしい。

休憩をはさんで舞台に登場したのは
赤い花が刺繍された豪華な黒いバタ・デ・コーラに
無地の白いマントンをまとったルイサ・パリシオ。
ミラグロスの一番弟子で
若き日のミラグロスをほうふつとさせる。
美しい姿。バタ・デ・コーラさばき。
ミラグロスをクラシックなバイラオーラという人がいるが
彼女は伝統をそのままやり続けているわけではなく
自らの工夫で新しいテクニックを生み出した。
衣装やきちんと結い上げた髪などの姿かたちは古典的かもしれないが
ある意味、最も現代的なバイラオーラなのである。

続くアレグリアスではミラグロスが青緑色のバタ・デ・コーラで登場。
豪華な刺繍のマントンが美しい。
コンパスの中でふとみせるポーズ、かたちの美しさにため息。
若いルイサのようには動かずとも
なんともいえない雰囲気がある。

フィン・デ・フィエスタも楽しく

バタを満喫した一夜。

今年のヘレスのフェスティバルをみても
バタ・デ・コーラやマントンをつかう若手舞踊家は一時よりもずっと増えた。
が、その技術、またバタ・デ・コーラ自体のかたちなど
まだまだ本場セビージャに学ぶべきことも多いだろう。





13, marzo, 2012. Teatro Central, Sevilla
Homenaje a la Escuela Sevillana de Baile
baile; Ángeles Gabaldón
cante; David Lagos
guitarra; Alfredo Lagos

baile; Luisa Palicio(artista invitada),Milagros Menjibar
cante; Manolo Sevilla, Juan Reina
guitarra; Miguel Pérez





2012年3月14日水曜日

ヘレス・フェスティバル2012 批評家賞、観客賞発表

2012年ヘレスのフェスティバル、
批評家賞と観客賞が発表された。

フェスティバルを訪れた批評家、ジャーナリストたちの投票で選ばれる批評家賞に
Foto;Javier Fergo


ビジャマルタ劇場でのアンケート用紙による投票で最も高い得点を獲得した観客賞には
Foto; María Pages

ちなみにマリア・パヘスの平均得点は9.46
次点はアンドレス・ペーニャとピラール・オガージャ9.42
ロシオ・モリーナ9.42
ヘラルド・ヌニェス9.41
パストーラ・ガルバン9.14
マヌエル・リニャン9
ホアキン・グリロ9

という結果だったそう。

やはり批評家、、ジャーナリストたちによる新人賞はまだ発表されてないが、
マルコ・フローレスやマヌエル・リニャンらの名があがっている。



2012年3月13日火曜日

グラナダ国際音楽舞踊祭

第61回グラナダ国際音楽舞踊祭が
6月22日から7月8日まで開催される。

アルハンブラ宮殿の中の
カルロス5世宮殿や
ヘネラリフェ野外劇場などを舞台に繰り広げられる
世界一流のアーティストによる舞台の数々。
その中に毎年いくつかフラメンコ公演がある。

今年は
カルメン・リナーレス、オルガ・ペリセ、マリア・パヘスが出演。
人気の公演で入場券は売り切れになることも多いので
早めにゲットがおすすめ。



★第61回グラナダ国際音楽舞踊祭
6/26(火)22時30分「エンサージョ・フラメンコ」
[出]〈c〉カルメン・リナーレス、〈g〉サルバドール・グティエレス、エドゥアルド・パチェーコ、〈piano〉パブロ・スアレス、〈b〉ラファエラ・カラスコほか
[場]グラナダ カルロス5世宮殿
[料]15~40ユーロ
6/30(土)22時30分「ロサ、メタル・イ・セニサ」
[出]〈b〉オルガ・ペリセ、〈g〉アントニア・ヒメネス、ハビエル・パティーノ、〈c〉ミゲル・オルテガ、ミゲル・ラビ、ホセ・アントニオ・カルモナほか
[場]グラナダ イサベル・ラ・カトリカ劇場
[料]18、30ユーロ
7/2(月)22時30分「ユートピア」
[出]〈b〉マリア・パヘス舞踊団
[場]グラナダ ヘネラリフェ野外劇場
[料]18~40ユーロ
[問]http://www.granadafestival.org



2012年3月12日月曜日

セビージャでのヘラルド・ヌニェス、カルメン・コルテス公演中止

3月13日、14日に予定されていた
ヘラルド・ヌニェスのリサイタルと
カルメン・コルテスの公演が中止になった。

劇場側の希望ではないとあるが
前売り券の払い戻しは3月31日まで劇場窓口で行っているとのこと。

なお
15日(木)ラ・アルヘンティーナ
16日(金)ホセ・アントニオ・ロドリゲス
19日(月)ラ・モネータ「エストレモ・ホンド」
の公演は予定通り行われる。

入場券はこちらから

2012年3月11日日曜日

ヘレス・フェスティバル2012 16日目夜ホアキン・グリロ「マル・デ・フラメンコ」

いよいよ2012年のヘレス・フェスティバルも今夜で閉幕。
その舞台を飾るのはホアキン・グリロ。
「マル・デ・フラメンコ」
フラメンコの海

地球の映像が緞帳にうつしだされ
アントニオ・セラーノのピアノがながれ幕があく。
ビルジン・カナスによるトルコの伝統楽器の笛が響く。

アレグリアスだ。
白いパンタロン。
フレコ、フリンジのついたジャケットで踊るホアキン。

足に鈴をつけ
チンチン?かな、金属製のカスタネットのようなものを手に
ギターのタランタで踊りはじめる。

下手には
アラブ風のクッションに座ったミュージシャン

Foto;Javier Frgo


コンテンポラリーのダンサー、ハビエル・ペレスが
フラミンゴ(スペイン語ではフラメンコ)を踊る。

白シャツ白パンタロンのホアキンとのデュオでファルーカ
コンテンポラリーとフラメンコの対比が面白い。
Foto;Javier Frgo
Foto;Javier Frgo

ホアキンの姿の美しさ。

妹カルメン・グリロが歌うソレア・アポラー。

Foto;Javier Frgo


ミュージシャンたちによるルンバからコロンビアーナ
そしてホアキンのグアヒーラ
白い帽子に白いスーツの伊達男ぶりが秀逸
男性にとって踊られることが少ない曲だが
キューバの空気そのままに
明るくのびやかにみせてくれた


Foto;Javier Frgo

最後はブレリア。
満天の星のもと
モライートに捧げたブレリアで
フアン・レケーナがモラオのブレリアを弾き
客席から現れたホアキンは
そのファルセータそのままにサパテアードで音楽を奏でる。

超コンパス



Foto;Javier Frgo

作品としてみればつっこみどころ満載。
でもそんなことを忘れさせるほど
このブレリアが素晴らしかった。

お約束のフィン・デ・フィエスタも楽しく
16日間に渡るフラメンコの祭典は幕を閉じた



来年は2月22日から3月9日までです。

へレス・フェスティバル2012 16日目昼



フェスティバル最終日の記者会見は
(左から)
アントニオ・レアル市観光局長
マリア・ホセ・ガルシア・ペラジョ市長
マリア・アンヘレス・カラスコ/アンダルシア州フラメンコ研究所所長
イサマイ・ベナベンテ/フェスティバル・ディレクター

今年のフェスティバルの総括。

公演そのものの数が減ったので
観客数も減っているが
すべての公演、催しで平均定員の95%を記録。
クルシージョ受講者の国別内訳では
今年も日本が16%で首位。
ついでドイツ、カナダ、フランス、スペイン、アメリカなど
世界40カ国から受講生が集まった。

ホテルは全体で定員の60%。
劇場そば、つまり町中のホテルほど満員で、
また五つ星ホテルよりもオスタルの方が満員というのは、
1週間以上というクルシージョ生/長期滞在者が多いことを考えれば当然か。

来年は
2月22日から3月9日まで

さてどんなフェスティバルとなるのだろうか


2012年3月10日土曜日

ヘレス・フェスティバル15日目夜 マリア・パヘス「ユートピア」

14日目はモネータを前日にみたのでお休み。
いよいよラストスパートの15日目はマリア・パヘス。
日本でも人気のベテラン・バイラオーラ、
独自のスタイルをもっている踊り手だ。
すっきりと洗練された舞台。
照明や影を効果的につかい
フラメンコ以外の音楽を積極的にとれいれ
フラメンコのテクニックで踊る。
空間に絵を描くような長い手足の柔らかな動き。
よく訓練された群舞。
テーマ性をもった作品。

今回もそのスタイルそのままの作品だ。
アストゥリアス地方のアビレスにある
オスカー・ニーマイヤー国際文化センターと舞踊団の制作で
同センターで昨年初演されたもの。
104歳のブラジル人建築家ニーマイヤーにちなんだ仕掛けがいろいろ。
吊られた三つの紐が
場面場面で形を変え描いて行く曲線もそのひとつ。

プログラムには「8つの風景をもつ道」とある。

Foto; Jveir Fergo

最初の風景は“ユートピア”
ブラジル人ミュージシャンの弾き語りで
グレーの衣装に身を包んだ踊り手たちによる群舞。
流れるように、また寄せてはかえす波のように進んでいく。

次の風景は“会話”
男女同権とバランスをテーマに
黒の総タイツのような衣装で
マリアがチェロの伴奏でファルーカを踊る。
Foto;Javier Fergo
振り付けは元同舞踊団のホセ・バリオス。

3つめは“壊れた時”
人生のはかなさ、がテーマだそうだ。
トリージャを歌うフアン・デ・マイレーナに引き続き
薄明かりの中で群舞によるソレア。
一人ずつの小さなブレリアのソロがあったり。
歌詞にネルーダやセルバンテスをつかっているそうだが
その肝心の歌詞がよく聞き取れない。
作曲の問題?歌い手の発声?


4つ目の風景は“意識と欲望”
自分の中にある影の影を
マリアがレバニエゴのギターで赤いドレスで踊る。
Foto; Javier Fergo
ドレスは二枚重ねたようになっており
その上のたっぷりした1枚をマントンのように使うのが面白い。
ほとんど同じ位置で動かず腕と上体の動きでみせるのは彼女の十八番。
顔に布をかけたり、肩にかけたり。

“一緒に行こう、仲間たち”が5つめ。
テーマは連帯。
群舞でのアップテンポのマルティネーテ
(とプログラムにあるけどギターも入るのでシギリージャ?)

6番目“赤い道”は
タラント。
Foto; Jvier Fergo
黒と赤の衣装のマリア。

7つめの風景“そこが住みたいところ”は
グアヒーラとタンゴ。
男たちはパルマ。女たちはアバニコ。
マリアだけ大きめのペリコンをつかって。
Foto;Javier Fergo

最後は“高み”。道の終わり。
下手でブラジル人ミュージシャン囲んでルンバ風に踊る。
最後の最後は後ろにのぼりはじめの太陽のような白い半円。

アレグリアス・デ・コルドバを
マリアが白に墨で絵が描かれたバタ・デ・コーラで踊る。
バタをまきつけたりほどいたり。
Foto;Javier Fergo

 そして上体の柔らかな動き。
先ほどの深紅のドレスのときと衣装こそちがうが似た感じ。
もっとフラメンコに踊ってほしい、と思うのは贅沢か。


初演のときだったか、ラジオのインタビューにこえたえて、
「舞踊と建築はよく似ている」
と言っていたマリア。
たしかに彼女の舞台は設計図をかいてきちんとつくりあげていく感じといい、
空間処理といい、建築的な舞踊といえるだろう。
彼女の腕の描く曲線とニーマイヤーの曲線。
出会うべくして出会ったのかもしれない。